右京「タイムパラドクスゴーストライター?」 (82レス)
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32: [saga] 2020/07/01(水)01:19 ID:A7tKNGJh0(32/33) AAS
「それにしても何故そんな急遽連載が決まったのですか?普通なら会議に掛けられ慎重な判断が下されて掲載になるのではありませんか。
僕たち部外者からしてもこれは些か性急だったと思えますよ。」

「それは…恥ずかしい話ですが…うちの雑誌…中堅どころが軒並み最終回を迎えましてね…だからその穴を埋めるにもホワイトナイトが適任だったんですよ。」

どうやら佐々木哲平はタイミングにも恵まれていたらしい。

「ところで聞きたいんですけど…佐々木くんが盗作を行ったというのは本当なんでしょうか…?」

「それを証明するのは難しいでしょう。現時点では伊月さんのホワイトナイトくらいしか証拠がありませんからねぇ。
既に少年ジャンプで佐々木先生の描いたホワイトナイトが掲載されています。
現状において先に世間に出回った方が本物とされる。盗作を疑うにしてもかなり難しいと思われます。」

「けど先程のお話で佐々木くんがこの少女の家で窃盗したとかいう話はどうなんですか!」

「問題はそこです。この後、佐々木哲平が窃盗犯であったと証明された場合が厄介です。
その際に問題視されるのはそちらで掲載されてしまったホワイトナイト。
少年ジャンプの作家が窃盗を行っていただけでも問題だというのにあろうことかその作品すら盗作したものだった。
さらに言えばその作品が証拠の決め手になったとなれば世間からのバッシングは相当なものになるでしょう。
最悪の場合は廃刊すらありえますよ。御社が被るダメージは計り知れないものになるかもしれません。」

右京から最悪の場合を聞かされて菊瀬は思わず背筋が凍りつくような感覚に陥った。
もしもここが禁煙室ならタバコを一服口にして気分を落ち着かせたいまである。
つまりこういうことだ。佐々木哲平が本当に盗作を行っていたとすれば自分たち少年ジャンプ編集部は犯罪の片棒を担がされてしまった。
まったくなんということをしてくれたんだと呆然とするしかなかった。

「落ち着いてください。まだそうと決まったわけではありません。
しかし時間はありません。読み切りならともかく本格的な新連載となれば集英社もタダでは済まされない。
そのためにも一刻も早く事実確認を済ませる必要があります。」

「わかりました。これから編集長に掛け合ってみます。」

「お願いします。僕たちはこれから佐々木先生を訪ねてみようと思います。」

こうして右京たちは菊瀬から佐々木哲平の住所を聞き出して彼の自宅へと向かった。
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