[過去ログ] 【ミリマス】恵美「Pと兄貴と妹馬鹿」その5【日刊】 (1002レス)
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10: ↑間違えちゃった笑 [sage saga] 2019/05/31(金)23:38 ID:oks22TxK0(4/19) AAS
大学4年の頃、
自分が何になりたいのか分からなかった時のことだ。

急に俺に話しかけてきたのは背の高い初老の男性で、
着ている黒いスーツはくたびれている。

時計は多少高価な物を付けているようだが、
大学生になった頃に株で稼いだ金で買った俺の時計の方が高価だ。

それだけ観察していたところで、このおっさんは俺に言った。
省1
11: ◆BAS9sRqc3g [sage saga] 2019/05/31(金)23:40 ID:oks22TxK0(5/19) AAS
「は?」と思った。

こんなおっさんが俺になんの用なんだ。
訳が分からん。

何がティンと来たんだ。
ティンってなんだ。

普通はピンと来るものだろう?
省5
12: ◆BAS9sRqc3g [sage saga] 2019/05/31(金)23:42 ID:oks22TxK0(6/19) AAS
「私は765プロダクションというアイドル事務所の社長である高木と言う」

「……」

俺は何も答えない。
というか、勝手に横に座って来るなよ。
狭いだろうが。

名刺には確かに765プロダクションと書かれている。
聞いたことの無い事務所だ。
省3
13: ◆BAS9sRqc3g [sage saga] 2019/05/31(金)23:43 ID:oks22TxK0(7/19) AAS
「君、何か思い悩んでいる顔をしていたね」

「……」

俺はそれでも何も答えない。
というか、話を勝手に進めないでくれ。
しかし、俺が答えられないでいたのには、
このおっさんに、見抜かれていたことがその通りだったからだ。

先にも言ったように俺は自分が何になりたいのか分からなかった。
いや、迷っていたんだ。何になるべきか。
何になれば俺は世界に貢献出来るようようになるのか。
14: ◆BAS9sRqc3g [sage saga] 2019/05/31(金)23:44 ID:oks22TxK0(8/19) AAS
それは、警察になろうが弁護士になろうが
政治家になろうが自衛官になろうが
どこへ行っても結局俺は慣れてしまう。

なりたい職業に簡単になれて、慣れてしまう。
嫌味に聞こえるならすまない。持つ者の悩みだ。忘れてくれ。

ともあれ、俺はそんな選択肢の中にアイドルになるという
選択肢を用意していなかった。
15: ◆BAS9sRqc3g [sage saga] 2019/05/31(金)23:45 ID:oks22TxK0(9/19) AAS
「ああ、もうしかして、もう別のアイドル事務所に?」

 おっさんは申し訳なさそうに名刺を引っ込めようとした。

「すみません、そうじゃなくて俺、
アイドルになるのはちょっと……向いてないというか」

そう断ろうとしたが、そのおっさんは嫌そうな顔をした。
省5
16: ◆BAS9sRqc3g [sage saga] 2019/05/31(金)23:47 ID:oks22TxK0(10/19) AAS
「ああ、いやそうじゃなくて君は
アイドルじゃなくてアイドルのプロデューサーにならないか? 
と言いたかったんだ」

思考が一瞬停止した。

俺は勘違いをしていたようだ。
しかも、かなり恥ずかしい部類の勘違いだ。
いや、しかし俺がプロデューサーに? 
つまり、こいつの下に付いて働けと? そう言ってるのか?
17: ◆BAS9sRqc3g [sage saga] 2019/05/31(金)23:48 ID:oks22TxK0(11/19) AAS
むしろ俺を何故アイドルとして採用しない? 
こういうとまるで俺はナルシストのように聞こえるが、そこはもう仕方ない。
なぜなら俺は何1つ間違っちゃいないからだ。

その辺の女をアイドルにして俺がそいつの仕事内容を考えて
トップに導くのならば最初から俺がステージに立った方が
早いに決まってるだろ。馬鹿かこのおっさんは。

「今、我が765プロには重大なものが欠けているのだ……」

「……」
18: ◆BAS9sRqc3g [sage saga] 2019/05/31(金)23:50 ID:oks22TxK0(12/19) AAS
「それはブレーンだ」

脳だと? つまり俺には全ての指揮権を持たせるということなのか?

俺は一応就職活動をしていたがどこもかしこも
簡単に内定を出しやがるのが、
確かにつまらないゲームのようでもあった。

ただ、人生をかけたひとつのアイドル事務所を
再建からトップに持っていくゲームは
ちょっとやそっとじゃクリア出来ないだろう。
省1
19: ◆BAS9sRqc3g [sage saga] 2019/05/31(金)23:50 ID:oks22TxK0(13/19) AAS
というか、俺は何者にもなれるわけなんだし、
この際起業するのも有りかなとさえ思っていたところだ。
その方が天下を取るのに早い。

ただ、先にも言ったように
その辺の女をアイドルにしてトップになれるように
プロデュースをするのであれば
間違いなく俺がステージに立った方が早い。

俺がこの世で唯一女性として
素晴らしいと感じるのは完璧な俺の妹である伊吹翼、ただ、1人だけだ。
省4
20: ◆BAS9sRqc3g [sage saga] 2019/05/31(金)23:52 ID:oks22TxK0(14/19) AAS
おっさんが俺に見せてきた紙は、
伊吹翼と書かれた履歴書だった。

そしてこれは間違いなく翼の書いた文字だった。
変に丸みを帯びた文字で可愛らしいというか、変だ。

この独特の文字、翼の手書きであることは間違いない。
が、何故このおっさんが持っているんだ。
21: ◆BAS9sRqc3g [sage saga] 2019/05/31(金)23:53 ID:oks22TxK0(15/19) AAS
「これはね、先日スカウトした女の子がいたのだが、
どうしてもプロデュースしてもらうなら
お兄ちゃんじゃないといやだと言うのだ」

「何っ? 翼をスカウトしたのか」

「そこで私は君を探し出し、君をスカウトしているのだ」

そうか、どうりで俺をアイドルにしないわけだ。
納得がいった。
いや、いくわけあるか。
省3
22: ◆BAS9sRqc3g [sage saga] 2019/05/31(金)23:54 ID:oks22TxK0(16/19) AAS
だとしたら、
このおっさんは最初から俺を知っている癖に
見ず知らずの男子大学生をスカウトする体裁で話を振ってきたのか。
人が悪すぎないか。

「俺も……俺がアイドルをプロデュースするならば、
確実にトップを取れるダイヤの原石でなければ
嫌だと少し考えていたところです」

 「じゃあ」とおっさんが言いかけたところでそれを遮る。
23: ◆BAS9sRqc3g [sage saga] 2019/05/31(金)23:55 ID:oks22TxK0(17/19) AAS
「でも、翼ならばそれが可能ですね。
間違いなく彼女はトップになります。
それは俺がプロデュースをしなくても、ということですが。
俺がプロデュースすることでその期間が早いか遅いかが変化するだけです」 

「ならば君がいち早くトップにしたまえ」

まだ上司でも何でもないおっさんから命令口調で言われることが実に腹立つが、
俺にはそれをやり遂げる自信があった。

当たり前のように出来る自信が。
省3
24: ◆BAS9sRqc3g [sage saga] 2019/05/31(金)23:57 ID:oks22TxK0(18/19) AAS
次の日、

俺はおっさんの居るという事務所に行った。

おっさんは
「良く来た」
といい社長室でもない応接室で面接もしないままに会社の概要を説明し始めた。

最初から合格、ということか。
まあそんなことはどうでもいい。
省3
25: ◆BAS9sRqc3g [sage saga] 2019/05/31(金)23:58 ID:oks22TxK0(19/19) AAS
「君はあまりにも優秀だ。
だが、何でも出来るわけじゃないし、
世の中そう簡単にいくものではない」

「ほう?」

「何でもかんでも上手くいってはつまらないだろう? 私とゲームをしよう」

 何の冗談だ。
何を言っているんだ?
省6
26: ◆BAS9sRqc3g [sage saga] 2019/06/01(土)00:01 ID:JxYIGbKz0(1/3) AAS
「君にはこの春日未来くんを一緒に預けたいと思う。
彼女はその……なんだ?
 まあ言えないけど、気がついたらうちに居たんだ。
そしてそんな彼女を一緒にトップに導くのだ頑張り給えよ」

「……待て」

「待たない。それじゃあ任せたよ」

「ちょ、おい待て!」と言う前に社長は自分の社長室に閉じこもってしまった。
省1
27: ◆BAS9sRqc3g [sage saga] 2019/06/01(土)00:04 ID:JxYIGbKz0(2/3) AAS
「君、大丈夫か?」

「ん゛ーーー!」

仕方ない。
俺はゆっくりと丁寧にその子の猿ぐつわを取ってやる。
すると深く深呼吸をしたあとにその子は言った。

「なんで外した……? 戻せ!!」
省7
28: ◆BAS9sRqc3g [sage saga] 2019/06/01(土)00:09 ID:JxYIGbKz0(3/3) AAS
……
…………
………………

「ていうのが、俺がここに入った経緯だ」

「……なるほど。春日さんはもう伊吹さんの足枷になることは確定事項で

社長に分かっていながら押し付けられたんですね」
省11
29: 2019/06/01(土)00:16 ID:uKtorQ1sO携(1) AAS
これがギャルゲーの導入ならば、完全に未来ちゃがパッケージヒロイン
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