エンド・オブ・ジャパンのようです (311レス)
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120: ◆vVnRDWXUNzh3 [sage saga] 2022/12/29(木)23:21 ID:doNy4j2F0(4/5) AAS
横須賀、青ヶ島、そして地………あの長ったらしくふざけた名前の“海軍”所属鎮守府。

この3鎮守府からなる“連合艦隊”が、現時点における「世界最強の艦隊」であったことは疑いようもない。個々の戦闘力、各鎮守府ごとの“一個艦隊”としての練度、“あの鎮守府”の那珂に至っては、現場での艦隊指揮においてさえ卓越した手腕を見せつけた。
それらによって挙がった戦果の羅列は、実際に彼女達の戦いぶりを目にしていたウィーランドをして一瞬現実性を疑ってしまうほどの凄まじさだ。【巨砲】と【亡霊】など、この二人だけで優に30個艦隊前後の敵艦を葬っている。

前後の第一次防衛線や今の防衛線と比較すれば、その突出ぶりはより顕著だ。前者は航空支援の量、後者は【浮遊要塞】の存在という大きな差異は確かにある。
だがそれを言うなら、“連合艦隊”の24隻に対して前者は2.5倍、後者は現時点で実に25倍もの艦娘が投入されている。随伴艦隊に関しても、後者が向こうの数こそ増したものの戦力比としては1:5に留まり、前者に至ってはその時点では随伴艦隊自体存在していない。

その上で、【学園艦棲姫】の完全な“足止め”を成し得たのは“連合艦隊”のみだ。それも、随伴艦隊も【浮遊要塞】という“奥の手”も引き出し、小破とはいえMOABの直撃による損害まで与えて。
第一次防衛線は碌な打撃すら与えられず容易く粉砕され、現在の第三次防衛線は遅滞こそなんとか行えているものの決して小さくない犠牲と引き換えとなっている。数的にはより過小な戦力でありながら最も巨大な戦果を挙げていた“連合艦隊”が殲滅されていれば、その悪影響は計り知れないものになっていただろう。

故に、“正しい”。ほぼ全員が大破状態にあり、そのまま放置していれば後数分と保たず殲滅されていたであろう彼女達を救ったことは、彼女達の生存と引き換えに、多くの犠牲、多くの屍を積み重ねたことは、どこまでも残酷で冷静で“正しい”判断と言える。

ただしそれは、あくまでも戦略・戦術・数学的観点に基づき“理性”のみで見た時の話。1人の人間としては、2つの“命”を天秤にかけて片一方に比重を置いた自分たちの決断は、多くのパイロット、艦載機妖精、艦娘たちに「死ね」と命令した事実は、強く重く心に伸し掛かってくる。

(恐らくはハメルス司令も同じ気持ちだろう、だからこそ見たこともないほど苛立っている。

………軍人としてある程度キャリアを積んでいる、私や司令ですら穏やかではいられない。ならば、元々一般人である“彼”は、尚の事強烈な心労を抱えているはずだが)

読み終えた資料のページを戻し、改めて目を通す。ウィーランドが再度開いた箇所は、第三次防衛線構築後の戦闘詳報。

言い換えるならそれは、各地から殆ど逐次投入に近い形で動員された艦娘達と、それらを指揮した“彼”───現時点におけるウィーランド達のAdmiral、ススム=ハットウの奮戦の記録だ。
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