[過去ログ] 男「恋愛アンチなのに異世界でチートな魅了スキルを授かった件」 2スレ目 (1002レス)
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496: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/04/23(火)23:30 ID:Tyn5Y4290(1/13) AAS
乙、ありがとうございます。

>>494 完全に夫婦漫才ですよねー。

投下します。
497: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/04/23(火)23:30 ID:Tyn5Y4290(2/13) AAS
女(翌日)

女(私は女友と一緒に中心街に繰り出していた。例によって男君は宿屋で留守番している)

女(目的は魅了スキルの使用予定であるパレードについての詳細情報だった)

女(当日どのような行程で進むのか、御輿はどのようなルートを進むのか、姫様はその際どのような感じなのかなど、必要な情報は既に手に入った)

女(現在はとある事情により古びた本棚が並ぶ中を歩き回っているところだった)
省8
498: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/04/23(火)23:31 ID:Tyn5Y4290(3/13) AAS
おばあさん「どうかい、あの人のコレクションは」

女(この家の主、おばあさんのしわがれた声が響く)

女「もうすごいですよ、これだけの数!」

おばあさん「そうかい、そうかい。いやはや私には価値が分からなくてね」

おばあさん「家のスペースを占有するし、本棚の重みで床板が軋むしで処分しようと思っていたけれど……まあお嬢ちゃんの喜ぶ姿が見れたなら取っておいたかいがあるかねえ」
省10
499: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/04/23(火)23:32 ID:Tyn5Y4290(4/13) AAS
おばあさん「しかしあなたたちぐらいの年頃の娘を見ると姫様を思い出すわねえ」

女(おばあさんが昔を懐かしみながら口を開く。……って)

女友「姫様を知っているんですか?」

おばあさん「ええ、昔は親交があってねえ。あの子が小さい頃も知っているよ」

おばあさん「おばあさん、おばあさんって駆け寄ってくる姿は今も鮮明に思い描けるくらいで」
省7
500: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/04/23(火)23:33 ID:Tyn5Y4290(5/13) AAS
女(その後もしばらく話が盛り上がった後、私たちはおばあさん宅を後にした。本をもらったお礼の言葉はもちろん伝えた)

女(もう夕方になっているので進路は宿屋だ。その途中で私はポツリと語り出す)

女「私さ、ずっと姫様のことを根っからの悪人だと思ってた」

女友「そうですね、私もそう思っていました」

女「でもおばあさんの語りだと普通の女の子のようで……どっちが真実なのかな」
省4
501: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/04/23(火)23:33 ID:Tyn5Y4290(6/13) AAS
女「怖いなあ権力って。そのせいで普通の女の子だった姫様も今のようになって…………いや、そもそも」

女友「どうかしましたか」

女「どうして普通の女の子だった姫様がそんな権力を持つことになったの?」

女友「今さら気になったんですか?」

女「いや、よく考えてみるとおかしいんだけど、ほら何か疑問に思うタイミングを逃すことってあるじゃん」
省6
502: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/04/23(火)23:34 ID:Tyn5Y4290(7/13) AAS
女「えー、逆に? ……うーんと、まず日本の総理大臣みたいに選挙ってことは無いはずだよね。普通の女の子が選ばれるとは思えないし」

女友「その通りですね」

女「じゃあ……他に考えられるのは世襲制とか? 姫様は代々この地を治める王様の家系だとか」

女友「半分は正解です。店員さんが言っていた『二年前』おばあさんの言ってたとおり姫様が『当代』となってこの地を治める権力を引き継いだのです」

女「やっぱり……あれ、でも半分って?」
省4
503: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/04/23(火)23:35 ID:Tyn5Y4290(8/13) AAS
女「えーっ!? どういうこと、気になるじゃん!」

女友「情報漏洩を恐れてです。女は口が緩いですからね、女を経由して男さんに伝わることを阻止するためにもそもそも教えないことにします」

女「それは……確かに昨夜も口を滑らせたけど……でも姫様が何の家系なのかが、男君が魅力的に思うか変わるようなものなの?」

女友「いえ、正直関わらないと思いますが……男さんの基準が正直分からないんですよ」

女友「武闘大会でもあの魔族に魅了スキルをかけようとして、元がおばあさんの姿だったからって理由でかけられなかったでしょう?」
省8
504: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/04/23(火)23:35 ID:Tyn5Y4290(9/13) AAS
女「でも……使命のためだからしょうがないけど、男君はあの姫様を魅力的に思っていて、魅了スキルをかけるんだよね」

女友「何を今さら言ってるんですか? まさか止めて欲しいとでも?」

女「男君がツンデレが好きだってのは誤解だったけど、それでもあんなに綺麗な人に好かれたらどうなるか分からないじゃん!」

女「この都市をどうにでも出来る権力も持ってるってことは見方を変えたら逆・玉の輿だし」

女「もしかしたら男君もコロッとその気になって『俺たちの旅はここまでだ、俺はここで姫様と共に生きる』とか言い出したら……」
省5
505: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/04/23(火)23:36 ID:Tyn5Y4290(10/13) AAS
女友「イジワル言いました。告白はまだ止めてください、男さんのトラウマをイタズラに刺激するだけの結果になるでしょうし」

女(女友が発言を撤回する)

女「でも……姫様が……」

女友「大丈夫ですよ、それくらいで男さんが姫様に靡くようなら、既に女に落ちているはずです」

女友「一応女は清楚な美少女だというのに、そのアタックも受け流しているような人ですし」
省15
506: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/04/23(火)23:36 ID:Tyn5Y4290(11/13) AAS
女友「はぁ……調子に乗ってますね。だから言いたくなかったんですが……」

女「ご、ごめん……」

女友「だからこそトラウマを刺激するのは止めて欲しいんです」

女友「精神的外傷から身を守るのは本能ですからね、男さんと付き合うためにいつかは乗り越えないといけない壁ですが、だからこそ中途半端に刺激するのは良くないです」

女「分かってる、男君と信頼関係を結んでからってことだよね」
省6
507: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/04/23(火)23:37 ID:Tyn5Y4290(12/13) AAS
女友「……なら私から言うことはありません。男さんだけでなく女も成長したんですね」

女「まあね」

女友「あとは事故が起きなければいいんですが」

女「え、ちょっと、そういうこと言うの止めてよー」

女友「だってそうじゃないですか。この旅が始まって以来想定した通りに物事が進んだ方が少ないですよ」
省4
508: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/04/23(火)23:37 ID:Tyn5Y4290(13/13) AAS
続く。
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