都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達…… Part13 (738レス)
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13: 大王の契約者◆dj8.X64csA [sage saga] 2017/06/06(火)20:30 ID:vGbnNWGAO携(3/9) AAS
 人は噂した、「硬貨と五十音表を使った降霊術により現れる、【こっくりさん】がいる」と。

 人は噂した、「人を襲うため風と共に現れる、【鎌鼬】がいる」と。

 『Meme(ミーム)』。それは人類が進化の過程で獲得した遺伝情報の一種。
 ミームは『文化』『技術』『情報』として人類の生存のために繁栄し、時に姿かたちを変えた。

 そのミームのひとつに、『幽霊』というものがあった。
 それらは未知の現象・事件……情報を理解するために生まれ、情報としての生存能力に長けていた。

 だが、幽霊も『科学』の進歩により不要となった。
 科学が、あらゆる未知の情報を解析してしまったのだ。

「へへへ、今日のテストも100点満点だね。」

 さて、質問である。
 もし仮に……「ミームが意思を持っていたら」、彼らはどのような行動に出るだろうか?

 例えば……『科学のミーム』でも解析できない現象を『幽霊のミーム』が起こす……かもしれない。

「分かってるよ、これもお前のおかげだ。」

 『妖怪のミーム』は、進化の時を迎えていたのだ。

「な、こっくりさん。」

 下校中、ぶつぶつと呟きながら少年が振り向くと、そこには半透明の子どもが居た。
 【こっくりさん】と呼ばれた子どもは、少年に言葉を返す。

「ボクの力を、チャチな事に使わないでほしいな。主様。」
「『あるじさま』なんてカタ苦しい呼び方、やめてよ」

 煙たがる少年に対し、【こっくりさん】は肩をすくめた。

「わざとだよ。たまには『契約者』だって事、思い出してほしいからね。」
「だって、分からないんだもん。けーやくとか、アーバントとか。」

 【こっくりさん】は『伝説使徒(アーバント)』の一種である。

 『伝説使徒』とは、情報によって生まれた生命体である。
 物理的な肉体を持たず、自らの素となる情報と謎の根拠でそこに存在する。
 そのため、人間によっては視認困難な場合もある。

 しかし、媒体も無しにその体と精神を保つのは困難である。
 情報は、時間と人間の手で常に変化し、それは伝説使徒にも影響を与える。
 外見だけでなく、性格や能力さえも、ミームの加減で変化してしまうのだ。

 安定を求める伝説使徒は、人間に契約を持ちかける。
 『人間の脳を、自らのミームを保存する媒体として扱う』契約だ。
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