【ガルパン】みほ「私は、あなたたちに救われたから」 (734レス)
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362: ◆eltIyP8eDQ [saga] 2019/07/08(月)00:28 ID:4imz0c/d0(2/6) AAS




サンダースの三人が去っていき、みほは祭りの喧騒の中、じっとケイの言葉を反芻していた。

みほ「……私の、幸せ。それに……私の戦車道」

どちらもみほにとってあり得ない、遠いものだ。

どちらもエリカがいないのなら、あり得ないものなのだから。
省25
363: ◆eltIyP8eDQ [saga] 2019/07/08(月)00:45 ID:4imz0c/d0(3/6) AAS
アンチョビ「そうか!!……あれ!?カルパッチョはっ!?」

ペパロニ「カルパッチョならあそこっすよ」

抱えた焼きそばを食べながらペパロニが目線で促す。

すると、その先で金髪の―――カルパッチョと呼ばれている少女がカバさんチームのリーダーのカエサルと向き合っていた。
省21
364: ◆eltIyP8eDQ [saga] 2019/07/08(月)01:35 ID:4imz0c/d0(4/6) AAS
アンチョビ「言い訳するつもりじゃないがあの時の私は、お前と、お前の姉のと……逸見の事でちょっと、な……つい、呟いたのが聞かれていたんだ」

みほ「……なんで、あなたが?」

みほやまほ、エリカの件にアンチョビはなんの責任も無い。

悩む理由なんてないはずなのに。
省20
365: ◆eltIyP8eDQ [saga] 2019/07/08(月)01:59 ID:4imz0c/d0(5/6) AAS
遮った声にほんのわずかに怒りが滲んでいたことをみほは察した。

吊り上がった眉がみほを睨みつけ、固く結んだ唇が意志の強さを表している。

だけど、すぐに唇は緩み、眉は下がり、アンチョビはみほの肩にトンと手を置く。

アンチョビ「本気で戦って、一緒に食事した。ならもう、私たちは友達だ。だから、お礼なんていらないさ。だから……」
省13
366: ◆eltIyP8eDQ [saga] 2019/07/08(月)02:01 ID:4imz0c/d0(6/6) AAS
ここまでー
早く梅雨明けしてほしいです。
また来週。
367: 2019/07/08(月)02:39 ID:VtDxCRsXO携(1) AAS

ありがとうそしてありがとう
368: 2019/07/08(月)02:40 ID:MC7MiuL8O携(1) AAS
ケイさんの陽気力半端ねーす
みほちゃんを救うのはおケイだったか
こいつは僕も元気になっちゃうね
369: 2019/07/08(月)11:38 ID:CN6ZeOfx0(1) AAS
更新乙
ケイもアリさも素敵
意外とキャラがよくわからないカルパッチョ
最新のドラマCDで、ペパロニに対して少し深堀されたのは嬉しい
370: 2019/07/08(月)12:30 ID:yR3P4We+O携(1) AAS
おつ
ケイはイイ女だよ
371: 2019/07/09(火)21:21 ID:0yJET4lm0(1) AAS
乙です
「ケイさんが信じてくれている」ってことを信じられるんだから、絶対みほは立ち直れるよ
いくら時間がかかろうとも、いま自分を大切にできなくても、仲間や周囲の人々を信じられるのならまだ希望はある
天国からきっとエリカさんもみほとまほの平和を祈ってくれている……
372: ◆eltIyP8eDQ [saga] 2019/07/14(日)00:27 ID:LUa+0x7l0(1/11) AAS




アンチョビたちが人ごみに消えていった後もみほはじっとその方向を見つめていた。

みほ「それで、今度はあなたですか?」

みほは振り向かずに問いかける。

砂を踏みしめる音が返答をする。
省27
373: ◆eltIyP8eDQ [saga] 2019/07/14(日)00:43 ID:LUa+0x7l0(2/11) AAS
みほ「だけど……そうやって気にかけてくれたことは感謝してます」

それでも、その気持ちを受け止められる程度には、

感謝の言葉を言える程度にはなっていた。

かつて、自身を思って優しくしてくれた人に酷い言葉を浴びせたのを思えば、多少はマシになったんじゃないか。
省24
374: ◆eltIyP8eDQ [saga] 2019/07/14(日)01:03 ID:LUa+0x7l0(3/11) AAS
オレンジペコ「ダージリン様。あんまり煙に巻くような話し方すると嫌われるってアッサム様にも言われたじゃないですか」

ダージリン「あら、ごめんなさい。……でも、わかるでしょ?」

みほ「……」

返答はしなかった。
省17
375: ◆eltIyP8eDQ [saga] 2019/07/14(日)01:48 ID:LUa+0x7l0(4/11) AAS




大洗のパドックから離れ、観客席へと向かうダージリンの背中に、オレンジペコは先ほどから気になっていた問いを投げかける。

オレンジペコ「ダージリン様、今のは誰の格言なんですか?」

目の前の先輩は息をするようにあちこちで格言を吐く。

アッサム曰く、「昔はそんな事なかったんですけどね……」との事だが、あれやこれやと蘊蓄を交えて楽しそうに講釈するダージリンに付き合ってくれる同級生はそうおらず、
省18
376: ◆eltIyP8eDQ [saga] 2019/07/14(日)01:58 ID:LUa+0x7l0(5/11) AAS
突然、ダージリンの視線と声がオレンジペコから離れる。

オレンジペコが振り返ると、物陰から小さな影が出てきた。

その影は背の低さに思うところがあるオレンジペコよりもさらに小さく、

その人物はオレンジペコもよく知っている人物だった。

カチューシャ「……わかってたの?」
省11
377: ◆eltIyP8eDQ [saga] 2019/07/14(日)02:22 ID:LUa+0x7l0(6/11) AAS




来客も途切れ、そろそろ決勝の合図が近づいてきたなと思っていた時、

みほの前に小さく、可愛らしく、けれども確かな気迫を持った少女―――カチューシャがやってきた。

カチューシャ「思ってたよりも元気そうね。めそめそしてるなら脛のあたり蹴ってやろうかと思ってたけど」

相変わらず不遜な態度を崩さずに値踏みするようにこちらを見つめてくるカチューシャに、みほは内心動揺する。
省23
378: ◆eltIyP8eDQ [saga] 2019/07/14(日)02:38 ID:LUa+0x7l0(7/11) AAS
カチューシャ「許しを請うなんて真似はしない。許されるような事をしていないから」

畳みかけるようにカチューシャは続ける。

ぎゅっと握りしめられた拳は震え、必死に怒りを、あるいは悲しみをこらえているように見えた。

カチューシャ「土下座でも何でもするわ。気が済むまで殴っても良い。誰にも文句なんて言わせない。だから、あなたの好きなようにしなさい」
省23
379: ◆eltIyP8eDQ [saga] 2019/07/14(日)02:42 ID:LUa+0x7l0(8/11) AAS
何一つ恩を返すことが出来ず、何一つ成し遂げられなかった自分が、みほは許せない。

たくさんのものをもらったのに、それに縋ってばかりで一歩も進んでいなかった自分が、みほは許せない。

もしもあの時に戻れるのならば、あの濁流をもう一度目の前にできれば、きっとみほは迷わず飛び込むだろう。

飛び込んで、エリカを救って、それで、笑って水底に沈んでいくのだろう。
省23
380: ◆eltIyP8eDQ [saga] 2019/07/14(日)02:44 ID:LUa+0x7l0(9/11) AAS
カチューシャ「結局、マホーシャだけだったわ。私を責めてくれたのは」

少し赤くなった脛をさすりながらみほがどういう意味かと見つめる。

その視線にカチューシャは返答せず、今度は震えのない声で告げた。

カチューシャ「ミホ、私あなたの事嫌いよ」
省11
381: ◆eltIyP8eDQ [saga] 2019/07/14(日)02:45 ID:LUa+0x7l0(10/11) AAS
『まもなく、試合開始となります。決勝に参加する選手は集合場所に集まってください』
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