イタリア百合提督(その2)「タラントに二輪の百合の花」 (958レス)
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694: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2020/11/17(火)02:47 ID:w5ITmo700(1) AAS
…中古自動車販売店…
提督「さぁ、着いたわよ」
ディアナ「はい」
おっちゃん「お、海軍さん…久しぶりだねぇ!」
提督「どうも♪」
…提督が車を停めた中古自動車の店は小さい事務所とガレージ、それからレストア中の廃物寸前のものから新車と変わらないような綺麗な状態の物まで十数台の自動車が並べられた屋外スペースで出来ていて、オイルだらけのつなぎで手を拭いながらオーナーのおっちゃんが出てきた……事務所には数十年前のレースクィーンたちが写っているポスターや自動車メーカー、そしてカロッツェリア(※車体架装業者…コーチビルダー)のロゴマークがあちこちに貼ってある…
おっちゃん「…それで、今日は「フラミニア」のメンテかい? まぁいいや、ちょっと待ってな……エミーリア、お客さんだぞ!」
女性の声「えぇ? …ったく、ひとがエンジンをバラしてるって言うのに……いま行くからちょっと待ってて!」
…ガレージから出てきたのはやはりオイルだらけの作業つなぎを着た女性で、手袋を脱いで胸ポケットに押し込みながらやって来た…髪は短く切ってあるが癖っ毛らしく、かぶり直した「フィアット・ラリー」の野球帽からあちこちに跳ねて飛び出している…
提督「チャオ、エミーリア♪」
女性「あぁ、海軍さん……今日はどうしたの? ランチアのパーツがイカれちゃった?」
提督「いいえ。今日は「彼女」のお買い物♪」
女性「へぇ、なるほど……オイルまみれのさえないメカニックの前に素敵な彼女を連れてきた、ってわけね?」
提督「あぁ、そう言う意味じゃなくて…あくまでも女性の人称代名詞として「彼女」っていうことよ」
女性「冗談よ、分かってるわ……それで、貴女が今日のお客さんね?」
ディアナ「初めてお目にかかります…わたくし「ディアナ」と申します」
女性「エミーリアよ。ここのガレージでうちの親父と一緒に車をいじくってるの…よろしくね?」
ディアナ「よろしくお願い申し上げます」
エミーリア「これはまた、ずいぶんご丁寧に……とにかく、好みの一台が見つかるよう手伝わせてもらうわ♪」
ディアナ「よしなに」
………
…しばらくして…
ディアナ「……ずいぶんと色々な種類があるのですね…わたくし、目移りしてしまいそうです」
エミーリア「まぁ、半分は趣味みたいなもんだからね…それじゃあこの「チンクエチェント」なんてどう? ありきたりかもしれないけど、荷物をのっけてもよく走るし、小回りが利くから狭い道でも使いやすいし……それに値段もお手頃よ?」
ディアナ「ええ……ですが「フィアット500」は鎮守府ですでに持っている方がおりまして…」
エミーリア「あぁ、なるほど…ま、せっかくなら違うのにしたいわよね」
ディアナ「はい」
エミーリア「ならこの「アルファロメオ・スパイダー」は? 小柄だけど加速はいいし、ハンドリングもキレがあるから今どきのスポーツクーペにも負けないわよ?」
ディアナ「なるほど、とても綺麗な車ですが…できればお買い物をして荷物を載せられるような車を買いたいので」
エミーリア「なぁんだ、それならそうと言ってくれればいいのに……そういうことなら、こっちにいいのがあるわ♪」
ディアナ「…この車、ですか?」
エミーリア「ええ「ランチア・デルタ・HFインテグラーレ」よ……ラリーでもぶっちぎりで速かったし、コーナーも抜群だった傑作よ。しかも四駆だから道路が悪くてもへっちゃらだし、ハッチバックだから後ろに荷物を載せることも出来るわ……どう?」
ディアナ「なるほど、なかなか良さそうですね…お値段はおいくらになるでしょうか?」
エミーリア「そうねぇ、この「デルタ」は人気もあるし……ま、このくらいかな?」つなぎのポケットから電卓を出すと手早くはじいた…
ディアナ「あら…その値段では少々折り合いませんね…提督もいくらか出してくれるとおっしゃって下さいますが、予算的には……万リラ程度で抑えたいと思っておりますので」
エミーリア「うーん、その値段でとなると……じゃあ、これならどう?」そう言うと、満月のような綺麗な淡いクリーム色に塗られた一台を指し示した…
ディアナ「まぁ……何とも可愛らしいデザインでございますね」
エミーリア「気に入った? これはね「フィアット850」のベルリーナ(セダン)タイプよ」
ディアナ「なるほど……おや?」周囲を見て回ったが、フロントグリルを眺めて軽く首を傾げた…
エミーリア「どうかした?」
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