魔女「寂しい人ね。頭も心も」屍男「……余計なお世話だ」 (133レス)
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16: ◆gqUZq6saY8cj [saga] 2020/02/29(土)22:29 ID:8OoW/DPso(16/17) AAS
魔女「分かっているだけであの森で14人は行方不明になっているわ。これはもう……ただの遭難とは言えないんじゃないかしら」

屍男「……確かに、異常な事態だな。だが、気になる点が一つある」

屍男「初めて行方不明者が確認されたのは40年前だ。お前が調べた限りでも、それは確かだったんだろ?」

魔女「えぇ、そうよ。それ以前の記録は探してみたけど何も出なかったわ」

屍男「伝承が確かなら、数百年前から炎の魔女の呪いは実在するはずだ。だが、犠牲者が出始めたのは40年前……おかしいと思わないか」
省5
17: ◆gqUZq6saY8cj [saga] 2020/02/29(土)22:33 ID:8OoW/DPso(17/17) AAS
今日はここまで
はいってことでようやく続きを書けるようになりました…色々遅れちゃってごめんなさい
一応前スレの方に今回の話と関係あるような感じの短編を書いたのでそっちも読んでもらえると嬉しいです
18: 2020/02/29(土)22:38 ID:mPJVwSRyo(1) AAS
おつおつ
19: 2020/03/01(日)00:13 ID:zk7qwPf3O携(1) AAS
新作やん!乙
20: ◆gqUZq6saY8cj [saga] 2020/03/02(月)18:28 ID:s7W+/pzao(1/17) AAS
□□□□  翌日  □□□□

魔女「この先に図書館があるわ。そこなら当時の資料を探せるはずよ」

屍男「……ずいぶんこの町に詳しいんだな。初めて来たんじゃないのか?」

魔女「あら?言ってなかったかしら。ここは私の故郷よ。この町で生まれ育ったんだから、それなりには精通してるわよ」

屍男「……初耳だぞ」
省4
21: ◆gqUZq6saY8cj [saga] 2020/03/02(月)18:30 ID:s7W+/pzao(2/17) AAS
…………………………………
……………………

ペラッペラッ

屍男「……あったぞ。これだ」

魔女「ほんと?どれどれ」

屍男「1979年に、森に入った夫婦のうち、その妻が失踪している。夫が目を離した一瞬のうちに消えていた……か」
省4
22: ◆gqUZq6saY8cj [saga] 2020/03/02(月)18:31 ID:s7W+/pzao(3/17) AAS
屍男「靴だ。他の事件では失踪者の遺留品は何も見つかってないが、これだけ妻の靴が一足確認されている」

魔女「あ、確かに」

屍男「だが、これだけでは判断条件としては足りないな。もっと情報がいる」

魔女「じゃあ、森について詳しく知ってそうな人に直接聞きに行く?」

屍男「……?誰だ?それは」
省1
23: ◆gqUZq6saY8cj [saga] 2020/03/02(月)18:32 ID:s7W+/pzao(4/17) AAS
…………………………………
……………………

屍男「本当にその婆さんは話ができるのか?だいぶボケているようだが」

魔女「それは実際に話してみないと。でも実は私、そのおばあさんのことちょっとだけ知ってるのよね。私がまだこの町にいた時も……変わり者で有名だった人だから」

屍男「変わり者とは?」

魔女「あの人、森の目の前に住んでるのよ。地元の人間でも薄気味悪くて近付かないのに」
省5
24: ◆gqUZq6saY8cj [saga] 2020/03/02(月)18:33 ID:s7W+/pzao(5/17) AAS
魔女「この家よ。そして、そこを真っすぐ行ったところが森の入り口よ、今は金網で封鎖されていて、一般人は入れないようになっているわ」

屍男「……あそこか」

屍男(何も感じない。一見、どこにでもあるような森だ。中に入ることがトリガーになるのか)

屍男(やはり“突然変異”によって森自体が異界と化している可能性があるな。それなら被害者の遺体が見つからないことにも説明が付く)

屍男(……そうなると、直接退治するというのは難しくなってくる。聖火でここら一帯を焼き尽くすくらいしか方法がない)
省2
25: ◆gqUZq6saY8cj [saga] 2020/03/02(月)18:34 ID:s7W+/pzao(6/17) AAS
ガチャ

老婆「……」

老婆「……何の用だい」

魔女「あ、どうも。実は私達、あそこの森について取材を――」

屍男「……」
省5
26: ◆gqUZq6saY8cj [saga] 2020/03/02(月)18:35 ID:s7W+/pzao(7/17) AAS
スタスタ スタスタ

老女「そこに適当に座りな。茶でも出してやる」

魔女「あ、どうも」

屍男「……驚いたな。100歳を超えてるとは思えないほどしっかりしている。どこがボケているんだ」

魔女「……どうやら、彼女の証言は警察に揉み消されたってことで確かなようね」
省3
27: ◆gqUZq6saY8cj [saga] 2020/03/02(月)18:36 ID:s7W+/pzao(8/17) AAS
老女「で、何が知りたいんだい」

魔女「そうですね、じゃあまず、三年前の件について」

魔女「三年前、この森に入った4人の男女を見たっていうのは本当ですか?」

老女「……」ゴクゴク

老女「……フーッ」
省4
28: ◆gqUZq6saY8cj [saga] 2020/03/02(月)18:37 ID:s7W+/pzao(9/17) AAS
老女「……あたしの孫が昔、あの森で消えているんだよ。40年前にね」

魔女「40年前って……最初の行方不明者……」

老女「よく調べているじゃあないか。そうだよ」

老女「あんたらが考えている通り、森がおかしくなったのは40年前だ。確かに、おかしな伝説はあったが、そんなのものはとっくに廃れていて、当時は誰でも入ることが出来てたんだよ」

老女「あたしだって子供の頃から何回も行ったことがある。あの日までは……あの森は普通だった」
省1
29: ◆gqUZq6saY8cj [saga] 2020/03/02(月)18:38 ID:s7W+/pzao(10/17) AAS
老女「あたしも調べられることは何でも調べた。でも、同じようにあんたらが知っていること以上のことは何も分からなかった。だからここに家を建てたんだよ」

老女「アイツのことを知るためにね……」チラッ

魔女「……それで、何か分かったことはあったんですか?」

老女「“炎の魔女”は実在する。これだけは確かだよ」ギロッ

老女「あたしゃこの目で何度か見たことがある。炎に包まれた人みたいなやつが、こっちを見ているのを」
省2
30: ◆gqUZq6saY8cj [saga] 2020/03/02(月)18:38 ID:s7W+/pzao(11/17) AAS
老女「証拠写真も撮ろうとしたが……駄目だった。アイツの姿はビデオにもカメラにも映らなかったから、証明出来るものは何もないけどね」

老女「でも、あたしの記憶を頼りに描いた絵がある。それがこれさ」バサッ

『』

魔女「これが……炎の魔女、その名の通りの姿をしているわね」

屍男「……僅かにだが、女体のような風貌に見えるな。本当にこの絵の通りだったのか?」
省3
31: ◆gqUZq6saY8cj [saga] 2020/03/02(月)18:39 ID:s7W+/pzao(12/17) AAS
老女「あんたら、森で消えた人数はどこまで知っているんだい」

魔女「こちらで把握しているのは14人ですね」

老女「……14人かい。そこまで少なけりゃどれだけマシだったか」

老女「少なくとも、その5倍はいなくなってるよ。警察共が揉み消しているせいで、テレビでは報道されてないけどね」

魔女「ご……5倍!?」
省3
32: ◆gqUZq6saY8cj [saga] 2020/03/02(月)18:41 ID:s7W+/pzao(13/17) AAS
老女「警察共や市の偉いさんは恐れているんだよ。この事実が他に漏れることをね。だからここで消えたやつらは別件として処理されるんだ」

老女「そりゃそうだ。それだけの人数が消えている森なんてのが実在したら、もはやそれは都市伝説の域は超えている……上から見りゃ、自分の立場が危うくなる危険な存在だ」

老女「あいつらは……見て見ぬフリをしているんだ。我が身可愛さでね」

魔女「……」

屍男「……」
省3
33: ◆gqUZq6saY8cj [saga] 2020/03/02(月)18:42 ID:s7W+/pzao(14/17) AAS
老女「今までも、あんたらみたいな二人組は何回か来た。普通の人間と違う雰囲気を出しているのがね」

老女「だがそれでも……帰ってくる者はいなかった。みんな、消えちまったんだよ」

老女「それでも行くのかい」

魔女「……えぇ」

屍男「……そうするつもりだ」
省2
34: ◆gqUZq6saY8cj [saga] 2020/03/02(月)18:44 ID:s7W+/pzao(15/17) AAS
………………………………………
…………………………

スタスタ スタスタ

魔女「話を聞きに行って正解ね。収穫はたくさんあったわ」

屍男「……あぁ、そうだな」

魔女「それにしても、まさか行方不明者がそんなにいるとは思わなかったわ。これが表に出たら大変な騒ぎになるわよ」
省4
35: ◆gqUZq6saY8cj [saga] 2020/03/02(月)18:45 ID:s7W+/pzao(16/17) AAS
魔女「色々調べてたらもう真っ暗ね。適当な店でディナーでも食べましょうか」

魔女「そうだ。そこの角を曲がったところに美味しいピザの店があったはずよ。今日はそこにしましょうか」

スタスタ  スタスタ

屍男「……見当たらないが」

魔女「あれー……おかしいわね。確かに食べた記憶があるんだけど」
省4
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