[過去ログ] 男「恋愛アンチなのに異世界でチートな魅了スキルを授かった件」 2スレ目 (1002レス)
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928: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/06/19(水)22:04 ID:7Oiw8zYI0(1/18) AAS
乙、ありがとうございます。

投下します。
929: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/06/19(水)22:04 ID:7Oiw8zYI0(2/18) AAS
男(俺を犠牲に姫を助ける)

男(元より考えていたその方法)

男(というのも俺と姫では姫の方が世のために役立つ人間であるからだ)

男(そんな人間を救えるなら俺の命も惜しくない……と言い切る度胸は無かったけど)

姫『私は……死にたくありません! 母のようにこの地を自分で導きたいんです!』
省3
930: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/06/19(水)22:05 ID:7Oiw8zYI0(3/18) AAS
姫「そ、そんな! 駄目です! 男さんが私のために死ぬなんて!」

姫「そうですよ、男さんだって死んだフリしましょうよ!」

男「魅了スキルの命令が出来ない俺がやっても寝たフリにしかならないだろ」

姫「だとしても!」

男「それに姫の死んだフリは俺が死ぬことで完成するんだ」
省5
931: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/06/19(水)22:05 ID:7Oiw8zYI0(4/18) AAS
姫「……嫌です。そんな方法なら私は反対します。誰かを犠牲に生きるなんて間違っています!」

男「それを姫は俺に対して行おうとしたんだろ?」

姫「っ……!」

男(姫は自分の命は悩んだ末に手放すことも出来るのに、他者に対して同じように考えることが出来ない)
省7
932: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/06/19(水)22:06 ID:7Oiw8zYI0(5/18) AAS
男「駄々をこねるのはやめろ、姫。二人一緒に死ぬよりは、一人でも生き残った方がいい。おまえも納得した事じゃないか」

姫「駄々って……そんな軽々しく片づけられるものでは……!」

男「何と言われようが気を変えるつもりはない」

男「大体、姫は自分の命を俺にあげたんだろう。もらった命の使い方は俺の自由のはずだ」
省5
933: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/06/19(水)22:06 ID:7Oiw8zYI0(6/18) AAS
男(二人して静寂になったことで、戦いの音が先ほどよりも近くなってきていることを感じる)

男(どうやら時間の余裕も無さそうだ)

男「いよいよとなったら仮死状態になるように命令する。言い残したことがあったら早めにな」

姫「……そんな命令を聞くつもりはありません! 私は…………えっ?」

男(姫が両耳を手で塞いで物理的に命令を聞かない体勢に入ろうとして……その行動が途中で止まる)
省4
934: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/06/19(水)22:07 ID:7Oiw8zYI0(7/18) AAS
男「こっちは覚悟を決めてるんだ。姫も覚悟を決めて、死に行く俺を安心させてくれないか?」

男(俺は最後通牒として姫に告げるが)

姫「……嘘です」

男「え?」
省5
935: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/06/19(水)22:07 ID:7Oiw8zYI0(8/18) AAS
男(そうだ、ちょっと前に異世界に召喚されて魅了スキルを授かっただけで、俺の本質は普通の男子高校生だ)

男(誰かのために自分の命を犠牲にするなんて、そんな覚悟とは無縁の平和な世界で生きてきた)

男(死ぬのは当然怖い)

男(だから二人とも殺されるより、一人でも生き残った方が得だと、命を数だけで見た冷たい勘定は、何よりも恐怖に屈しないために俺自身に言い聞かせる言葉だった)

男(俺を犠牲に、姫を助ける方法しかなくて助かった)
省1
936: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/06/19(水)22:08 ID:7Oiw8zYI0(9/18) AAS
男(姫に本心を見抜かれた俺)

男(だが認める訳には行かない)

男(死にたくないと思っている俺を犠牲に生き残ったという十字架は重すぎる)

男(姫がその重みで潰れるのは容易に想像が付く)

男(だから……俺は笑い飛ばしてみせた)
省6
937: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/06/19(水)22:08 ID:7Oiw8zYI0(10/18) AAS
姫「ねえ、男さん。本当のことを言ってください。その方が私は安心できます」

男「……嘘吐くな。そうやって本心を聞き出したいだけだろ。絶対に後悔して引きずるくせに」

姫「バレましたか」

男「当たり前だ。おまえが俺のことを分かっているように、逆もまた然りだ」
省3
938: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/06/19(水)22:09 ID:7Oiw8zYI0(11/18) AAS
近衛兵長「姫様、少年。その命貰い受ける」

男(防衛線を突破して俺たちに迫ってくるのは近衛兵長)

男(その剣は何人の近衛兵を屠ったのか、血で汚れている)

男「ちっ、来たか!」
省6
939: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/06/19(水)22:09 ID:7Oiw8zYI0(12/18) AAS
近衛兵長「言っただろう、光を見てからでも避けられると」

男(そもそも近衛兵長は効果範囲の5m周囲内に存在していなかった)

男(魅了スキルが発動した瞬間に退いたのだろう)

男(光の柱が晴れようとする)
省5
940: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/06/19(水)22:10 ID:7Oiw8zYI0(13/18) AAS
男(……ここまでだな)

男「さて、姫。今から仮死状態になるように命令する」

姫「男さん……」

男「止めるなよ。決心が鈍る」

姫「……ごめんなさい」
省8
941: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/06/19(水)22:11 ID:7Oiw8zYI0(14/18) AAS
男「命令だ、姫。おま」

男(その瞬間、身体が浮遊感に包まれた)
942: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/06/19(水)22:11 ID:7Oiw8zYI0(15/18) AAS
男「……え?」

男(突然の事態に命令を告げようとしていた行動がキャンセルされる)

男(慌てて周囲を見回すと俺と姫も空を飛んでいた)

男(近衛兵長の攻撃を食らって吹き飛んだのか?)
省3
943: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/06/19(水)22:12 ID:7Oiw8zYI0(16/18) AAS
?「ごめんね、遅れちゃって」

男(俺たち二人を軽々と抱えて飛ぶ、その人の発言)

男「まさか……」

男(奇跡が起きない限り……そう思うことで過剰に期待しないように自制していた)
省5
944: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/06/19(水)22:12 ID:7Oiw8zYI0(17/18) AAS
男「女っ!! 本当に助けにきてくれたのか!!」

女「もう、何驚いてるの。言ったでしょ。『もし男君の身に何かあっても、私が絶対に駆けつけるからね』って」

男(女は何のこともないようにそう言うのだった)
945: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/06/19(水)22:13 ID:7Oiw8zYI0(18/18) AAS
続く!!
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