都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達…… Part13 (739レス)
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(3): 次世代ーズ 「早渡、返答を受けて」 5/5 ◆John//PW6. 2022/02/04(金)00:58 ID:i7S41P6Po(6/12) AAS
 

 参ったと言わんばかりで俺を片手で制してきたのは、やはりあの鬼灯さんだったらしい
 まさか学校町でお会いすることになるなんて、思ってもなかったぜ

「坊主、まだ名前聞いちゃいなかったな」

「あ、自己紹介がまだでしたね
 今年の三月までは『北辰勾玉 庵屋』で厄介になってました、早渡脩寿と申します
 今年の四月から学校町に越してきて、南区商業に通ってるんですけど」

「成程、合点がいった。お前が“七つ星のコトブキ”で、“かんのぬえ”だな?」

「――っッッ!?!? な、なんでそれを!?」

 思わず周囲を見回す
 が、幸いなのか誰も聞いてなかった様子だ、多分
 見れば広瀬(晃)ちゃんのところに若干名集まってる様子だ
 俺の携帯か? 角田の人から再び広瀬(晃)ちゃんに返された俺の携帯か?
 だが今はそれどころじゃない!!

「飛騨高山で『悪魔』とやり合ったんだろ? 界隈じゃあ有名な話だ
 それに穂張の若柘榴役とも仲良くなったって言うじゃねえか。で、いつ嫁に獲るんだ?」

「違うッ! 違いますッ!! 高山のアレはともかく、穂張の件は完ッッ全に誤解です!! どうか、内密にっっ!!」

 全部バレてるっ!! 全部バレてやがるっ!!
 この様子だと息巻いて「天使」とガチったところを瞬殺された話とかも知ってるに違いないっ!!

 鬼灯さんは煙管を弄びながらくつくつと笑っている
 あっ! も、も、も、もしかして揶揄われた!? もしやさっきの仕返しか!?

「そんで、コトブキ。脇本の旦那は元気かい?」
「へ? あっ! え、お、親父殿っすか? 元気ですよ、ピンピンしてますけど」
「旦那には昔少しばかり世話になってな、旨い酒をよく知ってる。昔話を聞いたりするか?」
「あの、いえ。親父殿はあんまり昔の話をしたがらないし、訊いてもとぼけちゃうんで」
「そうかい、その様子じゃ先代団三郎の前で上覧試合やった話も知らねえだろうな」
「えっ? えっ?? ちょっ、い、何時!? いつの話ですか!?」
「明治だか大正だか。まあアレだ、お前さんが成人した暁にでも聞けるだろ。楽しみにとっとけ」
「えっ!? えっ!!??」

 鬼灯さん、親父殿の過去を知ってるのか!?
 うわっ聞きたい! 本心を言えば今直ぐ聞きたい!!
 てか俺の「七つ星」時代の恥ずかしい話も知ってる可能性高い!!
 どうしよ俺!! 落ち着け俺!!

 そう、そうだ。空七だ
 落ち着け、今は混乱している場合じゃない。落ち着け、俺

「坊主が気負うことは無えだろ」

 鬼灯さんは、まるでこれまでもそうしていたかのように煙管を燻らせていた
 少しばかり――空気が張り詰めた、気がした

「柳は緑、花は紅。のさばる者は何れ滅ぶ。これが浮世の理って奴だ」

 鬼灯さんの言葉はどこか楽しげで
 しかし、確かに刃の切っ先じみた冷たさが滲んでいた

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