【シャニマス】アルストロメリアと幸せな日常 (60レス)
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1: [saga] 2019/12/04(水)17:22 ID:86FQdztyO携(1/58) AAS
これはシャニマスssです
多少人を選ぶ内容かと思います
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2: ◆x8ozAX/AOWSO [saga] 2019/12/04(水)17:23 ID:86FQdztyO携(2/58) AAS
ぴぴぴぴっ、ぴぴぴぴっ
「っ!!」
目覚ましのアラームと同時、俺は跳ね起きた。
なんだか、長い夢を見ていたような気がする。
硬く握り締めた手を開けば、インフルエンザに罹った時のような汗をかいていた。
相当な力がこもっていたのだろう、指の跡が赤くクッキリと残っている。
「…………はぁ」
省42
3: ◆x8ozAX/AOWSO [saga] 2019/12/04(水)17:24 ID:86FQdztyO携(3/58) AAS
「今日の朝ご飯はね、甜花ちゃんが作ったんだよ!」
「にへへ……甜花、頑張った……」
食卓に並べられた料理は、盛り付けはそこまで上手とは言い難かったが。
けれど味噌汁はきちんと出汁が取られ、白米も柔らかくしっかりと作られたものだった。
味の方は勿論、とても美味しい。
前までは料理なんてするイメージはなかったが、いつの間にこんな上達したのだろう。
「凄いじゃないか甜花、勉強したのか?」
省22
4: ◆x8ozAX/AOWSO [saga] 2019/12/04(水)17:25 ID:86FQdztyO携(4/58) AAS
「……あれ、そう言えば……」
「お兄ちゃん……お代わり、いる……?」
「えっ? あぁいや、大丈夫だ。もうお腹いっぱいだよ」
朝から美味しすぎてつい随分と食べ過ぎてしまった。
お昼ご飯が食べられるか心配なくらいだ。
「それじゃあお兄ちゃん、甘奈達と遊ぼっ?」
省45
5: ◆x8ozAX/AOWSO [saga] 2019/12/04(水)17:25 ID:86FQdztyO携(5/58) AAS
「……お兄ちゃん大丈夫? さっきから少しおかしいよ?」
「お兄ちゃん……もう一回、寝る?」
「いや……俺は……」
「兄さんはきっと疲れてるんです。そうだ、私達四人で一緒に寝るなんてどうですか?」
省41
6: ◆x8ozAX/AOWSO [saga] 2019/12/04(水)17:26 ID:86FQdztyO携(6/58) AAS
気持ち悪い程の沈黙が、部屋を包んだ。
心配そうに俺を見つめる6つの目が、俺の心を揺らし続けた。
理由の分からない不安、焦り、緊張、動悸が襲い掛かってくる。
視界が揺れて、足が震える。
「……お兄ちゃん。今日はもう、お休み、しよ?」
「うんうん、それが良いよお兄ちゃん」
「兄さん。さ、お休みしましょう?」
俺の発言なんて無かったかの様に、彼女達は幸せを続ける。
俺の発言に意味なんて無いかの様に、彼女達は自分達の幸せに戻る。
省31
7: ◆x8ozAX/AOWSO [saga] 2019/12/04(水)17:26 ID:86FQdztyO携(7/58) AAS
「ふふ、兄さん。そんなに慌ててどうしたんですか?」
「…………え……」
目を疑った。
俺は、リビングに居た。
目の前には先程まで俺が着いていた食卓。
笑顔で俺を迎える三人の妹。
「なんだ、これ……」
省33
8: ◆x8ozAX/AOWSO [saga] 2019/12/04(水)17:27 ID:86FQdztyO携(8/58) AAS
ぴぴぴぴっ、ぴぴぴぴっ
目覚ましのアラームと同時、俺は目を開けた。
なんだか、長い夢を見ていたような気がする。
硬く握り締めた手を開けば、インフルエンザに罹った時のような汗をかいていた。
相当な力がこもっていたのだろう、指の跡が赤くクッキリと残っている。
「…………はぁ」
朝からこんなんでは気が滅入る。
カーテンを開けて部屋に朝日を取り込み、気持ちをリフレッシュ。
窓の外では木々が揺れ、四月の朝を表していた。
省32
9: ◆x8ozAX/AOWSO [saga] 2019/12/04(水)17:29 ID:86FQdztyO携(9/58) AAS
『永遠に出られなくなってしまったらしい……』
……なんだ、これ。
一体どんな意図があって、俺はこんなメモを残したのだろう。
永遠に出られなくなってしまった?
……電話か? 営業先の人を怒らせてしまったのだっただろうか?
「お兄ちゃーん! 早く来ないと冷めちゃうよーっ!」
省56
10: ◆x8ozAX/AOWSO [saga] 2019/12/04(水)17:30 ID:86FQdztyO携(10/58) AAS
「今日の朝ご飯はね、甜花ちゃんが作ったんだよ!」
「にへへ……甜花、頑張った……」
食卓に並べられた料理は、盛り付けはそこまで上手とは言い難かったが。
けれど味噌汁はきちんと出汁が取られ、白米も柔らかくしっかりと作られたものだった。
味の方は勿論、とても美味しい。
前までは料理なんてするイメージはなかったが、いつの間にこんな上達したのだろう。
省42
11: ◆x8ozAX/AOWSO [saga] 2019/12/04(水)17:31 ID:86FQdztyO携(11/58) AAS
「お兄ちゃん……甜花とゲーム、しよ?」
食器を片付け終えて、リビングのソファで小休止。
今日は月曜日だから、何も予定は無かった筈だ。
……なら、何故目覚まし時計をセットしていた?
困った事に、それは思い出せなかった。
「あ、甘奈もやる!」
「悪い、今日はちょっと部屋の掃除をしようと思っててな。それからで良いか?」
省28
12: ◆x8ozAX/AOWSO [saga] 2019/12/04(水)17:32 ID:86FQdztyO携(12/58) AAS
『この幸せがいつまでも続いてくれたら』
ぞくっとした。
訳の分からない目眩がした。
これはついさっき、俺が甜花が作ってくれた朝食を食べた時と一言一句違わないおれの感想だ。
ついさっきなんだ、初めてなんだ。
勿論彼女達と過ごしていれば、そう感じる事もあるだろう。
俺と言う同じ人物が抱く感想なのだ、一字一句違わぬ事もあるだろう。
だが、理由はないが確信があった。
俺は以前も甜花の手料理を食べて、同じ感想を抱いた、と。
省49
13: ◆x8ozAX/AOWSO [saga] 2019/12/04(水)18:19 ID:86FQdztyO携(13/58) AAS
「ふふ、兄さんったら……そんなに焦って、何処に行ってたんですか?」
「……掃除機、取りにな。千雪が持って来てくれてたか」
俺が全て思い出した事を、千雪に知られてはいけない。
それを俺はイヤと言う程、身に染みて理解していた。
「……ふふ、そうですか。それじゃ兄さん。お掃除、始めましょう?」
省43
14: ◆x8ozAX/AOWSO [saga] 2019/12/04(水)18:19 ID:86FQdztyO携(14/58) AAS
メモの回収は一旦諦めよう。
彼女が部屋に居る状況でそれを行うのは余りにもリスクが高い。
今は掃除に専念して、千雪が外へと出て行ったタイミングで回収するべきだ。
そうと決まれば、ゴミ袋を早くいっぱいにしよう。
幸い、捨てる物なら沢山ある。
自分の散らかし癖があって助かった。
「まずは要らないレシートとか捨てるか」
「なんでとっといてるんですか……」
財布の中はコンビニのレシートで満タンだ。
省9
15: ◆x8ozAX/AOWSO [saga] 2019/12/04(水)18:20 ID:86FQdztyO携(15/58) AAS
ベッドにコロコロを掛けたり。
適当な服を捨てたり。
旅行のパンフレットを捨てたり。
てきぱきと、掃除を進めて行く。
「それで、今度は四人で遊園地か水族館なんて行きたいなって思ってるんです。あ、兄さんが良ければですけど……」
「んー、水族館はどうせなら千雪と二人きりで行きたいな」
「……もう、兄さんったら……」
他愛の無い会話を進めながら、俺は焦っていた。
ゴミが、集まり切らないのだ。
省26
16: ◆x8ozAX/AOWSO [saga] 2019/12/04(水)18:21 ID:86FQdztyO携(16/58) AAS
「…………そう、だな……」
捨てるしか、無かった。
今は千雪の言う通りにするしか無かった。
俺がこの『幸せ』から抜け出せない事には、彼女達の企画は全て意味が無くなる。
捨てるしかないんだ……捨てるしか……
「……ああ、要らないもんな」
背に腹は変えられない。
兎に角今は、この状況を切り抜けよう。
企画書ならまた俺が徹夜して書けば良い。
省16
17: ◆x8ozAX/AOWSO [saga] 2019/12/04(水)18:22 ID:86FQdztyO携(17/58) AAS
「え……」
書類の山を退ける。
けれど。
「…………無い……っ!」
そこに、メモは無かった。
省25
18: ◆x8ozAX/AOWSO [saga] 2019/12/04(水)18:23 ID:86FQdztyO携(18/58) AAS
ふふ、と笑う千雪。
釣られて俺も笑いそうになる。
良かった、バレていない。
普段からズボラな自分で良かった。
「大切なメモを出しっ放しにしておいた、とか」
今度こそ、完全に俺は呼吸出来なくなっていた。
微笑む千雪の手には、メモが一枚。
それは今俺が必死になって探そうと、隠そうとしていたものだった。
扉の隙間から見える部屋の外には、甘奈も居た。
甜花も居た。
省43
19: ◆x8ozAX/AOWSO [saga] 2019/12/04(水)18:24 ID:86FQdztyO携(19/58) AAS
ぴぴぴぴっ、ぴぴぴぴっ
目覚ましのアラームと同時、俺は目を開けた。
なんだか、長い夢を見ていたような気がする。
「…………はぁ」
朝からこんなんでは気が滅入る。
カーテンを開けて部屋に朝日を取り込み、気持ちをリフレッシュ。
窓の外では木々が揺れ、四月の朝を表していた。
少し窓を開けて思いの外低い気温に驚き、一瞬でカーテンごと閉める。
省35
20: ◆x8ozAX/AOWSO [saga] 2019/12/04(水)18:24 ID:86FQdztyO携(20/58) AAS
こんな世界から、逃げ出さないと……!
だって俺は、彼女達の『プロデューサー』なんだぞ。
『……でも大丈夫、兄さんはどうせ全部忘れますから』
「っ! っあぁぁぁあっっっ!!」
省39
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