イタリア百合提督(その2)「タラントに二輪の百合の花」 (958レス)
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704: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2020/12/13(日)11:37 ID:f+VetOaY0(1) AAS
提督「……これだけ種類があると目移りしそうね…マリーはどれにするの?」
エクレール提督「そうですわね…わたくしはクレープにいたしますわ」
提督「そう、それじゃあ私はエクレール(エクレア)にするわ♪」にっこりと微笑み、それからさりげなくウィンクを投げた…
エクレール提督「…ま、また貴女はそうやって……///」
提督「あら、いけない?」
エクレール提督「い、いけない事はありませんわ……奇をてらったところがないだけに、最もパティシエの腕前が試されるお菓子ですもの///」
提督「ふふっ…そうよね♪」
エクレール提督「…え、ええ///」
…数分後…
提督「あら、美味しい…中のクリームも甘すぎなくて、ちょうどいいわ」
エクレール提督「それはなによりですわ…まぁパリには美食という美食が集まっておりますもの♪」
提督「ええ…少なくともカトリーナ・ディ・メディチが教えてからはね」
(※カトリーナ・ディ・メディチ…フィレンツェの名門メディチ家の出身で、フランス国王アンリ二世の王妃。フランス名はカトリーヌ・ド・メディシス。政略結婚でフランスに嫁がされ、その際にイタリアのすぐれた文化が多くフランスに持ち込まれた)
エクレール提督「また貴女はそうやって…!」
提督「まぁまぁ…そうやってイライラしているとお肌に悪いわよ?」
エクレール提督「そうなったのは一体誰のせいだと…」
提督「さぁ?」
エクレール提督「…まったく///」
提督「ふふふっ…♪」提督が笑っていると、そばの席に二人の男が座った……片方は派手な赤いジャケットに黄色のワイシャツ、青いネクタイで、もう一人は目深にかぶった帽子にものすごいあごひげで、ひしゃげた吸いさしの煙草をくわえている…
ひげの男「…やれやれ、本当にあの女の言うことを信じるつもりなのか?」
派手な男「ああそうさ……それに今回のヤマはどデカいぜぇ♪」
ひげの男「あきれかえって物も言えねぇな…だいたい「とっつぁん」が目の色を変えて追っかけて来てるって言うのによ」
派手な男「うひひ、とっつぁんは熱心だからねぇ……っと、いけねぇ」そう言うと不意に提督たちの方に声をかけてきた…
派手な男「エクスキューゼ・モア(失礼)…お嬢さん方、ちょーっとその新聞を見せて欲しいんだけどなぁ?」エクレール提督が買って持っていた「ル・モンド」を指し示した…
エクレール提督「まぁ、別に構いませんけれど…いきなりなんですの?」
提督「まぁまぁ……さ、どうぞ?」
派手な男「メルスィ♪」
…軽く礼を述べて「ル・モンド」を受け取ると、二人は紙面を広げて顔を隠すように読み始めた……と、男が新聞を広げるか広げないかのうちに、ふにゃふにゃの茶色いトレンチコートに帽子の男が通りかかった…どうやら日本人らしいコートの男は、雰囲気いい態度といい、どこからどう見ても刑事にしか見えない…
刑事「くそぉ…奴め、逃げ足だけは天下一品だ……!」肩を怒らせ、どたどたと足音も荒く通りを走っていった…
派手な男「……ぬひひ♪」
ひげの男「ははははっ…♪」
派手な男「うひひひ……っと、新聞をどうも♪」
エクレール提督「ええ…」何が何やらといった表情で、細い眉をひそめているエクレール提督……
派手な男「…それじゃあ行くかい?」
ひげの男「おう、そうだな」
…二人の男は勘定をテーブルに置くと、ひょいと横の小路を曲がった……そしてエンジンをかける音が聞こえると、目の覚めるような黄色の「メルツェデス・ベンツSSK」に乗って出てきた…
提督「すごいわね…あれ、メルツェデスのSSKよ」
エクレール提督「確かにクラシックな車のようですけれど……そんなにすごい車なんですの?」
提督「ええ、世界に数百台とない名車よ…立派な車ですね」
派手な男「いやぁ、どうも……とにかく、さっきはありがとさん♪」邪気のないウィンクを投げると、エンジン音を響かせて走り去っていった…
エクレール提督「なんだか知りませんが、変わった方でしたわ……」そう言って丸められた「ル・モンド」を開くと、中に一輪のバラが仕込まれていた…
エクレール提督「まぁ…驚きましたわね」
提督「…なかなかお洒落なことをするわね、私も見習おうかしら♪」
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