女友達「だから、本質は照れ隠しなんでしょ?」 (12レス)
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1: [sage saga] 2020/02/27(木)01:03 ID:/796ddojO携(1/12) AAS
「あなたの事なんて好きじゃないんだからね」
「突然どうした?」
「有名なツンデレの台詞よ」
「熱でもあるのか?」

いきなりツンデレになられても反応に困る。
高熱で脳みそが溶けちまってるのかと思い。
女友達の額に手を当ててみると平熱だった。

「ちょっとは体温を上昇させろよ」
「恒温動物に無茶を言わないでよ」
「変温動物にだって不可能だと思うが」
省9
2: [sage saga] 2020/02/27(木)01:05 ID:/796ddojO携(2/12) AAS
「そんなことより、話を戻せよ」
「は? 何の話よ?」
「お前がツンデレの話題を振ったんだろ?」
「ああ……そういえば、そうだったわね」

テヘペロっと、舌を出す女友達は可愛かった。

「ツンデレって、よくわからないのよね」
「読んで字の如くじゃないのか?」
「普段ツンツンしてる子がデレるってこと?」
「それ以外にどんな意味があるんだ?」

すると女友達は、ニヤリと、口の端を曲げて。
省9
3: [sage saga] 2020/02/27(木)01:08 ID:/796ddojO携(3/12) AAS
「それで、ツンモレのことなのだけど」
「ツンデレの話だろ?」
「ああ、そうそう。それを言いたかったのよ」

一字違いでえらい違う。気をつけて頂きたい。

「ツンという部分に、違和感があるの」
「具体的には?」
「あれはあくまで照れ隠しでしょ?」

あまり詳しくはないが、概ね、間違いはない。

「まあ、そうだな」
「だったら、『テレデレ』と呼ぶべきよ」
省11
4: [sage saga] 2020/02/27(木)01:10 ID:/796ddojO携(4/12) AAS
「だから、本質は照れ隠しなんでしょ?」
「だけど、結果としてツンツンするんだ」

俺たちの意見は一見同じに見えて大きく違う。

「テレが本質よ」
「ツンが結果だ」

本質と結果。どちらを優先するべきか揉めた。

「たとえば、私が照れたとするわ」
「それがどうした?」
「だからと言って、暴力は振るわない」
「当たり前だろうが」
省10
5: [sage saga] 2020/02/27(木)01:12 ID:/796ddojO携(5/12) AAS
「では、こうしましょう」
「どうするつもりだ?」
「照れ隠しに、今からうんちを漏らします」

脈絡なくおかしなことを言うのはやめてくれ。

「お前、ツンモレだったのか?」
「何を隠そう、ツンモレとは私のことよ」
「いや、少しは隠せよ」
「嫌よ。私は我慢するのが何より嫌いなの」

ただのわがままで糞を漏らされても困る。

「ひとまず考え直せ。絶対に後悔するぞ」
省15
6: [sage saga] 2020/02/27(木)01:14 ID:/796ddojO携(6/12) AAS
「何よ。あなたも私のお尻を嗅ぎたいの?」
「ひとことも言ってないだろそんなこと!」
「察しと、思いやりよ」
「邪推と誤解だろうが」

やれやれと嘆息して、閑話休題。本題である。

「とにかく、俺が漏らしたとして」
「それで、この私にどうしろと?」
「それを聞きたいんだよ、こっちは!」

まともな人間ならば拒絶する。だがこいつは。

「とりあえず、パンツを貰うわ」
省7
7: [sage saga] 2020/02/27(木)01:16 ID:/796ddojO携(7/12) AAS
「まったく、これだから童貞は」
「ひとを童貞だと決めつけるのはやめろ」
「どこの女に貞操を捧げたの? 吐きなさい」
「完全にヤンデレじゃねぇか」

ハイライトを失った瞳が怖すぎるからやめて。

「ああ、もう。想像するだけで苛々する」
「何を想像しているんだ?」
「あなたが他の女の前でうんちしてるところ」
「しねぇよ! 想像の域を出ねぇよ!!」

そんな特殊な趣味嗜好は持ち合わせていない。
省9
8: [sage saga] 2020/02/27(木)01:17 ID:/796ddojO携(8/12) AAS
「好きだよ」
「 」

漏らせと言われたので漏らしてみた。
反応は劇的であり、女友達は絶句した。
まるでサスペンスドラマのワンシーンのように両手で開いた口を押さえて目を見開く彼女は些か滑稽であり、ともすれば俺を揶揄っているのではないかと思ったが、つうっと、一雫の涙が頬を伝ったのを目撃して、ああ、この女は本当に驚いているのだなと理解し、指先で涙を拭う。

「いくらなんでも驚きすぎだろう」
「だって……信じられなくて」
「とっくの昔に伝わってると思ってたよ」

軽口を叩き合える友人は貴重だ。
歯に衣着せぬ間柄とは、得難いものだ。
省8
9: [sage saga] 2020/02/27(木)01:19 ID:/796ddojO携(9/12) AAS
「私もあなたに打ち明けるわ」
「聞こう」

きっと告白に対する返事だろうと思ったら。

「実は今、大きな波が押し寄せてきたの」
「波?」
「ええ、まさにそのタイミングで告白された」

それは所謂感情のピークというやつだろうか。

「それで?」
「私は取り返しのつかない過ちを犯したの」
省10
10: [sage saga] 2020/02/27(木)01:21 ID:/796ddojO携(10/12) AAS
「いい? 私はあなたのことが好きなの」
「お、おう」
「だからあなた以外と付き合うつもりはない」
「そ、そうか」
「キスしていい?」
「えっ?」

そっと、女友達が俺の唇に口づけを落とした。

「……ごめんなさい。今しかないと思って」
「……え? ああ、うん……別にいいけど」

謝る必要はないとか、言えたら良かったのに。
省12
11: [sage saga] 2020/02/27(木)01:22 ID:/796ddojO携(11/12) AAS
「ここで重大なお知らせがあります」
「なんだよ、突然」

急に事務的な口調になられて困惑する俺に。

「ちょっと、手を貸して」
「て、手を繋ぐのはまだ早いだろ」
「はあ? いいから早く手を貸して」

照れる童貞の俺の手を、女友達は強引に掴み。

「私のお尻、ツンツンしてみて」
「な、なに言ってんだよ、お前!」
「大丈夫。何も怖くはないわ」
省13
12: [sage saga] 2020/02/27(木)01:24 ID:/796ddojO携(12/12) AAS
「い、いくぞ」
「うん……きて」

ツンツン。ツンツン。ツンツン……ビチャッ。

「ん? なんか、湿ってるぞ」
「……嗅いでみて」
「まったく、ジュースでも溢し……フゴッ!?」
「フハッ!」

ガツンときた。鼻にツーンと。大便の香りが。
それで悟る。全てを完全に理解した。襲った波の意味。こいつ、糞を漏らしやがった、と。

「フハハハハハハハハハハハハハッ!!!!」
省17
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