エンド・オブ・ジャパンのようです (311レス)
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273: ◆vVnRDWXUNzh3 [saga] 07/22(月)23:12 ID:XXdSh8X20(1/7) AAS
即席で実行した“空挺強襲”の効果は、絶大だった。戦場の空気が大きく変わったのを、どこぞの人としての汎ゆる機能を脊髄に集約して生まれてきたキングダム及びクソ映画フリークの司令官様風味に言うなれば、敵勢から戦意の“火”が完全に消え去ったのを肌で感じる。

まぁ、ただでさえ前線は機動保安隊との交戦地点を中心に総崩れの様相を呈しつつある中だし無理もないわね。その混乱を収めるために進出させた後方予備戦力に艦娘が空飛んで斬り込んできただなんて、深海側からすれば驚天動地もいいところでしょうよ。
おまけに奇襲開始からコンマ1秒で増援は二個分隊相当の兵力を喪失。私がそれをされた立場だとしたら、そこら中のものと司令官に八つ当たりしてるもの。

『か、艦娘だ………あばっ!?」

「アギャッ』『ひぃっ……ごえっ!?」

『『『ギギャアッ!?』』』

とはいえ、攻め手はまだ緩めない。どれ程立て直しが不可能に近い崩れようだろうとも、ここまで散々に討ち破って尚横たわる物量差は極めて膨大。今押し寄せてきている“群れ”が完全に敗走・撤退を開始するその瞬間までは、一体でも多く敵の数を減らし続ける。

………統制は失いつつも個々でまだ飛びかかってくる【寄生体】はともかく、混乱の坩堝に陥り逃げ惑うだけが大半の【暴徒】に刃を振り下ろし突き立てる作業は、愉快からは程遠いものだったけれど。

「邪魔っ!!!」

『『『グケケケッ!!?』』』

それでも、その「司令官がたまに視聴してる“お宝”と称されたこの世で最もその単語から遠い映画のようなナニカを30分以上視界に入れてしまった時」のものを1000倍ほど酷くした気分を抱えながら、手は止めない。
反転攻勢の流れを作ったさっきの突貫より更に速く、激しく、斬撃を繰り出し続け屍を周囲に増やしていく。

「たぁっ!!!!」

『ぶごぁっ!?」『ギャインッ……』

《機動保安隊各位、突撃準備!

射角調整、指名榴弾!……Feuer!!》

<(' _'#<人ノ《装填完了、発射!!》

「「「おおおおおおぉおおっ!!!」」」

最早一周回って憎らしさすら感じるほど聡い“軍神”は、私が乏しい体力を圧してまで次の攻勢を始めた意図に気づいたらしい。
W号による新たな砲撃で進路を開き、即座に保安隊を私がこじ開けたスペースへと送り込む。

そして、この一連の動きを。

まるで、私達が本格的な敵陣打通及び反転攻勢に移ろうとしているかのように猛烈な動きを目の当たりにして。

『─────ッ、ギャギャギャアッ!!!!』

狙い通り、チ級はこちらの持つ継戦能力を誤認した。

恐らくは撤退を告げるであろうヤツの叫び声が響くと同時、引き潮の如く“群れ”の前線が下がっていく。
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