桃「シャミ子を走らせてたらシャミ子が倒れた」 (26レス)
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1: 2019/10/20(日)23:40 ID:06K62MaI0(1/18) AAS
原作1巻後半、血を抜かれる前くらいのシャミ桃ifです。
2、3巻くらいの内容も多少含みますのでご注意ください。

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2: 2019/10/20(日)23:46 ID:06K62MaI0(2/18) AAS
「いけてる、いいペースだよ!」
 
既に恒例となりつつあるシャミ子の体力強化マラソンは、そこそこに順調に運んでいると言えた。
シャミ子はたいそうへっぽこだったけれど、それと同じくらいのがんばり屋さんだったのは嬉しい誤算。
何週間かそこそこみっちりやってきたお陰で、出会った頃に比べたら今ではまぁなんとか……ナメクジレベルから死ぬほど運動音痴の人間くらいにはなれたかなと思う。
 
ふりふり揺れるまぞくのしっぽと小さな背中を目で追いながら、あと少し、がんばれてるよ、と励ましの声をかける。だんだんいつものコースだと余裕を持って走れる様になって来たので、今日は少しだけコースの距離を伸ばしているのだ。
シャミ子も体力の向上を実感しているのか、今回は乗り気だった。
3: 2019/10/20(日)23:47 ID:06K62MaI0(3/18) AAS
ふっ……ふっ……!」
 
息は荒いけど、上がってはない。教えた通りに顎を下げて、しっかり呼吸ができている。
もうすぐ伸ばした分の折返しに到達するし、今回もなんとかなりそう。
 
「もうそろそろ曲がろっかー!」
「はいー!」
 
声掛けすると、元気に返事したシャミ子が前に進みながらもゆっくりと半円を描く様に方向転換を始める。
 
省2
4: 2019/10/20(日)23:47 ID:06K62MaI0(4/18) AAS
「終わったら、休憩がてら商店街でお茶でもしようかっ」
 
思い立ったらすぐ行動。シャミ子に少し近づいて、後ろから話しかける。
 
「シャミ子?」
 
しかし、返事は返って来なかった。足はちゃんと動いているけど。
 
と思った瞬間、がくりとシャミ子がいきなり胸を抑えながらへたり込んだ。
 
省10
5: 2019/10/20(日)23:48 ID:06K62MaI0(5/18) AAS
シャミ子の体を横にする。顔は真っ青だし、冷や汗も凄い。
 
「うっ……」
 
シャミ子が吐いた。これ、もしかしなくてもだいぶヤバい……!
早く、早く救急車呼ばないと!
 
手が震えてうまくスマホが操作できない。どうして、なんで。
 
何がどうなってるのか、訳が分からないまま、どうにか119番を押す。
省2
6: 2019/10/20(日)23:49 ID:06K62MaI0(6/18) AAS
「シャミ子、シャミ子……頑張って」
 
シャミ子はもう言葉も話せなくて、ずっと必死に呼吸しているだけだった。すごく痛いんだという事だけが、嫌というほど伝わってきた。
 
他人を癒す力なんて都合の良いモノは、魔法少女には備わっていない。
エーテル体を無理やり補うくらいならできなくは無いけど、それも相手が魔法少女の場合だけ。
こういう時にどうするべきなのか、私には何も分からなかった。医療の知識だって、無い。
 
無力な自分が恨めしい。幾度となく経験した筈の気持ちが、今までにないくらい重く、強くのしかかる。
 
省3
7: 2019/10/20(日)23:50 ID:06K62MaI0(7/18) AAS
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せいいき記念病院。
シャミ子が運び込まれた病院は、偶然ながらもシャミ子が昔入院していた所だった。
 
 病院の人がシャミ子の家族に連絡して、発作の時に側に居た私もそこに同席させてもらって。命に別状はない事、検査だったり何なりで少しの間入院する事と、幾つかの注意点の説明を受けた。
 
昔にもこういう事は何度かあったらしく、駆けつけたシャミ子のお母さんの対応は落ちついた物だった。
 
 私は、説明を受けている間、一言も話せず。お母さんと対面した時も、会釈をするだけで精一杯。話の内容だって、正直どこまで正確に覚えられているのか、自信がない。
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