エンド・オブ・ジャパンのようです (311レス)
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121: ◆vVnRDWXUNzh3 [sage saga] 2022/12/29(木)23:27 ID:doNy4j2F0(5/5) AAS
ハットウとウィーランドの間に、この作戦が行われる前の時点での面識はない。だが、米軍関係者の間でもしばしば「Japanのアオガシマに凄腕の提督が一人いる」という噂は話題になっていた為、ウィーランドも彼の存在は元より認知している。

その上で、戦闘詳報を読んだ彼は思う。“噂以上”だと。

(オペレーション・イツクシマ一つ取って見ても、彼が尋常ならざる指揮官であることは容易く伺える。しかしそれは、あくまでも戦術レベルでの評価だ。………今となっては“だった”が正しいが)

第二次防衛線において敢行された、オペレーション・アイアンボトム。太平洋全域を作戦場とした挟撃や、【回転木馬】の大胆な応用を立案できる戦略眼。初見であるはずのミサイル型MOABや【ダゴン】を即座に作戦に組み込み、“特殊仕様プレデター”の大元の考案者であり、彼からすれば初対面で得体のしれない場所から突如として派遣されてきた艦娘への現場指揮権移譲すら躊躇なく行える高度な柔軟性。
戦略家としても、戦術家としても、間違いなく一級品の実力。仮に100年後の教科書で彼の名がハンニバル、ナポレオン、マンシュタイン、イソロク=ヤマモトと並んでいたとしても、ウィーランドは驚かないだろう。

今この瞬間も、そうだ。統一性のない艦種、ムラが大き過ぎる練度、広く分散した輸送機の到着箇所、何よりも“同一艦種の同一戦場における運用の禁”………汎ゆる制約により、600隻という戦力自体額面通りのものではない。にも関わらず、ススム=ハットウはその卓越した指揮能力を存分に発揮し寸手のところで戦線の瓦解を防いでいた。
それに対して払われた犠牲は、幾らかの航空戦力と“たった”4個艦隊分の艦娘に過ぎない。

第三次防衛線の構築が始まってからかれこれ4時間は経とうとしているが、彼の手腕が高い水準を維持している事は文字の羅列を眼で追うだけでも十分に解る。
寧ろ増援艦隊の第一波突入時に【列車砲】の一斉乱射によって一挙に8隻の艦娘が“轟沈”して以降損害は減少し続けており、その切れ味は増してさえいる。

(……裏返して言えば、それだけ彼に負担が集中し、今この瞬間も精神を擦り減らし続けているということだ)

他地域からの戦力増員や連合空軍の補給・再出撃などは、ウィーランドたち第7艦隊で処理している。だが、投入或いは再出撃後の実際の戦闘指揮は、ハットウがほぼ一手に担っているのが現状だ。戦場規模での戦術指揮と方面規模での戦線構築を、彼は“リアルタイム”で同時にこなしてしまっている。

一提督が本来指揮する戦力の何十倍もの艦隊の運用と、数十人の士官が脳をフル回転させて練り上げるような作業を、同時に。
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