何も無いロレンシア (83レス)
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◆SbXzuGhlwpak
2019/06/01(土)03:31
ID:zJUkddjZ0(73/82)
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73: ◆SbXzuGhlwpak [sage] 2019/06/01(土) 03:31:29.76 ID:zJUkddjZ0 「俺は……オマエが不思議な力があるから……それを利用しようとして、それに……邪魔だったから、アイツ等を始末した……だけ!」 血と熱を失い、毒がまわりきったこの体。これがつむげる最期の言葉だと、静かに確信する。一文字一文字口から出こぼれるたびに、水にゆっくりとつかっていくかのような冷たい奇妙な感覚。 「オマエを助けるのは……俺が死んだのに、俺ができなかったオマエの利用を……他の奴らにされるのが、気に食わないから――」 あと少しで言い終わる時だった。冷たいこの体を、暖かくて柔らかな感触が包み込む。路地裏のすえた匂いを吹き飛ばす、甘く優しい香り。柔らかな絹のような感触が、頬をそっと撫で上げる。 抱きしめられたことに気づくのに、しばし時間がかかった。 誰かにに抱きしめられるのは初めてのことだったから。そして何より、野ざらしの死体同然のこの体を抱きしめる人がいることを、信じられなかったから。 「どうして……そんなに、強がるんですが。突き放すんですか」 同情は嫌いだ。 同情された事なら何度かあるか、手を差し伸べられたことなど一度も無いのだから。 しかし彼女は俺のために涙しながら、体が汚れることもいとわず抱きしめてくれている。暖かなぬくもりは、今にもついえそうな命をこの世につなぎとめる。 「私のために、命をかけた貴方に……どうして感謝させてくれないんです。遠ざけるんですか。私は……貴方に、死んでほしくない」 彼女は本当に悲しんでくれていた。目が見えなくとも、泣きながら紡ぎだされる言葉にのせられた想いが。重ねた体から伝わる嗚咽の震えが。蔑まれ、忌み嫌われ、傷つけらていたこの身を慈しんでくれることを教えてくれた。 嗚呼――――――――良かった。 彼女のために、[ピーーー]て良かった。 傷つけられてばかりだった。愛されようともがいても、誰かを傷つける結果ばかりだった。 傷つけるのも、傷つけられるのも。きっと俺は疲れていた。でもそれもこれで最期。ようやっと、終わ―― 「お願い。死なないで」 それが最後に耳にする言葉――のはずだった。 しかし終わりは訪れない。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1559323558/73
俺はオマエが不思議な力があるからそれを利用しようとしてそれに邪魔だったからアイツ等を始末しただけ! 血と熱を失い毒がまわりきったこの体これがつむげる最期の言葉だと静かに確信する一文字一文字口から出こぼれるたびに水にゆっくりとつかっていくかのような冷たい奇妙な感覚 オマエを助けるのは俺が死んだのに俺ができなかったオマエの利用を他の奴らにされるのが気に食わないから あと少しで言い終わる時だった冷たいこの体を暖かくて柔らかな感触が包み込む路地裏のすえた匂いを吹き飛ばす甘く優しい香り柔らかな絹のような感触が頬をそっと撫で上げる 抱きしめられたことに気づくのにしばし時間がかかった 誰かにに抱きしめられるのは初めてのことだったからそして何より野ざらしの死体同然のこの体を抱きしめる人がいることを信じられなかったから どうしてそんなに強がるんですが突き放すんですか 同情は嫌いだ 同情された事なら何度かあるか手を差し伸べられたことなど一度も無いのだから しかし彼女は俺のために涙しながら体が汚れることもいとわず抱きしめてくれている暖かなぬくもりは今にもついえそうな命をこの世につなぎとめる 私のために命をかけた貴方にどうして感謝させてくれないんです遠ざけるんですか私は貴方に死んでほしくない 彼女は本当に悲しんでくれていた目が見えなくとも泣きながら紡ぎだされる言葉にのせられた想いが重ねた体から伝わる咽の震えが蔑まれ忌み嫌われ傷つけらていたこの身を慈しんでくれることを教えてくれた 呼良かった 彼女のためにて良かった 傷つけられてばかりだった愛されようともがいても誰かを傷つける結果ばかりだった 傷つけるのも傷つけられるのもきっと俺は疲れていたでもそれもこれで最期ようやっと終わ お願い死なないで それが最後に耳にする言葉のはずだった しかし終わりは訪れない
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