エンド・オブ・ジャパンのようです (311レス)
1-

69: ◆vVnRDWXUNzh3 [sage saga] 2022/10/11(火)23:08 ID:GA2SequC0(2/6) AAS
落とされた機影は恐らく20を超えるでしょうか。この物理的な損害も、向こうにとって決して小さなものではありません。

ですが深海棲艦側から見てそれより遥かに致命的であったのは、ヘルキャット隊に“群れ”の打通を許したという事実そのものでした。

『───! ───ッッ!!』

『……………!!!』

百数十機規模での編隊飛行。当然、統率は困難を極めます。況してやあの“群れ”は、綾波たちへの攻撃態勢に移っていた最中。
人類空軍機によるミサイル攻撃への対策としてある程度機体ごとの間隔は空けていたようですが、それでも大きさに関しては人並みでしかない6つの海上標的に総攻撃を仕掛けるにあたってはどうしても空間的な限度があります。

さながら大坂の陣で真田信繁と毛利勝永に突撃を受けた徳川内府の軍がごとく、中央から真っ二つに切り裂かれた敵航空隊。分断は乱れを、乱れは揺らぎを、揺らぎは崩壊を生み、瞬く間に修復不可能なまでにそれらは拡大していきました。
当然綾波たちへの空襲など実行できるはずもなく、“群れ”は本格的に一度散開し再編成へ向けて動き出します。

同時にそれは、深海棲艦側が自ら“数的有利”を放棄した瞬間でもありました。

「敵は崩したわよ、アカギ!!」

「ええ、お任せください!第一次制空隊、発艦!!」

『『『────!!???』』』

先程の弾丸と同じ方角から、次に飛来したのは三本の矢。それらは燃え盛る焔を思わせる輝きを空中で一瞬放った後、ヘルキャットと同じ数の零式艦上戦闘機に変化し一斉に“群れ”の横腹へ食らいつきます。

『…………ッッ!!』

〈シラナカッタノカ?イッコウセンカラハニゲラレナイ!!〉

『─────…………』

〈ヨシ、ゲキツイスウイチ!!クチクシテヤル……コノヨカラ……イッキノコラズ……!!〉

低空域での巴戦において、同時代相当の性能の戦闘機が零戦に勝てるはずもありません。しかも栄光の【一航戦】なら尚の事です。
下方へと逃れた敵機たちは、次々と捕捉され抵抗する間もなく落とされていきました。

〈ワンモア!!〉

〈〈〈サーイエッサー!!〉〉〉

そして上方からの離脱を目論んだ隊には、再びヘルキャット隊が襲いかかります。発動機の高い馬力故に高高度戦闘においても運動性と速力を維持し得る彼らを、爆弾や魚雷を抱えた状態の【カブトガニ】で振り切れるはずもありません。
F6Fの両翼から火線が迸る度に、飛び回る敵の機影は確実に一つずつ減っていきます。
1-
あと 242 レスあります
スレ情報 赤レス抽出 画像レス抽出 歴の未読スレ AAサムネイル

ぬこの手 ぬこTOP 0.004s