【ガルパン】みほ「私は、あなたたちに救われたから」 (734レス)
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182: ◆eltIyP8eDQ [saga] 2019/05/12(日)23:58 ID:NXdKQUru0(3/3) AAS
沙織「っ……」

想起したみほとの今日までの記憶に涙がこみあげてくる。

それが零れ落ちないように沙織が空を見上げる。

その視線の先には薄っすらと月が浮かんでいた。

……今日は雲が無い。

きっと、月が綺麗に輝くんだろうなと、呑気な事を一瞬考えてしまう。

その瞬間、沙織の脳裏にいつかの記憶が蘇る。

沙織『えりりんっ!』

エリカ『沙織?』

沙織『こんなところで何してるの?』

エリカ『別に。……月がきれいだなって』

沙織『……ホントだ。高地だからいつもより大きく見えるね』

エリカ『……ええ。照らすものすべてが煌めいて見える銀色の光』

ついこの間の事なのに、もうずっと遠くの事のように感じる記憶。

アンツィオ戦後に、月を見上げていたみほ。

その横顔はいつものような張り詰めたような表情ではなく、嬉しそうな懐かしそうなもので、

その声色に宿る感情は、彼女にとって月がとても大きな意味を持つのだと、持っていたのだと、沙織は気づく。

沙織「山……学校の、裏山」

月を見上げながらうわ言のように呟いたその声に、杏が真っ先に反応する。

杏「そこに、西住ちゃんがいるの?」

沙織「わからない……でも、西住さん、月が綺麗って。嬉しそうに、言ってて……このあたりで一番高いところって艦橋か、裏山でしょ……?」

高さだけなら艦橋の方が高い。

しかし学園艦の環境は船舶科でも一部の人間しか入ることが出来ない。

少なくとも、普通科であるみほが入ることは出来ないだろう。

杏は納得したように頷く。

杏「……なるほど、なら」

桃「っ!!」

柚子「桃ちゃんっ!?」

杏が指示を出そうとする前に桃が柚子の制止も聞かずに裏山に向かって走り出す。

優花里「私たちも行きましょうっ!!」

優花里の言葉を合図に、皆桃の後を追いかけていった。
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