イタリア百合提督(その2)「タラントに二輪の百合の花」 (962レス)
イタリア百合提督(その2)「タラントに二輪の百合の花」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/
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698: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2020/11/30(月) 02:19:11.33 ID:0EK9Te0B0 …食後… 提督「ふぅ…美味しかったのはいいけれど、思っていたより食べちゃったわね……」 アッチアイーオ「いっつもそんなこと言ってるじゃない、少しは加減したらどうなの?」 提督「…言ってくれるわね」 デルフィーノ「まぁまぁ…食べた分だけちゃんと運動すれば大丈夫ですよぅ」 ドリア「うふふっ、提督はそれが出来ないからお悩みなのですよ…デルフィーノ♪」 提督「むぅぅ…」 エリトレア「……それじゃあ、身近な所から始めてみたらどうでしょうかっ♪」 提督「あら、エリトレア…えぇと、その「身近な所」ってどういう意味かしら?」 エリトレア「はいっ、そのことですが…家事は意外と身体を使いますし、腹筋や腕立て伏せみたいにだらだら汗を流して……と言うわけでもありませんから、こまめに身体を動かすにはいいと思うのですが…どうでしょうか、提督っ♪」 提督「なるほど、なかなかいい考えかもしれないわね…♪」 エリトレア「そうですか…では洗い物もいっぱいありますし、まずはお皿洗いなんてどうですかっ?」 提督「……本当はそれが狙いね?」 エリトレア「あらら、バレちゃいましたか…」 提督「もう…そんな手を使わなくたって、必要なら手伝ってあげるわよ♪」ウィンクをすると椅子から立ち上がり、タートルネックの袖をまくり上げた… エリトレア「ありがとうございますっ♪」 ディアナ「あ、でしたらわたくしも…」 提督「いいのよ、ディアナは今日の主役なんだから…ゆっくりしていて?」さっと立ち上がろうとするディアナを軽く押さえてにっこりした… ディアナ「恐れ入ります…」 提督「さぁ、それじゃあ頑張りましょうか♪」 エリトレア「はいっ♪」 …数十分後… 提督「ふー…やっと終わったわね」 エリトレア「今日は特にお皿が多かったので、大変でしたねっ」数人が当番として手伝ってくれたとはいえ、かなりの作業だった後片付け……にも関わらず、いつも通りの屈託ない笑顔を見せるエリトレア… 提督「まぁ、美味しいごちそうを食べるためにはやむを得ないわね…」 アッチアイーオ「提督、門の所に訪問者よ……誰だか知らないけれど、つなぎを着た女の子が古めかしいトレーラーで来てるわ」 提督「トレーラー…? あぁ、はいはい」 アッチアイーオ「入れていいのね?」 提督「ええ、いいわ……ディアナ、来たわよ♪」 ディアナ「あら…♪」 …鎮守府・管理棟前… エミーリア「はーい、海軍さん…ご注文の品のお届けに上がったわよ♪」つなぎ姿のエミーリアは、戦前のモデルと思われる骨董品のトレーラートラックから「よっ…!」と飛び降り、後ろの道板を下ろした… 提督「まぁ、これはまたずいぶんと……戦前のOM?」(※オフィシーネ・メカニケ…戦前〜1970年代に「イヴェコ」へ統合されるまで長くトラック等を作っていた自動車メーカー) エミーリア「そ、ひいお祖父ちゃんの代からずーっとうちで使ってるトレーラーなの…もちろんパワーステアリングとかエアコンなんてないし、ウィンカーだって「窓から腕を振る」スタイルだけど、これだけ古いと逆に目立つから、結構いい広告になるのよ?」 提督「確かにそうでしょうね…」 エミーリア「…それじゃあ降ろすからね」フィアットの運転席に乗り込むと、ゆっくりバックさせてトレーラーから降ろした… ディアナ「ありがとうございます」 エミーリア「いいのよ、あなたの就役記念日なんでしょ? おめでとう!」そう言うとつなぎのポケットに隠していたクラッカーを取り出して「パンッ!」と鳴らした… ディアナ「まぁ…♪」 エミーリア「それじゃあ、これからもうちのガレージをよろしくね!」 ディアナ「こちらこそ」 提督「…良かったわね、ディアナ♪」 ディアナ「はい」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/698
699: ◆b0M46H9tf98h [saga] 2020/12/06(日) 02:23:32.05 ID:2nlRcBMt0 …数日後・提督私室… 提督「うーん…」 アッチアイーオ(常温)「提督、一体どうしたのよ? 冬物の服を見ながら考え込んじゃって」 提督「いえ、それがね…ここに着任した時は春だったから、冬物を箱に詰めて来たのだけれど…その時に整理を兼ねてハンガーを捨てたりあげちゃったりしたものだから……こうして冬物を出したら本数が足りなくなっちゃって…」ロングコートにマフラー、厚手のセーターやカーディガンといった冬物を広げて、少し困り顔の提督…… アッチアイーオ「だったら誰かから借りればいいじゃない…エウジェニオあたりならお洒落にもうるさいし、ハンガーの数本くらい持っているんじゃないの?」 提督「まぁ、今だけならそれでもいいのだけれど……でも、これから冬の間ずーっと借りっぱなし…っていう訳にもいかないじゃない?」 アッチアイーオ「まぁ、そうよね…じゃあ買いに行けば?」 提督「んー……そうね、そうするわ。 それじゃあアッチアイーオ、一緒に行かない?」 アッチアイーオ「私はいいわ…その分、秘書艦として留守はしておいてあげるから」 提督「そう…それじゃあ留守はよろしくね♪」ちゅっ…♪ アッチアイーオ(温)「も、もうっ…いきなりしないでって言ってるでしょ///」 提督「ふふっ……それじゃあ何かお土産を買ってきてあげるから…ね♪」 アッチアイーオ「い、いらないわよ! …提督がキスしてくれれば……それでいいし…///」 提督「ふふふっ、了解♪」 …玄関… ディアナ「あら、提督…お出かけですか?」 提督「ええ。ちょっと「近くの町」まで買い物に行こうと思って……ディアナは?」 ディアナ「まぁ、奇遇でございますね…実はわたくしも、ちょうどお買い物に行こうと思って準備を整えた所でして…それに、せっかく自動車も買ったわけですし、少々試し乗りも兼ねて……と言うわけでございます」そう言うと、少し照れたような笑みを浮かべた… 提督「なるほど、いいじゃない♪」 ディアナ「はい……あ、一つ良い考えを思いついたのですが」 提督「いい考え?」 ディアナ「ええ…よろしければ、提督もわたくしのフィアットにお乗りになっては?」 提督「ディアナ、そう言ってくれるのは嬉しいけれど……始めて同乗するのが私でいいの?」 ディアナ「もちろんでございます…いかがでございましょう?」 提督「そうね……ディアナが乗せてくれるなら、喜んで♪」 ディアナ「では、決まりでございますね」 …数分後… 提督「……さてと、それじゃあ留守はよろしくね?」 デルフィーノの声「了解です、気をつけて行ってきて下さいねぇ♪」提督はインターホンのカメラ越しに当番のデルフィーノに手を振りつつ正門を開け、門を出た所でデルフィーノにロックを操作してもらうと、ちゃんと施錠されたことを確認した… 提督「これでよし…と♪」 ディアナ「…では、よしなに参りましょう♪」ブォ…ン、ブロロロ…ッ! 提督「…っ!?」 …提督がドアを閉めてシートベルトを締めたことを確認すると、ディアナは一気にフィアットのアクセルを吹かした……手早くギアをトップに入れると、十秒もしないうちに速度計の針が百キロを越えた… 提督「ね、ねぇ…ディアナ」 ディアナ「はい、何でございましょう」 提督「いえ、その……少し飛ばしすぎじゃないかしら?」 …外見こそノーマルの物とあまり変わらない、ディアナの小さな「フィアット850」ではあるが、中身は「アバルト」仕様で手を加えてあるので、ものすごいスピードで海沿いの道路を疾走する……もちろん提督も自分の「ランチア・フラミニア」でなら100キロなど何と言うこともないのだが、大柄ですわりのいいランチアに比べて小さいフィアット850だけに身体の振られ方や車体の傾きが激しく、同時に自分で運転していない分だけ他の事に意識が向き、より速度が出ているように感じる… ディアナ「…そうでしょうか?」 提督「ええ……120キロは出ているわよ」 ディアナ「さようにございますね」にこにこしながらハンドルをさばきつつ、一流ドライバー並にコーナーをクリアしていく…… 提督「…」(「高速スループ」だけあって、ディアナは車に乗るとスピードが抑えられないタイプなのかしら…?) ディアナ「ふふふ、運転というのは楽しいものでございますね…♪」 提督「え、えぇ……そうね」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/699
700: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2020/12/08(火) 02:10:25.91 ID:LWvTy/0w0 …数時間後… リットリオ「あ、お帰りなさいっ♪」提督が帰ってくると、玄関先で待っていたリットリオが飛びついてきた……割と長身の提督よりもさらに頭一つ分は大きいリットリオに抱きつかれて、ちょうど胸の間に顔が埋まった…… 提督「んむっ……///」 リットリオ「ふふふっ、提督が帰ってくるのを待っていたんですよっ…♪」 提督「んんぅ、むふぅ……ぷはぁ♪ …もう、リットリオってば♪」 リットリオ「えへへっ…それで、ディアナとのドライブはどうでした?」 提督「あー……次回からは遠慮させてもらいたいわね」 リットリオ「え? でもディアナは運転が上手だって話でしたよ?」 提督「ええ、確かに上手ではあるわよ……でもスピードが…」 リットリオ「なるほど、そういうことですか」 提督「ええ…普通なら十分や十五分はかかるっていう道のりを半分くらいに縮めるんだもの……ちょっと冷や汗が出たわ」 リットリオ「それは大変でしたねぇ……私がヴィットリオやローマとお出かけするときは、そこまで出しませんから♪」 提督「それがいいわ…」 リットリオ「…あ、そういえば」 提督「なぁに?」 リットリオ「この間「近くの町」にお買い物に行ったとき、ちょっと変わった人を見かけたんですよ♪」 提督「変わった人?」 リットリオ「はい…町のカフェでコーヒーを飲んでいた時なんですが、クリーム色のチンクエチェント(フィアット500)に乗った人が通りかかって……」 ……… …しばらく前… リットリオ「はー…お買い物、楽しかったですねぇ♪」 ヴィットリオ・ヴェネト「そうですね、姉さま……でも、少し喉が渇きました」 ローマ「なら、カフェで休憩でもしていきませんか?」 リットリオ「はーい、それじゃあそうしましょう♪」ちょうど道端のカフェを見つけると真っ赤なフィアット500を多少ぎこちなく停めた… …数分後… ローマ「…リットリオ姉様、口の端にクリームが付いていますよ?」 リットリオ「本当? …それじゃあローマ、取って♪」テーブル越しに顔を近づける… ローマ「も、もう……仕方ないですね…あむっ///」 ヴィットリオ・ヴェネト「ふふ、リットリオ姉さまってば…」と、不意にテーブルに男が近寄ってきた… 男「やぁ、お嬢さん方…♪」 …リットリオたちに声をかけてきた愉快そうな顔をしたいがぐり頭の男は赤いジャケットに青いワイシャツ、黄色のネクタイ…と、ど派手な格好をしていて、そばにはカスタードクリームのような色をしたチンクエチェントが停まっている……車体には帽子を目深にかぶった立派なあごひげの男がもたれかかり、吸いさしの煙草をくわえている… リットリオ「はい、何でしょう?」 派手な男「いやぁ、ちょーっと火を貸してもらえたら……と思ったんだけどなぁ♪」ちょっと軽い三枚目といった口調で、派手なウィンクを投げて来た…が、それほど悪い人間には見えない… ローマ「済みません、あいにく煙草はたしなまないもので」 派手な男「あらぁ〜、それはごめんなさいねぇ……ところでそこのチンクエチェント、あれは君の車?」 リットリオ「はい、そうですよ」 派手な男「そっか…大事にしてるねぇ」 リットリオ「ええ、もちろんです♪」 ひげの男「……おい、いつまで油を売っているつもりだよ?」 派手な男「そう言うなよ……それじゃあお嬢さん方、チャオ♪」そう言うとクリーム色のチンクエチェントに飛び乗り走り去っていった… ヴェネト「なんだか面白い感じの人でしたねぇ♪」 ローマ「そうね、ちょっと軽い感じだけれど……」ローマがそう言いかけた時、イタリア財務警察のパトカーが数台、甲高いサイレンを鳴らして青い回転灯を回しながらカフェの前を通過していった…… リットリオ「そうですね…さ、コーヒーは飲み終わりました?」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/700
701: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage] 2020/12/08(火) 20:13:36.04 ID:bI5zaUi6O 久しぶりにその1から読み直してたけどグレイ提督がだんだん金髪ギブソンタックの某妖怪紅茶格言ババアの声でされるようになってしまった... http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/701
702: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2020/12/11(金) 03:29:59.34 ID:dfwfGMK00 >>701 振り返ってみるとあちこちに誤記や設定の矛盾があって恥ずかしい限りですが、読み返して感想まで下さる方がいて嬉しい限りです……最近色々と忙しく、更新が滞りがちなので、そうして読み返しながらお待ちいただければ幸いです …あの髪型は「ギブソンタック」と言うのですね、知らなかったのでためになりました……それと「妖怪紅茶格言ババア」呼ばわりなどすると、家にパンジャンドラムが放り込まれたり、チャーチル歩兵直協戦車のゲテモノ派生型が突っ込んで来たりするかもしれませんよ…くわばらくわばら ……この後は「横須賀第二鎮守府」に戻った百合姫提督の様子でも書こうかと思っていますが、帝国海軍の艦にはなかなかエピソードも多いので、資料を読みつつどの艦をキャラクターとして使うか思案中です…個人的には松型駆逐艦や、普段はなかなか目立たない補助艦艇、護衛艦艇を中心に出して行きたい所存です……もし出して欲しい艦があれば、いつでもリクエストを下さいね http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/702
703: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2020/12/12(土) 03:01:30.79 ID:OMqTK5j60 リットリオ「…と言うわけで、なんだか面白そうな人でした♪」 提督「なるほどね……うーん……」 リットリオ「どうしました、提督?」 提督「いえ…その特徴をした男の人、どこかで見かけたことがある気がするのだけれど……あ!」こめかみに手を当てて考えていたが、ふいにすっとんきょうな声をあげた… リットリオ「思い出しましたか?」 提督「ええ、まだ私がパリ駐在の海軍武官付連絡将校だったころよ…まだ駆け出しの中尉で、マリーとも知り合って間もない頃ね♪」 リットリオ「そのお話、ぜひ聞きたいです♪」 提督「それじゃあ立ち話もなんだし、食堂で話すとしましょうか♪」 …食堂… 提督「さてと…」何だかんだで非番の艦娘たちが良く集まってお茶とお菓子を楽しんだり、おしゃべりに興じている食堂……提督が座ると面白い話でも聞こうと、三々五々と集まってくる… ライモン「あ、提督……お帰りなさい」さきほどまで当直で作戦室に詰めていたライモン……ずっとレーダー画面を見ていたせいか、しきりにまばたきしている… 提督「ええ、ただいま…はい、お土産♪」町の小さな菓子店で買ってきた、クッキーの小袋を渡した… ライモン「ありがとうございます」 提督「ノン・ファ・ニエンテ(いいのよ)…大丈夫、みんなにも買ってきたわよ♪」 …小脇に抱えていた大きな紙袋をがさごそと開けて、チョコレートやアーモンド入りのクッキー、小さなピスタチオ入りケーキを取り出して大皿に並べる提督……ほとんどは買ったものだが、お菓子屋の主人であるほっそりしたおじさんと、その奥さんである愛想のいいおばさんは「お得意様」である鎮守府に、欠けたり割れたりした焼菓子や、少し崩れたムースやら飾りのサクランボが取れたカンノーロやらををたくさんおまけしてくれた… カルロ・ミラベロ「ふふ、ありがとう…でも、私はもっと甘いものが食べたいの♪」 アウグスト・リボティ「そう…舐めるとあまーい蜜がいっぱい滴ってくるような……ね?」ねちっこい妖しい手つきで提督にまとわりつく二人… 提督「ふふっ、それは夜のお愉しみに取っておきましょうね……♪」 エリトレア「はいはーい、みなさーん♪ お茶を淹れましたから、飲みたい方は自分で注いで下さいねっ♪」 提督「ふふ、ちょうどタイミングね…それじゃあ……」 ライモン「提督のはわたしが持ってきますから、どうぞ座っていて下さい」 提督「あら、ありがとう……ちゅっ♪」 ライモン「も、もうっ…///」 提督「…さてと、リットリオたちが会ったっていう男の人だけれど……」みんなにリットリオの話のあらましを伝えると、紅茶を一口すすってから続けた… ……… …十年ほど前・パリ… カンピオーニ中尉(提督)「ふぅ……まったく」 エクレール中尉(エクレール提督)「…そういうこともありますわ」 提督「そうは言ってもね……「ブリエンヌ館」(フランス防衛省…パリ七区)に行けば書類を渡す相手がいるって言われたのに、行き違いで「オテル(ホテル)・ドゥ・ラ・マリーヌ」(フランス海軍参謀本部…パリ八区)に行かなきゃいけないなんて…まったく」 エクレール提督「まぁ、でも良いではありませんの…パリ七区に八区と言えば「オテル・ドゥ・ザンヴァリッド(アンヴァリッド…廃兵院。古くは傷病兵の施設だった。軍事博物館(ミュゼー・ドゥ・ラルメー)が併設されており、ナポレオン・ボナパルトの棺もある)」に「コンコルド広場」「オルセー美術館」「グラン・パレ(パリ万博会場で現在は展示場兼美術館)」…他にもあまたの名所旧跡のある世界遺産ですもの。書類を渡し終えたら、わたくしが案内して差し上げますわ♪」 …セーヌ川を挟んで向かい合わせの位置にあり、どちらも高級商業地区と官庁街であるパリ七区と八区……ルノーやシトロエンが行き交う橋の歩道を連れだって歩きながら、自慢げに言うエクレール提督… 提督「世界遺産だって言うのならローマだってそうよ……それにプロヴァンス娘の貴女にパリの案内が出来るのかしら♪」 エクレール提督「この、言わせておけば…!」 提督「ふふっ、冗談よ」 エクレール提督「…世の中には言って良いことと悪いことと言うものがありますわ」 提督「悪かったわ……代わりに今夜はたくさん愛してあげるから…ね?」 エクレール提督「こ、こんな所でそういうことを言うものではありませんわ…っ///」 提督「ふふっ、それじゃあカフェでお茶でもごちそうしてあげる…♪」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/703
704: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2020/12/13(日) 11:37:08.65 ID:f+VetOaY0 提督「……これだけ種類があると目移りしそうね…マリーはどれにするの?」 エクレール提督「そうですわね…わたくしはクレープにいたしますわ」 提督「そう、それじゃあ私はエクレール(エクレア)にするわ♪」にっこりと微笑み、それからさりげなくウィンクを投げた… エクレール提督「…ま、また貴女はそうやって……///」 提督「あら、いけない?」 エクレール提督「い、いけない事はありませんわ……奇をてらったところがないだけに、最もパティシエの腕前が試されるお菓子ですもの///」 提督「ふふっ…そうよね♪」 エクレール提督「…え、ええ///」 …数分後… 提督「あら、美味しい…中のクリームも甘すぎなくて、ちょうどいいわ」 エクレール提督「それはなによりですわ…まぁパリには美食という美食が集まっておりますもの♪」 提督「ええ…少なくともカトリーナ・ディ・メディチが教えてからはね」 (※カトリーナ・ディ・メディチ…フィレンツェの名門メディチ家の出身で、フランス国王アンリ二世の王妃。フランス名はカトリーヌ・ド・メディシス。政略結婚でフランスに嫁がされ、その際にイタリアのすぐれた文化が多くフランスに持ち込まれた) エクレール提督「また貴女はそうやって…!」 提督「まぁまぁ…そうやってイライラしているとお肌に悪いわよ?」 エクレール提督「そうなったのは一体誰のせいだと…」 提督「さぁ?」 エクレール提督「…まったく///」 提督「ふふふっ…♪」提督が笑っていると、そばの席に二人の男が座った……片方は派手な赤いジャケットに黄色のワイシャツ、青いネクタイで、もう一人は目深にかぶった帽子にものすごいあごひげで、ひしゃげた吸いさしの煙草をくわえている… ひげの男「…やれやれ、本当にあの女の言うことを信じるつもりなのか?」 派手な男「ああそうさ……それに今回のヤマはどデカいぜぇ♪」 ひげの男「あきれかえって物も言えねぇな…だいたい「とっつぁん」が目の色を変えて追っかけて来てるって言うのによ」 派手な男「うひひ、とっつぁんは熱心だからねぇ……っと、いけねぇ」そう言うと不意に提督たちの方に声をかけてきた… 派手な男「エクスキューゼ・モア(失礼)…お嬢さん方、ちょーっとその新聞を見せて欲しいんだけどなぁ?」エクレール提督が買って持っていた「ル・モンド」を指し示した… エクレール提督「まぁ、別に構いませんけれど…いきなりなんですの?」 提督「まぁまぁ……さ、どうぞ?」 派手な男「メルスィ♪」 …軽く礼を述べて「ル・モンド」を受け取ると、二人は紙面を広げて顔を隠すように読み始めた……と、男が新聞を広げるか広げないかのうちに、ふにゃふにゃの茶色いトレンチコートに帽子の男が通りかかった…どうやら日本人らしいコートの男は、雰囲気いい態度といい、どこからどう見ても刑事にしか見えない… 刑事「くそぉ…奴め、逃げ足だけは天下一品だ……!」肩を怒らせ、どたどたと足音も荒く通りを走っていった… 派手な男「……ぬひひ♪」 ひげの男「ははははっ…♪」 派手な男「うひひひ……っと、新聞をどうも♪」 エクレール提督「ええ…」何が何やらといった表情で、細い眉をひそめているエクレール提督…… 派手な男「…それじゃあ行くかい?」 ひげの男「おう、そうだな」 …二人の男は勘定をテーブルに置くと、ひょいと横の小路を曲がった……そしてエンジンをかける音が聞こえると、目の覚めるような黄色の「メルツェデス・ベンツSSK」に乗って出てきた… 提督「すごいわね…あれ、メルツェデスのSSKよ」 エクレール提督「確かにクラシックな車のようですけれど……そんなにすごい車なんですの?」 提督「ええ、世界に数百台とない名車よ…立派な車ですね」 派手な男「いやぁ、どうも……とにかく、さっきはありがとさん♪」邪気のないウィンクを投げると、エンジン音を響かせて走り去っていった… エクレール提督「なんだか知りませんが、変わった方でしたわ……」そう言って丸められた「ル・モンド」を開くと、中に一輪のバラが仕込まれていた… エクレール提督「まぁ…驚きましたわね」 提督「…なかなかお洒落なことをするわね、私も見習おうかしら♪」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/704
705: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage] 2020/12/18(金) 18:27:06.81 ID:PNcM2sITO アバルトの850ベルリーナとはまたオシャレなイタリア車を... アバルトは元のフィアットの可愛さを残したままレーシーに仕上がってるので私も大好きです。私の愛車のアバルト1000もよく走る、よく曲がる、よく壊れるの3拍子ですが手を掛ければかけるほど愛情と愛着が沸きとても可愛いです。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/705
706: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2020/12/19(土) 00:26:07.47 ID:yfdtbr+t0 >>705 まずはコメントありがとうございます、それにしてもアバルト1000に乗っておられるなんてお洒落ですね! 当初はセイチェント(フィアット600)やフィアット127、あるいはいっそスポーティでとても格好いい「ランチア・アウレリア・スパイダー」にしようかとも考えていましたが、ディアナがお買い物にも使えて、なおかつスピードの出る一台を選ぶなら……と考えて850にしてみました。小さい丸っこい見た目でよく走る、イタリアの街角に似合いの一台といったイメージですね …イタリア車というと、一時期は工員がライン上の車でお昼を食べたり休憩したりして「弁当がオマケについてくる」なんて言われたこともあったそうですが……メンテナンスフリーといった感じの日本車と違って「自分でメンテナンス出来る人が手をかけて楽しむ」イメージがありますね http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/706
707: ◆b0M46H9tf98h [saga] 2020/12/19(土) 01:24:01.28 ID:yfdtbr+t0 ……… … 提督「…って言うことがあったから、たぶん同じ人じゃないかしら?」 リットリオ「きっとそうですね♪」 提督「ね……って、あら」首から提げている携帯電話が「ヴーッ、ヴーッ…!」とうなりだした…… ライモン「電話ですね…どなたでしょうか?」 提督「えぇと…あ、姫からだわ♪」嬉しそうにいそいそと電話を取る提督… 提督「…もしもし、姫?」 百合姫提督の声「ええ、フランカ……電話をするのが遅くなっちゃってごめんなさい、本当は成田に着いたらすぐに連絡したかったのだけれど…この数日はちょっとバタバタしていたものだから……それにこっちが忙しくない時間にかけようとすると、そっちは時差で夜中になっちゃうし…ごめんなさいね?」 提督「ノン・ファ・ニエンテ(いいのよ)…それより、姫の声が聞けて嬉しいわ……まるで天上の音楽みたいね♪」 百合姫提督「も、もう…またそうやって……///」 提督「ふふふっ…ところで、そっちはどう?」 百合姫提督「そうね。みんながよく留守をしていてくれたおかげで、問題はあまりなかったわ」 提督「それはなによりね…良かったら横須賀に戻ったときの話を聞かせてくれる?」 百合姫提督「ええ、でも長話になってしまいそうだけれど……大丈夫?」 提督「構わないわ…姫の方こそ国際電話でしょう? 主計部か何かに「通話料が高い」とか何とか、ねちねち言われたりしない?」 百合姫提督「そうねぇ、それは一応大丈夫だと思うわ……」 提督「そう、それなら安心ね♪ それじゃあ、そっちの話を聞かせて?」 百合姫提督「ええ、今話すわね……」 …数日前・成田空港第一ターミナル… 足柄「ふぅぅ…やっと着いたわね」 百合姫提督「疲れた?」 足柄「まさか……もっとも、まだ飛行機の旅は慣れないわね」 龍田「そうねぇ…お日様が後から着いてきたりとか、夕焼けからお昼になったりとか……」 足柄「ね……面白いから見ていたかったんだけど、カーテンを閉めるように言われちゃって残念だったわ」 百合姫提督「確かに国際線の飛行機じゃないと出来ない体験だけれど、あれを見ていると時差ボケがひどくなるから……仕方ないわ」 足柄「そうらしいわね……それに機内食もなかなかだったわよ。とはいえ、タラントの食事に比べれば「月とすっぽん」ってところだけど…」 百合姫提督「ふふ、無理を言っちゃだめよ…何しろエコノミーだもの」 …今回の「交換プログラム」には百合姫提督の他に「横鎮(横須賀鎮守府)」からもう一人、そして「呉鎮(呉鎮守府)」「佐鎮(佐世保鎮守府)」「舞鎮(舞鶴鎮守府)」から二人ずつの都合八人と、その随行の艦娘たちがイタリアやイギリス、フランスへと派遣されていた……となると、ファーストクラスはおろかビジネスクラスでも予算がかかりすぎる……結局、エコノミークラスで少々疲れる飛行機の旅をすることになった百合姫提督たち… 足柄「まぁそうよね……いいわ、戻ったら好きなだけ寝ればいいんだものね」 百合姫提督「そういうこと……さ、行きましょうか」…PKO参加の部隊や国際貢献活動からの帰還と違って、大仰な「帰国式」だの「旗を振ってのお出迎え」だのといった物もないので、入国審査を済ませた後はむしろ気楽な気分で電車に乗り込んだ…… …電車内… 龍田「…ところで、提督」 百合姫提督「なぁに?」 龍田「結局鎮守府には列車で戻るの?」 百合姫提督「あぁ、そのことね……実はね、横須賀線だと遠回りになるから千葉港までうちの「十七メートル内火艇」が迎えに来てくれるって」 (※十七米内火艇…戦艦・一等巡洋艦(重巡)クラス搭載のモーターランチ。軽快で後部に甲板室を設けている事から「長官艇」としてもよく用いられた。速度およそ十五ノット) 足柄「それはありがたいわね」 百合姫提督「そうね…♪」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/707
708: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2020/12/20(日) 02:54:27.29 ID:+uJOkREP0 …千葉駅… 百合姫提督「さてと、ようやく着いたわね」 足柄「着いちゃったわねぇ……それにしても、どうして今の日本はコンクリートとガラスの建物ばっかりで、しかも統一感がなくってごちゃごちゃしているのかしらね」駅のホームからを見える街の様子を眺めてため息をついた… 龍田「そうねぇ…それでいてお店はみんな似たようなチェーン店ばっかりだものね」 足柄「まったくよ…そりゃ向こうにもゴミが散らかっている場所だってあったし、スプレーの落書きがひどい場所なんかもあったわよ? でもこうやって戻ってきてあっちに比べると、どこの駅前もそっけないコンクリートとガラスのビルばっかりで嫌になるわ……我が国だって大正年間にはもっとこう…レンガと装飾のあるハイカラな建物があったじゃない」 百合姫提督「そうね、私もそんな時代を見てみたかったわ…確かにイタリアはすぐ水道が詰まったり、アパートには階段しかない…なんて不便なところもあったけれど……でも「ただ古い」だけじゃなくて、歴史を大事にした綺麗な建物が多かったわね」 足柄「ほんと、そういうところなのよね」 百合姫提督「そうね…」 龍田「……それはそうとして、千葉港まではどうやって行くのかしら?」 百合姫提督「あぁ、それならモノレールがあるから…それで行きましょう」 足柄「へぇ、モノレールってあのぶら下がったりまたがったりしてるやつでしょ?」 百合姫提督「ええ、そうよ」 足柄「私はまだ乗ったことないわ…面白そうね♪」 百合姫提督「ふふ、気に入ってくれるといいのだけれど……と、その前に」 足柄「なに?」 百合姫提督「せっかくだからここでお弁当でも買っていきましょうか……港に内火艇が来るまでもうしばらくかかるし」 龍田「それがいいわねぇ」 足柄「いいわね、もうお昼に近いし……言われてみればお腹も減ったわ」 百合姫提督「それじゃあ決まりね…♪」 …千葉都市モノレール… 足柄「うわ、思ってたよりもつなぎ目のところでガタガタ揺れるのね……しかも結構加速するし、ぶら下がってるから変な気分」 百合姫提督「…驚いた?」 足柄「そりゃあ私がフネの形で「産まれた」頃にはなかったもの…まぁ路面電車の方がロマンがあると思うけれど、眺めはこっちの方がいいわね」 百合姫提督「そうね…ちなみにここのモノレールは世界で一番長い「懸垂式」のモノレールなんですって」 足柄「へぇ、そうなの」 …しばらくして・千葉港… 足柄「……あぁ、いい風…青くって穏やかな地中海も良かったけど、やっぱりこっちの海の方が落ち着くわねぇ」 龍田「そうねぇ、風の匂いも波の音も……全てが懐かしいわぁ」 百合姫提督「ふふ…それじゃあ懐かしい海を見ながらお昼にしましょうか」 …港を望む「千葉ポートタワー」とその周辺に広がる公園……薫る海風を受け、周囲に広がる東京湾と沿岸の工業地帯を眺めるベンチに腰をかけた……百合姫提督が袋から取り出したのは千葉駅の名物「はまぐり飯」の駅弁で、大きな瀬戸物で出来たハマグリ型の入れ物を開けると、中には醤油で炊き込んだご飯に甘辛いハマグリのむき身が散りばめられたものが入っている… (※はまぐり弁当…以前は千葉駅にある「万葉軒」の名物だったが、外房線・内房線を使った観光客が減ったためか今では販売されていない) 足柄「あら、美味しそうじゃない」 百合姫提督「それと、ついでにこれも…はい♪」串に刺して焼き、甘辛く味付けした焼き鳥のような「はまぐり串」を差し出した… 龍田「ふぅ……洋食も悪くはなかったけれど、やっぱりご飯と醤油の味は落ち着くわねぇ」 足柄「そう? 私はイタリヤ料理だって好きだけれど?」神戸生まれのハイカラさんで「スピットヘッド観艦式」への参加と欧州歴訪経験もある足柄らしく、少々得意げに言った… 龍田「相変わらずバタ臭いことを言っているわねぇ…」(※バタ臭い…バターの匂いをさせていることから転じて「ヨーロッパ風」あるいは「欧州かぶれ」のこと) 足柄「バタ臭いとは失礼ね」 百合姫提督「ふふふ、まぁまぁ……♪」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/708
709: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2020/12/24(木) 01:34:26.33 ID:II9EerSm0 …数十分後… 足柄「あれ、うちの内火艇じゃない?」 龍田「間違いないわねぇ……」 百合姫提督「そう、それじゃあ行きましょうか…♪」 …いつもは東京湾クルーズの遊覧船が舫って(もやって)いる客船用の桟橋に近寄ってきた十七メートル内火艇は、桟橋の近くまで来ると逆進をかけて行き脚を止め、ピタリと桟橋に寄せた……そこからさっと降りて提督たちに敬礼する、きりりとした雰囲気の艦娘… 百合姫提督「ご苦労様……わざわざ迎えに来てくれて、どうもありがとう」答礼をすると手を下ろし、それからやさしい微笑を浮かべた… 長身の艦娘「構いません、提督……私が一番にお迎えできて嬉しい限りです♪」 龍田「…相変わらず眩しいわねぇ」 足柄「ええ……まるで帝劇か宝塚のスタアみたいよね」 艦娘「ふっ、そう言われると照れるね……お帰り、足柄、龍田…イタリーは楽しかったかな?」 足柄「相変わらずいいところだったわよ…長門」順番に内火艇へと乗り込みながら返事をした… 長門(長門型戦艦一番艦)「それは何よりだね、まぁつもる話は後で聞くとしようか……さぁ、どうぞお乗りください、提督」内火艇から渡された道板を歩く百合姫提督にさっと手を差しだし、きりりとした凜々しい表情を向けた… 百合姫提督「ええ、ありがとう…///」 …東京湾… 足柄「あー、あれは「高栄丸」ね……また機雷敷設に行くのかしら、ご苦労なことね」元は貨物船ながら帝国海軍へと徴用され「特設敷設船」として機雷敷設を行っていた功労船…同時に無事に大戦を生き延びて長く活躍した幸運船でもある「高栄丸」がゆっくりと出港していく…… 龍田「本当にねぇ…」 百合姫提督「……ところで長門、鎮守府はどう?」 長門「ほとんど問題ありません、提督…私と「比叡」のどちらが提督を迎えに行くかで少し押し問答がありましたが……」 百合姫提督「もう、長門ってば……」 長門「申し訳ありません…何しろ比叡が「お召し艦ならば私です」というので「いや…提督は司令官なのだから、そこは『連合艦隊旗艦』の私が行くべきでしょう?」と言ったら、最後は折れてくれました……しかしそのままでは面子が立たないだろうと思ったので、鎮守府での帰還式は比叡に任せました」 百合姫提督「そう、鎮守府での暮らしはお互い譲り合って…ね?」 長門「はい、心得ております」 百合姫提督「よろしい…♪」 足柄「…それで、鎮守府の様子はどう?」 長門「ふふ、そこは相変わらずと言った所かな……」 龍田「天龍姉さんはどうかしら?」 長門「相変わらずの暴れ者で困った限りさ…」そう言いながら龍田の頬に手を当てて、じっと目を見る… 龍田「…ちょっとぉ、止めてくれるかしらぁ?」 長門「おっと、済まないね…♪」 足柄「全く、このやり取りがあると帰ってきた気分になるわね……」 長門「ふふ、足柄もご苦労様……久しぶり会えて嬉しいよ」 足柄「…ちょっ、いいから止めてよ!」 長門「ああ、悪かったね…そうそう、妙高たちも元気で、足柄に会えるのを楽しみにしているよ」 足柄「それならよかったわ」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/709
710: ◆b0M46H9tf98h [saga] 2020/12/25(金) 02:48:13.96 ID:/SNzKGI00 …読んで下さっている皆様、メリークリスマス……どうか楽しいクリスマスを送れますように… …きっとクリスマスは可愛い女の子が彼女さんとチャイナドレスでデートしたり、命感じたりするのでしょうね……ちなみに>1は25日のディナーにローストチキンを焼く予定です… http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/710
711: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2020/12/26(土) 03:26:26.45 ID:mqgdI8yL0 …横須賀第二鎮守府… 長門「そろそろ到着の頃合いだな…」 足柄「……はぁ、早く畳で休みたいわ」 長門「そうだろうね…さ、提督も準備のほどを……♪」 百合姫提督「え、ええ……ありがとう///」 龍田「そういうことをさらっとするんだものねぇ…」 …百合姫提督の預かる「横須賀第二鎮守府」は湾内の拡大された軍港エリアの一画にあり、沖には猿島、東側には記念館「三笠」の姿が見える……周囲の海面には通船や曳船が行き交い、何隻も停泊している各種の艦艇がかつての横須賀を想起させる… 百合姫提督「……帰ってきたわね」 足柄「そうね…ま、比叡が帰還式の音頭を取るってことはかしこまった制式の式があるんだろうから…しゃっきりしてよ?」 百合姫提督「ええ…♪」 長門「機関後進微速…機関停止!」 …将旗を掲げた内火艇が埠頭に着くと、陸(おか)にいた一人がもやい綱をクリートに結ぶ…道板が渡され、龍田、足柄、長門……そして百合姫提督が降りた所でさっと旭日旗と将旗が翻り、整列していた艦娘たちが一斉に敬礼する…同時にスピーカーから「君が代」と、続けて「軍艦」(軍艦マーチ)が流れる… 比叡(金剛型戦艦二番艦)「鎮守府司令官、帰投されました! …提督、どうぞご挨拶を」 百合姫提督「ええ…」ご丁寧にも倉庫から持ち出して来たらしいレッドカーペットを歩くと用意されているマイクスタンドの前に立ち、大小様々な姿をしている艦娘たちをさっと見渡した… 百合姫提督「……今回は「交換プログラム」によるイタリアへの派遣により、大いに研鑽を積み、また見聞を広めることが出来ました……その間、鎮守府の留守をよく守ってくれてありがとう」そう言って軽く頭を下げる… 百合姫提督「こうして無事に帰投することができ…そして皆が健勝であることをこの目で見ることが出来るのは大変に喜ばしいことです」 百合姫提督「……さて、明日からはまた本官が執務を行いますが、欧州で得た経験を持ってして…労苦を惜しまず、より一層この鎮守府の運営に励みたいと思う所存です。ぜひ、皆も協力を願います」挨拶が終わったことを示すべく、マイクスタンドから一歩下がる… 比叡「全体、敬礼っ! 解散っ!」 百合姫提督「……式の進行、ご苦労様」 比叡「いえ、こうした式はきちんと行わないといけませんから……ですが、ありがとうございます」 百合姫提督「どういたしまして。ところで……」そう言いかけたところで次々と艦娘たちが押し寄せ、たちまち取り囲まれた百合姫提督たち… 金剛「お帰りなさぁい……提督♪」 伊勢「提督の帰投を心よりお待ちしておりました」 飛龍「お帰りなさい、提督…みんな待ちくたびれていましたよ!」 妙高「足柄、お帰りなさい……会いたかったわよ」 足柄「ええ、私も…」 那智「足柄、戻ってきてくれて嬉しいわ…後で囲碁でも一局指しましょうか」 足柄「私は囲碁なんかよりチェスの方がいいわ……ハイカラだし」 羽黒「ふふ、まーた足柄の「ハイカラ病」が始まったわ…♪」 天龍「……お帰り、龍田」 龍田「ええ、ただいま」 電「提督、お帰りなさ…!」 百合姫提督「ただいま、いな……痛っ!」 電「あいたた……ぁ!」百合姫提督に挨拶をしようと「ととと…っ!」駆け寄ってきた電だったが、百合姫提督が振り向いた途端頭をぶつけた… 比叡「まったくもう、なにをやっているんです…っとと」ずっしりと重くかさばる赤い絨毯をきちんと丸めて片付けようとした比叡だったが、思わずたたらを踏む… 雪風「大丈夫ですか、比叡…よかったら私が代わりますよ」 比叡「大丈夫よ、大丈夫……雪風は身なりもちゃんとしていて偉いわね」 雪風「あ、ありがとうございます…///」 松「お帰りなさい、提督!」 竹「会いたかったわ!」 梅「うむ、待ちくたびれたぞえ」 百合姫提督「ありがとう、みんな……さぁ、立ち話もなんだから休憩室にでも行きましょう」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/711
712: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2020/12/27(日) 03:14:15.85 ID:iA+3r6mJ0 …休憩室… 百合姫提督「畳の部屋で緑茶とお茶請け……ふふ、何だかんだで落ち着くわ…♪」 龍田「何より靴を脱いでいられるのはありがたいわねぇ……スリッパや室内履きだとしても、室内で履物を履いていないといけないって言うのは落ち着かなかったものねぇ」 足柄「まぁ、気持ちは分かるわ……龍田、お煎餅を取ってちょうだい」 龍田「はいはい、どうぞ…♪」 百合姫提督「今日のお茶請けは「三原堂」の塩せんべいね……私は好きよ、これ」餅米の粒を残して薄く焼いてある塩せんべいは、独特のばりばりとした食感と香ばしい風味がしてとても美味しい…… 足柄「でも何枚もないわね……もらっちゃっていいかしら?」 妙高「もちろんいいわ、だって海外派遣の間はお煎餅なんて食べられなかったでしょう?」 足柄「まぁね……最も、イタリヤじゃあ「カンノーリ」とか「ビスコッティ」みたいにハイカラで素敵なお菓子をうんと食べてきたけれど♪」 羽黒「じゃあいらない?」 足柄「まさか…せっかくなんだもの、いらないって事にはならないわよ」 妙高「そういうところは相変わらずね…♪」 扶桑「あらら……出遅れちゃいましたね。塩せんべいはもうおしまいですか?」 雪風「あ、ごめんなさい…最後の一枚は私が……半分食べます?」 扶桑「ありがとう、それじゃあ半分だけ……」 雪風「はい、おすそ分けです」 百合姫提督「……塩せんべいは無くなっちゃったけれど、他にも色々あるから…何か食べる?」 扶桑「そうですね…何がありますか?」 百合姫提督「えぇと…普通の厚焼き煎餅に「チーズアーモンド」と「柿の種」…それからこれは「七福神あられ」ね……」 赤城「あ、それは私が注文しておいたものです……良かったら皆さんもどうぞ」 …群馬の隠れた(?)お土産である「七福神あられ」…昔懐かしい感じがする四角い缶には、個包装されているあられがざらざらと入っている…一口大の軽い食感をした薄焼きあられはコミカルな七福神のイラストの描いてある袋に一枚ずつ入っていて、恵比寿様の「えび」や福禄寿の「しそ」…はたまた弁財天の「バター」や毘沙門天の「カレー」といった洋風な味もある… 榛名「…存外美味しいですよね、これ」赤城山、妙義山と並ぶ「上毛三山」の一つである榛名山が名前の由来だけに、群馬名物には目がない… 百合姫提督「それから甘いのは「ルマンド」に「バームロール」と……」 大淀「あ、そういえばそのお菓子は「新発田鎮」の提督からいただきました……提督がお戻りにならないうちに開けてしまうのもいかがかとは思いましたが、置いておいて悪くしてしまうといけないと思ったので…///」 (※お菓子メーカーの「ブルボン」や柿の種の「亀田製菓」はいずれも越後(新潟)にある。また山本五十六長官も同じく新潟の出身なので、艦隊と縁があるとも言える…?) 百合姫提督「ええ、分かっています……どうぞ、遠慮しないで?」 間宮「…皆さん、お茶のお代わりを淹れてきましたよ」 百合姫提督「あら、ありがとう……間宮も座って?」 間宮「ありがとうございます…それでは♪」 百合姫提督「……それで、留守中は何もなかった?」 大淀「そうですね…だいたいはいつも通りです」 百合姫提督「だいたいは…?」 大淀「はい。ですが何人かは…その…少々……」 百合姫提督「…その話は後で執務室に戻ってから聞くことにしましょう……留守中の執務、お疲れ様」言いづらそうに口ごもった大淀の様子と、艦娘たちのいつもの調子からだいたいの予想がついた百合姫提督…… 大淀「いえ、そんな…///」 百合姫提督「みんなもよく協力してくれたみたいで嬉しいわ…改めてお礼を言わせてもらいます……」 百合姫提督「……どうもありがとう、みんな」背筋を伸ばして姿勢を正すと、丁寧に頭を下げた… ……… … http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/712
713: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2020/12/29(火) 01:07:27.41 ID:4K2R67yb0 …しばらくして・執務室… 百合姫提督「…それで?」 大淀「は…みんなの陰口を言うようで、あまりいい気分ではありませんが……」 百合姫提督「もし問題が起きそうなら何か起きる前に収めなればいけないし、みんなが鎮守府で気持ちよく過ごせるために聞くだけだから……必要以上に口外もしません」 大淀「言われてみればそうでした。提督に限って軽々しくしゃべったりはしないですよね……」そこまで言いかけたところでふと口をつぐむと机の上のメモ帳を取って何か書き、それを百合姫提督に渡すと閉まっている扉の方を向いた… 百合姫提督「…」(「誰かが扉の外で聞き耳を立てています。忍び寄って取り押さえるので、何か話していてください」…ね) 大淀「……と言うわけでして、提督はどうお思いになられますか?」 百合姫提督「そうね…にわかには信じがたいことだけれど、そういうことがあったなら考え直さないといけないかもしれないわね……」 大淀「提督もそう思いますよね……そこにいるのは誰かっ!」 間宮「…っ!」 大淀「間宮?」 百合姫提督「……間宮、そんなところで一体どうしたの?」 間宮「えぇーと、その…実は、提督に何かお飲み物でもお持ちしようかと……」 大淀「…お茶ならもうありますが?」 間宮「あー、それはそうですが……そうそう、お茶請けに間宮特製の羊羹でもお持ちしましょうか…甘くって美味しいですよ♪」 大淀「…」 百合姫提督「…」 間宮「…」 百合姫提督「……間宮」 間宮「はい、提督」 百合姫提督「…本当は何をしていたの?」 間宮「……すみません。どうにも二人のお話が気になったものですから、少々聞き耳を…」 (※間宮には高性能の通信機器が装備されており、米軍の通信を探知・傍受するなど「情報収集艦」としての機能も有していた) 大淀「はぁ、まったく……どうしますか、提督?」 百合姫提督「そうねぇ…間宮」 間宮「は、はい…」 百合姫提督「…今から食堂に行って、私と大淀に羊羹を切ってきてもらえる?」 間宮「は、はい…すぐに行って参ります!」 大淀「……よろしいのですか?」 百合姫提督「ええ…間宮は速度が出ないから、行って帰ってくるまでにはしばらくかかるでしょう」(※間宮…最高速度14ノット) 大淀「なるほど」 百合姫提督「さぁ、それじゃあ今度こそ聞かせてもらえるわね?」 大淀「はい、まずは……」 ……… … http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/713
714: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2020/12/29(火) 02:54:20.89 ID:4K2R67yb0 …数ヶ月前… 蒼龍「…提督がいないと寂しいわ」 飛龍「確かに…それに出撃もなくて、身体もなまっている感じ……」 龍驤「…それじゃあ一つ気晴らしに「演習」でもしますか」 鳳翔「あぁ、演習ですか…いいですね♪」 …しばらくして… 摂津(標的艦)「な、なぁ……うちのこと呼んだ…?」 鳳翔「はい、呼びましたよ…♪」 飛龍「呼んだよ……摂津おばあちゃん♪」 赤城「……ふふ、かつての戦艦がおどおどして……たまりませんね♪」 加賀「うんと逃げ回って、私たちを愉しませてくださいね……それと、貴女たちも♪」爛々とした目をして、ぺろりと舌なめずりする空母たち… 波勝(標的艦)「くふふっ…空母のお姉ちゃんたちってば、まーた私たちで「演習」したいんだ……本当にスキモノなんだから♪」 矢風(標的艦)「わ、私は……ほ、ほら、摂津が相手してくれるからいいでしょ?」 …稽古室に呼び出されたのはかつての戦艦、ワシントン条約の制限で「陸奥」建造の代償として標的艦にされた旧戦艦「摂津」と、その無線操縦を行う旧駆逐艦「矢風」…そしてより高速で駆逐艦に似た形状をした標的艦の「波勝(はかち)」… 摂津「あ、あんまり痛いのは堪忍してな…?」 龍驤「…っ///」 鳳翔「……もう、そんなことを言われると…♪」 飛龍「余計にたまらなくなっちゃう……♪」 摂津「…ひっ///」立派な身体をしている摂津だが、妙に嗜虐心をくすぐるオーラを放っている… 赤城「そう怖がらずに…さぁ、頭にこれを♪」 …そう言うと煙突から艦内に演習弾の弾片が飛び込まないようにする、そろばん玉のような形をしたファンネルキャップ(煙突カバー)…のようなかぶり物を身に付けさせた… 波勝「それじゃあ私も…と♪」小さい「波勝」は船体の上に隙間を空けて設けられた装甲に加え、上空から見た時のシルエットを大きくする「幕的(まくてき)」という折りたたみの布がついている……それを広げると、まるで演歌歌手が派手なパフォーマンスをしているように見える… 矢風「私は大丈夫だよね……」それでも一応かぶり物と、摂津を「操る」リモコンを手にしている… 飛龍「それじゃあ始めようか……そーら、捕まえちゃうぞ!」 摂津「いややぁ…止めて、堪忍して…ぇ///」 鳳翔「あぁ、その表情っ……ほぉら、そんな鈍足では逃げ切れませんよぉ♪」 矢風「ほら、もっと捕まらないように頑張ってよ……早く、取り舵いっぱーい!」着物の裾やたわわな胸元をはだけさせ、よろよろと逃げ回る摂津……そしてそれを「操り」ながら、自分は巻き込まれないようにしている矢風… 摂津「は、はひっ…♪」 波勝「加賀さんこちら、てーの鳴る方へ……っと♪」一方、赤城、加賀、蒼龍、飛龍の四人を相手に幕的をひらひらとひらめかせ、ちょこまかと動き回る波勝…… 加賀「ふふ、捕まえたらうんとお仕置きです…逃がしませんよ♪」 波勝「ひゃあ…っ///」 赤城「ほぉーら、つーかまえーた……この、このっ♪」パシッ、ピシャン…ッ♪ 波勝「あひっ、ひゃあんっ…♪」 鳳翔・龍驤「「捕まえた♪」」 摂津「なぁ龍驤、鳳翔……お願いやから堪忍してぇなぁ…♪」 鳳翔「あら、戦艦は艦砲にも耐えられるはずでしょう……こんな…三号演習爆弾程度では……効かないんじゃありませんか?」バチンッ、ピシン…ッ♪ …鳳翔と龍驤は大柄でぽっちゃりした摂津を捕まえると四つん這いにさせて着物の裾をめくると、代わる代わるむっちりしたお尻へと平手を加える… 摂津「あぁん……っ///」 龍驤「いいよ、たまらない……はい、鳳翔の番♪」バチンッ、ビシッ…♪ 鳳翔「はいっ……あぁ、かつての戦艦をこんな風に踏みつけにしていると思うと……ぞくぞくしてきます…っ♪」ぐりぐり…っ♪ 摂津「はぁぁん…っ♪」足袋を履いた鳳翔に頭を踏みつけられ、また龍驤にお尻を叩かれながら畳の上で喘いでいる摂津…… http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/714
715: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2020/12/31(木) 03:01:55.16 ID:FlOthHET0 赤城「ふぅぅ、ふぅ…っ♪」ぬちゅっ、ぬる…っ♪ 加賀「あぁ……んくっ♪」くちゅっ…ぬちゅっ♪ 波勝「はひぃ、あひぃぃっ……♪」じゅぷじゅぷっ……とぽ…っ♪ 飛龍「んっ、んんぅぅっ……はぁ、はぁ…でも、まだ終わりじゃないでしょ……攻撃するなら徹底的に叩かないと、ね♪」 蒼龍「ん、飛龍の言うとおり…♪」 波勝「あへぇぇ……ぜぇぇ、はぁ……♪」 飛龍「あー、でも波勝はすっかりイっちゃって息切れか……なら♪」じゅるっ…と舌なめずりをして「矢風」を見た… 矢風「えっ、ちょっと待って……ほ、ほら…私は摂津の操作をするだけで「実艦的」じゃ……」 赤城「…それは以前の話ですよ…ね♪」 加賀「ふふ、貴女だってちゃんと「実艦的」改装を受けているでしょう……大丈夫、耐えられる程度にしてあげるから…♪」 矢風「いや、でもほら……」 鳳翔「……ふふ、摂津はあっさり捕捉できてしまって少々物足りないですから♪」 龍驤「そういうこと…もう息も上がってるし♪」 摂津「はへぇ…はひぃぃ……♪」鳳翔たちがほどよく手心を加えたビンタの跡が残る大きなヒップをさらし、唾液と愛蜜にまみれた状態で畳に崩れ落ちている…… 飛龍「と言うわけで…第二次攻撃の要ありと認めます♪」 赤城「そうですね、普段ならもう満足なのですが……」 加賀「今日は少し物足りないので……賛成です♪」 矢風「…ひっ!」 鳳翔「怖がらなくても大丈夫ですよ、ちゃんと手加減してあげますから…ね♪」腰が引けている矢風をねっとりとした目つきで、舐め回すように眺めた… 飛龍「そぉら、お姉ちゃんたちに捕まらないように逃げ回ってごらん…♪」 蒼龍「捕まったら食べられちゃうぞ…ぉ♪」 矢風「わ、私までさせられるなんて聞いてない……いやぁぁ…っ///」 ……… 大淀「…とまぁ、出撃がなく身体をもてあましていた空母勢はこのような具合でして」 百合姫提督「……そ、そう///」 大淀「それから……」 百合姫提督「まだあるの…?」 大淀「ええ、もっともこちらは違う方に……」 ……… … …別の日… 大淀「はぁ、書類仕事をするといつもこうなんですから…」紙に付いていた手の小指側の部分がすっかり黒くなってしまい、それを洗いに来た大淀… 大淀「お腹も減ったことですし、間宮のお昼が楽しみですね……あら?」洗面台で手を洗っている一人の艦娘… 電「あ、大淀さん」 大淀「どうしたの、電……もうお昼ですよ? 手を洗うのはいいけれど、早く行かないと」 電「はい。でもおかしいんです、いくら洗っても汚れが落ちなくて……石鹸が悪いんでしょうか?」 大淀「え…?」 電「ほら、私の手……赤茶けた染みが見えますよね…?」そういって差し出した両手は白く綺麗で、汚れ一つ付いていない… 大淀「…」 電「そういえばこの間、執務室にお邪魔したとき提督がいらっしゃらなくて…どうしてかなって思ったら……提督のお名前は「深雪」なんですよね……だから私の代わりにいなくなっちゃったんでしょうか?」 大淀「い、電……」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/715
716: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2020/12/31(木) 17:21:20.66 ID:FlOthHET0 …時が経つのは早いもので、今年もあと数時間となりましたね。このssを読んで下さった方、感想を下さった方…なかなか進まない中お付き合い下さり、どうもありがとうございます。 …色々と大変な一年でしたし、来年はもっといい年になるといいですね……新年の投下では縁起をかついで「松」型駆逐艦の「松」「竹」「梅」でも登場させようかと思っております… http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/716
717: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2021/01/02(土) 01:21:04.10 ID:tm4xbeH90 明けましておめでとうございます……今年も初日の出をちゃんと拝むことが出来て感無量でした… …今年は牛歩の歩みで、遅くとも一歩ずつ投下していけるよう頑張ります… http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/717
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