【艦これ】金剛「ブレンダム基地分遣隊?」【トーマス】 (36レス)
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1: 2020/07/04(土)19:43 ID:wZT8Xz8wO携(1/13) AAS
・時代は現代。
・艦娘は昔の艦の魂が人の姿になったものという設定。
・深海棲艦は出ません。
・戦闘はしませんが事故はするかも。

「ソドー島派遣任務」という、お話。

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2: 2020/07/04(土)19:55 ID:wZT8Xz8wO携(2/13) AAS
金剛「ブレンダムっていうと、確かイギリスのソドー島にある港町ですヨネ?なんで突然イギリスに?」

提督「イギリスの艦娘たちが大規模作戦だとかなんだとかで、艦娘の数が足りないんだと。そこで我々のほうから何隻か派遣することになった」

金剛「なるほど、私のほかには誰が派遣されるんデス?」

提督「龍驤、青葉、阿武隈、若葉、初霜だ。君を含めて六隻になる。まぁ、ソドー島の近辺は深海棲艦が殆ど居ないらしいからあまり心配しなくて良さそうだが」
3: 2020/07/04(土)20:07 ID:wZT8Xz8wO携(3/13) AAS
イギリス本土のマンチェスター空港に、一機の旅客機が降り立った。金剛たち六隻と日本の鎮守府の作業員複数人を乗せてきたチャーター便だ。

阿武隈「イギリスに来るのは2018年の欧州遠征以来ですねぇ」

青葉「ここからバロー・イン・ファーネスまで向かうんでしたよね。確かバロー・イン・ファーネスって……」

金剛「えぇ、私の生まれ故郷デース。今日はバロー・イン・ファーネスの宿に泊まって、明日ソドー島行きの特急列車に乗りマース」

若葉「どこか楽しそうだな」
省2
4: 2020/07/04(土)20:19 ID:wZT8Xz8wO携(4/13) AAS
その日の夜、金剛はホテルの外に出て夜空を眺めていると、初霜がやってきた。

初霜「金剛さんどうしたんですか?なんだか考え事をしてるみたいですけど」

金剛「昔のことを思い出してたんデス。私がまだこの街で建造されてた時のことを」

初霜「もしよろしければ、その頃の話を聞きたいです」

そうして金剛は昔話を始めた。作業員が忙しく働いている様子を眺めた毎日の話、日本に行くのを楽しみに待った日々の話、進水式の話。沢山の話をした。
省3
5: 2020/07/04(土)20:32 ID:wZT8Xz8wO携(5/13) AAS
一方そのころ、夜のナップフォード駅では一日の仕事を終えたエドワードとバーティーが話をしていた。

バーティー「昔、ブラスバンドを乗せた僕がぬかるみにはまって動けなくなったとき、楽器の音を聞いて助けにきてくれたよね」

エドワード「うん。楽器の音が『SOS』のモールス信号の音だったからね。助けを求めてるって解ったのさ」

バーティー「なんでそんなことを知ってたんだい?モールス信号って言ったら、昔の船が使うものじゃないか」

エドワード「ファーネス鉄道に居た頃に、建造中だった軍艦が教えてくれたんだよ。明るい女の子だったけど、確か名前は……」
省1
6: 2020/07/04(土)21:06 ID:wZT8Xz8wO携(6/13) AAS
「金剛と昔馴染み」という、お話。

バロー・イン・ファーネスに朝日が昇り、新しい一日が始まった。派遣部隊の一行はホテルで朝食を取り終えると、駅に向かった。
ところが、駅には列車が見当たらない。一行が戸惑っていると駅員が駆け寄ってきた。

青葉「どうしたんですか?」

駅員「それが派遣部隊の皆さんには臨時の特急列車に乗ってもらう予定だったんですが、特急列車用の機関車は2両とも整備に時間がかかっているらしくて来れないと」

龍驤「んじゃどうやってブレンダムまで行けばええんや?」
省5
7: 2020/07/04(土)21:12 ID:wZT8Xz8wO携(7/13) AAS
金剛「エドワード!」

エドワード「金剛!」

金剛はエドワードに駆け寄った。

龍驤「なんやあんたら、知り合いなんか!?」

金剛「知ってるも何も、昔馴染みネ!」
省3
8: 2020/07/04(土)21:20 ID:wZT8Xz8wO携(8/13) AAS
金剛「外の世界を知らない私はドックの近くまで資材を運んできたエドワードに興味を持って、女の子の姿をとって近づいたネ」

初霜「それって船幽霊みたいな感じですよね」

金剛「まぁ建造中だったから小さい女の子の姿になっちゃって、作業員さんに見つかったらマズいからひそひそと近づいたヨ」

エドワード「あの時はどうしてこんなところに女の子が?って思ったよ。そしたら自分がこの建造中のこの艦だって。最初は信じられなかったけど」
9: 2020/07/04(土)21:25 ID:wZT8Xz8wO携(9/13) AAS
金剛「エドワードは外の話を沢山してくれて、毎日が楽しくなったヨ」

エドワード「日本に旅立っていった時は寂しかったけど、その後すぐにファーネス鉄道からソドー鉄道に転属になったからあんまり誰にも話したことはなかったんだ」

思い出話が終わると、途中のウェルスワース駅でエドワードは停車する。他の列車の通過待ちだ。
10: 2020/07/04(土)21:39 ID:wZT8Xz8wO携(10/13) AAS
ゴードン「どうしたエドワード、何をそんなに嬉しそうな顔をしてるんだ」

ゴードンの急行列車がウェルスワース駅に停車した。

エドワード「ファーネス鉄道に居た頃の昔馴染みに会ってね。これからブレンダムまで彼らを乗せていくんだ」

ゴードン「なっ!?ファーネス鉄道っていうとそりゃ百年以上も前の話じゃないか!」

金剛が客車の窓を開けて身を乗り出す。
省3
11: 2020/07/04(土)21:58 ID:wZT8Xz8wO携(11/13) AAS
ブレンダムの港にエドワードが到着すると、ビルとベンがクレイピッツから陶土を載せた貨車を牽いてきていた。

ビル「やぁエドワード。嬉しそうにしてるね」

ベン「解った!特別なお客さんを乗せる仕事を任されたんだ!」

エドワード「あはは、そうだよ。昔馴染みをここに連れてきたんだ」

ビル「昔馴染みって、まさか君がメインランドで働いてたころの?」
省9
12: 2020/07/04(土)22:04 ID:wZT8Xz8wO携(12/13) AAS
一連の光景を見ていた龍驤が客車から降り、呆れながら言う。

龍驤「金剛、うちら艦娘は大体70歳以上なんやからいちいち怒ってたら埒が明かんで。ちびっ子相手に大人げない」

ビル「ちびっ子っていうけどさ、見た目じゃ何もわかんないっていうじゃないか」

ベン「貴方だって70歳以上みたいだけど、体は小さいじゃないか」

それを聞いた龍驤は頭に来た。
省7
13: 2020/07/04(土)22:08 ID:wZT8Xz8wO携(13/13) AAS
このお話の出演は、ゴードン、エドワード、ビルとベン、金剛、そして龍驤でした。(今日はおしまい)
14: 2020/07/05(日)18:13 ID:uBuoyiPlO携(1/9) AAS
「大砲でびっくり」という、お話。

ブレンダム港の端にある建物がブレンダム基地で、一行はここでしばらくの間寝泊まりすることになった。
建物の窓から外を見ると、沢山の機関車たちが忙しく働いている様子が見える。

ある日の昼、阿武隈が港を歩いていた。

阿武隈「皆さーん、こんにちはー」

カーリー「こんにちは阿武隈、ブレンダム港にはもう慣れた?」
省3
15: 2020/07/05(日)18:16 ID:uBuoyiPlO携(2/9) AAS
彼らは楽しそうに話していたが、ビッグ・ミッキーは何だか不安そうな顔をしていた。近くにいたポーターが聞く。

ポーター「殆ど表情が変わらない君がそんなに不安そうにしてるのは珍しいね」

ビッグ・ミッキー「うーん、海軍には苦い思い出があってね」

ポーター「思い出?ブレンダムに基地が置かれたのは7年程前だけど、何かあったっけ?」

ビッグ・ミッキー「いいやもっと昔、俺がブレンダム港に設置される前の話だよ」
省3
16: 2020/07/05(日)18:27 ID:uBuoyiPlO携(3/9) AAS
その日の夕方、ブレンダム港にある一隻の船がやってきた。

クランキー「こりゃ珍しい。海軍の輸送船だな」

ビッグ・ミッキー「海軍の輸送船!?」

ビッグ・ミッキーは珍しく大きな声を上げた。

カーリー「どうしたのよ。艦娘の皆さん向けの物資を積んだ輸送船が来るって聞かなかった?」
省2
17: 2020/07/05(日)18:40 ID:uBuoyiPlO携(4/9) AAS
夜になると、サムソンがブルーマウンテンの採石場から石材を運んできた。

ポーター「今日はブラッドフォードと一緒じゃないんだね」

サムソン「ああ、彼はブレーキの修理中だから一緒に手伝いにこれなかったんだ。ところで、クランキーは随分と慎重に仕事してるじゃないか」

クランキーは仕事に遅れが出ない程度に、ゆっくりとフックを上げたり下げたりしている。

クランキー「ビッグ・ミッキーのやつが慎重にやれって言うんだ。何考えてるんだか」
省6
18: 2020/07/05(日)18:48 ID:uBuoyiPlO携(5/9) AAS
クランキー「おいビッグ・ミッキー……」

ビッグ・ミッキー「みんな逃げろ!爆発事故が起き」

クランキー「おいビッグ・ミッキー!何を騒いでるんだ。この輸送船の積荷に弾薬なんて無いぞ」

ビッグ・ミッキー「な?なんだそうなのか?」

サムソン「じゃぁこの音はいったいどこから?」
省4
19: 2020/07/05(日)18:55 ID:uBuoyiPlO携(6/9) AAS
ソルティー「そうか、ビッグ・ミッキー。お前さんがアメリカの海軍基地のクレーンだったんだな」

カーリー「どういうこと?」

ソルティーが昔話を始めた。

ソルティー「その海軍基地は弾薬の集積場があって、ある日の夜大型クレーンが輸送船に積込作業をしていた。そこへ不注意な海軍のタグボートがやってきて
      艀にぶつかった。倒れたドラム缶から火が上がって基地は大火事に。爆発も沢山起きて、輸送船と大型クレーンは海に沈んだんだ」

ビッグ・ミッキーが渋い顔をした。
省3
20: 2020/07/05(日)19:14 ID:uBuoyiPlO携(7/9) AAS
次の日の朝、ブレンダム港はいつもよりも忙しかったので、手伝いとしてクレイピッツからティモシーが来ていた。

ティモシー「へぇ、僕もアメリカ生まれだけどビッグ・ミッキーもアメリカ出身だったんだね」

ビッグ・ミッキー「アメリカの港も毎日忙しかったぞ。沢山のタグボートたちも働いてたが、あいつら元気かな」

ティモシー「そういえばアメリカの港で船に積まれた時、近くお喋りなクレーン船が居たなぁ。ちょうどソルティーみたいに」

ソルティー「うん?」
省4
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