【ガルパン】みほ「私は、あなたたちに救われたから」 (734レス)
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77: ◆eltIyP8eDQ [saga] 2019/04/13(土)22:17 ID:xS+etstB0(1/8) AAS




プラウダ高校はその校風というべきか気質というべきか、比較的高緯度の海域を航海する。

故にプラウダの気温はいつだって低く、集まる生徒たちも東北から北海道にかけて寒さになれた者が集まってくる。

とはいえ、流石に今日のように雪が吹雪いている中、外に出るような生徒はおらず暖房をガンガンにつけた部屋に籠っていた。
省14
78: ◆eltIyP8eDQ [saga] 2019/04/13(土)22:24 ID:xS+etstB0(2/8) AAS
カチューシャ「それで?いきなり来たと思ったらだんまり?お茶とお菓子の分ぐらいは私を楽しませてくれてもいいんじゃない?」

黙り込んだままのダージリンが顔を上げ、カチューシャを見つめる。

その碧眼はカチューシャを見つめようとしているのかそれとも目を逸らそうとしているのか、どうにも落ち着かない。

そんなダージリンをカチューシャはめんどくさそうに見つめ、ジャムを口に含んで紅茶を飲む。
省10
79: ◆eltIyP8eDQ [saga] 2019/04/13(土)22:33 ID:xS+etstB0(3/8) AAS
ダージリン「エリカさ……みほさんの事情はあなたが一番知っていたはずでしょ」

カチューシャ「そうよ?死んだ奴の影に隠れていつまでも情けないったらありゃしない」

ダージリン「……その理由もあなたは知っていたはずでしょ」

カチューシャ「ええ、知ってたわ。だからやったの」
省13
80: ◆eltIyP8eDQ [saga] 2019/04/13(土)22:37 ID:xS+etstB0(4/8) AAS
ダージリン「……あれは、誰の責任でもない、不幸な事故。それで決着がついているし私もそうだと思っている。

      だけど、そう簡単に割り切れるものではないわ」

カチューシャ「あなたに、何がわかるのよ」

苛立ちを露わに、ペチーネを口に放り込んで乱暴にかみ砕く。
省14
81: ◆eltIyP8eDQ [saga] 2019/04/13(土)22:39 ID:xS+etstB0(5/8) AAS
ダージリン「でも、私が会ったみほさんは、『逸見エリカ』だった」

言いたくなかった事、信じたくなかったことを吐き出すように伝えると、あとはもうため息のように言葉が続いていく。

ダージリン「信じられなかった。あの子が持っていたであろう柔らかく、穏やかな雰囲気が全て失われていたから」

カチューシャ「失われていた。じゃなくて、捨てたのよ。あいつは」
省10
82: ◆eltIyP8eDQ [saga] 2019/04/13(土)22:45 ID:xS+etstB0(6/8) AAS
それは、咎めるというよりも縋りつくような言葉。

ダージリンはカチューシャなら、自分以外の誰かならもっと誰も傷つかない、方法があったのではないかと、そう思いたかった。

だから、カチューシャははっきりと告げる。

カチューシャ「その『やり方』を探しているうちに、あの子は決勝で西住まほと対面することになってたでしょうね」

ダージリンは納得と悔しさを沈黙で表す。
省11
83: ◆eltIyP8eDQ [saga] 2019/04/13(土)22:50 ID:xS+etstB0(7/8) AAS
ダージリン「そうかもしれないわね……私の心配は、ただのお節介で、ともすれば傲慢なのかもしれないわ……」

ダージリンが何も見たくないと言うかのように両手で顔を覆う。

その両手をそっと離して、潤んで、揺れる瞳でカチューシャを見つめる。

ダージリン「ああそうよカチューシャ。私は、善意や正義感であの子をそっとしておいたんじゃない。私は、私はただ……怖かったのよ」
省14
84: ◆eltIyP8eDQ [saga] 2019/04/13(土)22:51 ID:xS+etstB0(8/8) AAS
ここまでー
また来週。
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