【鬼滅ss】鬼退治の幕間 (64レス)
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1(1): [saga] 2019/06/17(月)23:05 ID:BC2DGCvz0(1/3) AAS
これは、日本一慈(やさ)しい鬼退治。
その合間で日常のひと時を過ごす、炭治郎たちの小さな話。
【キャラ名】
>>3
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2: 2019/06/17(月)23:13 ID:qPvQ/O710(1) AAS
甘露寺
3(1): 2019/06/17(月)23:22 ID:fe1iOedzo(1) AAS
カナヲ
4: [saga] 2019/06/17(月)23:35 ID:BC2DGCvz0(2/3) AAS
心の糸が切れた日を、ぼんやりと覚えている。
惨たらしような空色の青が自分の頭上に浮かんでいた。
ぼんやりと流れゆく雲を眺めながら、ふっと頬を撫でる緩い風がそよいでくる。
ひもじい、かなしい、さびしい、くるしい。
つらい、つらい、つらい、つらい。
省6
5: [saga] 2019/06/17(月)23:46 ID:BC2DGCvz0(3/3) AAS
お腹の足しにもならないような端銭で売り払われても、かなしくなかった。
それから見知らぬ土地へ流されるために、
きつく縛られた胸の縄をぐいぐいと引かれて
波止場へと歩みを薦める。
その途中で水面に自分の顔が映り込んだ。
省11
6: [saga] 2019/06/18(火)00:02 ID:yR7JbxaC0(1/30) AAS
むくり、と目を覚ます。
何やら懐かしい夢を見ていたような気がした。
鮮明に思い出せる内容ではない事から、きっと昔の夢でも見たのだろう。
私にとって振り返る事ができる記憶というのは、二人の姉が出来た時から。
二人が作ってくれた、“栗花落カナヲ”という私が出来てから。
省14
7: [saga] 2019/06/18(火)00:13 ID:yR7JbxaC0(2/30) AAS
ふと、窓の外でバサバサと羽音が聞こえてくる。
伝達用の鎹烏だ。
不覚にも驚いてしまい、あわあわと手元を躍らせてコインを落とさないよう善処した。
烏が銜えていたのは白い紙。
どうやら誰かから宛ての文のようだ。
省16
8: [saga] 2019/06/18(火)00:17 ID:yR7JbxaC0(3/30) AAS
彼は不思議な男の子。
ひたむきで、まっすぐで、あたたかい。
おひさまのひと。
今日の予定は鍛錬でもなく、諜報でもなく。
手紙の返事に時間を割いてみよう。
省3
9: [saga] 2019/06/18(火)00:24 ID:yR7JbxaC0(4/30) AAS
〜その日の夕刻〜
善逸「炭治郎、鎹烏が何か銜えて持ってきてるぞ」
炭治郎「ありがとう。鱗滝さんからの返事かな……ん?」
伊之助「なんだよ紋一郎、急にほっこりした顔になって」
炭治郎「いや、きっとこれ一日中かかって考えてくれたんだな、って」
省8
10: [saga] 2019/06/18(火)00:24 ID:yR7JbxaC0(5/30) AAS
【キャラ名】
>>12
11: 2019/06/18(火)00:31 ID:t2iu8wipO携(1) AAS
あかざ
12(1): 2019/06/18(火)00:31 ID:bp/jmQaB0(1/2) AAS
禰豆子
13: 2019/06/18(火)00:31 ID:dyAuxeOwO携(1/3) AAS
ドウマ
14: 2019/06/18(火)00:31 ID:6kRlZk6SO携(1/3) AAS
ひょっとこの刀鍛冶
はがねづかさん
15: [saga] 2019/06/18(火)00:41 ID:yR7JbxaC0(6/30) AAS
竈門禰豆子は人を喰らわぬ優しい鬼。
その認知が少しずつ広まっているのか、
異質な存在ながらに隊の中でも比較的に風当たりは落ち着いている。
鬼は本来人の肉を食う、血液を取る、このいずれかで身体回復になるのだが
省7
16: [saga] 2019/06/18(火)00:54 ID:yR7JbxaC0(7/30) AAS
鬼殺隊の一員として、昨今は飛躍的に力を増している炭治郎と善逸。
様々な鬼との戦いを経て実践の経験値も増し、もはや下弦以下の鬼は即滅可能なまでに強くなっている。
目を覚ましている時の善逸の逃げ腰は相変わらずだが、一旦眠りに入ると
彼の雷光の如き剣閃は鋭さに磨きがかかっており、着実に強くなっているのが分かる。
よって、昨今は禰豆子が任務先で怪我をする事がとんと少なくなった。
省12
17: [saga] 2019/06/18(火)01:02 ID:yR7JbxaC0(8/30) AAS
かたり、と控えめに蓋が開くような静けさで、禰豆子が桐の箱から出てくる。
八畳間の比較的広い部屋の中央で、男子が二人眠っていた。
部屋の奥には換気のために薄くあけた窓が見える。
暗い部屋をすっと割くように、薄い月明りが緩く窓辺を照らしている。
むーっ、と一声。のちに、そろりそろりと眠る二人を起こさぬよう
省6
18: [saga] 2019/06/18(火)01:12 ID:yR7JbxaC0(9/30) AAS
「禰豆子ちゃん、起きてるの?」
寝惚けたような、小さい声が後ろから聞こえてくる。
そこには、くしくしと眼(まなこ)を擦る善逸の姿。
寝ぐせなのか、右の髪がぴょこんと跳ねている。
省16
19: [saga] 2019/06/18(火)01:20 ID:yR7JbxaC0(10/30) AAS
そこまで発したあと、急に気恥ずかしくなったのか
善逸は手を横にブンブンと禰豆子に振り出す。
「あ、いやね……そう!そうなれたらいいなってだけだから!!
いけないねコレ、夜の魔力だね!
こういう時間に手紙書いた時の勢いに近いアレだから!!!」
首まで降り始めた善逸に、禰豆子はそっと右手を近づける。
そして、彼の黄色い頭に乗せ、ゆっくりと撫で始めた。
省14
20: [saga] 2019/06/18(火)01:24 ID:yR7JbxaC0(11/30) AAS
そうして禰豆子はひとしきり撫でたあと、すくっと立ち上がり、
そのままとてとてと桐の箱の中に戻って寝息を立て始めた。
後に残された善逸は、ただ茫然としながら布団の中に潜り、
さっきのは一体なんだったのかと世通り悶々と考える事になった……。
【大正コソコソ噂話】
省4
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