キミとアタシのパラドクス (56レス)
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1: ◆RDtBw.I80b8Q [saga] 2018/12/12(水)05:05 ID:KEgMFqga0(1/20) AAS
星と翼のパラドクスの二次創作SSです。
地の文おもっくそアリ。亀さん更新予定ですが、ちゃんと完走できるよう心がけます。

外部リンク:starwing.jp
ゲーセンで好評稼働中!キミもアズワンと空を飛ぼうぜ!!
2: ◆s.EY1t64F4og [sage saga] 2018/12/12(水)05:08 ID:KEgMFqga0(2/20) AAS
なんかRに飛ばされちゃったみたいですがそのまま続けます。
3: ◆RDtBw.I80b8Q [saga] 2018/12/12(水)05:13 ID:KEgMFqga0(3/20) AAS
緩やかな水の流れの中で、波に体を揺さぶられる様な感覚に囚われる。
気がつけば俺は暗闇の中に居た。確かに瞼を開いているはずなのに、一向として外の景色は見えてこない。
それに酷く体が重い。まるで全身の血が鉛に変わってしまっのたかと思える位に。

「...き...、しっか...」

先程から、何処からともなく声が聞こえる。まだ未熟な、とても張りのある元気な声だ。
返答したいのだが、どうにも体が動かない。冬の寝起き5分間の様に、頭では分かっていても体が反応しないのだ。

「起きなさいッ、この寝坊助ヤロウ!!!」

「ぶっ」
省3
4: ◆RDtBw.I80b8Q [saga] 2018/12/12(水)05:15 ID:KEgMFqga0(4/20) AAS
「ちょ...え?ここ、何処?」

それが口を開けて、搾り出した我が第一声である。ここが自分にとって全く身に覚えのない場所だからだ。
とりあえずここに至るまでの経緯を思い出そう。そう、アレは確か...

「...俺は誰だ?」

困った事に全く思い出せない。それどころか自分の名前すら分からないじゃないか。
まるでお決まりの様な言葉を彼女に話すと、有無も言わさず脇に肩を回された。

「え?え?」
「いいからお前は今黙ってて!それ所じゃないの、見たら分かるべ!?」
OP『シャーリー、迷彩稼働時間の余裕があまり無いわ』
省4
5: ◆RDtBw.I80b8Q [saga] 2018/12/12(水)05:18 ID:KEgMFqga0(5/20) AAS
「うおっ」
「きゃあ!」

突如として爆音が鳴り響き、砂煙が視界を遮る。あまりの衝撃に俺と彼女はその場に倒れこんでしまった。

『シャーリー!?大丈夫、応答して!...デルタ班、指定ポイントに至急援...』

砂埃が収まり、俺は改めて周りを見渡す。

「なんだよ、これ...」
省12
6: ◆RDtBw.I80b8Q [saga] 2018/12/12(水)05:19 ID:KEgMFqga0(6/20) AAS
「狭くて悪いわね、元々一人用なの」
「いや、大丈夫。うん」

現在、俺は彼女を膝の上に載せている状態である。
その彼女はなにやら画面を操作している。
しかし顔色はあまりよくなく、怪我をしていない左手を動かすので精一杯のようだ。

「なあ、キミ、シャーリー?だっけ。怪我は大丈夫なのか」

シャーリー「...ごめん、今あんまり余裕ないの。後にしてくれる」

「わかった」
省6
7: ◆RDtBw.I80b8Q [saga] 2018/12/12(水)05:21 ID:KEgMFqga0(7/20) AAS
「...結構ピンチ?」

彼女は俺のその言葉に自称気味に笑うと、

シャーリー「今すぐ死ぬわけじゃないけど、このまま行ったら二人ともここでお釈迦ね」
     「マジか」
シャーリー「悪いけど気休めを言う余裕も、冗談も言う余裕も無いわ」
     「...なあ、俺の事知ってたりする?」
シャーリー「...どうやらお前には冗談を言う余裕はあるみたいね」
     「冗談なんかじゃないって!本当に自分が誰なのか分かんないんだよ」
シャーリー「取り合えず、ここから抜け出せてから考えなさい」
省13
8: ◆RDtBw.I80b8Q [saga] 2018/12/12(水)05:22 ID:KEgMFqga0(8/20) AAS
意外にも早くその時は来た。来てしまった、というのが正しいのかもしれないが。

ヴゥン

シャーリー「迷彩が切れたわ。衝撃に備えて!!」

「ッ!!!」

途端に回りに漂っていた自律ARがこちらに銃口を向けると、一斉に攻撃を始める。
外部から襲われる衝撃とともに、煩いブザー音が鳴り響き、画面いっぱいに真っ赤な文字のAlertが映し出された。
省6
9: ◆RDtBw.I80b8Q [saga] 2018/12/12(水)05:24 ID:KEgMFqga0(9/20) AAS
シャーリー「...んっ」

膝元で彼女が震える。どうやら涙がこらえられなくなったみたいだ。
よく見れば俺よりも幼いであろう彼女が、死に直面しているのに恐怖を感じ無い訳がないのだ。

こんな状況で自分の事ばかりを考えていた己に辟易する。
何か俺にやれる事はないのか。
彼女の後ろから手を回し、無意識のうちに操縦舵を握る。
それは何故かしっくりくる、体に馴染んだ動作だった。
10: ◆RDtBw.I80b8Q [saga] 2018/12/12(水)05:25 ID:KEgMFqga0(10/20) AAS
シルバー・ウォーリアー『シルバー・ウォーリアー、システムを起動します。登録アズワン、翔、認証完了しました』

「え?」

その機械音声とともに、銀色のAR、シルバーウォーリアーが機体の姿勢を変える。

シルバー・ウォーリアー『シールド被害甚大、早急な回避行動を』

「ちょちょ、シャーリちゃん、なんかやばい所触っちゃったみたいなんだが」
省7
11: ◆RDtBw.I80b8Q [saga] 2018/12/12(水)05:26 ID:KEgMFqga0(11/20) AAS
「うおおおお!?シャーリー、やばい、こrえ、どうすればいいの!?」

シャーリー「...」

目の前に座る彼女に話しかけるも、反応がない。どうやら気を失っているみたいだ。

「取り合えずさっさと逃げなきゃな...」

急激な加速で敵を置き去りにする。操縦舵を握りながら、俺は徐々に高度を上げることにした。
省7
12: ◆RDtBw.I80b8Q [saga] 2018/12/12(水)05:27 ID:KEgMFqga0(12/20) AAS
「くそッ。しつこいなぁ!」

OP『おちついて!操縦舵の左ボタンで回避を...』

オペレーターに言われる前に、体が勝手に動いていた。
ARをバレルロールの様に反転させながら、後続の敵自立ARに対面する。

『多連装誘弾 大蛇 スタンバイ』

シルバー・ウォーリアー『「ROCK ON!!!」』
省3
13: ◆RDtBw.I80b8Q [saga] 2018/12/12(水)05:33 ID:KEgMFqga0(13/20) AAS
「はぁ...」

OP『ちょっと、本当に全部撃墜するなんて...キミ、一体何者?』

俺も良くわかんないんですよ、それ。
そう口に出そうとするも、緊張からか喉がカラカラで旨く話すことが出来ない。
自分が無駄口も叩けないほどに疲弊している事に気づいた。
一先ずの危機は去った所為か、強張っていた肩の力がゆっくりと抜けていく。

後はこのオペレーターの指示に従って移動をすれば...。

しかし俺の思考を見透かすかの様に、あの不快なアラート音が再び耳に鳴り響いた。
もう聞きたくないと思ってたんだけどなあ...。
省5
14: ◆RDtBw.I80b8Q [saga] 2018/12/12(水)05:34 ID:KEgMFqga0(14/20) AAS
一先ず終了。また書き溜めます
15: 2018/12/12(水)10:07 ID:Vb9LTY1QO携(1) AAS
スレタイ見てだべーぬだと思ったらやっぱりだべーぬだった
待っててやるから、また書きなさいよね
16: ◆RDtBw.I80b8Q [saga] 2018/12/12(水)13:51 ID:KEgMFqga0(15/20) AAS
画面左下に映し出されているレーダーに、赤い点が一つ現れる。
急に出現したそれは、恐るべき速さでこちらに急接近している事が分かった。

OP『フルドライブでそこから離脱して、早く!』

オペレーターの助言どおり、俺は先程と同じ操作でARをフルドライブに移行させようとする。
しかしこの敵ARのスピード、恐らくこのARよりも...

シャーリー「駄目よ。ここまで近づかれたら、シルバーウォーリアーじゃカーディナルは振り切れない」

「シャーリー!」
省1
17: ◆RDtBw.I80b8Q [saga] 2018/12/12(水)13:52 ID:KEgMFqga0(16/20) AAS
息も絶え絶えと言った感じで彼女から出されたのは、

シャーリー「いい?よく聞きなさい。おそらく奴らの狙いはお前よ。だから、おとなしく向こうに投降すれば直ぐに命までは取られないはず」

降伏の提案であった。

「...投降したとして、シャーリーの命に保障はあるのか?」
シャーリー「それは...」

例え俺が助かったとしても、明確に敵対する彼女を、奴らはみすみす見逃してくれるのだろうか。
数秒、暗黙の空間がコックピットに広がる。
省4
18: ◆RDtBw.I80b8Q [saga] 2018/12/12(水)13:53 ID:KEgMFqga0(17/20) AAS
「カーディナルのパイロットか」

ナギ『イ・リアスタ帝国所属のナギです。どうぞお見知りおきを』

対面する向こう側から、一機の赤いARがこちらへ飛んでくる姿が見える。
あのスピードでは彼女の言うとおり、遅かれ早かれ追いつかれていただろう。

「...女子会の盗み聞きとは感心しないな?」

ナギ『ああ、これは失礼しました。声を聞く限り、男性だと思いましたが』
省3
19: ◆RDtBw.I80b8Q [saga] 2018/12/12(水)13:54 ID:KEgMFqga0(18/20) AAS
腹の足しにもならない糞みたいな会話を繰り広げながらも、俺は次に何をすべきかを考える。
一番の問題はシャーリーの容態だ。先程から肩で息をしている状態で、右腕にかけての裂傷も酷い。
このままでは、彼女は出血多量で死んでしまうだろう。

最善の手を考えなければ...。

気がつけば、カーディナルはもう目の前にいた。これでもう逃げると言う選択肢は潰えた訳だ。

「なあ、もし俺が投降したら、こっちのもう一人のARパイロットは見逃してくれるのか?」

彼女に危害さえ加えないと約束できたら、投降するのも吝かではないという意思を告げる。
ARの操作が出来なくても、後から救援に来る味方が彼女を助けてくれるだろう。
これがシャーリーが助かる、一番確実な方法ではないだろうか。
20: ◆RDtBw.I80b8Q [saga] 2018/12/12(水)13:54 ID:KEgMFqga0(19/20) AAS
画面の向こう側にいるナギは、そうですねえ、と気の抜けた返事をすると、
『まあ、僕が"今回"頼まれた仕事は正体不明のアズワンであるあなたを帝国に連れて行くことだけですので』

『そちらのもう一人のアズワンについては与り知らぬ事です』

「!!それじゃあ」

『ただ、僕らも一応帝国軍所属のアズワンですから、帝国に歯向かうアズワンをみすみす見逃す事は難しいですね。』

「...」
省3
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