速水奏「眠り姫には口づけを」 (26レス)
上下前次1-新
1: ◆WO7BVrJPw2 2022/07/01(金)23:00 ID:1aTlkDcE0(1/26) AAS
速水奏「ねぇ、Pさん」
奏「私、待ってるから」
奏(そう言ったのはほんの5時間くらい前のことで)
−−−
省9
2: ◆WO7BVrJPw2 [saga] 2022/07/01(金)23:01 ID:1aTlkDcE0(2/26) AAS
ちひろ「奏さんなら、お友達に囲まれて過ごすかと思っていました」
奏「誕生日が18回もあれば、一人で過ごす回があってもいいかなって思ったの」
ちひろ「そういうのは、20回以降でいいんですよ」
奏「なるほど……それじゃあ私、ちょっと背伸びしているのかもしれないわね」
ちひろ「それは少し違うような……」
省4
3: ◆WO7BVrJPw2 [saga] 2022/07/01(金)23:02 ID:1aTlkDcE0(3/26) AAS
奏「もしかして、心配されています?」
ちひろ「それはそうですよ。売れっ子アイドルとプロデューサーのスキャンダルとか、想像するだけでも恐ろしいんですから」
奏「ふぅん。それもありかしら、なんて思っていたけど……」
ちひろ「勘弁してください、お願いですから〜……」
奏「ふふ。そこまで言われたら、無碍にはできないわね」
省10
4: ◆WO7BVrJPw2 [saga] 2022/07/01(金)23:03 ID:1aTlkDcE0(4/26) AAS
ちひろ「それを聴いて、少し安心しました」
奏「そう? なら良かった」
ちひろ「釘は刺しておいたので、あとはもうお任せします」
ちひろ「では奏さん、ごゆっくり」
奏「ええ。ちひろさんも、お気を付けて。お疲れさまです」
省4
5: ◆WO7BVrJPw2 [saga] 2022/07/01(金)23:03 ID:1aTlkDcE0(5/26) AAS
(改めて、この部屋はしばらく私の空間になる)
「独り暮らししたら、こんな感じなのかしら」
(仕事のデスクに、ソファ、ローテーブル。窓のブラインドはもう降りていて)
(テレビもあるけど、今日の映画は何をやっていたかな)
「……」
省12
6: ◆WO7BVrJPw2 [saga] 2022/07/01(金)23:04 ID:1aTlkDcE0(6/26) AAS
「それでは」
ピッ
(あの人が帰ってくるまで)
(独りきりの映画鑑賞と洒落こみましょう)
「ああ、このシリーズね」
省11
7: ◆WO7BVrJPw2 [saga] 2022/07/01(金)23:04 ID:1aTlkDcE0(7/26) AAS
(嘘をついてまでして得た時間だったけど)
(あの人はまだ帰っていない)
(メッセージアプリの画面は動かない)
(遅くなるという連絡は、ちひろさんが帰る前にきたけど)
(私はそれに、はい、とだけ答えて……メッセージには、既読がついているだけ)
省6
8: ◆WO7BVrJPw2 [saga] 2022/07/01(金)23:05 ID:1aTlkDcE0(8/26) AAS
(家族でも友達でもない)
(独りの時間が一番長い、誕生日)
(大人になると増えるのかしら)
(SNSアプリは、と……)
「わ…… ふふっ」
省5
9: ◆WO7BVrJPw2 [saga] 2022/07/01(金)23:05 ID:1aTlkDcE0(9/26) AAS
(時刻の表示は遅々として進まず)
「ふぁ ぁ……」
(コーヒーでも飲むかな……)
(サンタクロースを待つような心持ちとは裏腹に)
(ソファに深く腰掛けると、一日の疲労が覆いかぶさってくる)
省8
10: ◆WO7BVrJPw2 [saga] 2022/07/01(金)23:06 ID:1aTlkDcE0(10/26) AAS
奏「あ……」
奏(……何時……?)
奏(0時、15分)
奏「……」
奏「はぁ……」
省5
11: ◆WO7BVrJPw2 [saga] 2022/07/01(金)23:06 ID:1aTlkDcE0(11/26) AAS
P「ゆっくり休んでもらうために、起こして帰しても良かったんだけれど」
奏「けれど?」
P「寝顔を見ていたかったって言ったら、怒るかな」
奏「それは、怒れないわね」
P「はは……本当は、ちょっと違う」
省10
12: ◆WO7BVrJPw2 [saga] 2022/07/01(金)23:07 ID:1aTlkDcE0(12/26) AAS
P「あんな電話貰ったら……メッセージでも、帰っている気がしなかったから」
P「じゃあ、待っているんだろうなって」
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
prrrrr
P「はい、お疲れさまです…… ああ、奏か」
省12
13: ◆WO7BVrJPw2 [saga] 2022/07/01(金)23:07 ID:1aTlkDcE0(13/26) AAS
P「そうか……じゃあ」
奏『ねぇ、Pさん』
奏『私、待ってるから』
P「え?」
奏『待ってる。事務所で』
省11
14: ◆WO7BVrJPw2 [saga] 2022/07/01(金)23:08 ID:1aTlkDcE0(14/26) AAS
P「だろうな」
P「奏のことだからそんなに心配はしていないんだけど……ご両親にはどう説明してあるんだ?」
奏「友達の家でパーティー」
P「言い訳でよくあるやつ」
奏「そうね。もしバレても構わないって思っていたし」
省7
15: ◆WO7BVrJPw2 [saga] 2022/07/01(金)23:08 ID:1aTlkDcE0(15/26) AAS
P「あれ……ちひろさん、渡してなかったのか」
奏「ちひろさん?」
P「渡すものだけはって思って、預けておいたんだけどな……えーっと……」
奏「……」
奏「……あの人も、良い性格してるわ……」
省11
16: ◆WO7BVrJPw2 [saga] 2022/07/01(金)23:09 ID:1aTlkDcE0(16/26) AAS
P「ちひろさん、どこに置いたんだ……うーん、と…… これだ」
奏「あった?」
P「ああ」
コト
P「どうぞ」
省13
17: ◆WO7BVrJPw2 [saga] 2022/07/01(金)23:09 ID:1aTlkDcE0(17/26) AAS
奏「……」
奏「酷いこと言うのね。これもプロデュースの一環ってこと?」
P「拗ねないでくれよ。10割仕事ってつもりもない」
P「仕事している間柄だからこその、個人的な……」
P「……最初のファンからの、プレゼントってことで受け取ってほしい」
省8
18: ◆WO7BVrJPw2 [saga] 2022/07/01(金)23:09 ID:1aTlkDcE0(18/26) AAS
奏「ねぇ」
奏「香水、付けてくださらない?」
P「……まぁ」
P「それくらいいいか。誕生日だし」
奏「ええ。もう終わってしまった誕生日だもの」
省11
19: ◆WO7BVrJPw2 [saga] 2022/07/01(金)23:10 ID:1aTlkDcE0(19/26) AAS
P「どうだ?」
奏「……」
奏「……この香り」
奏「どう感じて、どう考えてみても」
奏「高校生の私がつけるには早すぎるわね」
省12
20: ◆WO7BVrJPw2 [saga] 2022/07/01(金)23:10 ID:1aTlkDcE0(20/26) AAS
奏「う……」
P「……うん?」
奏「……愛の告白よりも緊張する言葉を貰った気分よ」
P「遅れた分の埋め合わせにはなったかな」
奏「そうね…… ……愛の告白の方は、くれないの?」
省8
上下前次1-新書関写板覧索設栞歴
あと 6 レスあります
スレ情報 赤レス抽出 画像レス抽出 歴の未読スレ AAサムネイル
ぬこの手 ぬこTOP 0.101s*