エンド・オブ・ジャパンのようです (266レス)
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165: ◆vVnRDWXUNzh3 [sage saga] 2023/03/16(木)23:01 ID:YzHzCrxO0(3/7) AAS
「グゥ………アッ………ァガッ!?」

「ギャッ」

「xxXx………ヘルッ」

打ち付けた箇所を押さえ、身体を丸め、苦悶の表情で床の上をのたうち身動ぐ四人の武装兵。腰から9mm機関拳銃を抜き、それらに順番に弾丸を叩き込んで沈黙させていく。

「タ、タスケtイ゛ッ、ムォッ!?」

最後の一人は何事か言い掛けながら掌を向けてきたので、“フリ”に応えてまずそっちのド真ん中に風穴を開けてから喉笛をぶち抜いた。

「あ、ありがとうございます……お手数をおかけしてすみません……」

四人目の始末を終えたところで、名取が挙母に頭を下げる。

……そう。この四人は先程、名取の攻撃を受けて入り口から吹き飛ばされた武装兵達。何故、か細いながらまだ息はあったのかと言えば、当然それは名取が最大限の“手加減”を施したからだ。

軽巡洋艦・名取が、相当大人しい性格の艦娘であることは挙母も知識としては知っている。水雷戦・夜戦においては他の艦種の【改二】にも比肩する実力を誇りながらそれに奢らず、常に謙虚で引っ込み思案な心優しい“穏健派”艦娘の一人。
ならばこの武装兵達に対する“峰打ち”も、彼女のその性格から、優しさから来るものであったのか?

否、答えは否。

もしも“そう”であるならば、何故挙母が拳銃を抜いた時、その目標が明白であるにも関わらず彼女は止めようとしなかったのか。何故一人目が射殺された時、抗議の声を上げず行動を妨害しなかったのか。

何故、全てが終わった後に、彼女は謝罪と“感謝”の念を述べたのか。

@# _、_@
(  ノ`)(さしずめ、“ゴキブリ”ってところかね)

ゴキブリは大半の人間にとって存在そのものが不快極まりない生物であり、基本的には見かけたら一刻も早い排除を試みる。
だが一方で衛生面の問題や向こうの俊敏性、外見のおどろおどろしさによって直接触れる、素手で潰せるという者は少なく、殺虫剤などの間接的な排除手段がない限り無力な人間も多い。

名取にとってこの武装兵達は、“素手で潰すしかできないゴキブリ”だったのだ。自分で潰すことはできないが、かといって視界に入り蠢く限り不快で鬱陶しい。だから、代わりにそれを潰してくれた挙母に対して“礼”を述べたのだろう。

代わりに殺してくれてありがとう、と。

@# _、_@
(  ノ`)(………【艦娘三原則】、思った以上にこの子らを歪ませちまったねぇ)

艦娘は人間の武器であれ、忠臣であれ、奴隷であれ。SF小説の大家が作り出した概念に準えて偉そうな文言を並べ立ててはいるが、あんなモノ要約してしまえば言わんとしていることは上の3つだ。
人間としての姿形・声・感情を持つ存在にこれを言っているのだから、考え出した連中はきっと心を持ち合わせていないロボットの如き冷血漢に違いない。

だが、どれ程腐り果てた実情があろうとも、それは確かに彼女たちにとっての行動“原則”であり絶対遵守の指針だった。そして遵守さえできていれば、他の面には干渉されないという“自由”に対する【逆説的な保証書】でもあった。
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