[過去ログ] 男「恋愛アンチなのに異世界でチートな魅了スキルを授かった件」 2スレ目 (1002レス)
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37: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/02/08(金)20:19 ID:guAYLSu10(3/12) AAS
姉御「そうだね、女に敵う人間は誰も……いや、一人だけ思い当たる人がいるか」

男「え、そんなやつがいるのか?」

姉御「あんたたちも聞いたことがあるんじゃないかい? 伝説の傭兵って存在を」

男「あー……そういえば女と同じ『竜闘士』だという」

男(女の職が『竜闘士』であることが分かったときに『あの伝説の傭兵と一緒の……』と言われたことがあった)
省2
38: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/02/08(金)20:20 ID:guAYLSu10(4/12) AAS
姉御「アタイたちが最初に訪れた町がちょうど伝説の傭兵の故郷だった場所の近くで、色々と武勇伝が流れていたもんさ」

姉御「そもそもの話だが、今でこそ平和なこの大陸も二十年ほど前は争いが絶えなかったそうだね」

男「へえ、そうなのか」

姉御「どこもかしこも戦場だったその最中を後に伝説の傭兵と呼ばれる少年は渡り歩いた」

姉御「そのころから竜闘士の職は持っていたみたいで圧倒的な強さだったみたいだね」
省3
39: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/02/08(金)20:20 ID:guAYLSu10(5/12) AAS
姉御「あまりの強さからその存在が大陸中で噂されるようになり、戦争中の指導者はこぞって彼を雇おうとしたみたいだね」

男「そりゃそうだ、一人で戦況を傾けるほどの力があるならな」

姉御「争い合っていた両陣営がどちらも雇おうとして、際限無く金額が釣り上がっていったってのも有名な話」

姉御「戦乱の世の末期は、どこが伝説の傭兵を雇えるかというマネーゲームめいた様相も示すようになった」

姉御「最後は王国が法外な金額で長期に渡り伝説の傭兵を雇い戦乱をどんどん収めていって平和になった」
省3
40: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/02/08(金)20:21 ID:guAYLSu10(6/12) AAS
女友「しかし妙にちぐはぐですね」

男(いつの間にか一緒に話を聞いていた女友が口を挟む)

男「何がだ?」

女友「その話によると伝説の傭兵という人は、金のために戦場を転々としていたんでしょう?」

女友「圧倒的な力を振るうその姿は普通恐れられるはずです」
省5
41: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/02/08(金)20:21 ID:guAYLSu10(7/12) AAS
姉御「圧倒的な力を持つが故に、相手を殺さないように手加減して制圧することも可能だったそうさ」

姉御「それに民間人に被害が及ばないようにも努めていた」

姉御「そして一直線に敵の司令部を抑えて降伏するように迫る」

男「そんな理想論みたいなことを……実行できるだけの力があったってわけか」

姉御「戦争なんてしたがるのは基本的にお偉いさんさ。一般の兵士からすれば気が進まないことがほとんどだ」
省9
42: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/02/08(金)20:22 ID:guAYLSu10(8/12) AAS
男(そのときようやくコロシアムの入り口に辿り着いた。人が多くて思うように進めず時間を食ったな)

男(しかし受付の前も長蛇の列が出来ている。俺たちもその最後尾に並ぶ)

女「その伝説の傭兵って人は現在は何をしているの? 平和になって傭兵の需要も無くなったはずだよね?」

姉御「そうだね、争いが終わったのが十年ほど前」

姉御「その後も戦争を終わらせた立役者とも言える伝説の傭兵は、英雄のような扱いを受けていた」
省11
43: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/02/08(金)20:23 ID:guAYLSu10(9/12) AAS
男「それなら一安心ではあるな」

女「どういうこと、男君?」

男「だって現状一対一で女に対抗できるだろう唯一の人物が伝説の傭兵なんだろ」

男「もしこの武闘大会に参加されたりでもしたら、女の優勝も危うくなるじゃないか」

女「同じ竜闘士と言っても経験とか練度とかで差が出るはずで……」
省6
44: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/02/08(金)20:23 ID:guAYLSu10(10/12) AAS
男(受付の列が進んでいく。あともう少しで俺たちの番になりそうだ)

女友「……。……。……」

男(と、女友が前を見ながら、顎に手を当てて何やら考え込んでいる)

女友「ところで姉御さん。伝説の傭兵は二十年ほど前に少年の歳で戦場に出たって言ってましたよね?」

姉御「ああ、そうだよ」
省7
45: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/02/08(金)20:24 ID:guAYLSu10(11/12) AAS
受付「ステータス開示ありがとうございます。記入させてもらいますね。職は竜闘士で名前は傭兵…………」

受付「……えっ!? まさかあなたは……っ!?」

男(淡々と処理していた係の女性が驚愕する)

男(その声に釣られて周囲の人々もその存在に気づき――この町でもその存在は有名なようだ――口々と声が上がる)
省5
46: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/02/08(金)20:24 ID:guAYLSu10(12/12) AAS
続く。

もちろん楽勝には行きません。
47: 2019/02/09(土)08:13 ID:/fLh5pgjO携(1) AAS
乙!
48
(1): 2019/02/09(土)08:40 ID:xrRS90JH0(1) AAS

歴戦の勇士対女楽しそうだね
49: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/02/10(日)10:17 ID:oSr4/uuz0(1/15) AAS
乙、ありがとうございます。

>>48 最強対最強って感じ私も好き。

投下します。
50: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/02/10(日)10:17 ID:oSr4/uuz0(2/15) AAS
男「ったく……こんなことがあるんだな……」

男(騒動は嵐のように過ぎ去り、俺は独りごちる)

男(あの後伝説の傭兵は)

傭兵『問題がないなら受付を進めて欲しい』

男(と、騒ぎになっていることも構わず冷静だった)
省7
51: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/02/10(日)10:18 ID:oSr4/uuz0(3/15) AAS
男「女も受付にステータスを開示したんだろ? 竜闘士であること驚かれなかったか?」

女「ううん。その前に傭兵さんが現れたのがちょうど良かったみたい。淡々と処理されたよ」

男「感覚が麻痺していたのか」

男(その点は良かった、目立たないに越したことはない)

チャラ男「しっかし急転直下やな。伝説の傭兵が武闘大会に参加……楽勝ムードから一転、暗雲が立ちこめてきたやないか」
省6
52: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/02/10(日)10:19 ID:oSr4/uuz0(4/15) AAS
男「女はどうなんだ? 姿を見ただけで自分より強いか分かるものなのか?」

女「そういう見極めは無理だけど……予選や本戦で実際に戦う姿を見れば分かると思うよ」

女「幸いにも私の予選の数字が16で傭兵さんは3だったから、当たるとしたら優勝を賭けた本戦の決勝になるはずだし」

男「最後の最後に当たるのか……」

男(大会参加者は受付の時点で1〜16の数字が割り振られるらしい)
省8
53: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/02/10(日)10:19 ID:oSr4/uuz0(5/15) AAS
気弱「僕の数字は8でした。傭兵さんか姉御さんと当たるとしたら準決勝、女さんと当たるとしたら決勝です」

チャラ男「お、中々言うやないか。予選も突破して、伝説の傭兵相手にも勝つつもりなんやな」

気弱「い、一応の想定ですっ……!」

男(気弱がチャラ男におちょくられる)

男(しかし実際気弱はどれくらいの強さなのだろうか?)
省4
54: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/02/10(日)10:20 ID:oSr4/uuz0(6/15) AAS
男「というかどうして伝説の傭兵が武闘大会に参加するんだ? 消息が不明だったはずなんだろ?」

女友「消息不明の方は分かりませんが、武闘大会に出場する理由を予想するとしたら……優勝賞金目当てですかね?」

女「あ、すごい額だったよね」

女友「元々傭兵として戦場を渡り歩いていたのはお金を稼ぐためだと考えられます」

女友「理由は分かりませんが、あの人にはお金が必要なのでしょう」
省8
55: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/02/10(日)10:20 ID:oSr4/uuz0(7/15) AAS
チャラ男「まあまあ、そこらで真面目な話はええやろ! もうすっかり夕方や!」

チャラ男「どうや、再会を祝してパーっと飲みに行こうやないか!」

姉御「ったく、あんたはほとんど真面目な話してないと思うけど。提案自体は賛成だね」

気弱「僕も反対はありません」

女友「そうですね、積もる話もありますし」
省3
56: ◆YySYGxxFkU [saga] 2019/02/10(日)10:28 ID:oSr4/uuz0(8/15) AAS
チャラ男「ビールサンキューな、別嬪さん!」

店員「もう、別嬪だなんて!」

男(チャラ男が女性の店員からグラスを受け取りながら調子の良いことを言っている)

気弱「さっき違う女性店員にも同じこと言ってませんでしたか?」

チャラ男「何おう、女性っていうのは全員別嬪さんなんやで! それに褒め言葉が嬉しくない女性はいない!」
省8
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