【グラブル】ビィ「オイラのリンゴがねぇ!」 (61レス)
1-

1: 2020/01/08(水)15:28 ID:81whGR+F0(1/44) AAS
ビィ ご存知浮翌遊トカゲ、赤い
ルリア ご存知よく食べる子、青い
クビラ 去年の歳神、スキンが無い
ビカラ 今年の歳神、夢の国からの新人
ソーン 目がすごくいい、スキンが可愛い
ニオ 耳がすごくいい、スキンが無い
団長 最近『どんどん橋、落ちた』を読んだ、団長ちゃん

(こんなふうに括弧だけで括られた文章は団長の心の中の発言で)

「こんな風にキャラ名無しの鉤括弧で括られた文章は団長の実際の発言です」

(たまに安価がありますが、あんまし意味が無いのも多いです)
省3
2: 2020/01/08(水)15:30 ID:81whGR+F0(2/44) AAS
ルリア「ど、どうしたんですかビィさん?」

ビィ「どうもこうもねぇぜ、オイラのリンゴが1個ねぇんだ!」

ルリア「えっと、このテーブルの上のカゴに2個入っているのは違うんでしょうか……?」

ビィ「ったく、それは朝じゃなくてこのあとで食べる分だぜ!」

ルリア「朝の分が1個足りなかったんですね」
省6
3: 2020/01/08(水)15:31 ID:81whGR+F0(3/44) AAS
ビカラ「で、一体なんの騒ぎなんだい?」

ビィ「イノシシの姉ちゃん、聞いてくれよ!オイラのリンゴが1個、誰かに取られたみてえなんだ!」

クビラ「……えっと、ここにあるのは違うの?」

ルリア「そうなんです」

ビィ「いつもローアイン達が3人で、3食分のカゴを食堂に置いてくれるのに今日は足りないんだよ」
省6
4: 2020/01/08(水)15:32 ID:81whGR+F0(4/44) AAS
ビカラ「となると、ひとまず考えられるのは……彼が用意する数を1個間違えた!ってところじゃないかい?」

ルリア「うーん、どうでしょう……」

ルリア「ローアインさんたち、これまで毎日欠かさずにビィさんのリンゴをこうやってカゴに入れて用意してくれていたんです」

ルリア「ビィさん以外の料理もいつも完璧に用意してくれていたのに、突然数を間違えるなんてこと、あるんでしょうか……?」

ルリア「カゴに6つまとめて入れたりしたら、重なって見間違えることもあるかもしれませんけど……」
省3
5: 2020/01/08(水)15:32 ID:81whGR+F0(5/44) AAS
ルリア「いえ、ローアインさんはこれまで一度も料理を間違えたことが無いんです」

ルリア「私たちの団に入って約4年……そろそろ5年になりますが、その間たったの一度も、どんな小さなミスも犯していないんです!」

クビラ「優秀過ぎる」

ルリア「ましてや……お皿を割るだなんて、カタリナでも絶対にしないこと、する訳ありません!!」ドンッ

ビカラ「ごご、ごめん、なさい……」シュン...
省4
6: 2020/01/08(水)15:34 ID:81whGR+F0(6/44) AAS
ビカラ「う、あ、あたしじゃない、です……」

クビラ「誰もビカラがやったなんて言ってないよ……でも盗んだだなんて、なんだか大げさじゃない?」

クビラ「こうやって食堂の真ん中のテーブルに置いてあったら、気付かず食べちゃう人もいるかもしれないよ?」

ルリア「いえ、それは無いと思います……」

ルリア「ほとんどの団員はみんな、これがビィさんのリンゴだと知っているはずなんです」
省6
7: 2020/01/08(水)15:34 ID:81whGR+F0(7/44) AAS
ビカラ「ぅ、うぇ!??」

クビラ「ちょ、ちょっと、どうしてそうなるの!?団員はみんな、このリンゴを取ることは無いって……」

ルリア「はい、ですがそれは、艇に乗り月日を過ごしてこのリンゴがビィさんのものであると知っている団員は、という話です」

ビィ「そうか、ビカラはこの正月からウチに来たから……!」

ルリア「昨日も帰りが遅かったビカラさんはまだこの艇に慣れておらず、当然、これがビィさんのリンゴだと知る由も無い訳です」
省3
8: 2020/01/08(水)15:34 ID:81whGR+F0(8/44) AAS
ビィ「さっきからその慌てっぷり……ビカラ、犯人はおまえだったのか!」

クビラ「な、なんか凄い事になってきちゃった……」

ビカラ「う、うう……」ジワッ

ルリア「さあ、観念してお縄についてください!!」ビシッ

ビィ「つくんだ!!」ビシッ
省2
9: 2020/01/08(水)15:35 ID:81whGR+F0(9/44) AAS
クビラ「ビカラちゃんはさっき私が部屋に呼びに行ったんだよ。それまでは部屋にいたみたいだから、そもそも食堂に来る時間は無かったはず」

ルリア「……アリバイがある、というんですね?」

クビラ「あ、ありばい?」

ルリア「現場不在証明、犯罪が行われた時その現場以外の所に居たという証明ですよ」

ビィ「今回に関しては、姉ちゃんがビカラの部屋に行くまでビカラが自分の部屋を出ていない、って証明が必要だな」
省5
10: 2020/01/08(水)15:37 ID:81whGR+F0(10/44) AAS
ビィ「うーん……」

ルリア「証拠としては不十分、と言わざるを得ませんね……」

ビカラ「そ、そんな……」

ルリア「クビラさんが起きるまでにビカラさんが部屋を出なかった証明にはなりませんからね」

ルリア「現にクビラさんが呼びに行った時、ビカラさんはもう起きていたんですよね」
省8
11: 2020/01/08(水)15:45 ID:ghhxXmhNO携(1) AAS
2
12: 2020/01/08(水)15:52 ID:81whGR+F0(11/44) AAS
「どうしたの?」

クビラ「あ、団長。ねえ、このままだとビカラちゃんがかわいそうだし、ちょっと団長にも聞いてみようよ」

ルリア「そうですね、事情聴取です!」

クビラ「ホント張り切ってるね……」

〜〜〜
省8
13: 2020/01/08(水)16:24 ID:VcTapEAGo(1) AAS
2
14: 2020/01/08(水)16:47 ID:81whGR+F0(12/44) AAS
「この部屋に痕跡が残っていたりしない?」

ビィ「痕跡……つってもなあ?」

ルリア「はい、この食堂は普段は多くの団員が出入りする部屋ですから、特に人の足跡なんかはほとんど……」

(確かに掃除の行き届いた床をひと通り見た限り、分かりやすい跡は無いようだ……)

クビラ「ウリボウを遊びに出して帰ってきた日なんかは、泥のついたヒヅメの跡が付いたりすることもあるけど、それくらいかなあ」
省2
15: 2020/01/08(水)16:48 ID:81whGR+F0(13/44) AAS
クビラ「足跡以外の痕跡は、といっても今日は人があまりいない訳で、昨日清掃されたままの部分が多分ほとんどだね」

ビィ「昨日の掃除後と違うのはオイラのリンゴのカゴがあるのとルリアとコイツ、あとクビラビカラの4人分の朝食が置いてあるだけだな……ほかのやつらは出払ってるか朝は食べない派かって感じか?」

クビラ「みんなが出払ってるなら自分も外で食べようって人も多いのかもね、今停泊中の島にはあまり来ることも無いし」

ルリア「うぅ〜、朝ごはんは食べないと体によくないと思います!」

クビラ「あはは、ルリアちゃんは普段からよく食べるもんね」
省3
16: 2020/01/08(水)16:50 ID:81whGR+F0(14/44) AAS
ルリア「この部屋からはビカラさんが犯人では無いと証明する何かを見つけることは出来ませんでした、となると次は……」

ルリア「そうですね、ビカラちゃんの潔白を証明できる人を探しましょう!」

ビィ「うーん、つっても誰に聞くんだ?」

クビラ「そうだよ、普通に生活しててその、アリバイ?そんなの証明出来ることってまず無いんじゃないかな」

ルリア「普通はそうですね……でも、この艇には普通じゃない才能や知覚を持った人がたくさんいますから」
省7
17: 2020/01/08(水)16:56 ID:81whGR+F0(15/44) AAS
ルリア 「そうですよ、元気出して下さい!私なんて戦闘に出ても星晶獣を呼び出す以外何も出来ないんですから!」

ビカラ「戦闘ほぼドーちゃん頼りですみません……」

クビラ「やめてルリアちゃん、これ以上いじめてあげないで……」

(このままだとビカラがルリアのヒロイン圧に負けてしまいそうだ……)

(クビラが迎えに行くまでビカラが部屋を出なかったことを証明出来る人物……)
省5
18: 2020/01/08(水)20:16 ID:EzFVzkZ8o(1) AAS
1
19: 2020/01/08(水)20:59 ID:81whGR+F0(16/44) AAS
「ニオに聞いてみよう」

ビィ「琴姉ちゃんか、とりあえず探してみ」

ニオ「…………何か用」

ビィ「るおお!」

ビカラ「んひぃ!!」
省7
20: 2020/01/08(水)21:00 ID:81whGR+F0(17/44) AAS
クビラ「そっか、ニオの耳なら普通の人間が歩けば間違いなく聞こえたはずだね」

ニオ「うん、だからさっきの話と私の音の記憶……照らし合わせてみた」

ビィ「今朝食堂を訪れた団員はほとんどいないはずだから、だいぶ時間を絞れるんじゃねえか?」

ルリア「ローアインさんたちがリンゴを用意してから、私とビィさんが朝ごはんを食べにくるまでの足音が怪しいってことですね!」

ニオ「……それが、厨房担当たちが食堂を離れて下に降りてきてから、ルリアが食堂に来るまで──」
省1
21: 2020/01/08(水)21:01 ID:81whGR+F0(18/44) AAS
ビィ「な、なんだってぇ!?」

ニオ「間違いないわ。私がいたホールは食堂の真下……ホールと食堂はこの階段で繋がっていてそれ以外の廊下はこっち側には無い」

ニオ「彼らが朝の用意を終えて降りてきたあと聞いた足音は全部で3回……話を聞くにそれぞれビィとルリア、クビラとビカラ、そして団長だよね」

ビィ「確かにそうだけどよ……」

クビラ「えっと、とりあえずビカラちゃんの疑いはひとまず晴れた、のかな?」
省2
22: 2020/01/08(水)21:03 ID:81whGR+F0(19/44) AAS
ルリア「しかしこれはこれで、困ったことになっちゃいましたね……」

ルリア「足音からどのタイミングでリンゴが盗まれたのかが分かれば、容疑者を絞れると思っていたのに……そもそも足音はしなかっただなんて」

クビラ「よ、容疑者ときたか……」

クビラ「でもうーん、となると一体どうやって音を立てずにリンゴを取ったんだろう」

ルリア「はわわ、謎を解明するつもりがむしろ深まっちゃいました……」
23: 2020/01/08(水)21:06 ID:81whGR+F0(20/44) AAS
ニオ「……それにしてもこの子……ビカラって子の旋律、不思議」

ビカラ「え、あの、この、人は……?」

ルリア「ニオさんは、琴を操る十天衆さんなんです!」

ニオ「団長と私だけが使える、この琴……」

(古の戦場で見つけ、団員総出で素材を集めて磨き上げたこの武器……)
省6
24: 2020/01/08(水)21:07 ID:mWHiAHLqo(1) AAS
3
25: 2020/01/08(水)21:10 ID:81whGR+F0(21/44) AAS
(書き忘れたので追記ですが、こういう自由記述、みたいなことを特に書いてない安価でも選択肢に無い勝手なこと書いてもらったりってのは歓迎です)

(今後の安価でも可能な限り反映させるので、口調変えたいとかから全く違う内容まで、余程酷いのでなければ全然ふざけてもらって構わないです)
26: 2020/01/08(水)21:15 ID:81whGR+F0(22/44) AAS
「十八禁……」

ニオ「…………」デファンデュ

ルリア「もうっ!なんでそうやっていつもニオさんのことからかうんですか!」

クビラ「そんなエ、えっちな名前の武器は多分無いよ……」

ビィ「そうだぜ、十戒禁の名前を間違えるなんてどうかしてるぞ!」
省7
27: 2020/01/08(水)21:21 ID:81whGR+F0(23/44) AAS
ニオ「……話、戻すけど。彼女からは全く違う2つの旋律、聴こえる」

ビィ「普通は1つなのか?」

ニオ「うん。旋律が変わることはあっても、同時に2つっていうのは、変わってる。前見た時と雰囲気が違うのと、関係ある?」

ビカラ「う……」

クビラ「あー、確かにビカラちゃんはその、2つの顔を持つっていうか……」
省6
28: 2020/01/08(水)21:23 ID:81whGR+F0(24/44) AAS
ニオ「嘘、なら。旋律は1つ、片方の顔の旋律だけ。2つの旋律が同時に流れるってことは、作り物でもそれは2つとも貴方の本当の顔。違う?」

ビカラ「それは、その……」

ニオ「片方は静かで辿々しくて、片方は派手で賑やか。2つとも全く違う音色だけど……でも、どっちも不思議と、とても優しい」

ニオ「異なる2つの顔……どちらも真実だからこそ持つ強さと優しさ、それが貴方なんだね。私、貴方の音、もっと聴きたいわ」

ルリア「ニオさん……」
省2
29: 2020/01/08(水)21:26 ID:81whGR+F0(25/44) AAS
ビカラ「(ニオさん、ミステリアスな感じだなとは思っていたけど、なんかすごい言い回しで褒められてる……)」

ビカラ「(こんな風に自分のこと言われるとなんか返事に困るっていうかでもそれ以上に嬉しいし、あーでもなんて言えば……)」

ビカラ「(思えばこの艇に来てからみんな凄くあったかくて、あ、あたしなんかのこと気にかけて大事にしてくれて、十天衆なんてすごい人までこうやって……)」

ビカラ「(まだ日も浅いのに、なんか思い返すと目の奥がギュッと、うぅダメこんなとこで泣いたらまた引かれちゃうよ……)」グッ...

クビラ「ふふ、ビカラちゃん、やっぱり凄いんだね」
省4
30: 2020/01/08(水)21:27 ID:81whGR+F0(26/44) AAS
ビィ「なんで2人して謝ってるんだあ?」

クビラ「あはは、2人とも多分、考え過ぎるタイプだから……」

ニオ「私何か嫌なこと、言っちゃった?」

ビカラ「ちが、くて……あたし、そんなふうに言われることこれまで、無くて……」

ビカラ「ねず耳付けてないあたしが褒められたことなんてほんとに、一度も……」
省2
31: 2020/01/08(水)21:28 ID:81whGR+F0(27/44) AAS
ビカラ「それが、う、嬉しい、です……」

ルリア「ビカラさん!これからも、よろしくお願いしますね!」

ビィ「おうよ!ビッキィのビカラも、こっちのビカラも、オイラどっちも面白くて大好きだぜ!」

ビカラ「ぐ、うぅ……!」ボロボロ

ニオ「……いい旋律」
省3
32: 2020/01/08(水)21:50 ID:81whGR+F0(28/44) AAS
クビラ「次は誰に話を聞こうか」

ルリア「耳の良いニオさん、の次は目の良いソーンさんでどうですか?」

クビラ「ソーンか……私、よく一緒になるけどあまりちゃんと喋ったこと、無いんだよね」

ビィ「それならちょうどいいじゃねえか!狩人姉ちゃんなら、この時間は甲板にいるぜ!」

ルリア「事情聴取です!」
33: 2020/01/08(水)22:31 ID:81whGR+F0(29/44) AAS
ルリア「…………という訳なんです」

ソーン「えっと、それなら私、役に立てるかも」

ビィ「流石だぜ、姉ちゃん!」

ソーン「ふふ、ありがとう。私、いつも朝早くから、この甲板で弓の練習をしているの」
省3
34: 2020/01/08(水)22:31 ID:81whGR+F0(30/44) AAS
ソーン「やっぱり。私、今日は日が昇る前、まだ誰も起きていない時間から弓を握っていたんだけどね……」

ソーン「練習の間ずっと、ちょうどここにひとりで立っていたから、このドアの丸窓からその通路が目に入っていたの」

クビラ「ちょうど私の顔くらい大きさで、高さも顔の辺りにある窓だね」

ソーン「うん。少し前にクビラちゃんが右手から出てきて左に消えた後、ビカラちゃんと一緒に通路の奥のドアに向かったのが見えたわ」

クビラ「ビカラちゃんを起こして、食堂に向かった時だ」
省4
35: 2020/01/08(水)22:32 ID:81whGR+F0(31/44) AAS
ソーン「通路の部屋のドアは内開きだから、ドアに隠れて見えなかったということも当然ないし」

ソーン「まあその代わり内開きなおかげでそれぞれの部屋のドアの開閉は見えていないけれどね」

ルリア「でも、実際出入りすれば絶対に見えたはず……そういうことですね?」

ソーン「そう、左右の幅の狭い通路だし、2人の身長なら部屋を出て通路に立てば必ずこの窓から見えたはずだわ」

クビラ「私たち以外の姿は見た?もし見たならそれが……」
省2
36: 2020/01/08(水)22:33 ID:81whGR+F0(32/44) AAS
ルリア「ローアインさんたちは見かけましたか?」

ソーン「ううん、彼らの部屋のある通路はあっち……ここからでは見えなかったわ」

ソーン「ルリアちゃん達のいる方の通路のドアが右手で、左手のドアが彼らのいる方の通路なの」

クビラ「通路の中は見えない……でも甲板とこの通路の行き来は無かった、そういうことだよね?」

ソーン「ええ、私の目にかけて……絶対に、誰も通っていないわ」
37: 2020/01/08(水)22:34 ID:81whGR+F0(33/44) AAS
クビラ「朝になる前からいたんじゃ、見逃すことだってありそうだけど……」

ビィ「いいや、ソーンの魔眼は伊達じゃねぇぜ!」

ルリア「そうですよ!ソーンさんはすーっごく遠くのものでも、全部見えちゃうんです!」

クビラ「いや、別に疑う訳じゃないけどね。そうは言っても、訓練中ずっと窓の方を見ていた訳じゃないよねって思って」

ソーン「いえ、今日はちょうどこの方向を向いて、たまに飛んでくる小さな虫の魔物をずっと的にしていたから……」
省9
38: 2020/01/08(水)22:35 ID:81whGR+F0(34/44) AAS
クビラ「ううん……ただ、凄いなって」

ソーン「凄い、か……」

クビラ「……私、十二神将なのに、先代の亥神のような大きな力は無くってさ」

クビラ「今年の歳神のビカラちゃんも、私の前のマキラちゃんも、私の周りはみんな凄い人ばっかりなんだ」

ソーン「ビカラちゃんっていうと、この子?前見かけた時とはずいぶん雰囲気の違うような……」
省4
39: 2020/01/08(水)22:36 ID:81whGR+F0(35/44) AAS
クビラ「以前の、この艇に来る前の私が十天衆の貴方を見たら……」

クビラ「その才能に嫉妬したかもしれないし……うん、化け物って言って、怖がったかも」

ソーン「…………」

クビラ「でもね、今は違ってて。そんな強さを私は目指したいし、並び立ちたい」

クビラ「強くなることを、やる前から諦めたくないって思うんだ」
省3
40: 2020/01/08(水)22:37 ID:81whGR+F0(36/44) AAS
クビラ「だから、ソーン、今の私は貴方のこと、そうやって遠ざけたりしないよ」

クビラ「私が目指す、並びたい、そして超えたい目標の1人だから」

ソーン「……ふふ、ありがとう」

ソーン「私も同じよ、もっと高いところを見てみたい……」

ソーン「……クビラ、次に貴方と一緒に戦うの、私楽しみよ。もっと強くなれる気がするの」
省3
41: 2020/01/08(水)22:38 ID:81whGR+F0(37/44) AAS
ソーン「その、一緒にご飯とかも、行きたいし……」

クビラ「……え、ええっと……?」

ビィ「なんか良い話っぽかったのに、いきなり飯のお誘いになったな」

ソーン「ちがうの!一緒に戦闘することもある仲だから、そのうち声かけたいなとは思ってたんだけどね!?」

ソーン「クビラとか、あとメーテラとか、なんかこう一見近寄りがたいというか、違う人種なのかなあとか考えちゃって……!」
省1
42: 2020/01/08(水)22:39 ID:81whGR+F0(38/44) AAS
クビラ「わ、私ってそんなに近寄りがたい雰囲気、かな……?」

ルリア「確かにメーテラさんもクビラさんも、露出は多めですし、こう、ローアインさんとかとも仲良く出来そうな感じです!」

ビィ「確かにグランもよく、クビラの服装に鼻伸ばしてるぜ」

ビカラ「そ、そう、クビラさんは陽キャなんです……」

クビラ「そう、なんだ……」
省5
43: 2020/01/08(水)22:39 ID:81whGR+F0(39/44) AAS
↓1
44: 2020/01/08(水)22:50 ID:EG0/e2pVO携(1) AAS
3
45: 2020/01/08(水)23:54 ID:81whGR+F0(40/44) AAS
「露出が多い女の子って、いいな」

クビラ「だっ、団長!?」サッ

ルリア「もうっ、なんてこと言うんですか!」

ビカラ「えっと、最初に露出がって言ったのは、ルリアさんな気が……」

クビラ「うぅ、先代から受け継いだ、お役目のための大事な装束なのに……」
省1
46: 2020/01/08(水)23:55 ID:81whGR+F0(41/44) AAS
ビィ「……あーイノシシの姉ちゃん、今のはコイツなりに励ましてるんだぜ?」

クビラ「……そうなの?」

ビィ「要するに、姉ちゃんのその装束がカッコいいって話だよ」

ビィ「先代が作ったその装束は、そのまま姉ちゃんの証だろ?亥神として、諦めず努力した結果が今の姉ちゃんの姿じゃねえか!」

クビラ「そう、だけど……」
省2
47: 2020/01/08(水)23:56 ID:81whGR+F0(42/44) AAS
クビラ「……そっか、団長は、それを伝えようと私の服装を……」

ビィ「ああ、コイツがなんも考えずにそんなこと言う訳ないからな!」

ルリア「……クビラさんはそうは思わないかもしれないけど、私から見たらクビラさんはとっても強い、最高に立派な亥神さまです」

ルリア「それだけじゃなくて、とーっても優しいくて、お姉さんみたいで……いつも、本当に頼りになるんです!」

ビカラ「ぁ、あたしなんかにも、いつも心配して声かけてくれ、ます……!」
省3
48: 2020/01/08(水)23:57 ID:81whGR+F0(43/44) AAS
クビラ「ソーンさん、ごめんなさい。私……」

ソーン「クビラちゃん、私こそ、ごめんなさい……拒絶されることの辛さ、十分わかってるつもりだったのに……」

クビラ「ううん、いいんだ。ソーンさんだけじゃないよ、どこかで分かり合えないかもって、不安になるの」

クビラ「私もそうだった。やってみようって、仲間ってものの力を信じようって……この艇に乗る日に決めたはずなのに、今でもやっぱり立ち止まるんだ」

クビラ「だから、ソーンさん、誘ってくれてありがとう。ご飯、行こうね!」
省2
49: 2020/01/08(水)23:57 ID:81whGR+F0(44/44) AAS
クビラ「……ただ、それはそれとして」

クビラ「さっきビィが言ってたけど、グランのそのエ……えっちなところは、なんとかならないのかな!?」ジロッ

ビィ「いやあ、もうそれは多分どうにもならねぇぜ」

クビラ「やけに視線を感じるなとは、思ってたんだよね……!!」

ルリア「ま、まあ彼も多分反省してますから……ですよね?」
省1
50: 2020/01/09(木)00:06 ID:wGjLpz6C0(1/10) AAS
ビィ「とりあえず食堂に戻ってきたし、改めて話し合いだな!」

ルリア「えぇ、しかしこれは、厄介な事になってきましたね……」

クビラ「厄介って?」

ルリア「いいですか?この厨房に繋がる道は3つ……甲板から食堂へまっすぐ繋がる2本の通路と、下の階に繋がるこの階段です」
省9
51: 2020/01/09(木)00:16 ID:wGjLpz6C0(2/10) AAS
クビラ「そ、それってつまり……」

ビカラ「つまり……」ゴクリ

ルリア「そう、ローアインさん達が離れてから私とビィさんが来るまで……期せずしてこの食堂は完全な密室──」

ルリア 「──クローズドサークルと化していたんです!」

クビラ「…………」
省12
52: 2020/01/09(木)00:17 ID:wGjLpz6C0(3/10) AAS
ビィ「ダメだ、頭がこんがらがってきた……とりあえずオイラ、まだ早いけど昼の分のリンゴ1個食べちまおっと」

ルリア「確かにそろそろお昼が近いですね、私も頭を使ってお腹が減ってきちゃいました」

クビラ「……この状況で盗むなんて、本当に可能なのかな」

ビカラ「確かに、一見完全な密室空間のようだね」

ビィ「おっ、もう陽トピアに戻ったな」
省4
53: 2020/01/09(木)00:18 ID:wGjLpz6C0(4/10) AAS
クビラ「そう、だから団員じゃないんだよ」

クビラ「この艇にいるのは団員だけじゃない……団員の飼うペットもたくさんいる。そうだよね?」

ビィ「そうか、ダーントの猫……!」

クビラ「そう。猫なら調律中のニオに聞こえないよう、足音を立てず食堂に来ることだって出来たんじゃない?」

ビカラ「猫が盗んだ……それなら確かに、ソーンが窓から見えないわけだ」
省4
54: 2020/01/09(木)00:19 ID:wGjLpz6C0(5/10) AAS
ルリア「いえ……猫ちゃんたちがリンゴを取ることはないでしょう」

ビィ「んん、なんでだ?」

ルリア「この艇の猫ちゃんたちが、ダーントさんたちの計らいによって何不自由なく生活出来るのは知っていますよね」

クビラ「うん、現に私が寝てる部屋にも入ってきたくらい自由にしてるね」

ルリア「これはグランに聞いた話ですが……この艇の食費の人猫比は1:1なんだそうです」
省4
55: 2020/01/09(木)00:20 ID:wGjLpz6C0(6/10) AAS
ルリア「そう……つまりこの艇の猫ちゃんたちは飢えとは無縁の生活を送っているんです」

ルリア「さらに言うならば、猫ちゃんたちはダーントさんの師匠……考えなしに他の団員の食べ物を奪うことはまずないでしょうね」

ニオ「ちょっと、いいかしら」

ビィ「うおっ、琴姉ちゃん!また突然現れやがって、今度はなんだ?」

ニオ「ごめんね、さっき言い忘れたことがあって」
省4
56: 2020/01/09(木)00:22 ID:wGjLpz6C0(7/10) AAS
ビカラ「……つまり、食堂でリンゴを食べたものがいると、そういうわけかい」

クビラ「うんまあそうなる、ね」

ビカラ「しかも、猫では音を立ててリンゴを食べることは出来ない……となると、やっぱり猫じゃなく誰かがリンゴを盗んだ……」

ビカラ「しかし一見ここにいる全員にはアリバイがある、困ったものだね?」

ビカラ「この際だからルリアと団長たちの朝起きてからの行動も、まとめて整理してしまおうか!」
57: 2020/01/09(木)00:23 ID:wGjLpz6C0(8/10) AAS
ビィ「オイラが起きた時グランはまだ寝てたんだ、とりあえず声だけかけてから暇だしルリアの部屋に行ったんだよ」

ビィ「しかしグランは昨日何をしていたんだ?ずいぶんとギリギリまで寝てたけど、夜更かしでもしてたのかあ?」

(昨日は確か……)

1.ローアイン達と一緒に、食材の買い出しに
省2
58: また安価書き忘れた 2020/01/09(木)00:24 ID:wGjLpz6C0(9/10) AAS
↓1
59: 2020/01/09(木)00:30 ID:wGjLpz6C0(10/10) AAS
(とりあえず続きは明日、拙い文章ですがリンゴ泥棒の犯人をみなさんも考えてみて下さい)

(ちょいちょいクビィラの、ニオソンへの呼び方が違ってますけどそこらへんは全部ミスです、以降気をつけます……)
60: 2020/01/09(木)00:33 ID:W36joDEgo(1) AAS
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61: 2020/01/09(木)02:39 ID:kLcx9qikO携(1) AAS
犯人はルリア。食堂に入った後ビィがリンゴに気付く前に一瞬でヒュゴオしたんだろ
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ぬこの手 ぬこTOP 0.071s*