勇者「僕らは童貞」 (42レス)
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1: [sage saga] 2020/09/25(金)10:27 ID:kEzX/CXQ0(1/37) AAS
――砂漠の街 宿屋の一室――

勇者「…………」

戦士「…………」

魔法使い「…………」

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2: 2020/09/25(金)10:28 ID:kEzX/CXQ0(2/37) AAS
勇者「……それじゃあ、第二回の会議を始めようか」

戦士「うむ……」

魔法使い「ああ……」

勇者「前は……どこまで話したっけ」

戦士「アレだ。賢者の、その……スカートの丈について……」
省7
3: 2020/09/25(金)10:29 ID:kEzX/CXQ0(3/37) AAS
戦士「……待とう、話がズレそうだ。この会議の目的は忘れていないだろう?」

魔法使い「……そうだな」

勇者「……うん」

勇者(この会議の目的は……)

魔法使い(賢者のスカート丈も関係してっけど……)
省2
4: 2020/09/25(金)10:30 ID:kEzX/CXQ0(4/37) AAS
勇者「……実際、どうすればいいんだろうね」

戦士「俺たちは昔からそういうのに疎かったからな……」

勇者「うん……『世界に平和をもたらせ』って神託を受けてから、ずっと3人で修行に明け暮れてたもんね……」

魔法使い「……オレは一応、好きなやついたけどな」

勇者「え!? そうなの!?」
省7
5: [sage saga] 2020/09/25(金)10:31 ID:kEzX/CXQ0(5/37) AAS
勇者「……ねぇ? 誰が好きだったのか聞いてもいい?」

魔法使い「えぇ〜? ここで聞いちゃう〜? ここで聞いちゃう系なの〜?」

勇者「幼馴染なんだしそれくらいいいでしょ? あれかな、やっぱりキミの隣の家の?」

魔法使い「やっぱりってなんだよやっぱりって! ……まぁ、ご明察なんだけどさ」

勇者「わぁ、やっぱり! そうだよねぇ、あの子がいる時はすごく張り切ってたもんね〜! キミも隅に置けないなぁ、このこの!」ツンツン
省3
6: [sage saga] 2020/09/25(金)10:31 ID:kEzX/CXQ0(6/37) AAS
戦士「……盛り上がってるところ申し訳ないが……」

勇者「あ、っと……そうだったね……」

魔法使い「すまんかった……」

戦士「いや、いいんだ」

勇者「それで……どうすればいいと思う……?」
省10
7: [sage saga] 2020/09/25(金)10:32 ID:kEzX/CXQ0(7/37) AAS
賢者「はい? 気が散る、ですか?」

賢者「えぇっと……ごめんなさい、何かおかしなところがあったでしょうか?」

賢者「これは祖国から賜った大切な品なので……直せるところは直しますから、言って頂けませんか……?」
8: [sage saga] 2020/09/25(金)10:33 ID:kEzX/CXQ0(8/37) AAS
勇者「あ、無理だ」

戦士「……うむ」

魔法使い「だろ? スカートが短い、だなんて言えないだろ?」

勇者「うん……それに、顔を曇らせて申し訳なさそうに俯く姿が……」

戦士「罪悪感を煽る、な……。この案はやめよう」
省7
9: [sage saga] 2020/09/25(金)10:34 ID:kEzX/CXQ0(9/37) AAS
戦士「もう誘惑魔法で全滅しかけるのは嫌だな……」

魔法使い「本当にな……あん時は賢者ちゃんもまだいなかったし、マジで死にかけたわ……」

勇者「僕たちってああいう誘惑で混乱を誘う呪文に耐性ないもんね……魔法使いが正気に戻らなかったら、普通にあそこで死んでたよ……」

戦士「あの時は助かった」

勇者「やっぱり魔法関係だと頼りになるね。ありがとう」
省5
10: [sage saga] 2020/09/25(金)10:34 ID:kEzX/CXQ0(10/37) AAS
勇者「戦闘といえば……やっぱり賢者さんがいると楽だよね」

戦士「ああ。勇者がいつも一緒に前線にいてくれると、俺も楽ができる」

魔法使い「前まで前衛の戦士が敵を食い止めてオレが魔法、勇者は回復したり前衛に回ったり魔法を撃ったりって結構大変だったもんな」

勇者「うん。今はもう回復とか補助は彼女に任せられるから、僕は剣を振るうだけで済むし、いざという時はみんなのサポートにも回れるし」

魔法使い「やっぱ賢者ちゃんってすげーわ。めっちゃいろんな魔法使えるし」
省5
11: [sage saga] 2020/09/25(金)10:35 ID:kEzX/CXQ0(11/37) AAS
魔法使い「……マジでどうすっか」

戦士「うぅむ……」

勇者「うぅん……」

魔法使い「うーん……あっ」
12: [sage saga] 2020/09/25(金)10:35 ID:kEzX/CXQ0(12/37) AAS
戦士「どうした? 何か思いついたのか?」

魔法使い「あ、ああ……まぁー……そのぉー……」

勇者「なになに? 聞かせてよ」

魔法使い「いや、うーん……」

戦士「そんなに難しいことなのか?」
省6
13: [sage saga] 2020/09/25(金)10:36 ID:kEzX/CXQ0(13/37) AAS
魔法使い「……この砂漠の街って、どういう経緯でできたか知ってるか?」

勇者「え? えーっと……確か、三つの国のちょうど真ん中に砂漠があって、そこに街があると便利だから……だったっけ?」

戦士「あとは、量は少ないがこの近くでそれなりに良質な石炭が採れたはずだ。それを採取するための拠点でもある」

魔法使い「うん、大体そんな感じ」

勇者「それがどうしたの?」
省2
14: [sage saga] 2020/09/25(金)10:37 ID:kEzX/CXQ0(14/37) AAS
魔法使い「んで、石炭。地中深くまで掘り進んで、それを運ぶのはかなりの肉体労働だろ?」

戦士「うむ。いいトレーニングになるだろうな」

魔法使い「その2つを繋げると、ここは独自の法で治められている肉体労働者の多い街……ということになる。で、そういう風に働く人が好むものってなにかわかるか?」

勇者「……お肉?」

戦士「あとは、酒か?」
省9
15: [sage saga] 2020/09/25(金)10:37 ID:kEzX/CXQ0(15/37) AAS
魔法使い「だーかーらー! オレたちもそーいうちょっといかがわしいお店で女の子に慣れちまえば賢者ちゃんの格好も気になんねーんじゃねーかなぁーって思ったんだよぉ!」

勇者「でっ、ででででもでもあのさっ、そういうお店って僕たち入っていいの!?」

魔法使い「言っただろぉここは独自の法で統治されてるってぇ! 金さえ払って暴れなきゃ色々と見逃す文化ができてんだよぉ!」

戦士「た、たし、確かに、それは効果がありそうだが、しかし、そういうのは、金がたくさん必要になるんじゃない、か……?」

魔法使い「見た感じアレだったっ! 裏路地の方への案内看板にはおひとり様鋼鉄の剣3本分くらいで〜って書いてあったっ!」
省2
16: [sage saga] 2020/09/25(金)10:38 ID:kEzX/CXQ0(16/37) AAS
魔法使い「払えない金じゃないだろぉオレたちこれまでめっちゃ節約して旅してたしぃ!」

勇者「け、けどそれはいざっていう時のための貯蓄……」

魔法使い「今が“いざ”って時なんだよぉきっとぉ!! 誘惑魔法で全滅する勇者一行なんて嫌だろぉぉ!?」

戦士「う、うぅむ……確かに……」

勇者「ま、まぁ、また誘惑の魔法で全滅するよりは……」
省1
17: [sage saga] 2020/09/25(金)10:39 ID:kEzX/CXQ0(17/37) AAS
ドア<コンコン、ガチャ

賢者「あの、呼びましたか?」

勇者「う、うううううん!! 呼んでないよ!!」

戦士「だい、だ、大丈夫だ、気にしないでくれ」

魔法使い「旅は慣れてないし疲れてるだろそっちの1人部屋でゆっくり休んでていいからねあと騒がしくてごめんな?」
省3
18: [sage saga] 2020/09/25(金)10:39 ID:kEzX/CXQ0(18/37) AAS
魔法使い「あそうだオレたちちょっと夜出かけるけど気にしないでねちょっと男同士で語りたいことがあるからさちょっとほらアレだし」

勇者「ちょっ!?」

戦士「お、お前……」

賢者「わかりました。けれど、あんまり遅くまで遊ぶのはいけませんよ?」

魔法使い「ははは大丈夫大丈夫なぁお前ら」
省5
19: [sage saga] 2020/09/25(金)10:40 ID:kEzX/CXQ0(19/37) AAS
勇者「…………」

戦士「…………」

魔法使い「…………」

戦士「……ど、どうするんだ……?」

魔法使い「もう退路は断っちまった……これも賢者ちゃんのためだ。腹をくくれ、お前らも……」
省3
20: [sage saga] 2020/09/25(金)10:41 ID:kEzX/CXQ0(20/37) AAS
――夜 砂漠の繁華街――

魔法使い「なぁ、知ってるか? この街で採れる石炭には微量ながら魔力を蓄える性質があるんだ。その性質のおかげでここの石炭は汎用性が高い。例えば火炎系の魔法を込めればよりエネルギーのある石炭になるし、真空系の魔法を込めれば燃えやすい石炭になるんだ。それの応用でさ、それぞれの魔法を微量に石炭に詰めると、石炭が燃えた時に放つ光の色を変えることができるんだ。火炎系だとより明るく、氷結系だと青く、真空系だと白くって。なんとなくイメージつくだろ? だからここの特産品の石炭はそういう夜の装飾にぴったりで、石炭に魔法を込める職人なんてのもこの街にはいるんだってさ。ほらそこの店に桃色っぽい光が灯ったランタンあるだろ? それも職人が長年の加工で身につけた配分量で魔法を詰め込んでそういう色に光るようにしてるんだってさ。すごいよなぁオレにはそんな微調整できそうにないわ。ただ単にぶっ放すだけなら簡単なんだけどなぁ。お前らはどう思うよ?」

戦士「……うむ、そう、だな……」

勇者「……うん、それ、さっきも聞いたね。キミって緊張すると、すごい早口で知識を喋る癖がある、よね……」

魔法使い「……ああ、自覚はちょっとある」
省4
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