高坂桐乃「黒猫とより戻したら?」高坂京介「は?」 (14レス)
1-

1: [sage saga] 2020/08/22(土)21:34 ID:h16Rbuf2O携(1/11) AAS
"出来る妹"を持つと苦労するなんてことは、今更わざわざ言うまでもないが、実際のところは少し意味合いが違ったりする。

そもそもどうして苦労するのかについて説明すると、兄貴であろうとするからだ。

生まれた順序ってのは選べるわけじゃないし、当然、あとから変えることも出来ない。
だからまあ、当事者としてはそういうものだと受け入れるしかないんだが、周りは違う。

お兄ちゃんなんだから、とか。
お兄ちゃんの癖に、とか。
あれがお兄さん?、とか。

とにかく、妹よりも出来て当然と思われる。
省15
2: [sage saga] 2020/08/22(土)21:37 ID:h16Rbuf2O携(2/11) AAS
「兄貴さ」
「ん?」

時刻は深夜。
一緒にベッドに寝転びながら、俺の部屋にPC持参で押しかけて来た桐乃は黙々と妹モノのエロゲーをプレイしていて、何故実の妹と添い寝しながらエロシーンを眺めなきゃならんのかと思いつつ、やたら良い匂いのする妹のシャンプーの香りをふがふが嗅いでいると。

「黒猫とより戻したら?」
「は?」

意表を突かれて間抜けな声が漏れた。
黒猫とは桐乃のオタク仲間である五更瑠璃の愛称であり、そして俺の元カノでもあった。

あまりの脈略の無さについ、問い返した。
省9
3: [sage saga] 2020/08/22(土)21:38 ID:h16Rbuf2O携(3/11) AAS
「お、お前、カマかけやがったな!?」
「それだけ引きずってるってことでしょ?」

怒りによって羞恥心を誤魔化しつつ、あわよくば話の流れを有耶無耶にしようという目論見は残念ながら、この妹には通じなかった。

「くそっ……わかったよ。白状すると、かなり引きずってる。ケッ。これで満足か?」
「なら、さっさとよりを戻しなさいよ」
「んな簡単に言うなよ……」

よりを戻すと言っても、方法がわからん。

「そもそもだな、俺と黒猫は喧嘩とか倦怠期とかそういうわかりやすい理由があって別れたわけじゃなくて……」
「だからこそ、たぶん……ううん。きっと、あいつもまだアンタのこと好きだと思う」
「へ、へえ……ああ、そう。ふーん……」
省3
4: [sage saga] 2020/08/22(土)21:41 ID:h16Rbuf2O携(4/11) AAS
「ま、どうでもいいけど」

憤慨する俺はつまらなそうに横目で見やってから桐乃は再びゲーム画面へと視線を戻す。
その端正に整った横顔を眺めながら尋ねた。

「お前はどうなの?」

聞いてからの後悔はあまりなかった。
今日のような桐乃とのひとときは確かに俺にとってかけがえのないもので、出来ればこの先ずっとこうして過ごしたいという気持ちもあるが、同時にそれは不可能だとも思う。

「………………………」
省13
5: [sage saga] 2020/08/22(土)21:45 ID:h16Rbuf2O携(5/11) AAS
「京介は、どうしてあたしの兄貴なの?」
「どうしてもこうしてもないだろ」

触れるか触れないかの寸前で、囁き合う。

「そういうものなんだから、仕方がない」

そう仕方ない。途端に胸の高鳴りが鎮まる。
そもそも、さっきまで元カノを引きずっているとほざいてた俺にそんな資格はないのだ。
閉じたノートPCの背を見つめて、妹に諭す。

「だけどな、桐乃。俺は兄貴として、彼氏には出来ないような世話まで焼くつもりだ」
「……余計なお世話だっての」
省5
6: [sage saga] 2020/08/22(土)21:46 ID:h16Rbuf2O携(6/11) AAS
「じゃあ、お願いしよっかな」
「さっそくか。いいぜ。どんなお願いだ?」
「おしっこしてるとこ見せて」

ん? なんだ? おかしいな。幻聴だろうか。

「あの、桐乃さん……?」
「あ、ごめん。逆だった」
「へ? 逆というと……?」
「ほら、見てよこのシーン!」

カパッと勢いよくノートPCを開く桐乃。

「今まさに妹が放尿しようとしてるところで、私ったら思わず見惚れちゃってさぁ!」
省10
7: [sage saga] 2020/08/22(土)21:49 ID:h16Rbuf2O携(7/11) AAS
「で? やるの? やらないの?」
「ぐぬぬ……!」

どうする。どうする、俺。葛藤の末の結論。

「ああ、わかった! もう好きにしろよ!」
「やった! じゃあ、お風呂場にGO!」

やれやれ。ま、兄貴だしな。仕方ないよな。
そう。別に俺は妹の放尿になんざ興味ない。
兄貴だから仕方なく、見届ける義務がある。
それだけだ。断じてワクワクなどしてない。

そんなこんなで期待に胸を膨らませながら浴室内に入ると、桐乃がひとこと。
省13
8: [sage saga] 2020/08/22(土)21:52 ID:h16Rbuf2O携(8/11) AAS
「じゃあ、肩車とかどう!?」

肩車、だと? しかし、それには問題がある。

「お前な、天井を見てみろよ」
「あ、無理か……」

風呂場の天井は低くて肩車は不可能だった。

「だったら四つん這いになって」
「それしかないのか……」
省12
9: [sage saga] 2020/08/22(土)21:53 ID:h16Rbuf2O携(9/11) AAS
「出す……よ?」
「い、いちいち聞くなよ。緊張するだろ」
「だ、だって、あたしだって緊張してるし」

そこで気づく。桐乃も緊張しているのだと。

「なんだよ、いつもの威勢はどうした?」
「なんか、いざとなると兄貴に悪いなって」
「桐乃……」

あらやだ。何この子。その優しさが嬉しい。

「別に俺は全然嫌じゃないぜ?」
「へ、変態……?」
省6
10: [sage saga] 2020/08/22(土)21:55 ID:h16Rbuf2O携(10/11) AAS
「こんな状況でカッコつけんな、バカ兄貴」
「おかげで緊張がほぐれただろ?」
「ん……兄貴のせいで、もう止まんない」
「お?」

ちょろりんっ!

「フハッ!」

背中に滴る桐乃の雫。瞬間、俺は覚醒した。

ちょろろろろろろろろろろろろろろろんっ!
省11
11: [sage saga] 2020/08/22(土)21:58 ID:h16Rbuf2O携(11/11) AAS
「う、うう……」
「あ、起きた」
「くぅ〜っ……頭痛てぇ」

気づくとそこは自室で、ベッドに寝ていた。
桐乃が傍らに居て時間が巻き戻った感覚だ。
もしかしたらうたた寝でもして全部夢かも。

「ね、兄貴」
「なんだ、どうかしたのか?」
「これ見て」

腫れあがったタンコブをさすりつつ、桐乃に促されるまま、ノートPCの画面を見やると。
省16
12: 2020/08/22(土)22:28 ID:emPWngB3o(1) AAS
乙です
13: 2020/08/22(土)23:18 ID:svB1sEf70(1) AAS
全員のおしっこ書いて
14: 2020/08/23(日)06:05 ID:m22Kv6pOo(1) AAS
んー切り替えが雑よどうしたの
1-
スレ情報 赤レス抽出 画像レス抽出 歴の未読スレ AAサムネイル

ぬこの手 ぬこTOP 0.473s*