【安価コンマ】能力者を集めて物語を創る (695レス)
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369: ◆ak8RAT8nZ62z [saga] 2020/02/01(土) 18:26:11.20 ID:inZCwpe10 ―― 二年前 ―― その日は女学院高等部進級試験が終わった後の休日で、まゆりと買い物に出かけていた。 綺麗な服や髪留め、背伸び気味なオシャレを楽しんだ帰りの出来事だった。 周囲は暗く、人通りも少ない夜の街。 雰囲気に酔ったまゆりははしゃいで時々先に前に行ってはゆっくりと後ろ歩きで自分が追い付くのを待っていた。 きっかけは、その前方不注意だった。 男A「いってえ!!」 十字路から人が出てきて、運悪くその人の足を踏んでしまう。 危ない、と注意する暇もなかった。 まゆり「ご、ごめんなさい!」 振り返ってすぐに謝ったが、怒りは収まっていない。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1579094943/369
370: ◆ak8RAT8nZ62z [saga] 2020/02/01(土) 18:27:56.46 ID:inZCwpe10 男A「こっちこいや!!」 男B「あーあ、こいつにぶつかるなんて災難だったね」 男C「気が収まるまでどれくらいかかるか時間計る?」 周囲にいる人たちは怒る人を止めようとしなかった。 むしろ笑っている。この状況を……楽しんでいる。 まゆり「離して!!」 あっという間の出来事だった。 連れ去られる前に誰かいないかと見渡す余裕もない。 見失う前に追わないといけなかった。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1579094943/370
371: ◆ak8RAT8nZ62z [saga] 2020/02/01(土) 18:29:28.86 ID:inZCwpe10 角を曲がって、曲がって、曲がって……。 見失わない。絶対に。 男D「どこまでいくんすか?」 男A「うるせえ!」 女A「いい加減解放してあげなよ。泣きそうじゃん」 しばらくして連中が止まったのは裏路地。 ここはよく痴漢やカツアゲなど、ろくでもない人が現れると学院でよく聞く場所だ。 まゆりも薄々気付いてたのか、途中から大人しくなっていた。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1579094943/371
372: ◆ak8RAT8nZ62z [saga] 2020/02/01(土) 18:31:20.66 ID:inZCwpe10 場所さえ分かれば、誰かを、助けを呼べる。 男A「そんじゃガキの仕置きを始めるか」 ……でもイタズラだと思われたら? そんなことを考えたら一歩も動けなくなった。 男B「ここまで連れてきたことがお仕置きみたいなもんですよ」 男A「っるせえぇ! テメエらはその辺で誰か来ねぇか見張ってろ!!」 女B「はいはい。一番うるさいのは誰だってね」 連中のうち一人がこっちにくる。 だんだん近づいてくるのに動けない。 女B「ま、こんなとこに誰かいるとは思えな……」 見つかった。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1579094943/372
373: ◆ak8RAT8nZ62z [saga] 2020/02/01(土) 18:33:12.79 ID:inZCwpe10 女B「あの子の友達?」 首を縦に振る。 女B「面倒な人に会ったなー。このままここで見てるだけなら黙っててあげる」 女B「助けにいくなら……ご勝手に。みんなもこの隙に逃げたろうし、もう帰るわ」 そのまま横を通り過ぎていく。何もなかったように。 女B「怒ってる男は言うこと聞いてれば安全よ。大抵はね」 去り際に一言残して。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1579094943/373
374: ◆ak8RAT8nZ62z [saga] 2020/02/01(土) 18:35:25.28 ID:inZCwpe10 男A「何発で許そうかな〜」 迷ってる時間はない。 早く行かないと……! 男A「倍返しで許してやろう。二発殴るぞ」 頭では分かってるはずなのに、動けない。あしが、動かない。 なんで震えてるんだよ。助けに……いかなくちゃ!! まゆり「ごめん、なさい……」 男A「まず一発ゥ!!」 鈍い音が聞こえた。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1579094943/374
376: ◆ak8RAT8nZ62z [saga] 2020/02/01(土) 18:38:03.77 ID:inZCwpe10 まるでそれを待っていたかのように、突然身体が動いた。 男A「? 誰だこいつ」 まゆり「きちゃ、だめ……」 男A「ぁ〜なるほど。友達か。いいねぇ熱い友情だ」 男A「もう一発を自分にしてって言いたいんだろ」 まゆり「やめて!!」 男A「よく吠えるガキだ。そんなに殴られたいか。あ?」 男A「やだよな? なら大人しくしとけ」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1579094943/376
377: ◆ak8RAT8nZ62z [saga] 2020/02/01(土) 18:39:46.13 ID:inZCwpe10 紅音「……」 男A「何でさっきから黙ってんだ?」 紅音「どうすれば、許してもらえますか?」 男A「は?」 紅音「踏んでしまったこと、謝ります。許して、ください」 男A「……あ〜あ、殴る気分じゃなくなった。あと一発だったのによ」 紅音「あ、ありがとうござ……」 男A「この一発、お前に譲るから代わりにやれよ」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1579094943/377
378: ◆ak8RAT8nZ62z [saga] 2020/02/01(土) 18:41:21.28 ID:inZCwpe10 紅音「……え?」 男A「え、じゃない。お前がこいつ殴れ」 男A「やらねぇなら、お前殴るわ。肩代わり分と邪魔された分で二発」 まゆりが殴られないなら、そんなの、もう決まってる。 紅音「分かりました。二発でも三発でも気の済むまで……」 四発以上でも足りない。 まゆりが殴られるまで何も出来なかった自分への罰と思えば。 男A「いいぜ。それで許してやる」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1579094943/378
379: ◆ak8RAT8nZ62z [saga] 2020/02/01(土) 18:43:16.59 ID:inZCwpe10 まゆり「まって。まって、ください」 よろよろと立ち上がり、男の前に立つ。 男A「……おい、いい加減にしろよ。気分下がる」 まゆり「わたしの、責任です。その子は関係ありません」 まゆり「殴るなら、私を……。それで終わりでしょう……?」 紅音「友達でしょ。ただ見てるだけなんてイヤ」 男A「……友情ってメンドクセー。どっち殴ればいいんだ?」 紅音,まゆり「「わたし」」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1579094943/379
380: ◆ak8RAT8nZ62z [saga] 2020/02/01(土) 18:44:34.21 ID:inZCwpe10 どちらも譲らない姿をみて諦めたように男は言った。 男A「わかった。じゃ、こうしよう」 男A「互いが互いに殴れ。そうすりゃ許してやる」 男A「殴られたい奴はちゃんと殴られてハッピーエンドだ」 男A「不満か?」 不満しかない。 どうして友達を好き好んで殴らなきゃ……。 まゆり「いえ。それでお願いします」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1579094943/380
381: 132を省略 ◆ak8RAT8nZ62z [saga] 2020/02/01(土) 18:46:25.59 ID:inZCwpe10 男A「よし、やれ」 まゆりと向き合う。小声で、『やって、あかねさん』 と聞こえた。 イヤだ。 まゆり「いきます」 待ちくたびれたか痺れをきらしたか、まゆりは言った。 ぎゅっと目を閉じる。 暴力男に殴られるよりは痛みはないと思うが、反射的にそうしてしまう。 ……頬に軽い感触。 まゆり「終わりましたよ」 男A「あ?」 まゆり「殴りました。力が弱いのでこれ以上は無理です」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1579094943/381
382: ◆ak8RAT8nZ62z [saga] 2020/02/01(土) 18:48:13.83 ID:inZCwpe10 殴れ。と言われたから殴った。 力の強弱は自分次第。というわけか。 よくこの状況でトンチきかせられるな。 もしかして、最初からそれが目的? 男A「……」 それに気付いたのか、男は口元を緩めた。 何も言ってこないので、どうやらこれでもいいらしい。 紅音「じゃあ、やるよ」 まゆり「はい」 頬を差し出し、横を向いたまゆりは男の方を見ていた。 力の抜けた拳はまゆりの頬に勢いよく……、 まゆり「! ストップ!!」 頬に軽く当たった状態で止まった。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1579094943/382
383: ◆ak8RAT8nZ62z [saga] 2020/02/01(土) 18:49:51.23 ID:inZCwpe10 瞬間、あたりが一瞬明るくなった。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1579094943/383
384: ◆ak8RAT8nZ62z [saga] 2020/02/01(土) 18:50:38.05 ID:inZCwpe10 まゆり「何してるんですか!?」 男A「何って、熱い友情シーンを撮ってあげようとね」 携帯を、向けていた。 もしかして、撮られた? 男A「いやーまるで本当に殴られているかのようだ!」 男A「よし、これで許してやる」 男A「本当にいい写真だ。誰かにみせてやりたい」 男A「素晴らしいこの友情をな!!!」 男は高笑いしながら路地から消えていく……。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1579094943/384
385: 36,37,38,126を省略 ◆ak8RAT8nZ62z [saga] 2020/02/01(土) 18:52:50.32 ID:inZCwpe10 誰かに見せてやりたい。 女学院に送り付ける気満々の口調だった。 まゆり「そんな……」 紅音「大丈夫。いちから説明すれば分かってもらえるよ」 この時はそう信じていた。 結果は、高等部への進級不可となってしまったが。 まゆり「……いたっ」 紅音「! あいつに殴られたとこ痛む? 本当にごめん。早く行ってれば」 …………。 ……。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1579094943/385
386: ◆ak8RAT8nZ62z [saga] 2020/02/01(土) 18:56:04.85 ID:inZCwpe10 ―― 現在 裏路地 ―― 紅音「守る守られるの問題じゃねえ!」 紅音「お前は昔から危なっかしいんだ! 大人しくしとけ!」 紅音「あの時助けに行ってなかったら、どうなってたと思う!?」 紅音「本当に二発だけで済んでたと思うか!!」 まゆり「それについては……感謝しています」 まゆり「でも、もしまた危ないことに身を置いてるとしたら、紅音さんには頼りません!」 紅音「その結果、死んだとしてもか!!」 まゆり「…………また、紅音さんが傷つくのなら、頼りません」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1579094943/386
387: ◆ak8RAT8nZ62z [saga] 2020/02/01(土) 19:03:48.50 ID:inZCwpe10 安価↓1〜3 コンマが近いやつ 1.傷ついたのはまゆりだ 2.自分のことはどうでもいい 3.そこまで言うなら http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1579094943/387
392: ◆ak8RAT8nZ62z [saga] 2020/02/01(土) 20:09:18.04 ID:inZCwpe10 紅音「傷ついたのはまゆりだ!」 まゆり「ならどうして! どうして」 まゆり「一番の被害者だっていう私の隣に一番の友達はいないんですか……?」 ……。 紅音「一番の加害者を誤解しているからだ。分かってることだろ」 まゆり「そう、ですね。そのせいで紅音さんは……」 紅音「そのことはもういい。おかげで堅苦しい女学院から解放されたんだ」 紅音「まゆりのいない一年は長いようで短かった。いや、長かったな。ずっと噂で話題の人だったよ」 紅音「今は落ち着いてきた気がする」 代わりに別の噂が広がりつつある。何とは言わない。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1579094943/392
393: ◆ak8RAT8nZ62z [saga] 2020/02/01(土) 20:28:05.71 ID:inZCwpe10 まゆり「……前から思ってたんですけど、その暴力的口調はあの人の真似ですか?」 紅音「あぁ。一種の戒めみたいなもんだ。あいつみたいになるな。でも忘れるな。そういう」 元からこういう口調だった気がしないでもないが。 もう二年も経つ。昔の口調なんか覚えていない。 まゆり「紅音さんは強い人です。私は早く忘れたいのに」 まゆり「早く強くなって、あんな過去、忘れたいのに」 紅音「……忘れたら、駄目だ」 紅音「乗り越えていかないと」 まゆり「本当に強い人。だから私は、守りたい」 まゆり「これ以上、心が傷つかないように」 小声で言ったその言葉を聞き逃す耳は残念ながら持っていない。 でも聞こえないふりをする。 紅音「何か言ったか?」 その想いは一緒だから。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1579094943/393
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