【モバマス】周子「四つの季節、二人の帰り道」 (70レス)
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1: ◆RZFwc/0Dpg [sage saga] 2019/05/31(金)22:15 ID:kcSV+mvpO携(1/66) AAS
 あれから二年が経つ。

 忙しない日々は飛ぶように過ぎ、気付けば十八の少女は、二十歳の女性になっていた。

 人生のほろ苦さも味わった周子は少しだけ大人びた表情を見せるようになって。

 そして俺達は、酒を飲むようになった。

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51: ◆RZFwc/0Dpg [sage saga] 2019/05/31(金)22:47 ID:kcSV+mvpO携(51/66) AAS
 しばらくそのままでいると、周子が肩を寄せてくる感触が、腕を通じて伝わってきた。

 彼女の動きは夏にじゃれついてきた時のそれと比べるとより柔らかく、そしてより優しいものだった。
52: ◆RZFwc/0Dpg [sage saga] 2019/05/31(金)22:48 ID:kcSV+mvpO携(52/66) AAS
 静かな声で周子が語りかけてくる。

「Pさんのその苦しさ、あたしはきっと分かってあげられない。だって……あたしはアイドルだから」

「うん」

「けど。ずっと横に居るからさ」

「うん……」
省4
53: ◆RZFwc/0Dpg [sage saga] 2019/05/31(金)22:48 ID:kcSV+mvpO携(53/66) AAS
 目を開くと、周子は温かく微笑んでいた。それから俺の腿を左手でピシャリとはたいて言う。

「さーて。Pさんの足腰もしっかりしてきたようだし、そろそろ帰ろっか」

「迷惑掛けたな、悪い」

 改めて謝ると彼女はにやりと、口角を吊り上げた。

「この借りは高くつくよー?」
省2
54: ◆RZFwc/0Dpg [sage saga] 2019/05/31(金)22:49 ID:kcSV+mvpO携(54/66) AAS
 真面目に話していたかと思えば、急にこんな訳の分からない会話を始めて。

 気が塞いでいたはずなのに、俺は思わずくすりと笑ってしまった。
 目をやると周子も、隣でニヤニヤ笑っている。

「ちょっと感動すること言ったと思ったら、すーぐふざけるんだもんなぁ……」

「いやいや、今のはPさんの返し方が悪かったんじゃん!」

 そんなやり取りをしながら、またひとしきり笑って。
55: ◆RZFwc/0Dpg [sage saga] 2019/05/31(金)22:50 ID:kcSV+mvpO携(55/66) AAS
「……Pさんがまだ帰りたくない気分なら、何処でも付き合うけど?」

 こちらをさりげなく気遣うように周子がそう言ったので、俺は肩をすくめておどける。

「俺は誰かさんみたいに、吐くまで飲もうとは思わないからなぁ」

「ちょっと! 忘れてくれるって言ったやろそれ!」

 周子は焦ったように喚いてから、もごもごと続ける。
省5
56: ◆RZFwc/0Dpg [sage saga] 2019/05/31(金)22:51 ID:kcSV+mvpO携(56/66) AAS
 一瞬、時間が止まったように感じた。

 真意が分からず、俺は思わず訊ね返す。

「周子。それ、どういう意味だ」

「……どういう意味だと、思うん?」

 彼女のその言葉が、俺達にとっての引き返し不能地点だった。
省2
57: ◆RZFwc/0Dpg [sage saga] 2019/05/31(金)22:51 ID:kcSV+mvpO携(57/66) AAS
 周子の目を見る。

 彼女の瞳は熱を帯びていて。そしてまた、湿っているようにも思えた。

「Pさんなら別に……うち来ても、ええよ」

 喉が締め付けられるような緊張を感じていた。そして正直に言うと──それと同じ位、強い興奮を。
58: ◆RZFwc/0Dpg [sage saga] 2019/05/31(金)22:52 ID:kcSV+mvpO携(58/66) AAS
 一度深呼吸をして、俺は口を開く。

「……あのさ、周子」

「うん」

「俺はプロデューサーで、周子はアイドルだ」

「ん……」
省6
59: ◆RZFwc/0Dpg [sage saga] 2019/05/31(金)22:53 ID:kcSV+mvpO携(59/66) AAS
 あれ、待て。
 俺は今……何て言った?

 自分の口の動きが信じられず、咄嗟に周子の顔を眺める。

 彼女も俺と同じように、ポカンとした表情をしていた。
 それから徐々に口の端から顔全体へと、笑いが広がってゆく。

「……ぶふっ! んふ……ふふ、あはははは!」

 彼女の反応で確信する。
 あぁ。俺はやっぱり、そう言ってしまったのか。
60: ◆RZFwc/0Dpg [sage saga] 2019/05/31(金)22:53 ID:kcSV+mvpO携(60/66) AAS
「わ、笑うな。おい」

 情けなさの余り、片手で顔を覆い隠しながら周子に言う。
 当然ながら、そんなことで彼女の爆笑は止められなかった。

「んははははっ……なに、『また今度』って? どういう意味よそれ、あはははは!」

「うるさい、ちょっとお前、黙れ」

「性欲滲み出てるやん! 未練たらたらやん!」
省1
61: ◆RZFwc/0Dpg [sage saga] 2019/05/31(金)22:54 ID:kcSV+mvpO携(61/66) AAS
 目に涙を浮かべるほど笑いながら、周子は声を震わせる。

「ダッサいなぁもう……Pさんって、いざという時締まらんよねー」

「自分でも嫌になるよ、本当に」

 死にたい気分でそう応えると、周子はまた笑い転げていた。

 恥ずかしさと情けなさにどっぷり浸かっていた俺だったが、少しずつ自分でもおかしくなってくる。
 本当に……何なんだよ、『また今度』って。
省3
62: ◆RZFwc/0Dpg [sage saga] 2019/05/31(金)22:55 ID:kcSV+mvpO携(62/66) AAS
「うわ! お前、何して──」

 驚きの声は上げてしまったものの、俺は彼女を遠ざけようとしなかった。

 周子が俺の首根っこに力一杯しがみついていたからでもあるし、また俺の方も、引き剥がす気にはなれなかった。

 周子自身の甘い香りと、彼女が付ける香水の淡い香りが混じり合い、鼻をくすぐる。

 俺の首筋に貼り付いた彼女の頬は温かく、呆けてしまいそうな心地好さだった。
省4
63: ◆RZFwc/0Dpg [sage saga] 2019/05/31(金)22:55 ID:kcSV+mvpO携(63/66) AAS
「ね、Pさん」

「ん?」

「好きだよ」

「……うん、知ってる」

「……ふふふ、うん。知ってて」
省4
64: ◆RZFwc/0Dpg [sage saga] 2019/05/31(金)22:56 ID:kcSV+mvpO携(64/66) AAS
 顔を上げた周子が今度は、俺の耳元へと顔を近づけ、そのまま囁く。

「『また今度』やからね。約束……楽しみにしてるから」

 それから耳に軽くキスをして。

 次の瞬間、俺の身体を突き飛ばすようにして、周子は離れていった。
65: ◆RZFwc/0Dpg [sage saga] 2019/05/31(金)22:57 ID:kcSV+mvpO携(65/66) AAS
 その勢いのまま数歩駆け出した周子はこちらを振り返り、からかうような表情で大声を出す。

「ね、Pさーん!」

 首を傾げて応えると、周子はにんまりと笑った。

「アイス食べたーい! 買ってぇー♪」

 彼女の笑顔が、街灯の下で輝いていた。
省1
66: ◆RZFwc/0Dpg [sage saga] 2019/05/31(金)23:00 ID:kcSV+mvpO携(66/66) AAS
ありがとございましたー

次は新人三人組が合宿する話か、シャニマスの摩美々の話を投稿すると思います

依頼出してきますー
67: 2019/06/01(土)11:15 ID:XN/hUlICo(1) AAS
うまく言語化できないけど、すごく良かった

68: ◆RZFwc/0Dpg [sage saga] 2019/06/01(土)13:42 ID:V6YklGo0o(1/2) AAS
すいません、ちょっと投稿テスト
◎○●☆♪『』〈〉
69: ◆RZFwc/0Dpg [sage saga] 2019/06/01(土)13:43 ID:V6YklGo0o(2/2) AAS
ありがとうございます!
凄い嬉しいです
70: 2019/06/02(日)15:07 ID:30F3RvzvO携(1) AAS
【デレマス】半熟娘。うっとりと快楽に溺れる幼い肉体――性奴隷に堕ちるまで
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