都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達…… Part13 (739レス)
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375: 年末単発祭り:夜に駆ける   【データ量の関係で1レス収まらなかった……orz】 2021/12/27(月)23:31 ID:rKgmrGVQ0(6/6) AAS
「いっ、けぇええええええええええええええええ!!!!」
 ごぅんっ!!と、轟音と共に女子高生は己の相棒たるミサイルを呼び出した。それにまたがり、一気に加速し頭一つ抜ける。
 「ミサイルにまたがる女子高生」そのものでもある彼女の疾走スタイルはこれだ。
 高速走行型都市伝説によるフリースタイル競争において、ミサイルにまたがるのは違法ではない。
「ふぇふぇふぇ、相変わらず派手だねぇ!」
「でもねぇ、ババ達も簡単には負けないよぉ!!」
 「ターボばあちゃん」「ジェット婆」は、ぐんぐんと加速し、「ミサイルにまたがる女子高生」の後を追いかける。
「ばあさん達には負けんぞい!」
「そうじゃいそうじゃい!知名度では劣るが、スピードではそうそう負けん!」
 「ダッシュ爺ちゃん」「鞠つきじじい」も負けじと並走する。「鞠つきじじい」はその名の通り、鞠をつきながらも恐ろしいスピードで走っていた。
 ぽんぽんぽん、と、鞠をつく音は一つではない。
「み、みんな早い……でも、負けないもん!」
 マリちゃん……「鞠つきマリちゃん」もまた、鞠をつきながら皆へと追いすがる。その足元を、「高速赤ちゃん」がきゃっきゃっと楽しそうにハイハイで爆走してついてきていた。「高速赤ちゃん」は、これが勝負事であるとわかっているかどうか不明であるが。当人が楽しそうなので問題ないのだろう。
「く、速い……!私だって、80kmは出せているはずなのに……!」
 悔し気に「リヤカーおばさん」はそう呟く。少なくとも80km以上のスピードで走れると言われている彼女は、どうにもその語られるスピードに縛られがちだ。都市伝説とはどうしてもそういうものなのである。
 その点で言うと。
「うぉおおおおおおおお!!!!!!!!今年こそは負けん!!!!!時速100kmの壁…………超えて見せる……っ!」
 「100キロで走る車と並走する自転車に乗ったまじめなサラリーマン風おじさん」もまた、語られるスピードに縛られがちだが。その壁を、気合で突破しようとしていた。
 負けられない。そんな意地が彼らにはある。
 高速並走型都市伝説達は皆、己のスピードに誇りを持っている。
 これは、その誇りをかけた真剣勝負。
「モ゛ぉ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛ォ゛オ゛オ゛!!!!!!」
「ぴぃぇえええええええええええ!!!!!」
 「牛女」が、「ぴょんぴょんババア」が、雄たけび上げながら追いすがる。
「負ける、もんかぁ!!!知名度が低くたってねぇ!!!速度は鍛えられるんだよ!!」
「ラン・ラン・ルー♪」
 「峠のよつんばい女」が、「首都高ドナ〇ド」が、自分達の前を走る者達を追い抜こうと隙を伺う。
「ふっふーん♪ボクは追い上げ型だー!」
 と、ランドセルを背負った「スキップする少女」が、普段、車相手にやっているように対戦相手達をスキップしながらすり抜けて追い抜いていく。追い上げ型、と言うよりも、「車の間をスキップしながらすり抜けていく」と語られているために、前に走っていてもらわないとスピードが出せないともいう。
 デッドヒートが繰り広げられていき、ゴールとして決めているラインが見えてきた……その時、だった。
(……!来る!!)
 ミサイルにまたがりスピードを上げ続けながら、「ミサイルにまたがる女子高生」は後方からの気配に気づいていた。彼女だけではなく、この勝負に参加しているほぼ全員が、気づいていた事だろう。
 スタートの合図を出した、彼女が。
 ………………来る!
 追い上げてくるのは、光。光そのもの。「光速ばばあ」と呼ばれる彼女は光そのもののスピードで駆ける。光の速度故姿は見えない。それでも来ているのだと、わかる。本能が告げてくる。
「これだけ、ハンデもらって…………負けられるかぁああああああああっ!!!!!」
「超えてやる、光の壁だって!!!!」
「これが!わしらの生きざまじゃああああああああああ!!!!!」
「らんらんるー♪」

 駆ける、駆ける、ゴールに向かって。
 勝負の行方は、参加者達だけが知っている。


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