一ノ瀬志希「失踪しちゃおうか」 (50レス)
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1: ◆WO7BVrJPw2 [saga] 2019/03/10(日)10:35 ID:aVFgvfGp0(1/46) AAS
一ノ瀬志希「わー海だー」

モバP(以下P)「……海だな」

志希「海が見えた時ってもっと盛り上がるもんじゃないの?」

P「どんなバラエティ見たんだ」

志希「いやー、太平洋だねー。あれ、これって日本海?」
省16
2: ◆WO7BVrJPw2 [saga] 2019/03/10(日)10:37 ID:aVFgvfGp0(2/46) AAS
P「まあ、今日は志希の話に乗るって言ったもんな。止められるところ見つけるよ」

志希「わーい」

P「しかし、何だって海に来たんだ」

志希「別に海じゃなくてもどこでも良かったんだ」

P「はあ」
省9
3: ◆WO7BVrJPw2 [saga] 2019/03/10(日)10:38 ID:aVFgvfGp0(3/46) AAS
志希「ねえねえ」

P「……なんだ」

志希「どうしたのさー、出発してからずーっと浮かない顔で」

P「浮くものは何一つない。なんでこんなところにいるんだろうって思ってるよ」

志希「それは、あたしの口車に乗ったからー♪」
省14
4: ◆WO7BVrJPw2 [saga] 2019/03/10(日)10:39 ID:aVFgvfGp0(4/46) AAS
千川ちひろ「つかまりませんか?」

P「ええ。圏外アナウンスですが、着信拒否でしょう。自宅へは……いや、やめておきましょうか」

ちひろ「その方がいいでしょうね。私がメールを出しておきますよ」

P「……俺がやるべきじゃないですか」

ちひろ「直接メールするのはハードル高いですよ。向こうももらっても読みたくはないでしょう」
省4
5: ◆WO7BVrJPw2 [saga] 2019/03/10(日)10:40 ID:aVFgvfGp0(5/46) AAS
ちひろ「あの子は、Pさんがスカウトしてきたんでしたね」

P「ええ。……いい素材だと思っていたんですけど」

ちひろ「レッスンに耐えられなかったんですかね」

P「それだけ、ではないと思います。何となく嫌になった、なんてことだって十分あるでしょうけど……」

ちひろ「思えば、そんな器用そうな子じゃなかった気がしますね。でも、もっと不器用な子でも頑張っている子はいますから……」
省12
6: ◆WO7BVrJPw2 [saga] 2019/03/10(日)10:42 ID:aVFgvfGp0(6/46) AAS
――

P「あー……」グデー

志希「おやおや。プロデューサーがへこたれてるー」

P「……志希か。おはよう」

志希「おはよー。もうお昼過ぎてるけど」
省14
7: ◆WO7BVrJPw2 [saga] 2019/03/10(日)10:42 ID:aVFgvfGp0(7/46) AAS
P「どこに行くかねぇ」

志希「とその前に」

P「ん?」

志希「はすはすー」グイッ

P「おい」
省14
8: ◆WO7BVrJPw2 [saga] 2019/03/10(日)10:43 ID:aVFgvfGp0(8/46) AAS
志希「だからさ」

P「おう」

志希「あたしと一緒に失踪しちゃわない?」

P「は?」

志希「にゃはは、何その顔! カートゥーンでもそんな呆けた見ないよ」
省13
9: ◆WO7BVrJPw2 [saga] 2019/03/10(日)10:44 ID:aVFgvfGp0(9/46) AAS
P「……どこに行くつもりなんだ」

志希「お? んふふ……決めてなーい。でもまぁ、そうだにゃー。海とか見たいかも」

P「海ねぇ。山よりは寒くなさそうだ」

志希「そうだね」

P「……」
省9
10: ◆WO7BVrJPw2 [saga] 2019/03/10(日)10:45 ID:aVFgvfGp0(10/46) AAS
P「……ちひろさんに」

志希「ん?」

P「早退するとか言ったら、失踪じゃなくなるよな」

志希「そうだねぇ。誰にも何にも言わずに、ふらっと姿を消すの」

P「あとで大目玉だな」
省8
11: ◆WO7BVrJPw2 [saga] 2019/03/10(日)10:45 ID:aVFgvfGp0(11/46) AAS
ガチャ ビュオッ

P「うわっ。風あるな」

志希「冬の海風すごいねー。にゃはは、だーれもいない」

P「物好きしか来ないだろ。こんな平日の夕方に、冬の海なんて」

志希「じゃーあたしとキミは、もの好きってこと?」
省9
12: ◆WO7BVrJPw2 [saga] 2019/03/10(日)10:46 ID:aVFgvfGp0(12/46) AAS
志希「あ、じゃあ風よけになってよ」

P「は?」

志希「うりゃっ」ギュッ

P「……腕組むだけで風よけになってるか、これ?」

志希「海からの風防げてる気はする」
省6
13: ◆WO7BVrJPw2 [saga] 2019/03/10(日)10:46 ID:aVFgvfGp0(13/46) AAS
P「……」

志希「また仕事のこと考えているのかな?」

P「……まあ、どうしたって気がかりになる」

志希「キミって、いままでサボタージュしたことない人?」

P「いや、そんなことは……ないはず……どうだったかな」
省7
14: ◆WO7BVrJPw2 [saga] 2019/03/10(日)10:47 ID:aVFgvfGp0(14/46) AAS
志希「せいぜい数時間の早退なんて、サボりにも入らないでしょ」

P「そんな感覚は持っていない。……まあ今日は、ちひろさんも見逃してくれてるのかもしれないけど」

志希「結局、電話なかったもんね。キミ、ずっと気がかりだったでしょ」

P「気が気じゃなかったよ。途中で昼飯食べてから気にしないようにしたけど」

志希「気にしようとする心そのものが、気にかかっている証拠だねぇ」
省7
15: ◆WO7BVrJPw2 [saga] 2019/03/10(日)10:47 ID:aVFgvfGp0(15/46) AAS
志希「……あたし、アメリカで研究してたじゃない」

P「ん? ああ」

志希「日本で持て余していたこと、アメリカの大学でならいろいろ解消できるかなと思っていったんだけど、結局そこでも全部放り出して日本帰ってきちゃったでしょ」

P「だったみたいだな」

志希「そうやって、全部放り出しながら生きてきて、あたしに残ったもの、何だったかわかる?」
省11
16: ◆WO7BVrJPw2 [saga] 2019/03/10(日)10:48 ID:aVFgvfGp0(16/46) AAS
P「……はーっ」

P「慰められてるのかね、これは」

志希「最初の動機はそうだったんだけどね。どうでも良くなっちゃった」

P「はい?」

志希「これでも、ちょっとは人の心も分かるサイエンティストのつもりなんだよ」
省10
17: ◆WO7BVrJPw2 [saga] 2019/03/10(日)10:48 ID:aVFgvfGp0(17/46) AAS
P「志希?」

志希「あたしがいいたいのは」

志希「ふたりっきりのこの時間に、仕事なんて考えなくていいよ、ってこと」

P「……」

志希「ねえ、見てて」
省10
18: ◆WO7BVrJPw2 [saga] 2019/03/10(日)10:49 ID:aVFgvfGp0(18/46) AAS
P「何やってんだ!」

志希「うひゃーっ、冬の海つめた!」

P「当たり前だろ!」

志希「あっ、ダメなやつだこれ。冷たいじゃない、痛いだこれ!」

P「さっさとあがれバカ!見てるこっちが寒い!」
省11
19: ◆WO7BVrJPw2 [saga] 2019/03/10(日)10:49 ID:aVFgvfGp0(19/46) AAS
P「早くあがれ」

志希「はーい」バシャ

ビュォッ

志希「あがったらあがったでまた寒い! 気化熱やばー!」

P「言わんこっちゃない。車まで戻るぞ、いけるか」
省13
20: ◆WO7BVrJPw2 [saga] 2019/03/10(日)10:50 ID:aVFgvfGp0(20/46) AAS
P「鍵開けてくれ。ジャケットのポケットにある」

志希「はーい。うひー、足先感覚ない」

P「靴と靴下取りに戻るこっちの身にもなれ」

志希「わーい、取ってきてくれるんだ」ピッ

ガチャ
省14
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