都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達…… Part13 (739レス)
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(5): 次世代ーズ 「気づいた」 4/5◆John//PW6. 2017/07/06(木)22:14 ID:w7DfirXHo(6/7) AAS
 

 「カダブラ」は満足そうに薄く嗤うと、まるでゴミを放り捨てるかのように腕を振るう
 真横から響く、堅い物が砕ける音、真降が眼だけを動かして確認する
 先程の女性だ、「カダブラ」に投げ捨てられ、民家のブロック塀に激突したのだ
 先程の破砕音はブロックが破壊された音だ、女性は地面に崩れ、激しく痙攣していた

 その瞬間、嗤う「カダブラ」の体が大きく、ブレた
 彼の立っていた箇所から、アスファルトを貫くように鋭い氷柱が生成されている
 だが「カダブラ」は寸前で回避したのか、大した怪我は無く、その真横に再出現していた

「おやおや、怒ったかな? 氷使い」

 相変わらぬ嘲りを顔面に貼り付かせ、彼は真降と対峙する
 真降は飽くまで平時と変わらぬ冷静な眼差しのままだ

「どうした『契約者』、早く僕を[ピーーー]しに来なよ
 ああ、安心しなって、『肉の楯』なら幾らでも代わりがあるんだから
 それとも、年増は好みでは無いかな? 確か、君は中央高校の子だったかい?
 ブレザーの子は良いものだね、どうせ[ピーーー]なら、君の見知った顔の方が嬉しいかな?」

 「カブラダ」は愉快そうに顔を歪めている
 彼の手にはいつの間にか、氷の剣が握られていた
 「アブラカダブラ」の能力により生成されたものだろうか

 真降は思案する
 ひかりちゃんが話したように彼の能力が事象改竄系だったとしても、だ
 やろうと思えば彼は直接対峙する間でも無く、僕らを[ピーーー]れた筈だ
 であれば、何故それをしない? しないのでは無く、出来ないのか?
 つまり彼の能力は万能では無い?

 真降は能力を発動した
 アスファルトを突き破るにように次々と氷柱を生成
 全て「カダブラ」狙いだ

 眼前の敵は哄笑を響かせながら回避行動を開始した

「真降お兄ちゃま! あの女の人は生きてるよ!」

「危ねぇひかりちゃん! 今は駄目だ!!」

 未だに痙攣を繰り返す女性に駆け寄ろうとしたひかりを、轟九はすんでの所で制止した

 真降が「カダブラ」に踏み込んだのと同時に、「ピエロ」が急に活性化した
 アクロバティックに轟九とひかりを襲い出した「ピエロ」共を
 轟九がほぼ独りで捌いていたのだ

「こんな閉所でさっきみたく『アルキメデス』をぶっ放すワケにもいかねえ――しなあっ!!」

「チョ、待ッ、オボァァァァァァァ……」

「ドウセ死ヌナラ、きれーナオ姉サンニ[ピーーー]サレタカッ、オゴァァァァァ……」

「ナンデコンナイケメン野郎にけつヲ叩カレナキャ、アゴォォォォォォォォ……」

 へし折った新たな氷柱で「ピエロ」共を次々と殴り飛ばしていく
 威勢の良かった「ピエロ」も彼の暴力を侮っていたようだ
 そのお陰で場の道化はほぼ蹴散らされていた

「真降! 油断すん――」

 不意に、先程から漂っていた潮風の匂いが、一際強まった

 轟九は言い掛け、突如大地を蹴る
 スーツの中年男が、ひかりの直ぐ傍に出現していたからだ

 逃がしはしない、「海から」の契約者の腹部に、轟九の蹴りがめり込む

 
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