エンド・オブ・ジャパンのようです (311レス)
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149: ◆vVnRDWXUNzh3 [sage saga] 2023/02/01(水)23:22 ID:qlo4HhBq0(4/4) AAS
……口下手な自分なりに考え抜いた渾身のジョークを盛り込んではみたのだが、残念ながら反応は皆無に等しかった。やはり慣れないことはするもんじゃないと、平静を装って話を続けつつほんの僅かに内心で後悔した。

「これから始まる、否、既に始まっているこの戦闘が、楽なものになるとは自分には言えん。必ず生きて帰れるなどという無責任な言葉は吐けん。

きっと激しい戦いになる。長く辛く厳しい戦いになる。この中の何人もが傷つき、或いは死ぬ。艦娘ですら、全員が轟沈せずに済むという保証はない。気の利いた鼓舞ができず済まないが、一陸尉の見解としてはそれが正直なところだ。

だが、思い出してほしい。我々がどこに所属しているかを。

我々が、自衛隊であるということを」

東南アジアにおける反攻作戦に参加した折り、ある上官のもとに着いた時期がある。その男は決して尊敬することができなかったし、寧ろ彼の行動理念や哲学は自分にとって全く相容れなかった。

だが、彼が部隊に訓戒を施す際第一声に使っていたフレーズの、“ガワ”の響きだけは私は僅かに共感していた。

故に、“中身”を自分流に捻じ曲げたものを、私は勝手に座右の銘としている。

「自衛隊の銃先に国民なく、自衛隊の銃後に国家あり。

本土に待つ国民にとって、彼らが住まう日本国にとって、我々は最後の盾であり最後の希望だ。

我々が恐怖に屈しそうになった時、重圧に敗れそうになった時、敵の砲火が次にどこに向けられるかを思い出せ。

同時に、並び立つ戦友たちもまた“国民”であると、共に戦う艦娘達や妖精達も“国民”だと忘れるな!!我々は孤独じゃない、孤軍じゃない!!互いが互いを守り合う限り、互いが互いを支え合う限り、我々はきっと立ち上がれる!!」

「「………」」

少しずつ、周囲の隊員達の息遣いとざわめきが収まっていくのを聞きながら。鎮守府の甲板を覆っていた空気に僅かな変化が生じるのを感じながら。
自分は、更に言葉を紡ぐ。

それは、自分が最も尊敬する偉人の言葉。自衛隊に自ら志を持って入隊した男児なら、誰もがこうありたいと憧れる将官の鑑とも言うべき姿勢を示したもの。
……自分ごときが使うとは恐れ多いが、ここは鉄火場ゆえ恥を忍んでお借りしよう。

「予ハ常ニ諸子ノ先頭ニアリ───【硫黄島の戦い】を前にして、栗林忠道初代防衛庁長官閣下が指揮下に訓示した言葉だ。

無論自分があの方ほど立派であるなどと自負するつもりはない。だが少なくとも、あの方のように先頭で戦う覚悟は持っている!自分もまた諸君らの列の中に加わり、共に支え合い、守り合う覚悟は持っている!

着いてこいなどと出過ぎたことは言わん、だが今は!我々の故郷を、国民を守るために!!勇気を振り絞り、恐怖に打ち勝ち、“共に”戦って欲しい!!」
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