カズマ「お前、あのキス……どこで覚えたんだ?」めぐみん「……バカ!」 (19レス)
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1: [sage saga] 2019/08/23(金)00:46 ID:QaugMPoFO携(1/16) AAS
プロローグ
「カズマ……」
呼びかけても、彼は目覚めません。
荒くて熱い吐息を吐いて、苦しそうです。
高熱を出して寝込んでいるカズマを見ているとこのまま死んでしまうのではないかと不安になり、私は思わず泣いてしまいそうでした。
「大丈夫よ、めぐみん」
「アクア……」
「水の女神たるこの私が、カズマの熱をすぐに冷ましてあげるわ! だから心配しないで!」
「お、おい、アクア。どうにも嫌な予感しかしないから、やめておいた方が……」
「安心して、ダクネス。私に任せておけば高熱なんてチョチョイのチョイよ! それ、花鳥風月!」
省7
2: [sage saga] 2019/08/23(金)00:49 ID:QaugMPoFO携(2/16) AAS
「ばっくれっつ! ばっくれっつ!」
本日は快晴で、絶好の爆裂日和ですね。
どうも皆様、お集まりくださり感謝します。
このすばの正ヒロインこと、めぐみんです!
今や三千世界にその名を轟かす、紅魔の里随一の魔法使いにして、人類最強の爆裂魔法の使い手であり、そしてついにこのすばの正ヒロインと自他共に認められためぐみんとは私のこと。
この私の勇名を知らぬ者はもはやモグリです。
何故ならこの私は、この時代を代表する金字塔となったこのすばの『正ヒロイン』ですから!
「おい、正ヒロイン。たかがキスの一回くらいでそんなにドヤ顔すんならもう一回させろ」
「おい、もう少しだけでいいからムードを大事にしてくださいお願いします頼みますから」
省7
3: [sage saga] 2019/08/23(金)00:52 ID:QaugMPoFO携(3/16) AAS
ズドンッ!
「見てくださいカズマ! あの爆煙は過去最高の高度に到達してます! 新記録ですよ!」
「おお〜今日はまた一段と派手にやったな」
モクモクと立ち昇る爆煙。
雲にまで到達したそれを見上げながら、私は達成感と充実感に満ち溢れて倒れ伏しました。
この気怠さがなんとも心地良いです。
私の得意魔法は、爆裂魔法。
というか、それしか習得してません。
ですが、これを放てる魔法使いはそうそうおらず、そしてその威力はまさに人類最強です。
つまり私は最強の魔法使いであると同時に物語の正ヒロインでもあるわけで、まさに力と名声の両方を手にしたと言っても過言ではなく。
省18
4: [sage saga] 2019/08/23(金)00:54 ID:QaugMPoFO携(4/16) AAS
「絶対にお前の爆裂魔法のせいだ!」
「えへへ……やっぱりそう思いますか?」
「なんでそんなに嬉しいそうなんだよ!?」
突如降り出した大雨に打たれて。
莫大な魔力を消費する爆裂魔法の反動により動けない私はカズマにおんぶして貰い、ずぶ濡れになりながらもなんとか屋敷へと戻りました。
そしてカズマにくどくどと説教をされつつ、ほくそ笑みます。これが喜ばずにいられるか。
我が爆裂魔法はついに天候を変える力を得た。
「はぁーはっはっー! 天はもはや我が物だ!」
「明らかに天の怒りを買ってんじゃねーか!」
などと怒鳴りつつもカズマはタオルで私の濡れた髪を拭き、初級魔法で乾かしてくれました。
省6
5: [sage saga] 2019/08/23(金)00:56 ID:QaugMPoFO携(5/16) AAS
「カズマ……あの、昼間の約束ですが」
その日の晩。
我が名はめぐみん。約束は必ず守る女。
というわけで、律儀な私は昼間に交わしたキスの約束を果たしにカズマの部屋を訪れました。
「あー……今日はいいや。けほっけほっ」
「カズマ……?」
「なんか熱っぽいから、安静にしておくよ」
あのカズマに、そんな殊勝な態度をされて。
私は最初、ぞんざいな扱いをされているのかと思いましたが、彼の顔はたしかに赤くて。
「すこし、失礼します」
省16
6: [sage saga] 2019/08/23(金)00:58 ID:QaugMPoFO携(6/16) AAS
「ごめんなさい……カズマ」
日が昇って、日が暮れて。
あれからもう1週間は経ったでしょうか。
時間の感覚がもやは定かではありません。
ぬるくなったタオルを替えていると、不意に。
「……めぐみん」
「っ……カズマ!?」
名前を呼ばれて、彼の口元に耳を寄せると。
「お前、あのキス……どこで覚えたんだ?」
「……バカ!」
省15
7: [sage saga] 2019/08/23(金)01:00 ID:QaugMPoFO携(7/16) AAS
「めぐみん、こんなに遅くにどこへいく?」
「ダクネス……私は少し席を外しますので、その間、カズマのことを頼みます」
今にも死にそうなカズマの寝顔をこれ以上見て居られすに、真夜中に外出しようとする私に気づいたダクネスに、彼の看病を頼みました。
「それは構わないが、どこにいくつもりだ?」
「お薬を探してきます」
「街の薬屋ならもう全て見て回っただろう?」
「ですが! 一向に治らないじゃないですか!」
つい、ダクネスに怒鳴ってしまいました。
完全に八つ当たりであり自分が情けないです。
何も出来ない自分が無様で、悔しくて。
省12
8: [sage saga] 2019/08/23(金)01:02 ID:QaugMPoFO携(8/16) AAS
「ごめんくださーい!」
時刻は丑三つ時。
街は寝静まっており、当然店はどこも閉まっていて、にも関わらず街には何故か若い男が歩いていたりして気まずそうに視線を逸らされました。
どうせ如何わしい店にでも行っていたのだろうと当たりをつけると、ムカムカして、うちのカズマがあんな酷い目に遭っているのにこの街の男共は一体全体何をやっているのかと憤慨して、その怒りを目の前の飛びに叩きつけようと思い至り、私は詠唱を口ずさみました。
「黒より黒く、闇より昏き漆黒に、我が真紅の混淆を望みたもう……」
「へいらっしゃい! お客様!」
慌てて飛び出してきたのはバニルさん。
省2
9: [sage saga] 2019/08/23(金)01:05 ID:QaugMPoFO携(9/16) AAS
「カズマの熱が下がらないので薬をください」
「なんだ、あの小僧はまだ熱があるのか」
「はい。全然回復する兆しが見えなくて……」
「安静にしておればすぐに良くなるというのに、やはりバカは死なんと治らないようだな」
「カズマは死なせません!」
悪魔のバニルさんのあまりの物言いに思わず頭にきて怒鳴り返すと、彼は意外にも素直に謝罪しました。
「ああ、すまない。そうした悪感情は吾輩の好みではない。語弊が誤解を呼び、悪かった」
そして気を取り直すようにウィズさんが。
「この前渡した薬は効かなかったんですか?」
「はい。どうも効かないようで……」
省14
10: [sage saga] 2019/08/23(金)01:07 ID:QaugMPoFO携(10/16) AAS
「ダクネス! 今戻りましたよ!」
あの後、すぐに私は屋敷に戻り、急いでカズマの病床へと向かいました。するとダクネスが。
「あっ! めぐみん! こ、これは違うんだ!?」
「胸を丸出しにして何をしてるんですか?」
何故か彼女は胸を丸出しにしていて。
どうもそれをカズマの額に乗せようとしていたらしく、自分の胸をタオルで濡らし、冷やして熱を冷まそうと考えていたのだと察しました。
「ダクネスは頭がおかしいのですか?」
「お、おかしくない! 私だってカズマの為に出来ることがないかと一生懸命に考えてだな……」
「まったく……ほら、早く服を着てください」
省4
11: [sage saga] 2019/08/23(金)01:08 ID:QaugMPoFO携(11/16) AAS
「ほ、本当にそんなところに挿れるのか……?」
「これが正しい座薬の投与の仕方なのです!」
座薬。
それはこの世界に存在しない薬。
尻から薬を挿れるという発想そのものが新鮮であり、これならきっとカズマもすぐに良くなるとバニルさんは太鼓判を押してくれました。
「ダクネス、もっと足を広げてください」
「ううっ……丸見えではないか」
言っておきますが、丸見えなのはダクネスではなく、カズマです。カズマの肛門のことです。
「意外と綺麗なものですね」
「た、たしかに……」
省10
12: [sage saga] 2019/08/23(金)01:10 ID:QaugMPoFO携(12/16) AAS
「では、いきますよ……?」
「ごくり……」
ズポッ!
教わった通りに、座薬を肛門に挿入すると。
スポンッ!
「ふわぁあああっ!?!!」
「痛い! 顔に飛んで来たぞめぐみん!?」
省18
13: [sage saga] 2019/08/23(金)01:14 ID:QaugMPoFO携(13/16) AAS
「いまです!」
ずぼぼっ!
「め、めぐみん! 指まで入ってるぞ!?」
「おや、私としたことが」
指摘されて見ると第一関節が埋まってました。
「しかし、まだまだ油断は禁物です」
「まだ奥に挿れるつもりか……?」
「我が名はめぐみん! 同じ過ちは犯しません!」
省20
14: [sage saga] 2019/08/23(金)01:17 ID:QaugMPoFO携(14/16) AAS
「何事だ! アクア!」
「見てダクネス! こいつが諸悪の根源よ!!」
ダクネスが尋ねると、アクアは得意げな顔で鼻息を荒くして、1匹の淫魔を突き出しました。
「こいつがカズマの精気を奪っていたのよ! 通りで私の回復魔法も効かない筈だわ!」
アクアによりと、この淫魔がカズマの体調不良の原因らしく、たしかにそれならばアクアの回復魔法やウィズ魔法具店より購入したエリクサーが効かない理由にも説明がつきました。
「うちのカズマに何してくれてんのよ!」
「ごめんなさい!ごめんなさい!」
「ごめんで済まそうたって、お天道様たるこの私が許さないわ! 神妙に浄化されなさい!!」
「お、おい。もういいじゃないか、アクア」
「カズマさんは黙ってて! 私だってちょっとは心配したんだから! たまには女神らしいところを見せて読者のポイントを稼ぎたいんだから!」
省7
15: [sage saga] 2019/08/23(金)01:19 ID:QaugMPoFO携(15/16) AAS
「ふむふむ……やはりそうか」
「バニル……頼むから黙っていてくれ」
「もちろん黙っているとも。ここでお客様に恩を売る為に全てを見通す吾輩はこうしてわざわざ足を運んだのだからな!」
何やらカズマとヒソヒソ密談を交わしているバニルさんを見て、アクアは勘違いをしたらしく、怒髪天を衝く勢いで糾弾しました。
「わかったわ! あんたが黒幕だったのね!?」
「如何にも。全ては地獄の公爵たるこのバニル様が仕組んだこと。そうした方が話が早い」
「セイクリッド・エクソシズム!」
「ふん! 甘いわ! この猪頭めが!」
問答無用で退魔魔法を放ったアクアの一撃を読んでいたバニルさんは身代わりを用いて、背後へと回り込み、淫魔を担いで逃走した。
「ではな、小僧! 淫魔遊びもほどほどにな!」
省13
16: [sage saga] 2019/08/23(金)01:21 ID:QaugMPoFO携(16/16) AAS
エピローグ
「カズマ……体調はどうですか?」
「ああ、もう平気だよ」
「それなら良かったです」
一件落着してカズマの体調は良くなりました。
座薬の件もそれほど怒っていないらしく、むしろこちらの顔色を伺いながら彼はおずおずと。
「あのさ……めぐみん」
「はい。なんですか?」
「なんかいろいろと……悪かったな」
どうして謝るのでしょう。
省16
17: 2019/08/25(日)14:02 ID:s2sJSv1Oo(1) AAS
乙
入れた座薬の匂いを嗅ぐのは正ヒロイン行為なんだろうかww
18: 2019/09/01(日)15:56 ID:/sO50l010(1) AAS
めぐみんはそういうことする
19: 2019/09/15(日)03:02 ID:qt1uJvCMO携(1) AAS
なんだこれ
ちゃんとした愉悦じゃないか!たまげたなあ!
おつ
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