都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達…… Part13 (739レス)
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675: ◆John//PW6. 2022/03/30(水)04:15 ID:AT5Z7Twuo(3/3) AAS
AA省
676: ちうがくせいのころのおはなし ◆7JHcQOyXBMim [sage saga] 2022/03/30(水)23:47 ID:gZ3EnZbO0(1/3) AAS
 日景 遥は、基本的に他人への興味が薄い。
 どういう形であれ、一度興味さえ抱いてしまえばその人物を個として見るのだが、そうでなければそもそも人間として認識しているかどうかも怪しい。間違っても対等には見ていない。
 少なくとも、自分の見た目なり、成績なり、生まれなり。そうしたものに惹かれて寄ってくるような群れに関しては鬱陶しさすら感じているくらいだ。
 遥のそんな性格に関して、龍哉は「さすが日景の家にお生まれになった方です」と感服してしまっており、優と晃は従弟として「身内とそれ以外の区別はっきりしていていんじゃないか」と咎める気ほぼなし。同じく従弟の神子は「治るようならとうの昔に治してる」と遠い目。直斗は緩やかにフォローこそするがそれだけだ。「視点が違うんだからそんなものだろ」とある種、遥らしさとしてそのままにしているとでもいうべきか。
 結果として、幼馴染グループの中で遥に苦言を呈するのは自然と灰人と憐の二人だけになる。神子の言う通りと言うか何というか。苦言を呈して改められるなら苦労等なく、遥の認識が改められたことは今のところ、ない。
 それでも、遥は主に憐の言葉には多少は配慮を見せたり従ったりする為。彼らの事を一定ライン知っている者は憐を遥の外付けブレーキと認識している事もあった。

 幼馴染グループが進級し、灰人が三年に、他が二年になった年。新入生の中に栗井戸 星夜の姿があった。
 醜悪な顔立ちと言う訳ではないのだが、鋭い三白眼の凶相と間違っていると思えば先輩だろうが教師だろうが食ってかかる性格とであっと言う間に人を遠ざけてしまった。
 唯一、幼馴染らしいクラスメイトの眼鏡の少女は彼に普通に接していたが、それ以外は一定の距離を置いて遠巻きに見ているような状態だった。
 星夜自身、その状況を悲しむ様子もなく、むしろ「鬱陶しいのが寄らないならいい」とでもいうような態度、どころかむしろ平気でそう口にした。改善する気はないようだし、眼鏡の少女も咎める様子はないというか諦めていた。
省15
677: ちうがくせいのころのおはなし ◆7JHcQOyXBMim [sage saga] 2022/03/30(水)23:49 ID:gZ3EnZbO0(2/3) AAS
「いや、心から納得いかねぇんすけど」
「残当」
「解せねーっす」

 診療所の空き部屋でお茶を飲みつつ、憐は少しばかり不貞腐れた表情になった。
 何故、幼馴染と後輩の喧嘩を止めた程度で猛獣使いと呼ばれるようになってしまうのか。
 件の後輩は、今、「先生」の診察を受けている最中だ。星夜を保護した事件の時から思っていたが、あの都市伝説は彼には負担が大きすぎる。

 不貞腐れた表情のままの従弟の様子に、灰人は別に不名誉な呼び名でもなし、いいだろうにと考えていた。
 憐が遥の外付けブレーキ扱いなのはわりと以前からなのだ。そこに、星夜についてもそうなのだ、と加わっただけの事
 ……どちらも、憐に対する感情が重たいように見えるので誤解と誤解と誤解と腐界隈への餌がすごい気もするが一旦は放置する。憐が受け入れない限りは問題ない。星夜の方に関しては、糞重たい忠誠のようなものだし。
省26
678
(1): お茶を濁す花子さんとかの人 ◆7JHcQOyXBMim [sage saga] 2022/03/30(水)23:57 ID:gZ3EnZbO0(3/3) AAS
中学生の頃の様子書こうとしたらなんかこんな感じになった
遥のファンな女の子たちはこんな様子も見てたんだなぁ。しみじみ
あ、時間軸は幼馴染グループ中学二年生(灰人のみ三年生)の頃なので、ようは二年前っすね

そして、乙でーす
ふふふふふ、「NY地下鉄ホームレスの超能力」の契約者の子が見れるのが直前食ったものだけで良かったぜ!(遡って見られるとアウトな奴に心当たりがある/まぁ学校違うし関わらないだろうけど)
変な事に巻き込まれないよう生き延びるんですよ

> ただし「狐」以外の「別のこと」は、事前に警告もらってないとうっかり関わってしまう可能性ありそうなので怖いのはそこだな……
幼馴染グループにとって、今、首突っ込まれたくない一番の事は「狐」絡みだからねぇ
それ以外は「がんばれ」な気持ちの奴がいる可能性あるな……
679: ◆John//PW6. 2022/04/01(金)04:01 ID:GfiqYR6Do(1/12) AAS
AA省
680: 次世代ーズ ◆John//PW6. 2022/04/01(金)04:40 ID:GfiqYR6Do(2/12) AAS
 

 ○前回の話
  >>661-671
  次世代ーズ 35 「憩う、ひととき」

 これは【9月】の話です

 
681
(1): 次世代ーズ 36 「聞き込み side.A」 1/6 ◆John//PW6. 2022/04/01(金)04:41 ID:GfiqYR6Do(3/12) AAS
 

「いいんちょ、ちょっと訊きたいことが」
「どうした早渡」
「最近クマのぬいぐるみが特徴的な変質者の話とか聞いたことない?」
「は?」

 商業高校、昼休み開始直後
 
 早速クラスの連中に聞き込みを始める
 勿論、昨日千十ちゃんから確認した“変質者”に関する情報を集めるためだ
 
省29
682
(1): 次世代ーズ 36 「聞き込み side.A」 2/6 ◆John//PW6. 2022/04/01(金)04:42 ID:GfiqYR6Do(4/12) AAS
 

「揶揄うんじゃない、連中は性犯罪者だぞ? 見つけたら通報しろ。戸塚聞いてるか?」
「俺を好奇心旺盛坊やみたいに言うのやめろよなー」
「事実だろう。それに早渡、そんな話をどこから聞いたんだ?」
「ねーねー、いいんちょー何やってんのー?」

 さらに女子が数名集まり出した
 一応そちらにも確認してみるが案の定知らなさそうな様子だ

「そういや早渡、お前先週東区の中学に居た? なんか中央高のヤツと一緒じゃなかった?」
「あー、うん。色々あってちょっと話してた」

 水谷に別の話題を向けられた
省40
683
(1): 次世代ーズ 36 「聞き込み side.A」 3/6 ◆John//PW6. 2022/04/01(金)04:42 ID:GfiqYR6Do(5/12) AAS
AA省
684
(1): 次世代ーズ 36 「聞き込み side.A」 4/6 ◆John//PW6. 2022/04/01(金)04:43 ID:GfiqYR6Do(6/12) AAS
 

「ごめん待った?」
「いや、そんなには」

 公園には既に敷嶋が待っていた

 敷嶋敏己(しきじま としき)、俺と同じく商業の一年
 別クラスなので本来ならそんなに接点は無かったんだが、一学期の事件というかそういうのを機に関わるようになった

「……もしかして多崎ちゃんも」
「もう来てるよ」
「やあやあ早渡君、お久しぶりー」
省44
685
(1): 次世代ーズ 36 「聞き込み side.A」 5/6 ◆John//PW6. 2022/04/01(金)04:44 ID:GfiqYR6Do(7/12) AAS
 

 敷嶋も多崎ちゃんも契約者ではない
 なので全てを正直に話すわけにはいかないが、多崎ちゃんは件の“変質者”を目撃している状況だ
 二人とも一学期の頃から危ない目に遭っているし、特にAN関連の事件には絶対に巻き込みたくない

「敷嶋、なるべく多崎ちゃんと一緒に帰った方がいい。人目の少ない場所は避けて」
「心配しすぎ……でもないか、最近また物騒っぽいからな」
「そうだよ、女子一人じゃ怖いんだから。とっしー、一緒に帰って」
「それがいいよ。敷嶋、そうして」

 敷嶋の肩を軽く叩いて溜息を吐いた
 敷嶋は敷嶋でぬうと唸ったままわざと多崎ちゃんから目を逸らしている
省31
686
(1): 次世代ーズ 36 「聞き込み side.A」 6/6 ◆John//PW6. 2022/04/01(金)04:44 ID:GfiqYR6Do(8/12) AAS
 

「でもせっちゃん、昔よりはマシになったっぽいけど、今でも男子が苦手っぽいし、早渡君みたいなタイプだと怖がるんじゃないかなー」
「そうなの?」
「だと思うよー? あれ、もしかして早渡君。せっちゃんみたいな女の子が好きなの? それとも日向さん?」
「……違う違う、ほんとそういうんじゃないから」
「ほーん? 照れなくてもいいよ? いやでも分かるなー、せっちゃん小っちゃくて可愛いからね。日向さんもクールそうな見た目で頭いいし」
「なんだ早渡、お前の好みのタイプって年上の長身ブロンドじゃなかったのか?」

 お、なんだなんだ
 多崎ちゃんも敷嶋もめっちゃ食いついてくるんだが?
 これは余計なことまで訊いてしまっただろうか、いやでもいいか
省19
687: 次世代ーズ 36 「聞き込み side.A」 余話 1/2 ◆John//PW6. 2022/04/01(金)04:45 ID:GfiqYR6Do(9/12) AAS
 

 南区商業高校、放課後

「赤星先生の一存で生徒指導を総動員できるって、ちょっとそれってどうなんです?」
「うーん、痛いところを突いてくるね」
「赤星先生が早渡への追及を本格化したのは、一学期に中央高の不良と揉めたあの件からでしょう」
「……そうだな」
「あの事件も元はと言えば、中央高の不良が先に手を出したからで。早渡の方は正当防衛だったのでは?」
「いやあそれがね、いくら正当防衛とはいえ相手を返り討ちにして伸してしまったわけだし、暴力振るった時点で我々も出ざるをえなくてね」
「商業からも中央高へ申し入れをしたとも聞きましたが」
「うん、校長が直接ね。でもなんていうかなあ、例の中央高の子達は悧巧というか狡猾というか」
省37
688: 次世代ーズ 36 「聞き込み side.A」 余話 2/2 ◆John//PW6. 2022/04/01(金)04:46 ID:GfiqYR6Do(10/12) AAS
 

「では先生方、私はこの辺で。部活に遅れるとまずいですので」
「おう、励んできなさい」
「じゃ俺も帰ります。あっ、兒玉先生、今月はちょっと出るのが早いみたいです」
「ん、分かった。会長にもよろしく伝えといてくれ」

 如雨露を持ったまま大きくズレた眼鏡を押し上げ、多民沢は二人の生徒の背中を見送る
 横に並んだ兒玉もまた、何処か誇らし気に去り行く二人を見遣っていた

「波越は着実に成績を残していますし、戸塚の評論も鋭さを増していますね。こりゃあ将来大物になりますよ。連中は」
「戸塚は確か、校外の映画評論サークルでしたか」
「ええ、辺湖のね。このご時世にミニコミ誌ですよ。私も愛読しとりまして」
省28
689: 次世代ーズ ◆John//PW6. 2022/04/01(金)04:56 ID:GfiqYR6Do(11/12) AAS
 

「次世代ーズ」は当然ながら、これまで学校町を舞台として投稿された連載や単発、そのなかで語られた表現や考察に多くを負っています
改めて、になりますが、この場を借りて今一度感謝申し上げます。ありがとうございます

「次世代ーズ」、冗長に語りすぎる部分と
明らかに言葉(と理解)が足らずに誤解を招く部分が多いので
これからはこうした課題と、向き合っていきたい……

学校町週末トレンディドラマみたいな展開が続いた「次世代ーズ」ですが
37、38以降はようやくドンパチ始まることになりそうです

 
690: ◆John//PW6. 2022/04/01(金)16:03 ID:GfiqYR6Do(12/12) AAS
 

今回も花子さんとかの人に土下座申し上げます orz
次世代ーズの日常(学校)回となると、日景君への言及が出てきます
次回の「聞き込み side.B」も日景君、そして幼馴染グループへの言及予定です……

いっそのこと流れで島添星冠についても登場させた方がいいのかどうか考えていますが
迷いと焦りが高まっている、気がします

次世代ーズは【9月】分をそろそろ終えて、【10月】へ移行する頃合い
あとは【11月】に追いつくのだわさ

 
691
(1): 案の定別件で忙しい花子さんとかの人 ◆7JHcQOyXBMim [sage saga] 2022/04/23(土)21:04 ID:pb6sOp5L0(1/5) AAS
乙でしたのー
遥やら幼馴染グループへの言及書く上で情報足りないとか気になる事ございましたら、こちらなり避難所なりで聞いてくだされば答えるとです

さて
ものすごくお待たせしたブツ、投下させていただきます
時間軸的には「ピエロの夜」とかと同時間軸か直後辺り
「甘い頭痛と先への備え」よりは前の時間軸のお話になります
では、GO
692: 「宴」の夜 ◆7JHcQOyXBMim [sage saga] 2022/04/23(土)21:06 ID:pb6sOp5L0(2/5) AAS
 何かおかしい、と。
 感じた時にはもう遅い。

「……うん?」

 部屋の外から何か聞こえた気がして。「凍り付いた碧」が一人、藍は部屋の扉へと視線を向けた。
 聞き逃してもおかしくないような。小さな、小さな音。
 小さな違和感ではある。大したことではないかもしれない……しかし、同時に。放っておいていてはいけない事だ、と感じた。
 立ち上がり、扉を開こうと手を伸ばしたのと。

 集めていた子供達の叫び声が耳に届いたのは、ほぼ、同時だった。
693: 「宴」の夜 ◆7JHcQOyXBMim [sage saga] 2022/04/23(土)21:08 ID:pb6sOp5L0(3/5) AAS
 時刻は、ほんの少しだけ遡る。
 廃工場の中でも広い空間。この工場が現役で稼働していた頃には、大きな作業機械がいくつも置かれていたであろう場所。
 今でも、かつて使われていた機械の一部やら、何かよくわからない金属片やらがあちこちに散らばっている。
 そこに、子供達は集まっていた。特別に理由があったという訳ではないのだろう。
 「凍り付いた碧」に集められた、保護された子供達。それが集まって遊べるような広い空間としてちょうどよかった。
 ただ、それだけの事だろう。
 何人かの子供達が鬼ごっこしている。大人から解放されて、もう怖いものなんて何もないとでもいうように、無邪気に、恐怖もなく。

「つーかまえた!」

 鬼役の子供が、一人の子供の背中に軽く触れる。捕まっちゃった、と、背中に触れられた子供は振り返って。
省16
694: 「宴」の夜 ◆7JHcQOyXBMim [sage saga] 2022/04/23(土)21:10 ID:pb6sOp5L0(4/5) AAS
 聞こえた叫びに、すぐさま扉を開こうとして……開かない。何か、外側からがっちりと固定されてしまっているかのようだ。

「これは一体…………っ!?」

 何か、金属の塊のような物が背後から飛んできて。藍が咄嗟に避けた事でそれは扉へと激突して大きな音を立てた。一歩間違えば、藍の頭部は金属塊の直撃を受け。下手をすればそのまま即死だったかもしれない。
 …………何が起きている?
 思考しようにも、部屋の中に運ばれていた数々の金属塊が、鉄材が。
 いくつものいくつもの金属が、まるでポルターガイストでも発生したかのように荒れ狂う。

「「そうぶんぜ」」

 その言葉を唱え、自身が契約している都市伝説の能力を発動させる。視界の範囲内だけではあるが、荒れ狂っていた金属はぼとぼとと床に落ちる。
省16
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