[過去ログ] 男「恋愛アンチなのに異世界でチートな魅了スキルを授かった件」 2スレ目 (1002レス)
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252: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/03/11(月)12:51 ID:HKcOh5ri0(1/18) AAS
乙、ありがとうございます。

>>250 王道展開はよきものです。

>>251 章の途中でスレ移行したくなかったので中途半端になりましたね。一スレ目HTML化しときたいんですが、何か機能してないみたいですし。

投下します。
253: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/03/11(月)12:52 ID:HKcOh5ri0(2/18) AAS
男(準決勝第一試合、騎士VS竜闘士は竜闘士に軍配が上がった)

気弱「そうですか……」

男(張りつめていたものが切れた気弱はバタンとリング上で仰向けに倒れる)

気弱「僕は……負けたんですね」

男(そして空を見上げながらポツリとつぶやいた)
省6
254: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/03/11(月)12:53 ID:HKcOh5ri0(3/18) AAS
男(と、そのように気弱を労ったのは俺たちの周りだけであり、大多数の観客の反応は見ていられないものだった)

観客1「はあもう、やーっと終わったかよ」

観客2「ったく、あの気弱とかいうやつ。危うく傭兵が負けるところだったじゃねえか」

観客3「竜闘士の一騎打ち、伝説の邪魔をしないでほしいね」

男(決勝への期待の強さからか、健闘した気弱を貶すような言い方)
省6
255: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/03/11(月)12:53 ID:HKcOh5ri0(4/18) AAS
男「……っ!?」

男(全身が総毛立ち、反射的にその殺気の出所を見た)

男(リングの上、伝説の傭兵が視線を上げて明確に観客席を睨んでいる)

男(ゆっくりと360°見渡すことで、気弱への侮辱で沸いていた観客席全体が静まった)

男「あの人は……」
省6
256: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/03/11(月)12:54 ID:HKcOh5ri0(5/18) AAS
傭兵「ナイスファイトだった、少年」

気弱「……えっと、あなたのような人でもお世辞を言うんですね」

傭兵「本心だ。リングアウトの無い試合じゃなかったら、どうなったか分からなかった」

気弱「そんなことないですよ。試合じゃなかったら僕みたいな守ってばかりの相手を無視して他を攻めればいいだけです」

気弱「僕の戦い方は試合だったから成立したんです、だからルールによって負けるのはある意味理に叶っています」
省6
257: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/03/11(月)12:54 ID:HKcOh5ri0(6/18) AAS
男(その後、準決勝第二試合が行われた)

男(竜闘士の女の参戦。圧倒的な力の差、女が勝つことを望む観客の雰囲気の後押しなどがあって負ける要素が無く)

男(『竜の咆哮(ドラゴンシャウト)』の一手で対戦相手をリングアウトまで吹き飛ばした)

男(これにて決勝で一人でも伝説の存在である竜闘士二人による戦いが行われることが決定する)

男(リングの整備や一旦区切りを付けるため、そして竜闘士がほとんど一手勝ちで終わらせたおかげで時間的に余裕があることから、決勝までは一時間の休憩が設けられた)
省6
258: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/03/11(月)12:55 ID:HKcOh5ri0(7/18) AAS
女友「それにしても気弱さん遅いですね」

姉御「……」

男(女友が声をかけるが姉御は処置室前のベンチに座り、俯いたまま考え込んでいる)

女友「……」

姉御「……」
省8
259: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/03/11(月)12:56 ID:HKcOh5ri0(8/18) AAS
男(感情がいっぱいいっぱいになったのか機能停止していた姉御だったが、しばらくして再起動する)

姉御「ああもう、そうだよ! アタイは気弱のことが好きさ!」

男「そんな叫ぶように言わなくても」

姉御「だからってわけじゃないんだが……今のアイツになんて声をかけようか迷っていてね」

男「……」
省7
260: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/03/11(月)12:56 ID:HKcOh5ri0(9/18) AAS
女友「男さん、そこらへんにしてあげましょう」

女「そうだよ、容赦ないって」

男「そうか? というか二人だって分かってるんじゃねえのか、気弱の気持ちを」

女友「……まあ、そうですね。あちらも分かりやすいですし」

女「似たもの同士だよね」
省4
261: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/03/11(月)12:57 ID:HKcOh5ri0(10/18) AAS
気弱「本当にありがとうございました、失礼します。……って、皆さんそろってどうしたんですか?」

男(そのとき処置室の扉が開いて、中のスタッフにお礼をしながら気弱が出てきた。どうやら処置が終わったようだ)

男「おまえの健闘を称えようと出待ちしていたところだ」

気弱「そうですか……でもお礼を言うのは僕の方ですよ」
省5
262: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/03/11(月)12:57 ID:HKcOh5ri0(11/18) AAS
女「私も見てたけど、気弱君頑張ってたよ!」

女友「ええ、ナイスファイトでした」

男(女と女友が気弱を労う)

気弱「そうですが勝てなかった以上……いえ、二人ともありがとうございます」

男(気弱は何かを言い掛けて二人に頭を下げた)
省7
263: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/03/11(月)12:58 ID:HKcOh5ri0(12/18) AAS
姉御「……拒まれたら、アンタをぶっ飛ばすからね」

男「え?」

男(気弱が現れてからもずっと黙っていた姉御が俺のことをギラリと睨む)

男(何のことかと聞き返す前に、姉御は気弱の方に向き直っていて――そして)
省7
264: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/03/11(月)12:58 ID:HKcOh5ri0(13/18) AAS
姉御「アンタが素直に労わせてくれないからだよ」

気弱「そんなこと……」

姉御「いいから、黙って聞きな」

気弱「うぷっ……!?」

男(姉御が胸元で気弱の頭を強く抱えて、物理的に反論を封じる)
省10
265: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/03/11(月)12:59 ID:HKcOh5ri0(14/18) AAS
気弱「そんなことが……。姉御さんが臆病だなんて思ってもみませんでした。いつだって度胸があるように見えたのに」

姉御「アンタの前ではカッコつけていただけだよ」

姉御「本当のアタイは……誰かの言質でも取らないと、好きな男子相手にアタックかけることも出来ないくらい臆病でね」

気弱「す、好きな……!?」
省8
266: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/03/11(月)12:59 ID:HKcOh5ri0(15/18) AAS
男(想いの成就を見守った俺たちはその邪魔にならないようにコソコソと話す)

男「いやあ……ここまでだと、冷やかす気にもなれないな」

女友「ええ、お幸せにと後で伝えますか。今は完全に二人の世界ですしね」

男(互いを信頼し合った関係)

男(俺の恋愛における理想)
省4
267: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/03/11(月)13:00 ID:HKcOh5ri0(16/18) AAS
女「ねえ、男君」

男「……ん、どうした女」

男(二人の様子をぼーっと眺めていた女が口を開いた)

女「昨日の昼食会の前にさ、私の願いを何でも一つ聞くって言ったでしょ?」

男「ああ、そうだったな」
省5
268: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/03/11(月)13:00 ID:HKcOh5ri0(17/18) AAS
女「私がこの後の決勝戦で傭兵さんに勝って宝玉を手に入れることが出来たら――」

女「あの二人みたいに男君に私を抱きしめて欲しいの」
269: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/03/11(月)13:01 ID:HKcOh5ri0(18/18) AAS
続く。

決勝までちょっと挟みます。
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