【ガルパン】みほ「私は、あなたたちに救われたから」 (733レス)
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650: ♯uriyo00 [saga] 2020/05/04(月) 01:53:29.30 ID:QcFhl9eh0 ・ ・ ・ 後方に舞う土煙が見えなくなったのを確認して沙織が安堵の溜息を吐く。 沙織「なんとか撒けたっぽいね」 みほ「はい。今のうちに距離を稼ぎましょう」 みほの指示を受け沙織は地図を開いて針路を確認する。 沙織「えっと――――この先に川があるね。でも橋は遠回りしないと……」 みほ「橋は使いません」 沙織「え?」 みほ「このまま進んで川を渡ります」 沙織「大丈夫なの?」 戦車というのは当然のことながら陸路を走るもので、この鉄の塊で川を渡るという事が沙織にはどうにも想像できなかった。 優花里も同じく驚いているのを見て、沙織はますます信じられなくなる。 しかし、みほはそんな彼女たちの動揺に揺らがず、淡々と説明をする。 みほ「はい。黒森峰の重戦車ではこの川は渡れません。今まで稼いだ距離と、川を避けて回り道する時間を合わせれば黒森峰が私たちに追いつくのにはだいぶ時間がかかるはずです」 沙織が聞きたいのは自分たちの戦車が川を渡れるのかという事であって、黒森峰の戦車が渡れるかという事では無かったのだが、 少なくともこの場において最も戦車の事を知っているみほがそう言うのであればと、ひとまず沙織は納得することにした。 沙織「なら、みんなにもそう伝えるね。あ、アヒルさんチームはどうしよう?」 みほ「このまま攪乱をしてもらいつつタイミングを見て合流してもらいます」 沙織「了解」 沙織は手早く無線を繋ぎ各車に通達をする。 川を渡るという事に多少なりとも動揺の声は上がったが、それでも隊長であるみほの指示ならば大丈夫だと皆が納得した。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1553347133/650
651: ◆eltIyP8eDQ [saga] 2020/05/04(月) 01:55:23.77 ID:QcFhl9eh0 隊列を乱さず進んでいくと、目の前に川が見えてきた。 地図の上で見るものよりも実際の川幅は随分と大きく見え、沙織は先ほど飲み込んだ不安がまた首をもたげるのを感じる。 しかし、それを声に出すのは堪え、指示のため無線機を取った。 沙織「それじゃあみんな、さっき言った通りお願い」 『了解』 沙織の無線を受け、各車両がそれぞれのポジションに付く。 車体の軽い戦車が流されないように最重量のポルシェティーガーを上流に重さ順に横並びになり、浸水しないようハッチを閉め、川へと前進を始めた。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1553347133/651
652: ◆eltIyP8eDQ [saga] 2020/05/04(月) 01:56:29.53 ID:QcFhl9eh0 沙織「大丈夫かなぁ……」 沙織の呟きを肯定するかのように車体が大きく揺れる。 水の抵抗は強く、それが沙織の不安をさらに掻き立てる。 ぞわぞわとした感覚が背筋を撫で、車体が横滑りするたびにビクリと跳ねた。 そんな沙織を見て、麻子がポツリと呟く。 麻子「大丈夫だ。ちゃんと進んでいる」 自分が不安を表に出していた事に気づき、沙織は慌てて表情を引き締める。 ―――麻子に気を遣わせるようじゃダメだよね。 一番注意を払っているのは操縦手である麻子であり、今の自分はただ座っているだけなのだから。 そう思い、沙織は一度深呼吸をする。 そして、落ち着いて車内に響く振動、音に耳を傾けると、履帯がしっかりと川底を掴み少しづつ進んでいる感覚を捉えた。 ――これなら大丈夫かな。 沙織が小さく安堵の溜息を吐く。 ゆっくりとだが、確実に戦車は前進している。 アヒルさんチームの攪乱はしっかりと効果が出ているようで、砲弾が飛んでくるような様子は無い。 この調子なら、黒森峰に追いつかれる前に川を渡り切れるだろう。 そう思っていた時、無線から悲鳴のような声が聞こえてきた。 優季『桂利奈ちゃんやっぱり無理っぽいっ!?』 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1553347133/652
653: ◆eltIyP8eDQ [saga] 2020/05/04(月) 01:57:10.87 ID:QcFhl9eh0 その声はウサギさんチームの無線手、宇津木優季のものだ。 沙織は何事かと思い聞き返すも、無線の向こうでは優季と桂利奈の声がカンカンと響くばかりで一向に要領を得ない。 なので沙織はみほへと無線を回す。 みほは突然の事に首をかしげるが、沙織の様子に何事かが起きたのだと判断し、落ち着いた声で無線の向こうへと語り掛ける。 みほ「ウサギさんチーム何かありましたか?」 優季『ごめんなさーい!!なんか、エンジンが……』 無線に応える優季の隣からガチャガチャの何かを動かす音と、『動かないよー!!』っと叫ぶ桂利奈の声が同時に届く。 沙織は慌ててハッチから外に顔を出し、後方を見る。 そこには川の中ほどで停止しているM3リーがいた。 沙織「ちょっ!?大丈夫っ!!?」 みほ「落ち着いて。ギアを上げてみてください」 慌てる沙織に対して冷静に対応策を伝えるみほ。 しかし、無線の向こうの雰囲気は一向に良くならない。 桂利奈『ダメ!!どうしよう!?』 優季『私に言われてもー……』 やがて大きな音と共に、ウサギさんチームの車内からエンジン音が消えた。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1553347133/653
654: ◆eltIyP8eDQ [saga] 2020/05/04(月) 01:58:02.47 ID:QcFhl9eh0 みほ「ウサギさん?大丈夫ですかっ!?」 ここに来ていよいよみほの顔に焦りが浮かんでくる。 レオポンさんチームからも助言をもらい、桂利奈はなんとかエンジンの再始動を図ったが―――M3リーの沈黙は解けなかった。 沙織「マズイまずいよどうしようっ!?みほっ!?」 隊列から取り残され川の中で立ち往生するM3を見て沙織が叫ぶ。 みほは、そんな沙織に返事を返さず、口元を押さえぶつぶつと何かを呟いている。 みほ「どうする……?なんとか再始動を……でも、故障だったらウサギさんチームじゃどうしようも……なら一端バック……無理だ。なら、なら……」 みほの表情がどんどんと苦悶に歪んでいく。 汗が額を流れ、しかし肌からはどんどん色が失せていく。 そんなみほの様子に、沙織はもちろん優花里も、華も麻子も絶句してしまう。 そんな時、無線から落ち着いた声が響いてきた。 梓『……隊長』 みほ「梓さん……?」 その声は、梓のものだった。 梓『エンジンの再始動は難しそうです。アヒルさんチームが時間を稼いでいるとはいえ、ここで時間を失う訳にはいきません』 そこまで聞いて、沙織は梓が何を言いたいのか理解した。 それはみほも同じなのだろう、その瞳が大きく開き、今度こそ色が消え去る。 梓『だから、私たちはここまでです。見捨てて、先に進んでください』 梓の声が孕んでいたのは、落ち着きではなく諦めだった。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1553347133/654
655: ◆eltIyP8eDQ [saga] 2020/05/04(月) 01:58:57.99 ID:QcFhl9eh0 ここまでです。 外出できないのに相変わらず筆は遅々ですが、なんとか進めていきます。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1553347133/655
657: ◆H9H0Q4zLDSTW [sage saga] 2020/05/04(月) 10:53:13.57 ID:QcFhl9eh0 >>656 なのでこれからはこれで行くのでお願いします http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1553347133/657
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