イタリア百合提督(その2)「タラントに二輪の百合の花」 (958レス)
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867: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2023/03/11(土)01:58 ID:IZkmBJHT0(1) AAS
司会「では、皆様も席に着かれたようですので会議を再開いたしたいと思います」
提督「……昨日よりは人が増えたわね」
フェリーチェ「今日の会議は昨日まとまった内容の説明も兼ねているから、地元のフィンランド国防省を始め各国の大使館からもお役人が来ているわ……ニッカネン少佐の隣に座っているのがフィンランド国防省で外務の調整を行う担当課長、その隣がフィンランド外務省のお役人。それからロシアも大使館から何人か来ているわね……」
…提督もこれまでに何回か舌を巻いた経験があるが、フェリーチェはその任務上から何人もの顔と特徴を覚えていて、その情報を小声で教えてくれる…
フェリーチェ「あの恰幅の良い丸顔はロシア大使館付きの海軍武官をやっているニコノフ大佐だけれど、あれはウォッカ浸りでただのお飾りだから気にしないで良いわ……それよりも後ろの席に腰かけている眼鏡、あれがくせ者のヴァシリーエフ少佐だから注意するようにね。聞いていないふりをして耳をそばだてているから、彼の近くではうっかりしたことをいわないように」
提督「ええ」
フェリーチェ「フランチェスカは聞き分けが良いから助かるわ」
提督「ふふっ、ありがとう♪」口元を手で隠し、耳元でささやいた……
司会「それでは、ニッカネン少佐から説明を……」
…休憩時間…
提督「ふぅ、これでだいたいの説明は終わったわね」
フェリーチェ「そうね……フランチェスカ、貴女にお客様よ」
提督「え?」
ニッカネン「カンピオーニ少将、フェリーチェ大尉……お二人ともお疲れさまでした」
提督「いえ、とんでもない。ニッカネン少佐こそあれこれ質問されて大変でしたね」
ニッカネン「まあ、いつものことですから……少将も経験があるのでは?」
提督「ええ、ローマのスーペルマリーナ(海軍最高司令部)にいた頃はしばしばでした♪」
ニッカネン「そうでしょうね……♪」
…どの国でもあまり変わらない、役人や「エライ人」へ説明する時に経験する苦労のあれこれに共感して、思わず苦笑いを浮かべる提督とニッカネン……と、そこへロシア海軍のクズネツォワ少将が副官の女性士官を連れて近寄ってきた…
クズネツォワ「……役人への説明は疲れるものだな」
提督「そうですね」
ニッカネン「……失礼、私は国防省の役人に渡さなければならない書類があるので……それではまた明日。カンピオーニ少将、クズネツォワ少将」
提督「はい、また明日」
クズネツォワ「ダスヴィダーニャ(さようなら)」
…ニッカネンが立ち去るのを見送ると、クズネツォワが提督の方を向いて視線を合わせてきた…
提督「……どうかされましたか?」
クズネツォワ「いや。単にコーヒーを取りに来ただけだ……」
提督「ああ……はい、どうぞ♪」コーヒーのポットやちょっとした菓子が置いてあるテーブルのすぐ脇に立っていたので、コーヒーカップを渡した……
クズネツォワ「スパシーバ(ありがとう)」
提督「どういたしまして……クズネツォワ少将、そちらの方は?」
クズネツォワ「ああ、彼女か……私の副官をしている、マリア・エカテリーナ・カサトノヴァ少佐だ」
カサトノヴァ「……どうぞお見知りおきを、カンピオーニ少将」
提督「こちらこそ♪」
…端正な顔立ちに淡いブルーの瞳、冬の陽光のような淡い金髪が合わさって、目立たずきっちりと職務をこなす、いかにも副官らしい副官といった雰囲気のカサトノヴァ……その綺麗な顔立ちもぱっと見ただけではそこまでの印象を残さないが、どうやらあえてそうなるようにメイクや物腰に注意しているらしい……ロシア海軍の黒い制服に身を包み、今日は三つ編みを後頭部に流したハーフアップにしている…
クズネツォワ「ところでカンピオーニ少将、さっきの会議で貴官が言っていた……」
提督「ああ、そのことですか。それなら……」
…コーヒーカップを手にクズネツォワの投げかける質問へ応じる提督と、お互い一歩下がった位置からその様子を黙って見ているフェリーチェとカサトノヴァ…
提督「……ということだと思います」相手が相手だけにしゃべっても大丈夫な情報だけを口にするよう、言葉や内容に注意しながら話す提督……
クズネツォワ「ふむ、なるほど……よく分かった。 では、また後で」
提督「ふぅぅ……」
フェリーチェ「まさか向こうから近づいて来るとはね……それにしてもフランチェスカ、さっきの受け答えは上出来だったわ」
提督「グラツィエ♪」少しおどけた態度で一礼した……
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