ブルー「俺達は…」ルージュ「2人で1人、だよねっ!」『サガフロ IF】 (967レス)
ブルー「俺達は…」ルージュ「2人で1人、だよねっ!」『サガフロ IF】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1499422950/
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623: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga] 2019/11/16(土) 21:31:45.42 ID:3xguwCLJ0 ジャリっと石床の砂利を踏みしめてエミリアとクーンが声を高らかに声を上げた 必ずお前を捕まえてやると言った主旨を、指先突き付けての宣戦布告だ いっそ大袈裟な、芝居掛かったオーバーリアクション気味に エミリア「さぁさぁ!観念するなら今の内なんだからねっ!」 クーン「そーだ!そーだ!おとなしくおなわにつけー」 指輪を被った大泥棒はそんな二人を可笑しな物でも見たと言いたげに「チュゥ」とだけ鳴いて 文字通りうねうねした尻尾撒いて逃走する 当然だが美女と獣っ子もその後を追跡する ――本気で捕まえようとはしない、ただ見失わない距離を保って - ブルー『俺からの提案は馬鹿のキサマでもできる簡単な事だ』- - ブルー『まず、お前達二人は奴を追跡し、枝分かれした道からこの道を通る様に誘導』- - ブルー『足の速いクーンと二人掛かりで向かわせるのはその為だ』- - ブルー『回り込んで道を塞ぐなり、アシストくらいはできるだろう?』- 指輪を被った鼠「チ"ュィ!」トットコ!トットコ! クーン「おっと!その方角に行く気なら」ババッ! エミリア「ざーんねん!三つある内この方角はお姉さんが通せんぼでーす!」アッカンベー 三叉路の内、モンスター特有の素早さで進行方向へ先に立つ緑の少年 動きを見てそれより早く行くことは問題無い、小回りの利く小さな怪盗を捕縛すること難しいが 進路妨害くらいならどうとでもなる - ブルー『もし道中でさっきみたいなデカい蟲や狂った機械が襲ってきたとしてもだ』- - ブルー『エミリア、"ルーンの石"を集めてるなら[保護のルーン]くらい使えるだろう』- - ブルー『それに聞けばクーンも姿を隠せる指輪を所持しているらしいな』- - ブルー『敵意を持った者の眼や鼻を欺く手段を有しているならば問題無い』- 敵意など持たずにひたすら逃げの一手に走る逃亡者は兎も角、敵意満々で横やり突っ込んでくる 第三者の介入から逃れる術を彼女も少年も持っていた、この場にいない金髪の魔術師もそれは同じ 指輪を被った鼠「チュ、チュ!」Uターン、キキィーッ グルッ ダダッ エミリア(よし、狙い通りの道へ入ったわね…) http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1499422950/623
624: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga] 2019/11/16(土) 21:35:22.37 ID:3xguwCLJ0 鼠は二人の追跡者に追われ、地下迷宮を駆けずり回る…そして――― ブルー「でかした、よくぞ誘導してくれたな」ザッ 指輪を被った鼠「チューーー!?」 ブルー「エミリアの覚書通りなら迷宮はドーナッツ状でぐるりと回って来れる筈だったからな」 ブルー「こうして挟撃構図になっていると分かったさ」 エミリア「はぁはぁ…まったく、人使いの荒い人ね」 クーン「でも、追い詰めたよ!」 前後に追って、完全に袋の鼠と化したネズミは―――ッッ!! 指輪を被った鼠「チュイ」シュバッ ネズミが逃げ込んだ穴『エミリアも知らない横穴』 普通に逃げ切りました。 ブルー「」 クーン「…逃げちゃったね、すごく呆気なく」 ブルー「ど、どういうことだ…」ワナワナ ブルー「このエミリアの描いた覚書通りならば…狭くて挟み撃ちにすれば如何に鼠でも 確実に捕まえられる細い通路で逃げられる抜け穴の無い一本道の筈だぞ!?」 ブルー「エミリアァァァッ!!貴様ァ!!」クワッ エミリア「ひっ、そ、そんな怒鳴んないでよ!」 エミリア「わ、私だってまさかこんな通路あるなんて知らなかったんだってばぁ!」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1499422950/624
625: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga] 2019/11/16(土) 21:42:48.41 ID:3xguwCLJ0 ブルー「くっ…」ギリッ ブルー(…いかんな、治すようにしようとは思っているが…つい怒鳴ってしまう)フゥ 地底大空洞の全域に響き渡りそうな怒りの声を上げてから一拍子おき 彼は冷静になろうと努めた、自分の欠点は気に喰わない事柄にぶつかるとすぐに 反発したり怒りを爆発させることだ… 自覚はある。 "キグナス号の海賊騒動"でも名前が気に喰わないからという理由で 問題解決の為に手を貸してほしいと交渉してきた相手の頼みを蹴ったのは記憶に新しい 性分とはいえ、怒りっぽい癖をどうにかせねば… ブルー「…一応聞くが、このちっぽけな横穴の先はお前も知らない未知の場なのだな?」 エミリア「そうよ…知ってたら覚書にちゃんと描いてたわよ…」 ブルー「…。分かった止むを得んな」 ブルー「何があるか分からんが追跡をするしかあるまい…」 エミリア「えっ、行くの?」 ブルー「この先が万が一にでも地上に繋がっている可能性だってある、出られたら厄介だ」 不安の入り混じった感情の儘、彼等は小さな横穴を屈みながら進んでいく この場にはノーム達が来た事ないのか、天井に灯りが吊るされてはおらず…広々としたホールを 思わせる空洞になっていた… クーン「あれ?」スンスン クーン「ねぇ、なんだか変な匂いがしない?こう…野生の動物っていうのかな」 ブルー「俺とエミリアは人間だからな、その辺はよく知らん…クソ、暗いな」ポォォォ! [ライトボール]の出力を上げて、迷宮奥地にあった未踏の小部屋を照らす 最初はここから地上へ逃げられるのではと危惧し顔を曇らせたブルーであったが 今は口角がつり上がらせた――出口どころか横道さえない、完全な行き止まり 鼠は逃げる為にと、自ら袋小路に迷い込んで"袋の鼠"とやらになったワケだ これで窮鼠に噛まれるなんて展開がなければ完璧である ブルー「くっ、くくっ…どうやら俺達はまだツキに見放されてはいないようだな」ニヤリ ブルー「それどころか、奴め何かに引っ掛かって身動きが取れないと見た」 どこからどう見ても悪役のソレとしか形容できないような薄笑を浮かべて "何か"を潜り抜けようとした矢先で上半身が引っ掛かった鼠を照らす エミリア「ん〜〜?ブルーもう少しだけ明るくできない?」 エミリア「あのネズミ何かに引っ掛かってるみたいだけどそれが何なのかよく分からないわ」 ブルー「気にしてどうなる、どうせ植物の根か何かだろうよ」スタスタ… ブルー「クーン、ソイツの頭に嵌った指輪を取り上げるぞついて来い」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1499422950/625
626: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga] 2019/11/16(土) 22:06:11.27 ID:3xguwCLJ0 どうにも拭えない違和感を抱きつつも名を呼ばれてクーンは小さな足で目の前を歩くブルーに 追いつこうと小走り気味に続いていく、そして鼠に近づけば近づく程、モンスターである彼にしか 分からない"獣臭さ"が鼻を擽るのであった クーン「やっと捕まえたぞ!」 指輪を被った鼠「チュイ!?チュッチュゥ!」ジタバタ クーン「大丈夫、君には何もしないよ」スッ お騒がせな指輪泥棒の頭にすっぽり嵌った王冠を取り外し、鼠を逃がしてあげようとした あくまで彼等の目的は伝説の指輪であって、この灰色の怪盗ではないのだから クーン「逃がしてあげるよ、この根っこみたいなのが邪魔なんだね!」ガシッ ここで初めて気が付いた。 否、なんで今更だったのか、こうも獣臭さを感じていながら 何故この広い空洞に自分と鼠、ブルーとエミリア以外に生物が居ないと決めつけたのか …いやもっと根本的な所から疑念を抱くべきだったのだ 何故、このホールのような広い空間には天井に明りが吊るされていないのか―――地下空洞を 知り尽くした土の精霊ノームがこんな広い空間を見過ごすか? どうしてここに彼等が一切手を加えていないのか 物事には何にでも順序というモノがある、Aの事柄にはBという要因があるからAが成り立つ等 土の精霊が地面の真下にあるこの大空洞で手付かずの空間を作ったのは何故か、簡単だ "手付かずなんじゃあない"、あえて"手を付けなかった"んだ…もっと言えば足を踏み入れたくない ゴゴゴゴゴゴ…!!!! ブルー「ムッ!?」 エミリア「きゃっ、地震…?」 蒼き術士はブロンド美女に覚書の地図を書かせたが、この場所の存在は知らなかった それもそうだ、前回来た時はエミリアは婚約者の仇ジョーカーをみすみす見逃してそのまま地上へ 戻ってしまったのだから…だからこそ"ジョーカーの罠"という災難を皮肉にも回避できたと言おう もし、前回エミリアが此処を訪れていたならば彼女は高笑いをする仮面の男に次の様に言われた - かかったな、[巨獣]の餌食となれ!! - http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1499422950/626
628: 短いけど今回ここまで [saga] 2019/11/16(土) 23:43:35.23 ID:3xguwCLJ0 「グオオオオオオオォォォォォォオォオオオォォォォオオオォォンンンンンン」 怒声、低い唸りを上げて"ソイツ"は眠りから目覚めた 銀河の大海に浮かぶ博徒達の楽園[バカラ]、その真下に広がる大空洞には支配者が居る 土の精霊ノームでさえも足を踏み入れたくない、近寄りたくない化け物の塒<ねぐら> 不幸にも縄張りに迷い込んで来たモンスターは主の尻尾を植物の根か何かと 勘違いして踏んだり、噛んだり……そして代償として踏まれたり、噛まれたりして絶命するという 鼠が絡まっていた植物の太い根と思われていた尻尾を掴んだ時、クーンは思わず目を見開いた 生物特有の生温かさと血管が機能しているのがよく分かる脈拍を感じたからだ さっきから自分が感じていた獣臭さの正体がなんであるか察した瞬間である [巨獣]が寝そべった状態から身体を起こすだけで空洞全体が揺れ、牙を覗かせる大きな口からは 怒声がもう一度飛び出した 二本足で立ちあがった屈強な脚、膝はプロテクターの様な水色の硬い甲で覆われていて 腹部は鍛え抜かれたアスリートかとでも言わんばかりに割れた腹筋、胸部は紺碧色の硬いアーマー 鼻先、頭部にかけて雄山羊の角に近い形状が3本生え、背から尻尾まで脊髄に直接繋がってるのか 太古の大昔に滅んだ恐竜のソレに近い棘が生えそろっている クーン「うひゃぁ!!すっごーい!おっきいねぇ〜」 ブルー「暢気な事を言ってる場合かッ!!糞ッ!こんな話聞いてないぞ…」バッ! エミリア「これはちょっと、お友だちになりましょうねって顔じゃないわよね…」チャキ 鼻をひくひくと動かし、[巨獣]は血走った眼を地に向ける 冬眠していた熊が永い眠りから目覚め、春先で一番に飢えを満たそうとする様に彼奴もまた 胃を満たす得物を求めていた、自分以外の生命の匂い、食指を刺激する血の香りを… すぐさま臨戦態勢を取り、険しい顔付きで術の詠唱を始める蒼き魔術師 引き攣った顔で銃の安全装置を解除するブロンド美女、鼠から抜き取った指輪を落とさない様に ポケットにしまう緑の獣っ子… 巨獣「グゴォォォ!!」ブンッ!! 名に違わぬ巨体、重量のある太い腕を振り下ろされる先に居るのはクーンだった まずは一番仕留められそうな者から潰して敵の攻め手を減らそうという考えであろう クーン「わわっ!?」 ギュィィィン!!シュルッ!! 巨獣「グゴッ?」ヂヂヂヂヂ… ブルー「ちぃ…!ぼさっとするな」グググッ 野太い腕を標的目掛けて振り下ろそうとするも、爪先がクーンの頭上で止まる [巨獣]は手首に巻き付いた熱源を疎ましく睨みつける、チリチリと皮膚を焼く魔術の鎖は確かに 彼奴に痛いを与えていたが何分、その巨体ゆえにそれほど効果はない… 巨獣「ゴオォオォォオオオォッ!」ブンッ ブルー「ぐおぁ!?」ブワンッ 鬱陶しい、と腕を振るい鎖ごとブルーを振り回す、これは堪らんとばかりに術を解除した術士は そのまま硬い地に身を打ち付け苦悶の声を漏らした http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1499422950/628
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