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男「恋愛アンチなのに異世界でチートな魅了スキルを授かった件」 2スレ目 (1002レス)
男「恋愛アンチなのに異世界でチートな魅了スキルを授かった件」 2スレ目 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1549367188/
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451: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/04/17(水) 21:25:10.87 ID:k+hIoSdJ0 乙、ありがとうございます。 >>450 皆さんに読んでもらえるのが私の日々の楽しみです。 投下します。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1549367188/451
452: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/04/17(水) 21:25:45.72 ID:k+hIoSdJ0 男(その後俺たちは結局パンしか食べ物ありつけていないので、場所を変えて夕食を取った) 男(そこも同じく他の町の三倍ほどする値段だったため、腹は満たったがどうにも気分は満たらなかった) 女友「さて、今晩泊まる宿屋を探さないとですね」 男(通りを歩きながら女友が口を開く) 男「そこも三倍の値段するんだろ?」 女友「でしょうね。飲食業も宿泊業も税の取り立ては一律みたいですし」 男「うへぇ……じゃあせめて安い宿にしようぜ」 女「男君、お金ならあ
るよ」 男「そういう問題じゃない、気分の問題だ」 男(我ながら貧乏くさい感覚かもしれないが……いやでも三倍だぞ) 男(元の世界で置き換えると、コンビニで普通のおにぎりが300円で売っているってことだろ?) 男(それを普通に食えるか? 俺には無理だ) http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1549367188/452
453: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/04/17(水) 21:26:35.33 ID:k+hIoSdJ0 女友「男さんの気分を害するかもしれませんが、宿はこの都市でも最上級のところを取ろうと思います」 男「え?」 女友「このような問題があるからです」 男(女友は俺に話しかけながら正面を向いている) 男(そこには三人の男が立っていた。汚い身なりでそれぞれの手に武器を持ち、ニヤニヤとしながら俺たちを見ている) チンピラA「よう、兄ちゃん。良さそうな女を連れてるじゃねえか? 俺たちに貸してくれよ、なあ?」 チンピラB「そうそう持ってる金も全部出せよ
、じゃないとサンドバッグだぜ?」 チンピラC「出してもサンドバッグだがな。ぎゃははっ!!」 男「…………」 男(どうやら俺は脅迫されているらしい。三人のチンピラの内、リーダー格っぽい人が俺の肩に手を置こうとして) 女「汚い手で男君に触らないで」 チンピラA「はあ? 何だ、この女。イキガりやがって……いててててっ!?」 男(寸前で女が腕を掴み、力を込めるとチンピラは喚きだした) http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1549367188/453
454: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/04/17(水) 21:27:22.77 ID:k+hIoSdJ0 チンピラB「あ、兄貴!?」 チンピラC「やろう、俺たちも……!」 女友「どれがいいでしょうか……あまり強すぎてケガをさせても後が面倒ですし……」 女友「これにしましょうか。『炎の拘束(ファイアバインド)』」 男(残りのチンピラも迫ろうとしたそのとき、女友が魔法を発動する) 男(炎が三人のチンピラに飛び、その両腕と両足を拘束する) チンピラA「な、なんだこれは……っ!?」 チンピラC「熱っ!!」 チンピラC「は、外してくれ!!」 男(地面
に転がる三人のチンピラ) 男(瞬殺だ。俺の仲間が強すぎる件について) 女友「最低出力ですから軽い火傷で済むはずですよ」 女「行こう、男君」 男「お、おう……このまま放置していいのか?」 女友「その内見回りに来た人がどうにかするでしょう。私たちが気にすることじゃありません」 男(冷酷な二人。いやそうか、俺たちを害そうとした相手に遠慮する必要もないな) 男(首を振って気を取り直すと、俺たちはその場を離れた) http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1549367188/454
455: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/04/17(水) 21:27:57.15 ID:k+hIoSdJ0 女友「えっと話の途中でしたね。このように現在独裁都市の治安は非常に悪いものとなっています」 女友「ですから宿は最上級でセキュリティのしっかりしているところでないと安心して眠れません」 女「まあどんな相手が来ても遅れを取るつもりはないけど気が休まらないし」 男「そういうことなら分かった」 男(というか守ってもらう立場である俺がワガママ言えるはずがない) 男「しかし治安が悪いっていうのは……やっぱり税の取り立てが関係しているのか?」 女友「え
え。法外な税の取り立てにより様々な事業が破綻した結果、失業者が大量発生」 女友「生活が立ち行かない者も現れて、犯罪に手を染める者が増えたと聞きます」 女友「さっきの輩はただの不良みたいですが、あのような者がのさばるような雰囲気となっているという意味では影響しているでしょうね」 女「そこまでなっているのに……どうして誰も止めないの?」 女「独裁者ってことはあの姫様が法外な税の取り立てを命令しているんだよね?」 女「姫様はどういうつもりでそんなことをしているの?」 女友「それは――」 男「ちょっと待った」
男(女の疑問に答えようとした女友の発言を遮る) http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1549367188/455
456: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/04/17(水) 21:28:38.97 ID:k+hIoSdJ0 女友「どうしましたか、男さん」 男「すまんな、ちょっと先に今回宝玉を手に入れるための方針について一つ提案したいことがあるんだ」 女「宝玉……さっき言ってたけどあの姫様が持っているんだよね」 女友「古参商会の情報によるとそうですが……つまり、男さんの提案というのは」 男「あの姫様に魅了スキルをかける。そして宝玉を譲るように命令をしようと思うんだが、どうだ?」 男(身も蓋もない提案だが、これが一番いい方法だろう) 女友「そうですね……
正直私もそう提案しようと思っていました」 女友「ワガママ放題の姫様相手に交渉は難しそうですし、古参商会の情報網を持ってしてもこの国の実状については不透明なところがありまして」 男「そうなのか?」 女友「はい。なので魅了スキルの絶対的な力によって宝玉を手に入れる……それが最短のルートだと思います」 男(女友が了承する。ここまでは想定していたとおりだ) 男(問題なのは……) http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1549367188/456
457: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/04/17(水) 21:29:41.36 ID:k+hIoSdJ0 男「女はどう思う?」 女「……私言ったよね。宝玉を手に入れるためだからって、魅了スキルを悪用するのは良くないって」 男「最初の村での宴だったか。もちろん覚えている」 女「なのに……姫様に魅了スキルをかけるの? かけられるっていうの?」 男「そのときから状況は変わったんだ」 男「悠長なことはしていられない、帰還派と復活派っていう宝玉を集める敵対勢力の存在が明らかになったからにはな」 男(帰還派……イケメンを筆頭として、宝玉を集めることで悪
魔を召喚し俺の魅了スキルを手に入れようとしている) 男(復活派……魔族と伝説の傭兵が手を組み、魔神を復活させて世界を滅ぼそうとしている) 男(どちらにも宝玉を渡すわけには行かない) http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1549367188/457
458: 上ミス。帰還派→駐留派 ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/04/17(水) 21:31:34.12 ID:k+hIoSdJ0 男「竜闘士の女、魔導士の女友、そして一応魅了スキルを擁する俺たちは帰還派の中じゃ最強のパーティーだから、なるべく多くの宝玉を集めるべきだ」 男「こんなところで手をこまねいてられないだろ。女の気持ちも想像できるが……頼む、分かってくれ」 男(俺は女の手を握って真摯に訴える) 男(女だって俺が言わなくても現状は分かっているはず) 男(だが、清廉潔白の女は見方によっては人の物を奪うようなやり方を受け入れられないのだろう
) 男(だから女が感情を優先してどうしても駄目だと言ったなら……そのときは別の方法を模索するしかない) 男(竜闘士相手に争っても絶対負けるしな、魅了スキルで命令しようにも中途半端で効かない可能性があるし) 男(手を握ったままの姿勢でしばらく待つ。すると) 女「……あーもう分かったから!」 男(女は観念した) http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1549367188/458
459: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/04/17(水) 21:33:14.82 ID:k+hIoSdJ0 男「本当か?」 女「その代わり宝玉の代金はちゃんと姫様に支払うこと! それが条件!」 男「ああ、もちろんだ」 男(女に言われるまでもなくそのつもりだった) 男(これでも命令して宝玉を売らせるという形ではあるのだが、強奪よりはマシだろう) 女「あと姫様が何か宝玉に思い入れがあった場合も駄目だからね」 女「観光の町で婚約指輪だったから魅了スキルを使わなかったときみたいに」 男「そうだな……まあでも独裁者で豪勢を極めているだろうし、宝石くら
いたくさん持ってるんじゃないのか?」 男「特別宝玉に思い入れがあるとも思えないが……」 女「それでも一応確認すること!!」 男(女に釘を刺される) http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1549367188/459
460: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/04/17(水) 21:33:46.88 ID:k+hIoSdJ0 男「分かった、条件は以上か?」 女「あともう少しこのままでいること!!」 男「はいはい………………って、おい」 男(頷きかけてツッコむ) 男(言われてみると女に説得するために手を握ったままだ) 男(顔を赤くして恥ずかしそうにしながらも、嬉しそうに頬が緩んでいる) 男「おまえなあ……真面目な話してるんだぞ」 女「わ、私だって真面目だもん!」 女「だ、大体いきなり手を握るなんて反則だよ、そんなことされたら何でも了承しちゃうかも……」 男「
ほう、それは良いことを聞いたな」 男(ニヤリとほくそ笑んでみせるが、正直女の照れが俺にも移ってきて気力がゴリゴリ削られている状態だった) 男(魅了スキルの影響とはいえ……俺に手を握られたくらいでどうしてこんなに嬉しそうなんだよ) 男(そんな表情されると…………) http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1549367188/460
461: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/04/17(水) 21:34:12.33 ID:k+hIoSdJ0 女友「コホン」 男(咳払いが一つ) 女友「んっ……あー、あー……」 男(喉の調子の確認で二つ目) 女友「一人は寂しいですねー。これ以上放置されたら何をするか分かりませんねー」 男(つぶやきが三つ目) 女「ご、ごめん女友!」 男「いや、放置するつもりは全然無くてだな!」 男(俺たちは慌てて手を離して女友に平謝りする) http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1549367188/461
462: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/04/17(水) 21:34:44.02 ID:k+hIoSdJ0 女友「分かりますか? 真面目な話をしていたところ、いきなりイチャつかれた気持ちが?」 男「別にイチャついては――」 女友「そうですか。では男さん、今後は女とずっと手を繋いで行動してもらえますか、それが普通なんですよね?」 男「すいませんでした!!」 男(言葉以上にそれに込められた圧に俺は震える) 女友「別に二人がイチャつくのは大歓迎なんですが、時と場合を考えて欲しいですね」 女友「宝玉を早急に集める必要性を説いたのは男さん自身ですよ」
女「そ、そうだよ! 私だって男君が急に手を握らなければそんなことは……」 女友「何を言ってるんですか、そこの色ボケ小娘は」 女「酷いこと言われてるっ!?」 男(女友の矛先が女を向く) http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1549367188/462
463: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/04/17(水) 21:35:29.47 ID:k+hIoSdJ0 女友「大体、女が提案にさっさと賛成していれば拗れなかった話です」 女友「女だって状況を理解しているのに反対した理由……分かっているんですよ」 女「え、えっと……それは……方法の是非が……」 女友「違いますね。単純にヤキモチでしょう?」 女友「事も無げに姫様に魅了スキルをかけることが出来ると……姫様が魅力的だと言ってのけた男さんを困らせようとした、それだけなんでしょう?」 男「流石に女もそんな子供じみた考えは……」 女「…………」
男「持ってるのかよ、おいっ!」 男(気まずそうに俯いている女の態度が口よりも雄弁に語っていた) http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1549367188/463
464: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/04/17(水) 21:36:10.22 ID:k+hIoSdJ0 男「ヤキモチってなあ……大体商業都市で秘書さんに魅了スキルをかけたときも、観光の町のバーテンダーでも、武闘大会の魔族相手でもそんなことなかっただろ?」 女「そのときとは違うの!」 女「だってあの姫様私たちと同年代だったし……男の子って同年代の女の子好きになる傾向があるっていうし……」 男「そんな傾向は初めて聞いたが……正直姫様についてはギリギリ魅力的に思えるってところだな」 女「……? どういうこと?」 男「ああいうワガママ放題なやつ
苦手なんだよ、俺は」 男「容姿が整っているから何とか踏みとどまっているが……これ以上あの姫様の悪行を聞かされたら『無いわ』って思う可能性がある」 男「そうなると魅了スキルかけられなくなって、宝玉ゲットするのが面倒になるだろ」 女友「なるほど……だから先ほど姫様がどうしてこのような税の取り立てをしているのか私が話そうとしたのを遮ったんですね」 女「あ……そういえば、そんな話の始まり方だったね」 男「というわけでこれ以上俺の耳にあの姫様の情報を入れないでくれ」 男「何が原因で魅力的じゃないと判断するか俺自
身ですら分からないところがあるからな」 男(何ともな要求になったが仕方ない。これで税金を取り立てている理由がしょうもないものだったら、まず怒りを覚えてしまうだろうし) http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1549367188/464
465: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/04/17(水) 21:36:48.93 ID:k+hIoSdJ0 女「ねえ、それだったらさっき姫様に追い出されたあのときに、魅了スキル使って虜にしておけば良かったんじゃないの?」 女「一度虜にしたら魅了スキルって解除できないから、姫様のことどう思っても構わないし」 男「あのタイミングはまだ女友から姫様が宝玉を持ってるって話を聞いてなかったし……いや、聞いてたとしても良くなかったな」 男「魅了スキルを使ったら明らかに俺が何かしたことがバレるだろ、そしたら近衛兵団に不審者として攻撃されたかもしれない」 男「
それでも竜闘士の女の敵ではないと思うが、姫に楯突いたって悪名がこの都市だけでなく広まったら今後が面倒だしな」 女友「魅了スキルは案外目立ちますからね。ピンク色の光の柱が周囲5mほどを埋め尽くしますし」 女「あ、そっか」 男「それに姫は独裁者でこの都市の頂点だ。そいつに命令する俺が何者だってなるだろ?」 男「魅了スキルの存在はなるべく公にしたくないのは前から言ってるとおりだ」 女友「では明日からは目立たずに姫様に魅了スキルをかけて命令する方法を探す……という感じで行きましょうか」 女「分かったよ!」
男(話しながら歩いていたため、ちょうど宿屋も見つかりこの都市で動く拠点を確保する) 男(行動方針も決まりこの都市で本格的に活動する準備が整った) http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1549367188/465
466: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/04/17(水) 21:37:27.51 ID:k+hIoSdJ0 続く。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1549367188/466
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