エンド・オブ・ジャパンのようです (266レス)
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75: ◆vVnRDWXUNzh3 [saga] 2022/11/03(木)23:24 ID:1N4dwLvb0(1/7) AAS
300隻以上、艦隊数で換算して実に50個超。これが本当なら、ベルリン陥落の折に独波国境にて発生した【オーデル川防衛戦】とほぼ同規模です。

妖精さんの内1人と視界を同期させ綾波自身も敵艦隊を見てみましたが、それが過大評価や誤認という線は残念ながらありませんでした。こちらへ押し寄せる大艦隊の威容は、報告上の数字と比しても全く見劣りするものではありません。

『『『ゴガァアアアアアアアアアアアアッ!!!!』』』

「っ、五月蝿いったら……!」

「Fuck off」
省9
76: ◆vVnRDWXUNzh3 [sage saga] 2022/11/03(木)23:27 ID:1N4dwLvb0(2/7) AAS
約30km。増援艦隊の1人である朝潮さんが叫んだこの数字は、35.6cm連装砲の最大射程距離でもあります。

最大射程とは、あくまでも「砲弾が辛うじて届く距離」を示すもので、命中率や威力がある程度担保される“有効射程距離”ではありません。
砲撃が行われるとしても威嚇や牽制が主目的であり、基地施設やそれこそ学園艦のように相当巨大な目標でもない限り命中を見込むことは本来できないでしょう。

『グォガッ!!?』

ですが、彼女の───戦艦・扶桑さんの砲撃は、そうした“常識”に当て嵌まりませんでした。

『ウ゛キ゛ッ゛………』『ゴボッ!?』『アギャアッ!?』
省15
77: ◆vVnRDWXUNzh3 [sage saga] 2022/11/03(木)23:33 ID:1N4dwLvb0(3/7) AAS
『『『ゴギャアアアアアアッ!!!?』』』

『グゥッ…………!?』

三度目の斉射となりましたが、扶桑さんの照準には寸分の狂いも生まれる気配はありません。全弾それぞれが吸い込まれるようにして敵艦を射抜き、電探上から命中弾と同じ数だけ赤点を消し去ります。

一気に二個艦隊分の戦力を短時間で喪い、敵前衛群の動きが大きく鈍りました。

艦隊運動とは二元的なものであり、“前”の状態は当然“後ろ”に影響を及ぼします。前衛の停滞は中衛へ、中衛の動揺は後衛へ………混乱は瞬く間に艦隊全域へ波及し、その動きを完全に縫い止めました。
省24
78: ◆vVnRDWXUNzh3 [sage saga] 2022/11/03(木)23:37 ID:1N4dwLvb0(4/7) AAS
物量面で圧倒的に上回っているとはいえ、位置関係としては三方から包囲されている状態。加えて先鋒群が此方の初撃で機能停止し“皮算用”が早々に挫かれているとなれば向こうが事態の打破を急ぐのは無理からぬことでしょう。

逆に現時点で唯一組織的な艦隊行動に移れている正面艦隊を殲滅すれば、あとに残った戦力を左右に分断できた形へと変わります。しかる後両翼に部隊を割り振って各個撃破できることを考えれば、戦術的に間違った判断でもありません。

……故にこそ敵艦隊の旗艦たちは、こちらの動きをもう少し注意深く観察するべきでした。

二十倍に迫る敵艦隊に、何故扶桑さんが真っ向から迎え撃つ姿勢を崩さないのか。

二度に渡って大航空隊の空襲を跳ね除けているような中で、何故今更組織的な火線構築すら出来ないほどの混乱が生じるのか。
省20
79: ◆vVnRDWXUNzh3 [sage saga] 2022/11/03(木)23:44 ID:1N4dwLvb0(5/7) AAS
突貫中だった水雷戦隊への影響はとりわけ甚大です。

もみくちゃになる前衛群に巻き込まれ、ただでさえ困難な艦隊運動の連携が崩壊。散り散りになりながら一、二隻がポロポロと抜け出してくるような状況では、隊列を組み直す余裕もないことは明白でした。

「【特派府】艦隊、前へ!阿武隈さん、朝潮さんも加わってください!初月さんとアトランタさんは後続を!!」

「多摩、了解したにゃ!皆続くにゃ!!」

「朝潮、旗艦命令を受諾いたしました!」
省18
80: ◆vVnRDWXUNzh3 [sage saga] 2022/11/03(木)23:49 ID:1N4dwLvb0(6/7) AAS
《敵艦、捉えたぁ!!敵右翼攻撃、いっち番槍ぃいい!!!》

《おっそーーい!こっちの魚雷はもう届いてるもんねーーだ!!》

両側面からの追撃に関しても、抜かりはありません。扶桑さんは既に指示を出していたようで、誰が攻撃隊に加わっていたのか少なくとも2名は確実に特定できる叫び声と共に左右で雷撃が立て続けに炸裂します。
電探上では先程の奇襲的な一斉射によってこじ開けられた“大穴”を更に抉る形で敵艦反応が消失し、中衛群の混乱・崩壊ぶりも見る限り明らかに許容し得る域ではなくなりつつありました。

ですが、ここまでに綾波達が敵艦隊へ与えた損害は、甚大ではあれどあくまでも前・中衛群までに限定されています。

『ヲヲッ、ヲォッ!!』
省15
81: ◆vVnRDWXUNzh3 [sage saga] 2022/11/03(木)23:56 ID:1N4dwLvb0(7/7) AAS
綾波達の背後で、砲火が撃ち上がります。居るのはあくまで2人、それも艦級だけでいえば軽巡洋艦と駆逐艦。
にも関わらずその膨大極まる砲声と飛び越えていく火線の数は、一個水上打撃艦隊が全力で火網を張り巡らしていると言われても十分に信じられてしまうものでした。

「ハツ、叩き落とすよ。──Fire, Fire!!」

桃色がかった髪を結わえて両脇に垂らした、アメリカ出身艦娘らしいグラマラスな体型の持ち主。しかしながら放つ砲火に不釣り合いな眠たげな眼でもある、アトランタ級軽巡洋艦一番艦・アトランタさん。

「言われずともさ!───敵は多い、行くぞ!!」

対象的に鋭く獰猛な眼光で、整えられつつもやや逆立った髪型と併せて訓練された猟犬を思わせる風貌の、秋月型4番艦・初月さん。
省12
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