魔剣士「やはりフキノトウは最高だ」武闘家「えっ?」 (946レス)
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1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/25(水)19:51 ID:+qOyp7LSo(1/19) AAS
第一株 植物愛
武闘家「なんかすごく苦いにおいがしてるんだけど」
魔剣士「この独特の風味がクセになる」
俺の最も好きな食べ物はフキノトウである。
武闘家「エリウス、今度は何の葉っぱ食べてるの?」
省10
2: ◆qj/KwVcV5s [saga] 2016/05/25(水)19:53 ID:+qOyp7LSo(2/19) AAS
武闘家「うわあ……」
俺の隣にいる細マッチョ金髪美少女はドン引きしている。
つい昨日、とある出来事があって俺はこいつと共に旅をすることとなった。
――――――――
――
俺は植物研究のため、故郷を出て旅を始めた。
省7
3: ◆qj/KwVcV5s [saga] 2016/05/25(水)19:55 ID:+qOyp7LSo(3/19) AAS
ある町に訪れた。
生のホウレン草をかじりながら町中を歩いていると、
一人の女が怪しい男達に絡まれていた。
武闘家「あの、改宗とか興味ないんですほんと」
武闘家「お引き取りください」
勧誘員1「そう仰らず、どうぞこちらの喫茶店でゆっくり話を聞いていただきたい」
省10
4: ◆qj/KwVcV5s [saga] 2016/05/25(水)19:55 ID:+qOyp7LSo(4/19) AAS
魔剣士「宗教勧誘か……」
珍しいこともあるもんだな。
今の時代は、アモル教という宗教が世界中で信仰されている。
大昔は大きな宗教戦争もあったそうだが、ここ数百年は落ち着いている。
現代でも一部の少数民族が独自の宗教を持っていることはあるが、
彼等が勧誘を行うことはまずありえない。
新しい宗教をわざわざ興そうとする人物でさえ今時稀だ。
省6
5: ◆qj/KwVcV5s [saga] 2016/05/25(水)19:56 ID:+qOyp7LSo(5/19) AAS
――喫茶店
勧誘員1「あなたは……先程から何故ホウレン草をかじっておられるのですか?」
魔剣士「小腹が空いていたものですから」
武闘家「小腹が空いたら生のホウレン草をおやつにするの?」
魔剣士「ああ」
省8
6: ◆qj/KwVcV5s [saga] 2016/05/25(水)19:57 ID:+qOyp7LSo(6/19) AAS
魔剣士「俺が何を食べて幸せを感じようが俺の自由です」
俺は鞄からホウレン草をもう一株取り出してかじった。
勧誘員1「えええ……」
小綺麗な喫茶店故に飾られている草花も小ぶりで可愛らしいのだが、
流石に食べるのは我慢した。美しい植物には食欲と性欲をそそられる。
魔剣士「あ、店員さん注文いいですか」
省6
7: ◆qj/KwVcV5s [saga] 2016/05/25(水)19:58 ID:+qOyp7LSo(7/19) AAS
勧誘員1「現在、世界はアモル教の支配下にあります」
勧誘員1「はっきり言って彼等は偽善的な独裁者です」
勧誘員2「人はアモル教の洗脳から解き放たれなければなりません」
魔剣士「ほーう?」
魔剣士「具体的にどう洗脳されているのか説明していただけますかね」
省13
8: ◆qj/KwVcV5s [saga] 2016/05/25(水)19:58 ID:+qOyp7LSo(8/19) AAS
武闘家「ちょっと……この人達の話を聞いちゃ駄目よ。危ないわ」
魔剣士「まあまあ」
勧誘員1「世界は唯一神オディウムを信じることでのみ救われるのです」
魔剣士「ふふっ……」
魔剣士「オ、ディ……ウ、ムッ……くそっ……」
省10
9: ◆qj/KwVcV5s [saga] 2016/05/25(水)19:59 ID:+qOyp7LSo(9/19) AAS
魔剣士「ああ、すみませんすみません」
魔剣士「あなた方は何故オディウム神フフッ を信じてるんですか?」
まだ笑いが漏れてしまう。
勧誘員1「くっ……」
勧誘員2「……我等が神オディウムは、罪深き人間を憎み罰する神」
省19
10: ◆qj/KwVcV5s [saga] 2016/05/25(水)20:03 ID:+qOyp7LSo(10/19) AAS
勧誘員2「『イーラ・オディウム・ゲネラト』と発音します」
勧誘員2「イーラは怒り。ゲネラトは生むという意味です」
勧誘員2「怒りは憎しみを生む……我等オディウム教徒の合言葉のようなものです」
魔剣士「怒りはうどん粉病を生む……ふふっ」
勧誘員1「コホン。オディウム神を信じなければ、あなたにも厄災が降りかかるでしょう」
省15
11: ◆qj/KwVcV5s [saga] 2016/05/25(水)20:04 ID:+qOyp7LSo(11/19) AAS
勧誘員2「と、とにかく! 入信しなければ不幸になるのです!」
勧誘員1「さあ署名を!」
魔剣士「お断りですわ、ガキの頃うどん粉病にイチゴをやられてるんすよ」
勧誘員1「くっ、こうなったら……」
勧誘員が指を鳴らすと、武装した男達が現れた。
省12
12: ◆qj/KwVcV5s [saga] 2016/05/25(水)20:04 ID:+qOyp7LSo(12/19) AAS
勧誘員1「い、一体どうしたというんだ」
武闘家「次々と股間を押さえて蹲り出した……?」
勧誘員2「くっ、英雄アキレスの娘だけでも捕らえなければ」
武闘家「!?」
魔剣士「あ、おまえ等にもかけとくからな」
省12
13: ◆qj/KwVcV5s [saga] 2016/05/25(水)20:05 ID:+qOyp7LSo(13/19) AAS
武闘家「あなた、一体何をしたの?」
武闘家「魔術を発動したにしても、詠唱は聞こえなかったのだけど」
魔剣士「俺の魔力は特殊でな」
魔剣士「俺が食べた植物の成分と融合させて自由に操ることができる」
武闘家「だから灰汁抜きしていないホウレン草も平気で食べてたのね……」
省15
14: ◆qj/KwVcV5s [saga] 2016/05/25(水)20:06 ID:+qOyp7LSo(14/19) AAS
魔剣士「おまえこそ何で南の大陸にいるんだよ」
普段、彼女は東の大陸に住んでいる。
武闘家「……何もかも嫌になって、家出したの」
武闘家「どいつもこいつも、あたしを英雄の娘としてしか見てくれない」
武闘家「どんなに頑張っても、英雄の娘だからすごいね、強いんだねって……」
省10
15: ◆qj/KwVcV5s [saga] 2016/05/25(水)20:06 ID:+qOyp7LSo(15/19) AAS
武闘家「でもまさか……元から冷めた奴だとは思ってたけど、」
武闘家「ここまでぶっとん……ええと、ワンダフルな奴だったなんてね」
武闘家「知らなかったわ」
魔剣士「まあ、たまにしか会う機会なかったしな」
俺はそこらへんに生えていた雑草を摘み取り、水魔法で軽く洗って食べた。美味だ。
省6
16: ◆qj/KwVcV5s [saga] 2016/05/25(水)20:07 ID:+qOyp7LSo(16/19) AAS
武闘家「ええと……これからしばらく、家出に付き合ってくれない?」
武闘家「あたし一人で旅をするなんてやっぱり危ないなって思ったの」
武闘家「この頃宗教勧誘が激しすぎるし、よく妙な視線を感じるし……」
魔剣士「いいけど、おまえ金あるのか?」
武闘家「う……貯めたお小遣いがあと15万Gくらい……」
省13
17: ◆qj/KwVcV5s [saga] 2016/05/25(水)20:08 ID:+qOyp7LSo(17/19) AAS
そして今に至る。
魔剣士「調理したフキノトウならおまえでも食べられるぞ」
武闘家「え、ほんとに?」
魔剣士「ちょっと待ってろ。天ぷらにしてやる」
武闘家「あ……ありがと」
省15
18: ◆qj/KwVcV5s [saga] 2016/05/25(水)20:08 ID:+qOyp7LSo(18/19) AAS
魔剣士「ほら、できたぞ。フキノトウの天ぷら」
武闘家「……ほんとにおいしいの?」
魔剣士「おう」
武闘家「にがっ……」
武闘家「…………」
省8
19: ◆qj/KwVcV5s [saga] 2016/05/25(水)20:10 ID:+qOyp7LSo(19/19) AAS
ここまで
お経を唱えるとこの世の全てを知ったことになるからテストの点数が云々のくだりは実話
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/25(水)20:35 ID:t2No/GCpO携(1) AAS
お経は漢文で書かれてるし、国語の勉強にはなるんじゃない?
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