麻子「……華、さん」 華「はい? (79レス)
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44: 2020/01/12(日)22:43 ID:zPoxPRfb0(44/54) AAS
華「複雑な事情があったとはいえ、遠くの地からたった一人でやってきて学校の命運を背負わされたみほさんを……放っておけなかったんでしょう」
麻子「………………だったらなんなんだ」
華「そういうところが麻子さんの優しさなんです。一見すれば無愛想ですけど、家族から切り離された孤独な人を放っておけない……きっと麻子さん自身の経験がそうさせているんですよね」
麻子「……それは」
華「あぁごめんなさい、嫌なことを思い出させて。けれど……わたくし……」ギュ
省17
45: 2020/01/12(日)22:47 ID:zPoxPRfb0(45/54) AAS
華「別によろしいじゃありませんか」
麻子「は?」
華「前にも申し上げた通り、あとからこの気持ちが消えてしまっても後悔は致しません。いずれなくなるなら何もしないというのであれば、華道を継ぐ身のわたくしが戦車道をしているのも不必要ということになります」
麻子「……それは、そうだが」
華「この気持ちが作り物でないことが分かった今でも同じです。いえ、だからこそ……人を愛する気持ちは簡単に捨てたくはないのです」
省15
46: 2020/01/12(日)22:51 ID:zPoxPRfb0(46/54) AAS
華「つまり元よりわたくしとの関係に興味はなかったと……」
麻子「そ、そうじゃない! ただ華さんはこれから生徒会長になるわけだし、立場上色んなことを考えて動かないと問題があると思って……!」
華「………っくふ」
麻子「……あ?」
華「ふふふ……すみません、冗談です。麻子さんがわたくしのことを気遣って下さるのはよくわかってますから」
省16
47: 2020/01/12(日)23:02 ID:zPoxPRfb0(47/54) AAS
-in 麻子布団-
ザァァァァァァ…
華「(――懐中電灯の灯りの中おうどんの食器を片付けて、わざわざ開封してくれた新しい歯ブラシで歯を磨いて。緊張しながら入ったひとつだけのお布団は、麻子さんの体が小さいせいかおさまり良く二人分の体を包んでくれました)」
麻子「……」
華「わたくしは毛布だけでもよかったのですけれど……」
省19
48: 2020/01/12(日)23:08 ID:zPoxPRfb0(48/54) AAS
華「わたくしは……麻子さんと一緒に色んなことを味わいたいのです。隣で誰かが起きる気配だったり、自宅で食べる作りたてのご飯の温もりだったり、自分以外のシャンプーの香りだったり……日々の些末な感動だったり」
麻子「……それは、他の誰かと一緒じゃダメなのか? チームのみんなとか……」
華「みんなとそういう体験をするのも好きですよ? 大学選抜戦の前にみんなで合宿したのはとっても楽しかったですし……でもそれとは少し違うんです」
麻子「?」
華「表現に困るのですが……麻子さんの一部になりたい、とでも言えばいいでしょうか。わたくしの帰る場所にはいつも麻子さんがいて、また麻子さんの帰りをわたくしがいつも待っていて。そういう風に一緒にいることが当たり前になるような、心の通い合った関係が幸せだと思います」
省12
49: 2020/01/12(日)23:20 ID:zPoxPRfb0(49/54) AAS
麻子「……家族、か」
華「……」
麻子「今の私の家族は、おばあだけだ。でも……おばあもいずれ死ぬ」
華「……。……」ナデ…
麻子「私が就職して自立できるまで死ぬに[ピーーー]ないとは言ってるが……正直あとどれくらいかわからない。前もそうだけど、倒れるときはいつも突然なんだ。普段あんな風だからいつ倒れるのか逆にわからん」
省15
50: 2020/01/12(日)23:29 ID:zPoxPRfb0(50/54) AAS
麻子「華さんのこと……好きだよ。そんなに私のことを想ってもらって嬉しくないわけがない。私だって華さんのこともっと知りたい」
華「ま、こさ……」
麻子「でも……だめなんだ……私が耐えられないんだ」
華「ぁ……」
麻子「私は……華さんの気持ちを素直に受け止める勇気がないんだ……華さんがいなくなったさびしさに耐える自信がない……」
省16
51: 2020/01/12(日)23:41 ID:zPoxPRfb0(51/54) AAS
華「でも、わたくしが麻子さんと将来的に結婚できないのは女同士だからです」
麻子「お……おう」
華「それって、女同士が世間的に交際相手として認められないからですよね」
麻子「……おう」
華「でしたら別に結婚してから麻子さんと何をしようが不倫とはならないのでは?」
省20
52: 2020/01/12(日)23:48 ID:zPoxPRfb0(52/54) AAS
麻子「……私、かなり寂しがりだぞ」
華「知ってます」
麻子「理屈っぽいからいちいち面倒なこと言うぞ」
華「よく知ってます」
麻子「……甘えただし、多分、私も思ってる以上に、依存するぞ」
省15
53: 2020/01/12(日)23:51 ID:zPoxPRfb0(53/54) AAS
華「おいで、麻子」
麻子「っ……んぅっ……」ギュッ
華「本当にいい子ですね」ポンポン
麻子「……っ」グス
華「大好きですよ」
省7
54: 2020/01/12(日)23:54 ID:zPoxPRfb0(54/54) AAS
-翌朝 麻子の部屋-
チュン チュン
華「…………」パチ
華「んっ〜〜……ふあぁ」ムニャ
華「(……あ、そうでしたわ。昨日は麻子さんのお部屋に泊まって……)」
省17
55: 2020/01/13(月)00:03 ID:j/ROv3cf0(1/21) AAS
-大洗女子学園 校門前-
みどり子「――あら、おはよう五十鈴さん……と……え? えぇ!?」
麻子「おーそど子」シャキーン
華「お、おはようございます」
みどり子「……五十鈴さんが起こしてあげたの? 朝から冷泉さんが元気なのってなんか不気味なんだけど」
省21
56: 2020/01/13(月)00:13 ID:j/ROv3cf0(2/21) AAS
……三十分前 通学路……
麻子「――昨日はすまなかったな」
華「え?」
麻子「話の途中で感情が抑えられなくなって、結局はっきりした答えを出せずに寝てしまった」
華「あぁ……そういえばそうでしたね」
省22
57: 2020/01/13(月)00:17 ID:j/ROv3cf0(3/21) AAS
沙織「……それってつまり、『卒業まで付き合うことはできないけど、ヤることはヤろうぜ』ってこと?」
みほ「沙織さん、言い方……」
華「要約すればそうなりますね」
沙織「なにそれー!? それって華のこと都合よくキープしてるってことでしょ!? しかもお互いわかったうえで! 意味わかんない!」
みほ「まぁまぁ。どっちかというと、二人がそういう関係に慣れるまでの準備期間……ってことじゃない?」
省19
58: 2020/01/13(月)00:26 ID:j/ROv3cf0(4/21) AAS
-戦車倉庫-
麻子「――で、なんでこうなったんだ」
優季「冷泉センパイと五十鈴センパイがデート登校してたって本当ですかぁ〜!?」
桂利奈「もうお二人は付き合ってるんですかっ!?」
あや「告白はどっちから!?」
省16
59: 2020/01/13(月)00:33 ID:j/ROv3cf0(5/21) AAS
杏「なーんか噂になってんねお二人さん」
麻子「尾ひれがついてるだけだ。別に私たちは付き合ってるわけじゃない」
杏「ほんと〜? 並んで登校はまだしも冷泉ちゃんが早起きしてくるってよっぽどだと思うんだけど」
華「すみません、変な騒ぎにしてしまって……本当にたまたまなので」
杏「ふ〜ん……ま別にどっちでもいいけどね。次期生徒会長が生徒と付き合っちゃダメなんて規則ないし」
省14
60: 2020/01/13(月)00:38 ID:j/ROv3cf0(6/21) AAS
………
……
…
-数日後 定食屋-
イラッシャイマセ−
華「――最近みなさんに気を遣わせてしまっているでしょうか」
麻子「なにがだ?」
省16
61: 2020/01/13(月)00:46 ID:j/ROv3cf0(7/21) AAS
アリガトゴザイヤシター
麻子「……ん? 小雨が降ってるな」
華「あら本当。麻子さん折りたたみ傘などお持ちですか?」
麻子「生憎だが」
華「わたくしも今日は教科書で鞄がいっぱいで……どうしましょう」
省9
62: 2020/01/13(月)00:48 ID:j/ROv3cf0(8/21) AAS
−夜、麻子の部屋前−
華「ふぅ……ギリギリで本降りになってきましたね」
麻子「……でも、少し濡れたな。ちょっと中で温まっていくか」
華「このくらいなら平気です。どのみち傘を差しても多少濡れて帰るでしょうし」
麻子「……そうか。じゃ、傘、もってくるから……」ガチャ
省13
63: 2020/01/13(月)00:59 ID:j/ROv3cf0(9/21) AAS
ザァァァァ……
麻子「……車に、気を付けてな」
華「もう……心配性ですね。わたくしを送るときいつもそう言ってますよ?」
麻子「……雨だったんだ」
華「え?」
省13
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