都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達…… Part13 (738レス)
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15: 大王の契約者◆dj8.X64csA [sage saga] 2017/06/06(火)20:33 ID:vGbnNWGAO携(5/9) AAS
―――裏山

 ある程度整備された道に従えば、ハイキングコースとして利用できる場所である。
 だが少し外れると、獣道ぐらいしかない迷路と化す。
 子ども達にとっては、探検ごっこや秘密基地造りといった、有名な遊び場にもなっている。

 そんな場所に、人を襲う【幽霊】がいる。
 誰かが退治するなら良いが、きっと大人は信じない。
 ……なら、退治できるのは自分だけだ。

「ここら辺かな?」
「うん。気を付けてね。」

 少年と【こっくりさん】は、獣道を進んでいた。
 噂となっている【遭難者の幽霊】がいる場所を目指して。

 しかし、見当はついていた。【こっくりさん】の能力である。
 【こっくりさん】は、十円玉を介して質問することで、あらゆる質問に答える事が可能となる。
 その能力で、事前に居場所を突き止めていたのだ。

「よっと……ふぅ。」
「あっ、危ない!」

 少年を【こっくりさん】が突き飛ばすと、その真上を何かが通過した。
 生き物ではない……『伝説使徒』だ。

《ククク……ボウヤ、コンナ所で、何シテル?》

 ボロ切れを纏った大人の女性に見えたが、その姿はうっすら透けている。
 その声も、少年の頭に直接響くように聞こえた。
 間違いない、彼女が【遭難者の幽霊】だ。

 少年は、思わず手に取った木の棒を投げつける。しかし、木の棒は幽霊をすり抜けてしまった。

「あっ!?」
《オヤオヤ……オイタが、スギルわ……》

 慌てる少年の元へと、ゆっくり、ふわりと、【遭難者の幽霊】は向かって行く。

「主! 実体がない伝説使徒に、そんなのは効かないよ!」

 【こっくりさん】の叫びを聞き、少年は冷静になった。
 すぐさまポケットから手袋を取り出し、両手に取り付ける。

「こっくりさん、こっくりさん……鳥居へ!」

 少年がそう呟くと、【こっくりさん】は吸い込まれるように、手袋の中に入った。
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