[過去ログ] 男「恋愛アンチなのに異世界でチートな魅了スキルを授かった件」 2スレ目 (1002レス)
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513: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/04/25(木)20:34 ID:nvQhHZjH0(3/9) AAS
女「ただいまー」

男「おう、おかえり」

男(噂をすれば影が差すとはこのことで、ちょうどそのとき扉が開いて女と女友が戻ってきた)

女「もうずっと部屋の中にいるけど、男君大丈夫?」

男「ああ、もう慣れたよ。それでそっちの首尾はどうだったか?」
省8
514: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/04/25(木)20:35 ID:nvQhHZjH0(4/9) AAS
男(女友は手紙を開封して中身を読み出す)

女「何て書いてるの?」

女友「そうですね、三パーティーとも駐留派と復活派の存在は理解したと。それとは別に現状を綴ってくれていますね」

女「現状っていうと……宝玉を手に入れたかどうかってこと?」

女友「ええ。それによると一つは手に入れることが出来たようです」
省7
515: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/04/25(木)20:37 ID:nvQhHZjH0(5/9) AAS
男「とりあえず後者については俺も分かるな。あの魔族が固有スキル『変身』で、交渉していたそのクラスメイトの姿に化けて代わりに受け取って逃げたってことだろ」

女「『変身』って……そっか。どんな姿にも化けられて、絶対にバレないから……さも本人のように振る舞って持ち主から譲ってもらった……」

女友「理屈は分かりませんが、あの魔族は宝玉の場所が分かるようですしね。その場所に『変身』で潜入して状況を理解した後に横取りしたと……そういうところでしょう」

男「俺の魅了スキルとは性質が違うが、やつの『変身』も宝玉を手に入れるのにかなり役立つスキルだからな。にしても武闘大会からまだ数日しか経ってないのに勤勉なやつらだ」

男(これで復活派も分かっているだけで宝玉を二つ手に入れた。前から動いていた可能性も考えられるから合計で何個持っているかは分からない)
省4
516: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/04/25(木)20:38 ID:nvQhHZjH0(6/9) AAS
男「言われてみると……宝玉で悪魔を召喚できることや復活派の存在とか……俺たち異世界召喚者は知らない情報だ」

男「なのにやつが語れたのは………………この異世界でそれを知るものから聞いたからってことか?」

女友「ええ、私はそのように推測しています。ではその異世界人がどのような存在なのか……」

女友「考えると一つヒントがあります。チャラ男さんが気弱さんに使わせようとしていた毒の剣です」

男「あの一発でも当てれば相手の動きを封じれるとかいう。……あ、そういえばあのとき一般には流通していないはず、って女友が言ってたな」
省4
517: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/04/25(木)20:39 ID:nvQhHZjH0(7/9) AAS
女友「そこにこの手紙です。宝玉を盗んだ強盗グループの一人が捕まったことも書かれているんですが、どうやらその人は『組織』の一員みたいなんですね」

男「『組織』……ん、何か聞き覚えがあるような」

女友「観光の町です。結婚詐欺師が犯罪者グループの一員で、私たちはそのアジトを潰した一件がありましたよね」

男「そんなことあったな」

女友「そのアジトは『組織』の支部だったんです」
省3
518: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/04/25(木)20:43 ID:nvQhHZjH0(8/9) AAS
女「つまりイケメン君はその『組織』を味方に付けたってわけ?」

女友「彼の『影使い』の力を以てすれば訳ないでしょう。どのような立場かは分かりませんが、『組織』のかなり中枢に近いところにいるんじゃないでしょうか?」

女「うーん……でも何か突拍子のない話のような。本当にそんなの味方に付けてるのかな?」

女友「私たち帰還派だって、古参商会の支援を受けているじゃないですか。それと似たような話ですよ」

女「あ、そっか」
省15
519: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/04/25(木)20:44 ID:nvQhHZjH0(9/9) AAS
続く。
520: [sage saga] 2019/04/26(金)06:26 ID:9UkE/iXyO携(1) AAS
乙ー
521: 2019/04/26(金)09:22 ID:4G86kvtxO携(1) AAS
乙!
522: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/04/27(土)22:52 ID:mpzK4Og10(1/16) AAS
乙、ありがとうございます。

投下します。
523: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/04/27(土)22:53 ID:mpzK4Og10(2/16) AAS
男(パレードの前日となった)

男(日中、俺は部屋にこもって明日の計画について細かいところを詰めていた)

男(そして何とか形になったところで、今日も中心街に出ていた女と女友が帰ってくる)

女「ただいまー」

男「おう、おかえり……早速いいか? 二人に読んでもらいたい物があるんだが」
省7
524: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/04/27(土)22:54 ID:mpzK4Og10(3/16) AAS
女友「すいませんね、ウチのポンコツが。とりあえず指示通り二人で読みますね」

女「ポンコツって何よ!?」

男「そうしてくれ」

男(憤慨する女には取り合わず女友と俺は話を進める)

男(女もしぶしぶ女友と一緒にその手紙を読んだ)
省5
525: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/04/27(土)22:54 ID:mpzK4Og10(4/16) AAS
女友「なるほど……こういう命令も可能ということですか」

男(女友は直前の奇行も何のその、すぐに冷静に分析している)

男「ああ。見れば分かるが、その手紙には『命令だ、その場で三回回ってワンと鳴け』って書いている」

女友「そしてそれを読んだ私は魅了スキルで男さんの虜になって命令に従う状態ですから、その通りに行動した、と」

男「つまり魅了スキルの命令は口頭だけでなく、紙に書いて伝えてもOKってことだな」
省9
526: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/04/27(土)22:55 ID:mpzK4Og10(5/16) AAS
女「ううっ……で、でも紙に書いた命令がOKみたいだけど、それだと誰が書いたのか分からない命令にも反応しそうだよね?」

女「でも私も女友もこれまでそんなこと無かったし」

男(女が若干涙目になりながら、疑問を口にする)

男「ああ、それはおそらく認識の問題じゃないか? 俺からの命令って認識するかどうか」

女友「そうですね……ちょっと実験しましょうか。男さん、余っている紙を貸してください」
省9
527: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/04/27(土)22:55 ID:mpzK4Og10(6/16) AAS
女友「女はポンコツです」

女「違うよっ!?」

男(俺も女友が読んだ紙を見せてもらう。えっと『命令だ、女はポンコツじゃありませんと言え』か)

男(しかし女友はそれ通りに行動しなかった、命令は効いてないということだろう)
省3
528: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/04/27(土)22:56 ID:mpzK4Og10(7/16) AAS
女友「次は逆の実験をしましょうか。男さんが命令を書いて女に渡し、女が私に渡すと」

女「私は渡すだけね」

男「今度は中身の命令が俺だと分かっていて、でもそれを他人から渡された場合の話ってわけか」

男(さて、どうなるか。さっと俺は命令を書き上げる)

男「ほい、女」
省3
529: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/04/27(土)22:57 ID:mpzK4Og10(8/16) AAS
女友「女はポンコツです」

女「違うよっ!? って、二回目っ!?」

男(俺が書いた命令は『命令だ、女はポンコツですと言え』って内容だった)

男(そして女友はその通りの行動をした。つまり命令に従ったということだろう)
省4
530: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/04/27(土)22:57 ID:mpzK4Og10(9/16) AAS
女「それで、これは何がやりたかったの? 私で遊びたかっただけ?」

男(女がヤサぐれている)

男「そんなことない。真面目な話に戻るが、この手紙を使う方法なら姫様に俺が直接命令する姿を大勢に見られることが無くなるだろ」

女「あ……そっか」

男「つまり俺の想定としてはこうだ。明日のパレード、どこかのタイミングで人混みに紛れて魅了スキルを使い姫様を虜にする」
省5
531: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/04/27(土)22:59 ID:mpzK4Og10(10/16) AAS
女友「ですが姫様は手紙を読むでしょうか? 姫様は権力者ですよ」

女友「郵便物は全て部下が検閲していて、何だこの怪しい文面はとなって姫様に見せないという可能性もあると思いますが」

男「ああ。だから手紙は一つの手段だ。例えば他にも町に偶然出てきた姫様に命令文をちらっと見せてすぐに逃げるとかな」

男「一度魅了スキルをかければ解除不能だから、俺も姫様の評判を気にせず町を出歩けるし」

男「とにかく明日バレないように姫様を虜にしてしまえばチャンスはいくらでもある」
省3
532: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/04/27(土)22:59 ID:mpzK4Og10(11/16) AAS
女「じゃあもう一つの、人混みの中で魅了スキルを使ったら姫様以外にもかかってしまうって問題点も何か解決策は思いついたの?」

男「いや、何も思いつかなかった。力業で行くしかないだろう」

女友「……まあ、そうなりますか」

男(ずいぶんと後ろ向きな断言に、女友も嘆息を吐いて同意する)

男(人混みに紛れて魅了スキルを使って俺が使ったことを誤魔化す算段だが、周りに姫様以外の女性がいるとその人も虜にしてしまう)
省6
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