中野二乃「こんすいれいぷ」 (41レス)
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1: [saga] 2018/12/02(日)11:45 ID:bVAioiv60(1/33) AAS
五等分の花嫁のssになります。R18。
不慣れなので無作法があったら申し訳ないです。
2: [saga] 2018/12/02(日)11:46 ID:bVAioiv60(2/33) AAS
「どういうことだ、これ」

 五つ子の家庭教師を始めてから、もうずいぶんと日が経った。途中、学年の切り替わりを挟む程度には。
 着任当初には非協力的だった面々が素直に教えを乞うてくれるようになったのは、純粋に嬉しく思う。そこにやり甲斐じみたなにかを感じ取れるようにもなった。
 二年の期末テストで無事全員が赤点回避を成し遂げ、俺のバイト先で祝賀会を開いたのが三月のこと。
 そして四月も暮れる今時分、俺は五つ子全員の卒業を請け負うという大役を、それなりの責任感でもって演じ切ってみせようと息巻いていたところなのだが。

「ここに来てストライキか?」
3: [saga] 2018/12/02(日)11:48 ID:bVAioiv60(3/33) AAS
 元々暮らしていた高級マンションを放り捨て、彼女たちが新生活の拠点としたアパート。今日はここで、付きっ切りで中間試験の対策をする予定を組んでいたのにも関わらず、部屋にいつもの活気はない。
 まあ、それも当然。

「みんなから遅れるって連絡をもらったわ。そのうち来ると思うから、しばらく待っててちょうだい」

 次女の二乃以外、そこには誰もいなかった。
 常に五人勢揃いが基本なので、部屋が広く感じられる。普段が狭過ぎるとも言えるが。
4: [saga] 2018/12/02(日)11:49 ID:bVAioiv60(4/33) AAS
「そういうのは俺に直接連絡するもんだろ」
「結果的に伝わったんだから同じじゃない。大丈夫よ。みんな、やる気を無くしたわけじゃないから」
「それにしたって意識が低い。先が思いやられるぞ」

 なにせ、全力で詰め込んでようやく赤点ラインを超えられるかどうかを争う連中なのだ、こいつらは。気を抜いていると、瞬く間に知能が元どおりになってしまいそうで恐ろしい。常に余裕がない状態だということを、今一度理解してもらう必要がある。
5: [saga] 2018/12/02(日)11:50 ID:bVAioiv60(5/33) AAS
「取り敢えず、座って休んでなさいよ」

 二乃に示された場所に腰を下ろす。ちゃんと刻限に間に合っているこいつを叱ったところで、得られるものはない。
 ……それにしても。

「…………」

 諸事情から、こいつと二人きりになるのは、非常に気まずい。
 可能な限りこのシチュエーションは避けて立ち回ってきたというのに、どうしてこう噛み合わせが悪いんだ。
 かたや告白した方、かたや告白された方。返事は不要と言われていても、向こうの気持ちがわかっている分、如何ともしがたい居心地の悪さはずっと抱えたままでいる。向こうがずっとケロっとしているというのも、俺がどう振る舞えばいいか分からなくさせる一因だ。
 それに、もしかしたら俺への興味なんかとうに失せていて、そのことを口にしていないだけという可能性もある。変に意識し過ぎるのは、それはそれでまずいことな気がする。
6: [saga] 2018/12/02(日)11:51 ID:bVAioiv60(6/33) AAS
「そうだ、せっかくあんたがいるんだから、私だけでも苦手なところを教わっておこうかしら」
「構わんが」

 意欲的に勉強してくれるのは助かる。モチベーション管理に関しては、正直俺じゃ完全に掌握できない。机の前に座らせる前段階をショートカット出来るなら、それはありがたいことだ。
 一番反抗的だった二乃をどうにか手懐けられたのが、この数ヶ月一番の功績だろうか。次いで全員の赤点回避。流石に逆か、これは。
 ともかく、勉強に集中していれば、雑念に囚われることはないはずだ。
 そう思って、二乃が広げたノートに目を落とす。
7: [saga] 2018/12/02(日)11:52 ID:bVAioiv60(7/33) AAS
「数学か」
「そ。点数的にも一番苦手だし」

 バツの付いた図形と方程式の問題。以前の授業で解いたものを二乃なりに復習しようと試みた形跡はあったが、それでも結局、答えにはたどり着けていない。

「略図描くからちょっと待ってろ」

 ペンを走らせて、直線と円の交差図を記す。比率が肝要だから、慣れていてもなかなか面倒な作業だ。
8: [saga] 2018/12/02(日)11:55 ID:bVAioiv60(8/33) AAS
「じゃあ今のうちに紅茶淹れるわね。砂糖は欲しい?」
「頼む」
「そう、助かるわ」

 助かる……? と一瞬クエスチョンが浮かんだが、言い間違いかなにかだろう。もしかしたら、糖分が脳の活動補助に役立つとか、そういう話かもしれない。
 なんにせよ、わざわざ聞くほどのことでもないので作図に戻る。それなりの具合に図が完成したのと、ティーカップが俺の目の前に置かれたのがほぼ同時。
「サンキュ」と短く礼を言って大きく一口煽ると、砂糖の甘い味と、苦い茶葉の味が、ゆっくり口内を満たした。
9: [saga] 2018/12/02(日)11:56 ID:bVAioiv60(9/33) AAS
「俺の分だけで良いのか?」
「……ああ、私はもう少し冷ましてから飲むわ」
「そうか?」

 二乃の分のカップが出されていなかったので不審に思う。まあ、ブルジョワな暮らしを送っていた奴だから、こだわりでもあるのだろうと考えることにした。

「じゃあ行くぞ。この類いの問題はだな、前に教えた、距離を求める、こうしき、を……」

 解説を始めたいのに、まるで呂律が回ってくれない。体に力が入ってくれない。ノートには意味をなさないぐにゃぐにゃの線が引かれて、上半身はとうとうテーブルに突っ伏す形になった。

「あんたさ、私の淹れた飲み物に警戒心なさ過ぎ」
「二乃、お前……」
「三回も同じ手に引っかかってどうするのよ」
「また、薬……」
省9
10: [saga] 2018/12/02(日)12:34 ID:bVAioiv60(10/33) AAS
「…………ん」

 目を開く。あれからどれだけ時間が経ったかは判然としないが、まだ体には強い倦怠感が残っている。前と同じ薬なのだとしたらこんな症状は初めてだから、もしかするとそこまで長く眠っていたわけではないのかもしれない。

「あ、起きた? やっぱり三回目にもなるとちょっと抗体出来るのね」
「二乃……」

 少し離れたところから聞こえる、二乃の声。
 無理して首を動かし、そちらに視線を向けてみると。

「なっ! なんでそんな格好してんだお前!」
「なんでって、汗は流したかったし」
「論点ずらしてんじゃねえよ二乃!」
「あら」
省6
11: [saga] 2018/12/02(日)12:36 ID:bVAioiv60(11/33) AAS
「ていうか待て。それ以上こっちに寄るな」
「どうして?」
「どうしてもだ!」
「良いじゃない。私の裸見るのなんて慣れたものでしょ?」

 俺で遊んでいるのか、言葉からは楽しげな雰囲気を感じる。どうにか抗いたいけれど、体がどうしようもなくポンコツなので、俺はもう流されるしかなくなっている。
12: [saga] 2018/12/02(日)12:37 ID:bVAioiv60(12/33) AAS
「それとも、照れてる?」
「なんで俺が照れなきゃならないんだよ」
「そう、なら良かった」
「……おい!」

 すぐそばで膝を折り、床に手をつき、顔をギリギリまで俺に近づける二乃。
 この距離になると、今使ってきたばかりだろうシャンプーの匂いがかなり強烈に鼻腔をくすぐってきて、もどかしい気持ちにさせられる。

「照れないんでしょ?」

 身じろぎしたらお互いの唇が触れてしまいそうな距離で、二乃が挑発的な視線を送ってくる。
 平均よりかなり大きい方であろう胸部は重力とバスタオルによる締め付けとで派手に強調され、俺の眼前に深い谷間を作っていた。
13: [saga] 2018/12/02(日)17:33 ID:bVAioiv60(13/33) AAS
「それとこれとは話が違う。いいから早くどいてくれ」
「私のお願いを聞いてくれたら、従ってあげなくもないけど」
「なんだよ、お願いって」
「ほら、ここ」
「…………」

 二乃は、自分の唇を指差して、

「キスしてくれたら、解放したげる」

 と、いたずらっぽく微笑んだ。

「冗談は成績だけにしろ」
「あら、本気よ」
省15
14: [saga] 2018/12/02(日)17:35 ID:bVAioiv60(14/33) AAS
「そうじゃねえよ。今すぐやめろ、こんなこと」
「どうして?」
「どうしてもだ」
「なら、手っ取り早く終わらせてよ」

 目をつぶって、唇をすぼめる二乃。
 そこから彼女は、ウインクの要領で器用に片目だけ開けて言う。

「ちょっと動けば、解放してあげるわよ」
「取引になってない」
「あら、なんで?」
「俺に利がないだろ」
省15
15: [saga] 2018/12/02(日)19:21 ID:bVAioiv60(15/33) AAS
 開き直ったかのように飄々と答える二乃の姿は、いっそかっこよく見える程だった。
 が、飛び出した単語のインパクトが余りにも強過ぎて、こちらはもう閉口する他なく。

「あんた、ずっと私のこと避けてるから。ここらで一度、絶対に忘れられない思い出ってやつ、作っておきたくて」
「馬鹿も休み休み……」
「もうおそーい」
「……んっ!」

 危険を察知してどうにか躱そうとしたものの、あえなくそれが不発に終わった俺は、二乃に唇を塞がれていた。

「んっ……んむ……」

 一ミリの隙間もなく繋がった状態で、俺の口内は二乃に徹底的に陵辱されている。
 歯の付け根を端から端まで無遠慮に検分してくる舌をどうにか押し返すべく、俺も舌を伸ばしてみるが、それが結果としてお互いの舌を絡み合わせる形を作ってしまった。
省1
16: [saga] 2018/12/02(日)19:22 ID:bVAioiv60(16/33) AAS
「あ、あら、乗り気じゃない」
「ちげぇよ!」

 一旦口を離した二乃に文句を言うが、言い終わるや否や、再び口の中に彼女の唾液が混じってくる。歯磨きでもしたのか、ほのかにミントが香ってきてむせそうだ。
 時折聞こえてくる唇の交わり合いから生じる淫靡な水音や、彼女の荒い呼吸音は出来るだけ聞かないようにして、今はただ、ひたすら時間が過ぎ去るのを待つ。無と一体化する。

 そして、ようやく満足したのか、二乃がゆっくりと俺から顔を離した。
17: [saga] 2018/12/02(日)22:12 ID:bVAioiv60(17/33) AAS
「ご馳走さま」
「…………」
「私、初めてだったんだけど。あんたもそう?」
「…………」
「そ。なら嬉しいわ」
「なんも言ってねえぞ」
「否定しないってことはそうなんでしょう?」
「……まあとにかく、これで解放してくれるんだろ。全部忘れてやるからさっさと服着ろ」
「は?」
「え?」
省1
18: [saga] 2018/12/02(日)22:12 ID:bVAioiv60(18/33) AAS
「キスしたら解放してくれるんじゃないのかよ」
「キス『してくれたら』ね」
「はぁ?」
「あんた、私のされるがままだったじゃない。あんなのカウントするわけないでしょ」
「……おい待て、ちょっと待て」
「ん?」
「じゃあ、これから俺はどうなるんだ?」
「言ったじゃない」

 二乃が、バスタオルの結束部分に手をやって、解く。
 出るところは出過ぎて、引っ込むところは引っ込み過ぎた、あまりに刺激の強過ぎる裸体が露わになる。
省1
19: [saga] 2018/12/02(日)22:13 ID:bVAioiv60(19/33) AAS
 俺の否やを待つでもなく、二乃の手が下半身に伸びた。無論、俺の、だ。

「ま、待て!」
「あら、口ではごちゃごちゃ言ってても体は正直ってやつかしら、これ」

 制服のスラックス越しに、体の中で一番デリケートな部分を優しく撫でられる。そんな経験はもちろん初めてなので、思わず身をよじってしまった。

「邪魔ね、これ」
「おい、待て待て待て待て!」
「あんたも、制服が汚れたら困るでしょ? クリーニングに出す替えはあるの?」
「そういう問題じゃねえよ!」

 俺の声なんかにはまるで耳を傾けず、二乃はベルト部分をかちゃかちゃいじって、ファスナーを下ろし、そのまま引き下げた。あまりに情けない光景すぎて目を覆いたくなるが、抵抗を止めるわけにもいかない。
省14
20: [saga] 2018/12/02(日)22:14 ID:bVAioiv60(20/33) AAS
 歯を食いしばって、得体の知れない何かに耐える。そうでもしないと、自身の底に渦巻く黒々とした欲望に負けてしまいそうだったから。

「……ほんと堅物よね、あんた」
「マジで勘弁してくれ……」
「嫌よ。ここまで来たら、もう何が何でも犯すから」
「お前……ふぐっ」

 言い切る前に二乃の胸が顔に覆いかぶさってきた。その質量とボリューム感に窒息しかけ、なんとか息を吸おうともがくと、自然、その柔らかさを大いに堪能することになってしまう。
 唇に押し付けられた突起部分に誤って舌を這わせると、二乃の口から甘い喘ぎが漏れた。それが演技と分かっていても、男の性として、反応してしまう部分はある。自分の流されやすさに辟易しながら、それでもどうにか首を捻って、彼女の攻勢から逃れた。
 荒れた呼吸を少しでも整えようと息を吸うが、変に気を張ってしまって上手く行かない。なんて厄日なのだろうと顔を歪める。
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