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男「恋愛アンチなのに異世界でチートな魅了スキルを授かった件」 2スレ目 (1002レス)
男「恋愛アンチなのに異世界でチートな魅了スキルを授かった件」 2スレ目 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1549367188/
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381: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/03/28(木) 00:15:28.19 ID:oQUvSLKE0 傭兵「しかし、その仲間の力だな。先ほどから不自然なほどに誰とも会わないと思っていたが」 女友「結界魔法の力で人払いをしました。今この空間を認識できるのは私たちとあなただけです」 女友「話を聞いてもらうために勝手なことをしました、気に障ったら謝ります」 傭兵「いや、逆にこっちが礼を言いたいくらいだ。目立ちすぎたせいで大勢の人に囲まれることを覚悟していたからな」 傭兵「この精度と良い中々の使い手のようだ」 女友「恐縮です」 男(傭兵と女友の会話。イケメンのときに言っていた襲撃に備えるための結界魔法か) 男(確かに今この廊下には俺たちと傭兵しかいない。武闘大会優勝者と準優勝者がいる場所が注目されないはずがないので、女友の力がしっかりと働いているのだろう) 傭兵「そして話というのは……そちらの少年からか? 力を一切感じられないのに、やり手の二人が慕っている。リーダーなのだろう?」 男「器じゃないことは分かってますが……。俺は男といいます」 男「今回あなたが武闘大会で優勝したことで手に入れた副賞、宝玉を譲ってもらえないか交渉に来ました」 男(考えてみれば俺が傭兵と話すのは初めてだ。名乗っておく) http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1549367188/381
382: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/03/28(木) 00:16:06.57 ID:oQUvSLKE0 傭兵「知っているかもしれないが、私の名前は傭兵だ。そして交渉か」 男「はい。現在俺たちは元の世界に戻るためにその宝玉を集めているんです」 傭兵「元の世界に……?」 男「長くなるので要点だけ伝えます。まずは――」 男(俺はこの世界に召喚されたことや女神についてなど、宝玉を集めている理由を話した) 傭兵「なるほど……難儀なことに巻き込まれたのだな」 傭兵「予選、準決勝で戦ったあの二人も若いのに使い手だった理由はやはりそうだったか」 傭兵「そしてそちらの少女が力と技術があるのに経験が足りなかった理由も……」 男「そういうことで俺たちは宝玉を集めているんです」 男「どうかあなたの持っている宝玉も譲ってもらえないでしょうか?」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1549367188/382
383: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/03/28(木) 00:16:36.98 ID:oQUvSLKE0 傭兵「苦労した身の上話を聞かせればタダで譲ってもらえる……そのような甘いことを考えているわけではないな?」 男「もちろんです。宝玉……そのサイズの宝石はかなりの価値があります。相場の五倍は払います」 傭兵「五倍か……まあそれだけは持っているのだろうな。少女の準優勝の賞金も入っただろう」 男(傭兵の言うとおり、かなりの出費になるが俺たちが払えない金額ではない) 男(これは通るはずだ) 男(この人は昨日の昼食会で言っていた。故郷を守るために金が必要だったと) 男(武闘大会に出場したのも金のためだろう。それならば宝玉も金で買うことが出来るはず) 男(女が優勝すれば必要ない手間と出費だったが、もし負けてもこうして入手する算段が付いていた) 男(そう、最初から宝玉の入手は確実だったわけだ。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1549367188/383
384: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/03/28(木) 00:17:15.98 ID:oQUvSLKE0 男「お金が必要だと聞きました。故郷のために、あなたの使命とやらのために」 男「良い話だと思いま………………………………あれ?」 男(念押ししようと口を開いて気付く) 傭兵「……自ら気付いたか。頭が回る方ではあるようだな」 男(傭兵はやれやれといった表情だ) 女「どうしたの、男君」 男「いや、俺はずっと傭兵さんがお金のために武闘大会に出場したのだと思っていたんだが……」 女「そういう話だったよね?」 男「考えてみると微妙に噛み合わないんだ」 男「昼食会の時、姉御の質問で戦場を渡り歩いたのはお金のため、外貨を稼ぐことで故郷を生き永らえさせるためだと言った」 男「それがイコールで現在の傭兵さんの使命だと思った」 女「でも……あ、そうだよ」 男「ああ。姉御は最初傭兵さんの話をしてくれたときにこう言っていた」 男「『最初に訪れた町がちょうど伝説の傭兵の故郷だった場所の近く』と」 女「『だった』って……じゃあ、傭兵さんの故郷は無くなっているんですか!?」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1549367188/384
385: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/03/28(木) 00:17:41.43 ID:oQUvSLKE0 傭兵「そうだ。私の奮闘もむなしくな」 女「……ご、ごめんなさい。無神経なことを」 傭兵「いい。それで少年、続きの考えを聞かせてくれ」 男「つまり戦場を渡り歩いていたときは金のためだったけど、今は何か別の使命の下で動いている……そう考えるのが自然だ」 男「だったら今は何のために……それはわざわざ武闘大会に出場したことから推測できる」 男「武闘大会で得られるものは究極的に三つしかない。『名誉』か『お金』か町長の気まぐれと呼ばれる『副賞』だ」 女「伝説の傭兵という勇名を持っているからさらなる『名誉』に魅力はないだろうし、新たな使命が『お金』で同じだとも思えないし……」 男「だから残りは一つ。あなたも『副賞』……宝玉を手に入れるために、優勝を目指していたということですか?」 男(考えてもみなかった可能性) 男(だが、俺はいまさらながら思い出した) 男(ほんの二、三時間前に会ったイケメンの『宝玉を狙うのは僕たちだけじゃない』という言葉を) http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1549367188/385
386: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/03/28(木) 00:18:12.38 ID:oQUvSLKE0 女友「私からも質問があります」 女友「傭兵さん、あなた先ほど私たちの事情を述べたときに『予選、準決勝で戦ったあの二人も若いのに使い手だった理由はやはりそうだったか』と言いましたよね」 女友「この『やはり』とはどういう意味ですか? 既に廃れた宗教である女神教の伝承、女神の遣いについて知るところがあったんですか?」 男(女友の言葉にはっとなる) 男(やはりこの人も宝玉を知る関係者なのだろう。だとしたらどういう理由で宝玉を手に入れて――) 傭兵「目聡い若者たちだ。そして――遅かったな」 男(傭兵はフッと笑うと、その手に持つ宝玉を放り投げた) 男「っ……!?」 男(突然の行動。放物線を描いて宝玉が飛ぶ) 男(最初は俺たちに渡したのかと思った。しかし、その軌道は俺たちを頭上を優に越える) 男(そして) http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1549367188/386
387: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/03/28(木) 00:18:38.78 ID:oQUvSLKE0 ???「すまんねえ、受け取ったよ」 男(いつの間にか俺たちの背後にいた人物がその宝玉をキャッチした) 男(振り向いてそこにいたのは――) 女「お婆さん?」 婆さん「久しぶりだねえ、女さんや」 男(予選の時に俺たちに席を譲ってくれた人の良さそうな婆さんだ。でもどうしてこんなところに……) http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1549367188/387
388: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/03/28(木) 00:19:19.06 ID:oQUvSLKE0 女友「二人とも警戒してください!!」 男(女友が叫ぶようにして呆ける俺たちの思考を叩き直す) 男「ど、どうした女友?」 女友「あり得ません……この一帯は人払いの隠蔽をかけているのに……お婆さん、あなたはどうやって入ってきたんですか!?」 男「っ……そういえば」 男(女友が最初に言っていたことだ。現に先ほどから誰も人通りがない) 男(なのにこうして婆さんは俺たちの目の前にいる) 婆さん「なあに簡単なことさ。最上級の隠蔽は、最上級の看破で見破れる」 婆さん「私も『真実の眼(トゥルーアイ)』のスキルを持っていてねえ」 男(その理屈は俺も女友から聞いたことがある。この婆さん実はかなりのやり手だったのかと感心して) 女友「そちらの方があり得ません!!」 女友「あなたは一度私が『真実の眼(トゥルーアイ)』で見て、何のスキルも持っていないことを確認しているのに!!」 男(女友の叫びは止まらない。ここまで取り乱すのは珍しい、どうやらかなり規格外の出来事が進行しているようだ) http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1549367188/388
389: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/03/28(木) 00:19:54.30 ID:oQUvSLKE0 婆さん(?)「……思い上がるな、小娘。人の身ごときで私の固有スキル『変身』を見破れると思ったか」 男(婆さんは丁寧な口調をかなぐり捨てて尊大な口調になる。……いや、戻ったと言うべきか) 婆さん(?)「『変身』解除」 男(婆さんが命じるとその姿が光に包まれ、晴れたときには全く違うスタイルの女性がその場に立っていた) 男(先ほどまではヨボヨボの肌にいかにも年寄りといったダボついた服を着て腰も曲がっていたのに) 男(濃い褐色の肌に扇情的な衣装を着て胸を張った女性に変わっている) 男(いや、それ以上の特徴がその頭頂部に現れていた) 男(ヤギのような巻き角――魔の象徴が二本生えているのだ) http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1549367188/389
390: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/03/28(木) 00:20:22.03 ID:oQUvSLKE0 男「ど、どういうことだ!?」 女「い、いきなりお婆さんの姿が変わって……」 女友「この世界の常識を学ぶ中で聞いたことがあります……」 女友「ですがこの世から滅んだという話だったのに……どうしてこんなところに……」 男(驚くだけの俺と女と違って、心当たりの名前を女友が呼ぶ) 女友「彼女は……魔族です」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1549367188/390
391: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/03/28(木) 00:20:57.07 ID:oQUvSLKE0 続く。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1549367188/391
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